2000年発売、PCBLゲーム史上で最初に発売したアダルト作品という事で歴史資料的価値が高い。(PC版ボイスはなし。声ありはPS2移植版のみ)
それが2024年現在でもDL販売でリーズナブルに買えるのだから大変ありがたい。もちろん現行のOS(win11)でも問題なく動作する。
システム的には、オート機能なし、既読スキップなし、バックログなし、強制フルスクリーンとやり難いことこの上ないのだが、そこを乗り越えれば古い時代のノベルゲームとして楽しむことができた。
BLというよりギャルゲーのようなテイストあり。主人公一人称視点でかなり古臭い口語調は人を選ぶかもしれないが、そういうのを読みたくてやっているから全く問題なし。絵柄も今の流行りとはかけ離れているけど、それはそれ。背景とも統一感があって彩度の低い可愛い絵柄が綺麗にまとまっていると思った。個人的に全く萌えるカップリングやエロのシチュエーションが無いのは問題だが、読み物として続きが気になる面白い話でした。
総当たり総リバゲーというだけで確かな価値がここにはある。
特殊な世界観や設定は何もない、ただの現代人4人によるルームシェア生活と恋愛&エロを丁寧に描いた良作。主人公は存在せず4人のそれぞれの視点から見た話が均等にある。A×BとB×Aでは話の流れやエロの内容が違うし、しかもそれぞれをA視点、B視点から読むことができるのでテキスト量は膨大。キャラクターが立っているので多彩な恋愛とエロを味わうことができてすごく満足度が高かった。
キャストも上手い人ばかりだし絵も(2024年から見ると少し古臭くはあるけど)綺麗でやりやすいと思う。特段の盛り上がりはないけれど地味に楽しい作品。
・和姦、イチャラブがほとんどだけどギスギスしたのも無いわけじゃない
・パチスロ用語集あり
・後半、スイッチが入ると怒涛のエロ(←思ってたより多い!)
・同軸リバや3P以上は無し(欲しかった!!!!)
ただし、人を選ぶ内容だと思う。エロは男性向けっぽさを意識して作られ、擬音が多めで汁っぽい。なおかつ、単純な鬼畜、陵辱、無理やりでもないんだけど、恋愛関係のラブラブエッチではないのがもどかしいかも。あと攻略対象半分がゴツいおっさん。
私はエロに関しては好み直球ではなかったが、周回を重ねてキャラを攻略していくうちに徐々に明らかになる物語の全貌を追っていくのに夢中になった。重くハードな話だが、テキスト自体は非常に読みやすく出来ているのも凄い。主人公の一人称視点というある意味叙述トリックを使っているのが上手いのだ。
現実的なようでものすごく怖い世界観ではあるけれど、怖いが故に魅力的。続編やスピンオフをもっと作って欲しい(Room No.9があるけど)。
2024年現在、定期的にDL版セールをして安くなっている。是非猛暑にやって欲しい名作。