小説家サイトー(斎藤省吾)×新人ホストのタカヤの物語。
深く堕ちた暗闇に差し込む一筋の光。もがいてももがいても決して消えることのない攻めの過去。
その家から離れられない理由とは…………
今や亡き人物の過去に怒りと不快感を覚えます。くっきりうつってるわけではないけど苦手な方は苦手かも。どうしてその道を選ばざる得なかったか……そういうことかと……救いきれなかった後悔の念。
夜明け前にサイトーが足を向けた先に……いたのは……
救済BL作品、といえば今や王道と思われがちですが、かなり、タカヤの存在と言動に心動かされました。そして涙無しには読めなかったです。
登場人物は多め。受けの職業がホストということで職場の先輩ホストにお客様である姫がリアルに描かれていてそこもまた注目して欲しいところ。
ノノノ先生が描くキャラクターの瞳は本当に吸い込まれてしまいそうで。景色もひとつひとつ凝ってらっしゃいます。作中に時たまフッと気を抜いて小笑いできるセリフあり。その絶妙さがたまりません。
連載から追っていた作品でしたが改めて単行本になると嬉しいものです。紙をめくる楽しみはいつまでも持っていたい。