オメガバースの皮をかぶった骨太のファンタジー。
隙間時間などではなく、どっしり腰を落ち着けて読みたい。
「皮をかぶった」などと書いたが、この作品の中でオメガバースは世界観やストーリーに濃密に絡み合っている。この世界だからこそ、レオンが、そしてジェラルドが輝くのである。
甘いだけの物語求める読者には不向きかもしれない。
どちらかというとハラハラする要素のある物語だ。
だが、ちりばめられた謎、サスペンス、それらが綺麗に解き明かされていく様を楽しみたい方には大いにお勧めする。
また細部まで書き込まれた、美麗すぎる表紙にも注目したい。
著者本人が書いているだけあり、美しいだけでなく、キャラクターに対する愛を隅々まで感じられる。
ちなみに中にもイラストがたくさんある。万歳。