発売日にこれだけの数レビュー投稿があるだけで神作に相応しい1冊。
雀さんの過去の別れのつらさが明らかになりますが、それを消し去る程の甘さと可愛さと2人の思い遣りが溢れてて最高に幸せを味わえます。
慶司が彼氏力の高いカッコイイ男ムーブしてるのと、雀さんの全部が見たくて体質的に合わないコンタクト付けて涙流してるカワイイ年下男ムーブしてるの、どんだけ沼らせる攻なの!!けしからん!!
雀さんは全てカワイイ!おまけに包容力もあるから慶司の小さな願いも蔑ろにしないし、仕事では頼れる上司だし、あなたの魅力も底なし沼なのね!!けしからん!!
『自分のやりたい事を叶えていく』から『慶司のやりたい事』『2人のやりたい事』を叶えていくって楽しみが増えてて、本当に心が温まる。
読み終わったら抱き締めて余韻に浸りたくなる作品でした。
柊(受)に好かれてると自覚あって、それに優越感を抱いてる菖悟(攻)。
菖悟は柊に踏み込んでこませず、かつ離れていかないようにする狡猾な男。
そんな中、幼馴染で年上の男と再会した柊の嬉しそうな顔にモヤモヤする菖悟。それから柊との時間が減っていき、柊の首元に小さな痣を見付けて幼馴染との関係を疑ってしまい詰め寄って喧嘩になる。
柊との距離が離れてから、自分の気持ちに気付いたり、どれだけ狡くて酷いことをしてきたか自覚したり、挽回する為に一生懸命になる菖悟。
これだけを見ると傲慢クズ男なんだけど、根は素直で明るいワンコなんですよ。
付き合ってからの菖悟にはかなりキュンキュンします。
収録は表題作3本と短編リーマン1本。
待ちに待った恋人編!!
今回は新人くんと、和泉のお兄さんが登場。
スーパールーキーが入社してきた事で、和泉の苦悩と千堂のヤキモチが燻ってます。
更にお兄さんが訪問してきて、和泉の過去が深堀りされますが……結構キツイ。
和泉の強さと明るさと前向きさで調和されているようだけど、子供の頃の親の存在や反応って本当に大きな影響を与えるから、和泉自身が気づいてないだけで深く傷付いてる。
そんな和泉を支えてくれる千堂の愛がデカイ。
真摯に向き合ってくれるし、実直で信頼できる千堂が、ヤキモチ焼いたり独占欲を見せたりするのも最高でした。
2人の絆が深まってて感動する。
ラストの旅行での甘々イチャイチャや、描き下ろしで幸せ成分を大量に補給できました。
睦己(受)の兄とルームシェアをしていたイチカ(攻)。
お兄さんが彼女と同棲する事になり、代わりにルームシェアする相手として睦己が引っ越してきたとこからスタート。
イチカは実家で飼ってた黒猫の保護したてで懐かない時みたいなイメージを睦己に抱く。
黒猫が怯えながら近付いてくる時の様な睦己に感動してて微笑ましい(笑)
ゆっくり打ち解けようとしていくなか、イチカは睦己が男とホテル街に行く所を目撃し、見なかったことにするべきと頭で理解しつつも声を掛けてしまい、「誰でもいいなら俺としてみる?」と一夜を共にする。(ここまで試し読みの範囲)
イチカが本当に美形でたまりません。
デートでも周りを気にすることなく振舞ってるし、1本筋の通った感じ。
そして真綿で包み込む様な執着が窺えるの最高です。
でも、睦己に対して遠回しに伝えたりせずに、しっかりはっきり気持ちを伝えてよってジレジレしながら読んでました。
睦己は懐かない猫と言っても気性が激しいとかでなく、距離感を測りかねてビクビクしてる感じ。
ゲイだという事をずっと悩んで怯えて過ごしてた。
そりゃイチカがあんな優しく受け入れてくれたら好きになるよね。
サラッと読める作品ですが、イチカを拝めて眼福です。
『虐げられた』真の『妖精の愛し子』が国を捨てるっていう『ざまぁ』の王道です。
追放聖女系ラノベが大好きな私にぶっ刺さりました(* 'ᵕ' )☆
主人公の双子の妹が妖精の愛し子『聖女』として持て囃され我儘で傲慢になり、親や周囲の人達も聖女が全てという状況。そんな中、主人公のシリル(受)は虐待され、それが当たり前になり過ぎて抵抗する事すらなかった。
ある日、妹に階段から突き落とされ前世の記憶を思い出した事により現状の異質さを自覚し、交流を絶っていた精霊達と共に家から……国から出ると決意する。
その道中に魔獣と戦っているルドヴィーク(攻)の一行と出会い……。
シリルが純粋で綺麗な心なんだけど、前世の記憶もあるから真っさらって訳でもなくて、しっかり人間だなって感じで現実味あって読みやすい。
ピュアッピュアすぎると「そんな人間おらんやろ」ってツッコミたくなるけどそんな事ないし、自己肯定感も低いのは低いけど、ウジウジしてる感じじゃないからイラッとしない。
ルドも早いうちから過保護で囲い込みはじめてるし、そりゃ惹かれない訳ないよね。
(欲を言うならルドのスパダリ感をもっと強く主張してくれても……って思うかな)
魔力切れの治療に体液を通して魔力補給とか、何それウマイ( *´艸`)な展開もありつつ、元祖国や元家族が危機に陥りシリルを取り戻しに来て断罪される様は正にざまぁです。両親へのざまぁは物足りなさあるけど、精霊が居なくなった国の行く末を考えれば……うん。