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ゼロ距離の攻防が切ない

相変わらず冷たい態度で矢代さんに体の関係を迫る百目鬼。体を重ねる度に自分の抱える矛盾に苦しむ矢代さんが切ない。あることがきっかけで矢代さんの体の変化を知る百目鬼に矢代さんとの微かな関わりすら絶たれる命令が桜一家の綱川よりくだされる。ここで彼の心の内が語られる。「感情を押し殺してきたあの人が逃げないように」キスすれば舌で、首筋に回された腕の力で、手を握れば手の力で、そして言葉で問い続けて矢代さんの様子を五感を総動員して確認する百目鬼。体を重ねる描写がすべて美しい。BL作家ヨネダコウ先生の実力が余す所なく発揮されていて、本来であれば萌えるはずなのだか、読むうちに矢代さんの心のキズの深さを思い知らされて胸が締め付けられる。関係を終わらせないための2人の決断にかすかな希望とそう装わなければならない2人の想いが迫ってきて切なさで押しつぶさそうな複雑な感情が湧いてくる。
桜一家の抱える問題に2人の関係に暗雲が立ち込める。矢代さんが抱える矛盾をどう百目鬼が取り去るのか10巻へ期待が高まる。
読後あらためて表紙、カバーの下のイラスト、帯のモノローグを見てみる…紙のコミックを手にする喜びを感じた1冊でした。

切なすぎます…

矢代さんの心がもうぐらぐらでせつない。4年間の孤独でもうギリギリのところまで追いつめられていて、どうしようもなく百目鬼を求めているのは明らかなのにどうにもならない。以前とは違う百目鬼の振る舞いや女の影に翻弄される姿が痛々しい。でも、百目鬼の表情、言葉に矢代さんに対する思いが見え隠れしているのがほんとにもどかしい。9巻でどうにかお互いの気持ちが伝わらないかなぁ…