川琴先生のお仕事BLが大好きで、「新作はお仕事してない…?」と躊躇いつつも購入。読んで本当に良かったです!
旅の楽しさを味わいながら、一途な攻めの純愛に浸れるロマンチックなお話でした。
本能寺の変(1582年!)で明智方の呪術師から「不老不死」の呪いを受けた遥。
呪いは運命の相手と結ばれれば解けるものの、運命の相手は何度生まれ変わっても別の相手と結ばれてしまう。
今世でも運命の相手とうまくいかず、諦めまじりの遥は秘密を偶然知ってしまった灰嶋と500年間を振り返る旅に出ることに。
呪いを解く鍵を探すはずが、見つけたのは何度も生まれ変わっては遥をそばで支え続けた灰嶋の深い愛。今世の灰嶋からも想いを寄せられ、彼に好意を抱きながら、失うことを恐れて一歩が踏み出せない遥。
500年間ひとりで孤独に耐えてきた遥の心情がつらすぎます…
最後、未来でいっそうの孤独に襲われても、灰嶋と一緒にいられる今を諦めたくない。そんな遥の決意に胸がしめつけられました。
長すぎる孤独と苦しみを乗り越えてのハッピーエンドに、読後は多幸感でいっぱいでした。
前世の記憶を引き継げなくても、ひたすら遥を愛し支えてきた灰嶋目線の番外編が欲しいです!!!
ラノベのテンプレ”卒業パーティーでの断罪劇”から始まる物語です。
この作者の別作品でも断罪劇の裏側を描く物語がありましたが、本作も一筋縄ではいきませんでした。
BLゲームの主人公に転生したアルト。
元のゲームで断罪されるはずの悪役令息ジュリアンのかわりに、主人公の自分が断罪・流刑エンドを迎え、ゲーム攻略に失敗したところから始まる物語です。
罪人として流された辺境グローセベルクで、管理官フェリクスと出会い惹かれあう過程が描かれた上巻。
さらに、ジュリアンから残ったゲームのシナリオを教えられ、下巻でフェリクスとともに最後の試練を乗り越えます。
ここでハッピーエンドになるはずの物語はまだ終わりません。
なぜなら、この世界は「ゲーム」ではなく彼らにとって「現実世界」だから。
すべての出来事は決してシナリオの強制力ではなく、誰かの思惑や采配が起こしたもの。アルトとフェリクスの前にも、その現実が姿を現し、二人は決断を迫られることに。
二人の選択の切なさに涙しながら読み、ようやく幸せをつかむラストに安堵で胸がいっぱいになりました。(真面目一辺倒だったフェリクスにアルト至上主義への変化も見られて、安心な結末でした。)
どの登場人物も魅力的でしたが、何よりすべてを知りながらもがいてきたジュリアンの苦悩、絶望、それでも真実を打ち明けた勇気に何度も泣かされました…
転生主人公チート物や断罪からのザマァ物を期待する方には肩透かしかも知れませんが、よくあるテンプレ設定を使いながら一味違う物語に仕上がっており、とても面白く大好きな作品です。