一筋縄ではいかない、宏との同居生活。
どん底の人生を安易に救わないまま物語は進んでいき。
詐欺まがいの商売で、自分たちも騙されてお金を失うという、回り回って…
なんかもうすごかったです。薔薇色の人生のような甘々な部分はほぼなく、宏高の本能の強さに目を奪われました。残りの数ページでまた怒涛の展開で、これはハッピーエンドになるの?と思いながら読み進め。この数ページに、ただひたすら山村の人間としての甘さや狡さと、それが考えることを放棄してきた姿で、心を入れ替えると言われても信じるに値しないと言われ。切ない。
ラスト1ページ、救われました。ほっとした。最後何回も読み返してしまいました。
下巻では上巻で描かれていなかった、付き合う過程の条件など、細かい部分が明らかになります。
どうしても過去に囚われてしまうトワ先輩。
家事の焼け跡、家のあった土地を見にいくエピソード、あくまでもカラッと明るい小萱と、そこから考え込んでしまう先輩の対比も、読んでいて納得してしまいました。よくあるパターンだと先輩が思うような展開になるよな、でもそうならないところが小萱のすごいところで、そんな強い過去を振り返らない小萱にいつか捨てられる(前回と同じように)と不安になるのも仕方ないような。
それでも最後まで器の大きな小萱が可愛くて繊細で優しい先輩と幸せに過ごしていく様、二人が一緒にいられる未来が明るくてよかったです。
とにかく大変官能的です。
枯れたおじさんが二人の外国人によって性の欲望を覚えていく様はなんとも薄暗く仄暗く、気になってページをめくるのが止まらず、ラストがどうなるのか気になり一気に読んでしまいました。
タイトルの続編が、またラストの回収が見事で。恋愛や性行為すら無駄で自分には不必要と思っている兎河が最終的に受けにはまってしまうところ、受けが愛ではなく性欲のために愛を囁き、囁く愛は嘘をつくもので。本当に大人向けの作品です。
官能的な単語は使われてなく(単なる部位)でこんなに官能的になるところに、感心してしまいました。
最後のお話はダンが幸せになってくれて良かったなと。受けは自業自得なのですが、亀頭にイレズミはインパクト大きかったです。
面白くて何回も読み返しています。