人間味あふれる大正ロマン調教物
繊細な内面を傲慢さで隠し、男を手玉にとることで、自分自身を保ってる和貴(受け)と、冷静にみえて必死に和貴を手に入れようとしてる深沢(攻め)の人間味あふれる調教物でした。
はじめて、深沢に執着し、好きという自分自身の感情に気付けないまま、自分で自分を追い込んでいく面倒くさい(褒めてる)和貴。追い込まれた和貴を更に追い込み、自分のことを好きだと認識させていく深沢。
本来、繊細で自分を追い込むか、逃げ出すかの行動をする和貴だからこそ、手を伸ばし追い込んで、手を離さない深沢と結ばれたのだと納得してしまう一冊。
和貴の矛盾した行動や、複雑な内面が人間味あふれていて、どこか共感をおぼえるため、置いていかれることなく最後まで読み進めることが出来ます。
そして、攻めが覚悟を決めすぎている。
「調教」がテーマなだけあって、行為のシーンは濃いですが、物語の重厚感とマッチしていて、違和感はなし。そちらの満足感もばっちりです。
すごく耽美なのに、読みやすい。
おすすめです。