二ヶ月続けての狐兄弟の物語に狂気乱舞しています。
今回は嫡男の一郎丸の恋バナでした。なんと一郎丸の年齢は三歳です。見かけは十歳くらいですが。お相手は驚きの砂漠の国の王子様。こちらも年齢はたぶん十歳より少し下ぐらい。
小さな恋のメロディっていう大昔の映画のような内容かと思ったら、お家騒動とか異国の豹神とか、いろいろ盛りだくさんでした。
一郎丸は子供だけど実に沈着冷静で、さすがは次の妖弧の長と思わせてくれました。
初恋の相手のために頑張っている姿は、もう感涙。
でも、一番、萌えたのは、冒険を終えて初恋の子のために我慢して身を引いて家に帰ってきたとき。お母さんの顔を見たら、実年齢の三歳に戻って大泣きしているのが何とも可愛くて。
でも、ちゃんと初恋の子と結ばれました。
楽しませてもらいました。
もう、ずっと読みたかった同人誌。ようやく手に入れました。
それも長いのが四つと短いのが二つ。満足です。
最初の話を読んだときは、主人公のシロが天然で、両親の話よりもほんわかで、重い関係じゃないし、気楽に読めるなって思ってたんですね。
二話めも家族(特に兄ちゃんトリオ)に認められるための試練を、仲良く二人で頑張ってるねえと。けれど最後にはシロを人間にするということに、おぉっと甘いだけの話じゃないんだと。
そして三話めで、前の同人誌に出ていた蛇さんがここで登場なのかとびっくり。しかもうまく話がかみあって、死の試練も乗り越える仲になったんだな。
ラストの四話めで、これまでの三つの話に出ていた小さな謎が一気に解決して、実は清明とシロは両親よりももっと前に因縁があったことで、目から鱗。
ああ、アマアマだけで終わらない深い話に、もう大満足です。
本当に、読めてよかった。
ファンになったのが遅く、同人誌のほとんどが完売して読めなかったものが三編、おまけまで入って、とうとう読むことができ感無量です。コミコミさんでも発売するようですが、まだ通販の開始案内がなく、直接通販して手に入れました。
一遍目の三郎丸の恋
これはなんと仙化恋情で一郎丸ができちゃった九重丸と斎の間に他にも子供ができて、その三男坊が主役の話。
三郎丸は花の17歳。悩み多きお年頃で、自分は何のために存在してるのかって哲学的に苦悩しちゃったりしてるんです。で、自分探しの旅に中国へ。何故、中国かというと、大叔母さんが中国妖弧の長で、三郎丸はそこの跡取りに決まっているから。そしてそこで神様の一人である超焔と出会って……という話なんですが、面白い。それにウブでブラコンでマザコンの三郎丸が本当にキュート。はるかに年上の超焔という悪い大人にいいようにされちゃって。最高でした。
二編目の鬼の棲む杜
これは時間的には千年恋舞の10年前の話。斎の両親がどうなったか、仙化恋情で出てきた魔とのいきさつなんかがわかる二つの話をつなぐ物語でした。
主役は綱吉と雫という霊能力者の二人なんですが、この二人の主従関係とそれぞれが持つ業の切なさが胸にきます。しかも最初のちょっとした事件がみごとに最後まで繋がっていくんです。すごいストリーテラー。
三編目の月の原の大茶会
これは仙化恋情の三年後の話です。斎が成長して子育てに盟主の仕事にと頑張ってます。妖怪もわさわさでてくるし。けれどなんといっても、子狐たちの可愛さが。モフモフに堪能です。
おまけに五木の次の転生の話もあって、本当に大満足の一冊でした。
読んで思ったこと、三郎丸の恋の前の話の狐の嫁入りが、どうしても読みたいです。
是非とも、再版、希望します。
かなり前に出版されてたのを最近、上巻と一緒に読みました。
どうしてこの小説をもっと前に読んでなかったのか、後悔しました。
BLですが、すぐれた海外ミステリー小説でした。
推理の部分は二転三転して、予想もできませんでした。
けれど推理の部分よりも深いのはケインとマッコイが深く結びついていく課程です。
最後の方にケインは大切な家族を失うんですが、そのときのケインの哀しみと苦しみは胸が痛くなります。そしてそんなケインに安易な慰めでなく必要なものを自分の心に反して与えたマッコイ。
そして胸が張り裂けそうなラスト。ケインのために自由に行かせたマッコイの愛の深さにただ涙でした。
そして本当の最後にケインはマッコイの元に戻るんです。
本当に堪能しました。
自分も好きだと言いたい。ずっと前から好きだったと。
けれど晶は目を瞑って口を引き結んだ。
ガーディアンのサイドストーリーになる同人誌ですけど、あの明るいアルバスと真面目な晶の間にこんな切ない関係があったなんて、本編からは想像もできませんでした。
とくに晶は自分の秘密のためにアルバスに応えられないんです。そして上の文のように本当の気持ちを告げないんですね。かなり過酷な状況で、どうなるかとハラハラドキドキでした。そこに救いの手を入れたのが本編のカップル。そして最後はものすごくアマアマなラスト。堪能しました。
私は通販で手に入れたんですが、コミコミでも売ってるそうなので、ガーディアンが好きな人は是非、読んで欲しいです。
妻は悪役だけど彼女のような人間はどこにでもいる。堂野は信じられないくらい優しい人間だが、情熱的な愛情を持てる人間ではない。女がものたりなさを感じるくらい。だから妻が浮気をしたのもわからないではない。それが殺人事件にまでなってしまったのは運が悪いと言う彼女の言葉もわかる。私が嫌いなのは妻の浮気相手ぐらいだ。ただ堂野の優しさを受ける資格はない女だろうが。といって圭が受ける資格があるかというと、前作の檻の中のことを考えるとちょっと。ただ圭が堂野の優しさを誰よりも必要としているのだとはわかる。そして最後、圭が死ぬところは、悲しいというよりこれでよかったという堂野の言葉に賛同する。圭は堂野を失っては生きていけないだろうから。予定調和という言葉が最後に浮かんだ。
この作家さんにはまって本を探しているうちに行き当たったものです。続きの本も面白かったのでそのうちレビューさせていただきますが、まずありきたりの設定でなかったのが、最高でした。輪廻転生した斎が、前世を思い出す課程で、自分の自我を引き裂かれて苦しむシーンが何とも壮絶で。過去の残酷なシーンよりも胸を打ちました。自分は誰だと問いかけながら、結局愛しいものが誰かを見つけたときに、斎に集約していくところが、胸を打ちます。
また、九重丸は千年も生きているせいか見かけはどうでも、中身はエロオヤジ、いやエロキツネのところも萌えツボです。しかも麗しい平安衣装が雅できらびやか。
廃刊で古本でしか手に入りませんが(電子配信はされてるようですけど)、読んで損はない話でした。