BL作品として読みたいと思った時に欲しいものがたくさん詰まった作品でした。
蕩けるような愛の表現、くすぐったい恋心、こびりつく澱み、身を焼く苦しみ…、そして目に浮かぶ鮮やかな情景。
心情もとてもクリアに飛び込んでくるので、切なさや苦しさを共有する感じがあり、特に終盤の色々な痛みの表現に心が乱されました。
それでも時折クスッと笑える描写を挟まれているため、辛くなりすぎずに読むことができました。
バースに振り回される恋愛だけでなく、大きな愛情にたくさん触れるお話でした。
甘めのシーンも色々で、私は番外編の濃い甘さがとても好きでした。
可愛らしく、美しく、重さもあり、救いもある。
素敵な一冊です。