とにかく痛くて苦しい恋。
でも好きで、例え誰かを傷つけようとも、例え相手の心がこちらに向かなかろうとも、手に入れたい。
まさに堕ちる、という表現が適切な恋の話でした。恋の辛い部分を切り取ったような作品です。
別に誰も悪くない。受けが攻めの気持ちに応えられないのは当然悪いことではないし(発言は無神経ですが...)、攻めは多少卑怯な手を使って受けの体だけを手に入れましたが、正当な取引の末です。
でも、こうもままならない。
受けは好きな女の子のために体を差し出し、攻めは嫌そうな受けを抱きながら攻めの願いを叶える。
お互いに傷つけると同時に傷ついている。泥沼というか、誰も幸せにならないというか。
とにかく痛いほどの切なさが伝わってくる作品でした。
攻めの程よい腹黒さや弱さ、でも決して悪人ではないところに人間味を感じてしまって、余計生々しい痛みが伝わってきます。
物語としての終わり方が素晴らしくてあそこで締めてくれてよかった、と思う自分と、それはそれとして二人が両想いになった姿を見せてくれ、の気持ち…。
心が二つある…。
ヤンデレが溺愛される話はいいぞ!
包容力のある光の男×ヤンデレ。
料理に血を入れられても「気持ちは嬉しい」と言える攻め、いいですね。
攻めが受けの愛情表現を決して否定せず、かといって闇に引っ張られることもなく、ただまっすぐに愛情を注ぎ続けたからこそ受けを光の方へ引っ張れたのでしょう。
愛の重い受けがそのままの自分で幸せになれて、かつ考え方だけがどんどん健全になっていってよかったです。
闇の中で幸せになるのではなく、少しずつ陽が差していくような優しいハッピーエンドが素敵でした。
「精子を殺す」って表現も好きです。
あとシンプルに受けのビジュいいですね。髭は良い。
そして個人的に受けの元カレとその彼氏さんが気になります...!
元カレが受けにしたことは許されませんが、掘り下げれば魅力のありそうなこの男。しかも今メンヘラ(怒らせると怖い)と付き合ってるって...何があったのか気になるじゃないですか!
元カレの彼氏さんもさらっと出すには設定もキャラデザも良すぎるので、スピンオフとか出ませんかね?
BeLuck文庫の中ではダーク寄りの作品。
並べてみると表紙もタイトルも内容も異色です。
治安の悪い地域に出入りする友人や未成年飲酒のシーンが出るのも意外でした(もちろん悪い意味ではありません)。
孤高の攻め×攻めに憧れるワンコ受け。
誰も大切に思ったことのなかった攻めがどんどん受けに執着していく姿が良かったです…!
攻めへの好意全開な受けもかわいい!
攻めはまだまだ家族から逃られなさそうで心配ですが、受けとの将来図を支えになんとかふんばってほしい。幸せになってね!
この辺が解決しないのが変にリアルというか、高校生に出来ることってすごく少ないですよね。物理的にも精神的にも。
すごく心配になりますがならこれ以上どうしろと言われたら、どうしようもないのが現実なのかもしれません。
他のBeLuck文庫の作品が好きな人にも、今まで興味を持っていなかった人にもおすすめです。
表紙や帯からダークな作品をイメージしていましたが、ピュアな青春ものでした!
その上でそこはかとなく香る薄暗い雰囲気が好きです...!あまあま共依存もの。
受けを傍に置くために生徒会長にまで上りつめ、学校のアイドルを演じる攻め。しかし天然人たらしの受けには敵わず、振り回されてしまうのがかわいいです。
策士に見えて脇が甘いのが応援したくなってしまう。
受けは攻めの闇を包み込む光の男。グイグイ来る攻めに振り回されつつも、無自覚に行動が男前...!
そして俺がこいつを守ってやらなきゃ、と言いつつ実は自分も依存してた...という展開、大好物です。
文化祭でどちらかが女装するのではなく(それはそれでおいしいですが)、ダブル王子なのもいい!これ、BL設定で上演したということですよね?モブになって見に行きたい。
もっとこの二人を見守っていたい、と思うような内容でした。二人のバックグラウンドや幼少期も気になる...!