灰鷹さんの文章がもともと好きなのですが、その魅力はしっとりとした地の文にあると思っています。終始控えめなテンションで綴られているようで、かといって平坦でも無く、静かで秘めた熱を持つ展開にゆっくり手を引かれるような気持ちになります。今作もそうで、その魅力を堪能できました。素敵です!
オメガバース、巻き戻り、サスペンスという要素がある中で、胸の底が抉られるような痛みと共に、深いところからの救済ドラマがありました。読みながら何度か悶絶しました。「ええー!?」とか「うそー!?」とか言ってしまうので、人前では読まない方がいいと思います笑ゆっくりじっくり堪能する事をオススメします!
前半ではずっと「めちゃくちゃ苦しいなぁ」と思いながら読んでいました。二人だけの秘密を持ちながらも、淡々と積み重なる想いは苦しみがほとんど。
「うう、辛いなぁ」と言いながらもページを捲る手は止まりません。そこでだんだん疑問を持つんです。劇中劇が重すぎない?と。でも、読みなさいと何かに背中を押されるように読み進めました。それで最後まで読み進んで、「あああー!まじかー!?なんてこと…」と何度かひれ伏すことに。
全部に意味がある。
繋がりがすごく優しくて…深い!
人が人を理解する様が描かれているところが、本当にイイ。もう絶対読んだ方がいいです。
読後はとても幸せです。
そして、「のぞみくんの幸せ」を心から願いました。
大好きな事故つがい、続刊が出ると知ってからとても楽しみにしていました。
相変わらず感情が引っ張り上げられたり引き下げられたり、ものすごい力を持っていますね。エルフィーとともにアワアワしながら読みました。
一度困難を乗り越えた二人のつながりの強さが深く描かれ、その甘さと幸福に一緒に浸らせてもらったかと思えば、その繋がりを試されるように苦難が続く。そのまま運命に振り回されて疲弊していくかと思いきや、そこはやっぱりエルフィー。果敢に立ち向かって行ったり。健気で強い。それが素敵なんですよねえ。一巻に比べてクラウスの人間らしいところがたくさん出てくることもあって、本当に二人がそこにいるように感じました。
そして、ニコラやフェリクスがどうなるのかが一番の気掛かりでしたが、すごく納得のいく姿を知る事ができて良かったです。とくにフェリクス。大変でしたでしょうけれど、この結末は私も彼にとって一番いいんじゃないかなと思いました。勧善懲悪、でも、その中で悪側にもやや救いが残してある。この作品のそんな世界観が好きです。
軽やかで、説得力があって、ふっと込み上げる笑いもあって、大満足のお話でした。
帯の秀逸さも素敵ですね。
ドラマティックとしか言いようがないですもん。
登場人物全員がいつまでも幸せでいて欲しい。
いつまでも笑ってておくれ!
BL作品として読みたいと思った時に欲しいものがたくさん詰まった作品でした。
蕩けるような愛の表現、くすぐったい恋心、こびりつく澱み、身を焼く苦しみ…、そして目に浮かぶ鮮やかな情景。
心情もとてもクリアに飛び込んでくるので、切なさや苦しさを共有する感じがあり、特に終盤の色々な痛みの表現に心が乱されました。
それでも時折クスッと笑える描写を挟まれているため、辛くなりすぎずに読むことができました。
バースに振り回される恋愛だけでなく、大きな愛情にたくさん触れるお話でした。
甘めのシーンも色々で、私は番外編の濃い甘さがとても好きでした。
可愛らしく、美しく、重さもあり、救いもある。
素敵な一冊です。