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ヘタレリーマンに直球アプローチ。「押せ押せ!」とスパダリ受けを全力応援

仕事で体力をすっかり削られ、とぼとぼと帰りに寄った本屋で、
手に取ったこちら。

表紙から伝わる二人の関係性が良い…!(*´∀`*)
杉浦くんの上目遣いと、映らぬ攻めの顔から流れる汗。

裏表紙のイラストも可愛いんです。
バス停の陰からひょこっと嬉しそうに
攻めを見つめる杉浦くん。

そんな一冊に癒されたくて購入、
早速拝読しました。

まず。

私が一番好きなのは、脇キャラの杉浦弟・宏樹(ひろき)だわー…!

あんな完璧なお兄ちゃんがいたらかなり捻くれちゃったりしそうなのに、
口では憎まれ口もたたきつつ、ちゃんと兄の実力やら何やらを認めていて、
その些細な変化にも気づくし、心配もしてるんですよね。

ここぞ!という時に登場して、がっつり存在感を残していく姿に
惚れました//


そしてメインの、ヘタレリーマン攻め・辻さん×スパダリ高校生・杉浦くんの恋。

本当に”あっ”という間に本気の恋に落ち、
計算してスムーズに告白するつもりがぽろっと言葉が滑り落ち、
何もかもいつものように”完璧”にはいかず、
あれ?あれ?となってる杉浦くんが愛おしかったです・:*+.

攻め・辻さんは登場・出会い時のバスの中のエピソードが
頂点で、それ以降は割とずーーーーっと”カッコ悪い”!笑

最初から最後まで一貫してカッコいい杉浦くんとは
対照的なんですが、
”大人”としてのブレーキがかかるのも、
そりゃ立場上そうなるよなあ…、と共感できるし、
そんな実直さ、誠実さが辻さんの魅力でもあるんですよね。

なんだかいつも格好つかない、
カッコ悪い辻さんのカッコ悪さ、愛おしかったです(*´艸`)

一山乗り越え、思いを伝え合った二人の交際は始まったばかり。

これからも色んな障害はあるだろうけど、
日和る辻さんを杉浦くんが叱咤激励しながら(笑)、
たくさん幸せな思い出を積み重ねていってほしいです☺︎

欲を言えば。

二人の初夜、見たかったなあーー…!
その後の二人のお付き合いの様子、もっともっと見てみたいです…!(切望)

疲れた体と心に、優しく楽しく沁みる素敵な一冊でした✨

★修正:なし(描写なし)紙本

英田サキ先生追悼特集号。読み応えたっっっぷり、満足度MAXの一冊

BL小説雑誌、最後の生き残りであるキャラさん。
少しでも応援したくて、毎号買ってます…!

今号は英田サキ先生追悼特集。

実はまだ漫画でしか(しかも途中まで)ディック&ユウトの物語を知らない自分、、

サキ先生のその他のシリーズについても、各作品のイラストレーターさんが
コメントを寄せていらして、”読みたい!!!”欲がむくむくと…
元教え子×教師の「恋ひめやも」がとても気になったのでDEAD LOCKと共に購入しました。
(キャラ紹介、ストーリー紹介、ありがたいです…!)

今号の自分のお目当ては、大好きな釘宮つかさ先生の読み切りと、
松岡なつき先生の『FLESH &BLOOD』番外編、そして
海野幸先生の新刊番外編。
どれも最高に良かったーーーー✨

あっ。以前読んだ西野花先生『天上界を追放されても』のワンシーン、
コミカライズされていたものもすごく良くて、本編を読み返したくなりました◎

以下、目当てだったもの、印象に残ったものの感想を。
==============

◆おしのび王子の政略婚までの7日間(釘宮つかさ先生)

巻頭カラーは、大好きな釘宮先生の読み切りファンタジー。
ロマンチックで甘いお話にうっとりでした(*´˘`*)♡

獣人第二王子フィル×隣国の第17王子・ルシュカ。
世間知らずではあるけれど、懸命に苗のことを研究する健気な末王子、
長髪のルシュカが可愛かったー…!

フィルがルシュカに惚れ込んでいく様、紡がれる甘い愛の言葉にも
たまらなく萌えるお話でした✨

◆天才詩人は21世紀の夢を見る(『FLESH &BLOOD』番外篇)(松岡なつき先生)

ナイジェルに恋する、キット視点の番外編〜!カイトと一緒に屋敷の掃除をしながら、
「まったく別の世界」に迷い込むとはどんな気分なのか、
今いる世界とカイトが来た世界は何がどう違っているのか、
好奇心旺盛なキットがカイトから話を聞くー

というお話。

重要なのは「どこに辿り着くか」ではなく、「誰と共に生きるか」。

全てを捨てて(カズヤ…!涙)ジェフリーと共に生きることを選んだ
カイトのその言葉の重み、噛み締めました。

もう、6月27日発売の25巻(すごい巻数ですよね…!)が
今から待ちきれません。読みたい…!!

◆New chapter(DEADLOCK番外編)※漫画です

ディックが買い集めているバイク雑誌が日に日に増え、
彼がバイクを欲しがっていることを知ったユウト。
愛する恋人の願いを叶えたい、とこっそりキースに相談すると…というお話。

新たな家で始まる”第三章”、小説を読んでいない自分でも
ドキドキ胸高鳴ります。

あとユウティが可愛い!!!!
犬好きとしては、犬が出てくるならば絶対読まなきゃ!ということで
DEADLOCK1巻、電子で購入しました。読むぞーーー…!

◆みんなで市場調査(「社長、新人教育してください!」発売記念SP番外編)海野幸先生

つい先日、シリーズ第三弾が発売された上司(社長)×部下お仕事BLの番外編!
読む前からわくわくでした✨
「新人教育〜」に登場し、なかなかに社内を引っ掻き回してくれた(笑)
中途入社の社員・難波もちゃんと登場しています。
難波と共に、日々市場調査のためコワーキングスペースに繰り出す重治。
そんな重治の様子を見て、「俺とは一緒に帰ってもくれないのに」といじける
若き社長(24歳!)、久瀬がかっわいいー…!可愛すぎて悶絶でした(*´∀`*)

この番外編を読み、またもう一度新刊を読み返したくなりました。

◆東京ディストピア(犬飼のの先生)

うわあああ〜…!面白くて大興奮しました。
のの先生のこちらは、学園×近未来もの。
ハードボイルドなシーン、一部グロ系シーンもあり。

遺伝子操作されて生まれた”アーティフィシャル”と、
自然な妊娠出産を経て誕生した人間”ナチュラル”とが共存し、
アーティフィシャルが圧倒的多数のナチュラルを支配する世界。

アーティフィシャル3世×ナチュラル、
褐色肌でどこか天然、溺愛っぷりを見せる攻めが最高に魅力的だった…

当初は受けのことを女性だと思い込んでいて、告白時、ごく自然に「愛人に」なんて
言っちゃうところも含めて「どうなんだ…?この攻め」と思っていたのですが。
1話読み切ってみれば(続きものですよね…!?)、天然気味なところも含めて
憎めない、なんとも惹きつけられるキャラ。

そしてタダでは転ばない男前美人、マオ(受け)もカッコいい!
これから物語がどう展開していくのか、楽しみすぎます◎

interlude 同人 コミック

麻生ミツ晃 

二人のバイクデート、SAでの光のひととき

麻生ミツ晃先生「世界でいちばん遠い恋」2冊目の番外編同人誌となる
こちら。
春庭(J庭57)頒布のものですが、現地でお迎えできず、
やっとやっと通販で届いたものを読むことができました…!

グッズ大好きなので別売の二人のミニキャラ、
”バイクデート”アクスタも購入したのですが。
可愛すぎてもう、ダンボールを開けた時から興奮冷めやりません。。
こちらの同人誌の内容ともリンクしていて最高です✨
いっぱい色んなところに連れて行って、一緒にお出かけしたいヾ(*´∀`*)ノ

こちらの同人誌、本編2巻の幕間のお話となっています。
二人の海へのバイクデート。途中で寄ったSAでのひととき、その様子が
描かれています。

序盤、五十鈴のヘルメットを取ってあげながら、
「疲れてないか?」と声をかける十嘉の、さりげない優しさからもう
どきっ..

笑顔で頷き、「(疲れてないけど)でも興奮っていうか 胸がドキドキしてる」
とスマホに打ち込む五十鈴、わくわくしている様子が可愛くて//

SAオリジナルのパンを見つけた五十鈴がそれを
十嘉に教えると、十嘉は

「なんか食う?半分こしたら色々食えるんじゃねぇ」と提案。

五十鈴が「こういう所って 全部おいしそうに見えるよね」と返すと、

「や 五十鈴楽しそうだから」と言いながら、ちょっと目線上から
優しく微笑む十嘉...(尊すぎて私、昇天)

その後、セリフのないコマ、ページが5Pほど続くのですが、
この5Pがもう最高に良くて…!!!!

パンを半分こして食べ、一つのソフトクリームをシェアし
(ぺろっと舌を出してる十嘉、可愛すぎる)

”あっち行こ”と言うように十嘉の服の裾を引っ張る五十鈴、
二人目を合わせてにっこり、からのはしゃぎ笑い...

音の表現も何も描き込まれていないのですが、
SAデートを心から楽しむ二人の笑い声や周囲の音、ざわめきなどが
頭の中にぶわあっ…!と再生される感じ。

セリフはなくとも、熟読してしまいます。

スマホに「ここで一日デートできるのも分かr」と
入力しながら歩いていた五十鈴。
と、そこへ横から、クラクションを鳴らした車がー…!

すんでのところで、十嘉がぐっと五十鈴の腕をつかみ、
引き戻して自分の方へと抱き寄せます。

ここも無音なんですが、映画のワンシーンのように鮮やかに
そのシーンが浮かび上がる...

"ありがとう ごめんねぼーっとして”
と打ち込んだ五十鈴に十嘉が返した

「ん?ん オレこそ…悪い 車多い場所なのに気づかなかった」

という言葉。

優しい言葉に頬を赤く染め、
”十嘉くんの 強引な優しさはいつものことで”
”フワフワしてワクワクして””足が地面から少し浮いてるみたいに”感じる五十鈴。

胸が弾んで止まらない五十鈴のときめきが、
これでもか!と伝わってくる、光の内容に歓喜、歓喜でした・:*+.


そして巻末にもう一編。
こちらは『いち恋2』のアニメイト有償特典小冊子で描かれた
漫画の続き、とのこと。

イチャイチャした後、一緒にお風呂に入りたい、と十嘉が
わがままを言い(小冊子内容)、その湯上がり後のお話です。

五十鈴の肩をちょんちょんとつつき、
「浴衣もいっかい」と着付けを頼み、甘える十嘉。

そして着付けてくれる五十鈴を見つめ、
その頭に「ちぅ」とキスを…(!!!!!)

びっくりして顔を赤く染め、十嘉を見上げる五十鈴に
「や…だってそりゃ…」と言いながら自分もぽうっと赤くなる十嘉、
可愛すぎんか。大好きだー...!

奥付ページには、浴衣姿の二人、
座る五十鈴の髪をドライヤーで乾かしてあげる十嘉のイラストが。
二人が仲良しで嬉しい...(*´˘`*)♡

音やセリフのないコマからも、二人の喜びやわくわく、ドキドキ、
そんな気持ちが伝わってくる、素敵な素敵な番外編でした✨

★修正:なし(描写なし)紙同人誌

Sentinel Loverse 下 コミック

やん 

過去の傷ごと包み込んで…受けの包容力と強さに感涙の、センチネルバース完結巻

”風の街”シカゴが舞台のセンチネルバース、下巻も最高でした...・:*+.

アルバのトラウマを丸ごと受け止める受け・イツキの包容力が素晴らしかった。。
(攻めではなく、受けの包容力です!)

上巻は最高に興奮し、どきどきワクワクしながら拝読しましたが
こちらの下巻は、興奮というより胸打たれる描写が多く、
手に汗握って展開を見守りました。

センチネルバース、年上オヤジ(ガイド)×不憫受け(センチネル)、
絆され同士でバディもの。

センチネルを癒す「ガイド」は性行為で行われるのが一般的ですが、
特別なガイドである攻め・アルバは触れるだけでガイディングが行えるー

という設定の物語です。

上巻ラストにチラリと出てきた、アルバの心の傷、
トラウマとなっている過去の出来事。
顔から体にかけての大きな火傷の原因でもある
”炎のセンチネル戦士”とのストーリーは切なくて悲しくて、
読んでいて呼吸が速くなってしまうような、”ぐっ”と喉が詰まるような、
そんな思いでした...( ; ; )

”戦士”として国に管理され、利用されていることを十分分かっていた、
名前の出てこない”彼”。

アルバが今でも悔いている言動、
”自分の人生は自分で決められる”という言葉は
確かに「夢物語」ではあったかもしれないけれど、
悲しい結末になってしまったけれど、
その言葉は確かに”彼”の心を動かし、行動を変える力になっていたのだと思います。

イツキのことも”彼”同様に傷つけてしまうのではないかー

そう怯えるアルバをその傷ごと抱きしめ、
自分のバディになってくれ、と頼むイツキ。
上巻序盤の頃とは本当に別人のような彼の精神面の成長に(肉体も!)、
ただただ感無量でした。

二人でバディを組んで行った、大統領警護の仕事。
端っこで監視をするだけの任務だったはずが、
ピンチに陥る展開には「ああっ!!」と思わず声が出てしまった...

目覚めたアルバに縋りつき、泣きじゃくるイツキの姿に自分も涙( ; ; )
(首を撃たれて無事、なんてことあるの!?と驚きながらも、
とにかく無事でよかったよー…!)

生死を彷徨い意識を失っている間にアルバが再会した、”彼”。
その差し出された手を取らなかったことを、
”彼”は「それでいい」と言ってくれている気がします。

上巻では半ば無理やり、気持ちの伴わない形で
”ガイディング”として体を重ねた二人。

その二人が、下巻では心から互いを求め、
愛に溢れるセックスをしていることに感無量...

「ガイディングも、それとは関係ないセックスも大好きだ」と
思いを吐露しながら腰を揺らめかせるアルバ、
かっっっこ良かったーー…!!!

イツキの成長、アルバの辛い過去、
すれ違いを経て重なり合った二人の心。

全てのピースがダイレクトに心に響く、
読み応えのあるセンチネルバースで
これからまた折に触れて読み返したいな、と思う一冊でした✨

★修正:白抜き(真っ白です;)(電子シーモア)

事件とロマンスに満ちた第三弾!恋が変えた雨音の姿に感無量

神香うらら先生のこちらのシリーズも、第三弾!
同日発売の海野先生のお仕事ものも第三弾で、
同じ日に2冊の”第三弾”ものが楽しめるなんんて、嬉しい限りです☺︎

LAPD(ロサンゼルス警察)殺人課刑事、タフガイのワイアット×
女装癖あり&潔癖症、人嫌いのロマンス小説家・雨音というカプ。

二人のお付き合いも約一年半となり、
この恋が雨音に与えている影響と、雨音の変化を感じる
胸熱の一冊でした✨

なんといっても、あの接触恐怖症&潔癖症だった雨音が!!!
インフルエンザに感染してしまった愛しい恋人・ワイアットの
体の汗を拭き(❤︎)、看病を…!

そして、今回は女装もなし。
(2巻ではありましたっけ..?ちょっと記憶が曖昧;でも1巻では女装していた)

で、さらにさらに!
同居トライアルまで…!!! 歓喜です。

ワイアットとの安定した恋(ときめきは大)によって、
雨音がどんどんその世界を広げ、変わってゆく姿が頼もしく、
キラキラして見えました(*´˘`*)

恋のパワーって、すごい。
シンプルに、そう思います。

今回、恋愛面でさらにグッときたのが、
二人が初めて出会った時のことをワイアットが振り返り、
雨音に語るシーンです。

そんなふうに、一目で恋に落ちてたのね…!
と、きゅんが止まらず//
2度目に会ってしまった時に「運命だと思った」なんて、
熱いセリフに読みながら一人心の中で、「くーーーーっ!」と叫んでました。


そんなあまあま成分に癒されるのと同時に、
今回は雨音の作家としての新たな挑戦と、
ビバリーヒルズの富豪宅で起こる強盗傷害事件捜査というミステリ面、
この2つの面でも興奮、わくわくしきりでした。

作中、雨音が書き進めるミステリ小説が挟まるところ、
きっと神香先生、考えるの本当に大変だったと思うのですが、
面白かった〜!!

先生の「あとがき」の後に、その雨音のミステリ本の番外同人誌編が
ついてます( ̄∀ ̄)

シリーズ3冊目にして、”同居トライアル”にまで関係の進んだ二人。

もうこれは、”本格同棲編”シリーズ4作目に期待するしかない!!ヾ(*´∀`*)ノ
まだまだ続いてほしい大好きシリーズ、
続編も楽しみに楽しみに待っています!♡

胸熱、圧巻、快哉を叫んで力一杯拍手を送りたい…!そんなお仕事BL第三弾

海野先生の、大っっ好きなお仕事BLシリーズ第三弾!!

本当に、この発売日を楽しみに今月生きてきました。
期待の遥か上をゆく、圧巻の内容。最高オブ最高オブ最高です。

2巻が出た時、「これ以上ないぐらい最高!」と興奮しきりだったのですが、
今回それをひょいっと超えてくる素晴らしさでした・・

以下、興奮のままにレビューを書くため少々荒ぶります..


紆余曲折を経てくっついた、年下上司(社長)の久瀬×年上営業・重治、
10歳差カプの二人。
ついに同居生活を始めた二人、濡れ場自体は少ないながらも
そんな二人のあまーい生活が覗き見できる幸せ、溢れてました(*´˘`*)

今回は、事業拡大のため新規採用をかけた彼らの会社に、
なんとあの久瀬商事の元社員が応募してきて…

というところからお話が始まります。

優秀なエンジニアである彼、難波を引き入れることにとより、
社内メンバー全体の実力底上げを期待する久瀬ですが、
なにやら雲行きは怪しく…

周りの意見など意に介さずスタンドプレーしまくりな黒瀬に
周囲も手を焼き、社内全体の士気が目に見えて下がってきてしまう。
さらに久瀬が奮闘する新規事業の営業もうまくいかず、
八方塞がりの状態となった時、重治がある決意と共に動き出すー

と、ざっくりそんな展開のお話。


まず、ラブ面について少し。
こちらのシリーズ、本格お仕事ものとあって
情事描写等は最小限に抑えられていると思うのですが…

同居生活の中で、仕事に疲れ互いに弱みを見せる二人。
うまく他人に甘えられない重治にお手本を示すように
甘えてくれる久瀬の姿。

そして、難波の世話を焼く重治に難波が横恋慕するのではないかー
と嫉妬心を覗かせる久瀬…と、
たまらなく甘い気持ちにさせてくれる要素、しっかりきっかり、
ありましたー…!

なんとなく自分の中で久瀬は
”大型寡黙ハスキー犬”的立ち位置なのですが、
そんな彼が重治の前でだけお腹を見せてゴロゴロ…する(かのような)描写に
萌え転がりました。

10歳の歳の差をどこか気にしている重治だけれど、
実はその歳の差を気にしていたのは重治だけではなくて。

そりゃそうだよね、年上の恋人の前で、(自分は社長でもあるし)
カッコつけたくないわけがない!!

同居することで初めて見えた、互いの”隙”とでも言うべき
弱っている姿。
それすらも愛おしく、見せてくれたことに喜びを感じる二人の描写が胸熱でした...✨


そして、骨太なお仕事面。

今回のお話の中心となる中途社員・難波くん、
これがもう”圧倒的癖者”。
ただ、個人的には憎めなくて可愛くて仕方なかった…!(特にラストが)

この難波くん、最初はもう、本当にひどい態度で。

何を言ってもほぼ「はあ…」としか答えないし、
「電話をとってくださいね」と言えば
「絶対嫌です。俺はエンジニアとして採用されたんで」なんて返してくるし、

何もかも一人で勝手に進め、それを咎められると
「俺が一人でやった方が早いんで」と、対話も拒んで一人会議室にこもって作業。

人から何かを聞かれたり、教えを乞われれば
「ネットで調べれば載ってるじゃないですか」と冷淡な一言。


…いや、思い出しながら書き出してみましたけど、最悪だね!と
笑っちゃうw

そして周囲もほとほと手を焼き、困り果て、悩みに悩み抜いた末に
重治がひねり出した力技。

この手段については先に知るより本編を読んだ方が「くーーーーっ!」と
興奮&スッキリすること確実なため、詳しく書くことは控えますが…

その荒療治(?)の際、重治が難波に告げる
「わからないことがあったらネットで調べればいいじゃないですか。
マニュアルなんて探せば沢山ありますよ」

この、”これぞまさにブーメラン!”な返しには、思わずニヤリ(。-∀-)


で、そこから難波が気付かされる、いくつもの”仕事”の真髄。
物語終盤、重治に頭を下げながら(この変化、胸熱すぎる)
気付いたことを語る難波の姿に、自分も重治と共に快哉を叫びたくなりました。

マニュアルは確かに存在するけれど、そこから自分に必要な情報を探し
たどり着くのには膨大な時間がかかること。
(それが、難波の嫌う”非効率”に繋がるという皮肉)

そんな時、頼りになる人に相談することによって
5分で解決することがある。

今まで、質問してくる人に対し難波が冷淡に接したことによって、
相手にそういった”非効率で膨大な時間”を使わせてしまっていたことー

そしてまた、「人と相談する」なんて無駄!仕事は一人で進められる、と
豪語していた彼が、”チームで取り組む”ことの意義に気付き、言葉にする姿も
感動的でした。

他人と話し合い、相談し合い、意見を出し合うのは
時間もかかり、一見”無駄”で”非効率”に思えるかもしれないけれど、
決してそうではない。

自分が一週間かけても思い付かないようなアイデアを
対話の中から得ることができるー

荒療治で無茶振りとも思えるような仕事を振られた難波ですが、
嫌々ながらもきちんと取り組もうとし実際取り組んだそのガッツ、
素晴らしかったなあ。。

自分の過ちを認識して素直に謝ったり、態度をあらためたり
できるところも。

そして何より胸熱だったのが、重治の一貫した
「決して見捨てない」「世話を焼いて焼いて、焼きまくる」態度です。

久瀬兄・智也のように難波を「いらないパーツ」として
体よく放り出すのではなく、なんとか社に馴染ませ、
互いに心地よく働けるようにしようと文字通りお世話しまくる重治。

もーーーーそりゃ、「この会社には鳴沢さんがいるから」って
言われるわ!私だって好きになっちゃう!(久瀬さんごめんなさい)

”対・人”だからこそ難しく、
多くの人が嫌がるだろうし諦めるだろうことを
やり遂げてみせるしなやかさ、強さ。

そんな重治の足元にも及ばない自分だけれど、
彼の一貫した態度、考え方はお手本として自分の”核”にしたいー

そんな憧れを抱いてしまうような、胸熱すぎるシリーズ第三弾でしら。
第四弾も、正座して待ってます…!

Sentinel Loverse 上 コミック

やん 

舞台はシカゴ、ハードボイルドセンチネルバース開幕

いやーーーーーこれ、アメリカサスペンスドラマ、
ハードボイルド好きな方にはたまらないんじゃないでしょうか…!✨

自分は最初から最後までわくわくしっぱなし、
心揺さぶられっぱなしでした。
まるでアメリカドラマを観ているような高揚感…!

上巻→下巻まで読み、すごい!と興奮してまた上巻に戻って
2周してからの感想となります。

かなり昔ですが、夢中になって見ていた
アメリカドラマの”HEROES(ヒーローズ)”を思い出し、
胸が熱くなるお話でした。

センチネルバースで、バディもの(上巻ではまだバディになってません)。
そして、下巻で明かされる攻めのトラウマが
二人の関係性に大きく影響してきます。(上巻では触りのみ)

主人公はマフィアの下っ端役・イツキ(受)、19歳の青年。
彼は発達した五感と”風”を操る異能力を持っており、
その力を使って仲間達の逃走を手助けする係だった。

そんなある日、FBIの一斉摘発によって組織が壊滅し、
謎の男・アルバ(攻)に捕らわれてしまいます。

連れて行かれた政府組織で保護され、自分が”センチネル”という存在であると
教えられるイツキ。
そして五感が発達しすぎたセンチネルを癒すのが、”ガイド”である
アルバ達なのだと告げられます。

突然連れて来られたことに反発しながらも、
少しずつ距離を縮めていく二人はー

と物語が展開していきます。


この世界観では、センチネルを癒す方法は基本的に性行為のみ。
しかしアルバは”特別なガイド”で、触れるだけでセンチネルを癒すことができるー
という設定です。

「嫌だ」と言いながらも、アルバに体に触れられ、
扱かれて指を入れられて感じ、思考が蕩けていくイツキの姿、
官能的で可愛いー...!

あと、アクション好きとしてはイツキが”風”の力を使い
暴れるシーンにも大興奮。
ドラマや映画のワンシーンを見ているかのような、迫力ある描かれ方です。

そんなふうにエッチな描写もアクションシーンも最高に良いのですが、
何がいいって、イツキが施設に保護された自分の状況と
アルバを次第に受け入れ、心を開いていくその過程…!

これがすごく丁寧に描かれていて、
特に施設でイツキが初めてサンドイッチにむしゃぶりつき、
その美味しさに笑顔になる大コマは感動的だった…!!✨

五感が発達しすぎているため嗅覚も鋭く、
”臭い”と感じて今までろくなものを食べてこられなかったイツキ。

そんな彼が、アルバから差し出されたサンドイッチを
”臭くない”と感じ、空腹に耐えかねてそろそろ…と手を出し、
がぶっ。→→→”!!!!!”の表情が!!

イツキの興奮が手に取るように伝わってくるシーンでした。


逆に切なく、涙しそうになったのは、
偶然テレビで見かけた母親にどうしても一目会いたくなり会いに行くも…
というシーン。

自分は捨てられたのだーとあらためて認識し、
沈んでゆくイツキの姿に思わず涙が出ました( ; ; )


で!!

そこで終わらず、この時のアルバの態度がまた、
泣かせてくれるというか、二人の心が重なる瞬間にグッとくるというか…!

「泣くな」とイツキに囁き、彼を抱くアルバ。
そんなアルバも実は、過去の大きな大きなトラウマ・
喪失感を抱えて生きていてー

と、そのトラウマの内容がいよいよ明かされる…

というところで、下巻へと続きます。

身も心もアルバに預け、ワンコのように懐くイツキと、
突然態度を硬化させてしまったアルバ。
アルバの顔と体に大きく残る火傷の跡、その真実とは。

すでに下巻は一度読んでいますが、これからもう一度読み込むぞ!と
気合が入るし、結末まで知っていてもドキドキわくわくします。

”特殊能力持ち”のセンチネルと、特別なガイド。
そんな二人がの、躍動感あるハードボイルドな世界、
下巻ももう一度思いっきり楽しんでこようと思います…!・:*+.


★修正:白抜き(けっこう、真っ白です)(電子シーモア)

ちみっこ二人になごみつつ…ちょっと恋愛面の萌えどころは控えめだったかも

松幸かほ先生の新作は、エリート上司×部下、子連れもの。

攻めの腹黒さ…といったものはそれほどなく、
優しく甘くそれとなく囲い込んでいき、絆され、最後には陥落する受け…
といったお話でした。

あと、タイトルには”子育てシェア”とありますが
子育てスキルに長けているのは主に受けで(攻めは攻めで受けの見よう見まねなどして頑張りつつも)、
”シェア”感はそこまでなかった、かな…?

終盤、幸紘(受)が熱を出して倒れて…というところで
攻めが「もっと甘えていい」と諭し、
代わりに2人の子供たちの面倒を見る描写はあったので、
その終盤部分は確かにシェア子育てだったのかな?と思います。



一番萌えたのが、出てくる2人の子どもたちと、
その子供たちが絡む運動会やらお泊まりのエピソードです。

受けの連れ子(事故で亡くなった兄夫婦の子)で
ぽわわわん…&おっとりしている朋くん、
そして攻めの妹の子・卓哉(卓哉から見て攻めは叔父)、
二人のちびっこがなんとも言えないほのぼの感を醸し出してくれています(*´∀`*)

…ただ、肝心の攻め受け二人の恋愛面では、
個人的には萌え度はちょっと控えめだったかも。。?

恋愛に「なぜ?」「なんで?」とツっこむのは野暮だと
分かってはいるのですが;

萌えよりも、貴紀(攻)からの告白の唐突感や
受けが絆される過程がちょっと解せないなあ…というもやもやが最後まで残ってしまいました。

二人の恋愛プロセス、気持ちの動きがもう少しダイレクトに、手に取るように伝わってくればなあ…!と思ったり;

受け・幸紘は黙っているだけで”怒ってる”と誤解される顔。
そんな彼を一目見た時から貴紀は「好きな顔だな」と思っていて、
”人間関係に難あり”と記された前部長からの引き継ぎにより
警戒心を持ちながらも、そのイメージと違う幸紘の姿に惹かれていくー

と、そんな攻めの心境変化が貴紀自身の言葉によって
作中、語られています。

…これ、攻め視点でこの心情変化を
追ってみたかったー…!

作中での受け視点での貴紀の言動は、
先述したようにちょっと唐突感があるように感じられ
(特に幸紘への告白シーン)、もう少しじっくりと攻め受け双方の”絆され過程”を味わいたかったな…と思いました。

とはいえ。

人に頼ること、甘えることを知らない幸紘に対し
ストレートに、「甘えていいんだ」と告げる貴紀の年上スパダリみには、
グッとくるところが。✨

自分自身が幼い頃両親を失い、しばらく親戚の家をたらい回しにされていたー
という過去を持つ幸紘。

人に期待して頼ることはせず、割り切って1人で生きてきた彼が
頼りがいがあり、安心して心を預けられる相手にやっと巡り会えて、
本当に良かった…!

朋の祖父という人物が現れ、引き取りたいとの申し出が
あって悩みに悩み、倒れてしまう終盤は
どうなっちゃうの!?とハラハラ。

朋と引き離されたくない、
でも朋のためには祖父のもとに行かせた方がいいのかもー

と、冷静さを失ってしまった幸紘に対し
どっしり構えた貴紀が示してくれた策、態度が
安心感10,000%で、
個人的に大好きな”年上スパダリ”みを堪能できる場面でした・:*+.

欲を言えば、やっぱりくっついた”その後”の2人の生活、
安定してラブラブな様子も最後に見たかったなあ…

そしてやはり、2人がくっつくまでの好意の変化(特に攻め)を
よりダイレクトに感じたかったな、、

受けが仕事もきちんとこなし、
子供の運動会などでも活躍しちゃう”できる男”なところ。

そしていわゆる”健気受け”とは異なり、
最初は攻めに反感を持っているところ、
そこから変わってゆく関係性。

そういったキャラ設定や展開に
ドキドキわくわく感があり、プラス子どもたちの可愛さが印象深い一冊でした◎

思いがけず、泣いてしまった

弓月あや先生の新刊は、王道の不憫受け救済ストーリー。
タイトルの”人魚姫”という言葉と、
明神先生による優しいお姫様抱っこイラストがとても素敵..・:*+.

正直に言えば、ちょっと色々「ああっ、ここがもう少しあれば…!」とか、
地の文の書かれ方など、100%自分の好みとは合わないかな、と感じる部分はあり;

でも、それでも、
王道の年上スパダリの包み込み愛×不憫受けの救済ストーリーに涙し、
グッときて最後には満たされた気持ちになりました。
悲しいけれどちゃんと救いのある、素敵なお話だった...

天涯孤独となり、体も不自由になってしまう中学生(14歳!)の
主人公・温(はる、受)。
その境遇が辛くて、悲しくて、途中何度も涙を拭いました( ; ; )

以下、簡単なあらすじと感想を..


母親と一緒に買い物に出かけた帰り、事故に遭った温。
気づいた時には病院のベッドの上、声出せず何も話せず、
体を動かすこともできない…

母の容態を心配しながら入院&リハビリ生活が始まるのですが、
そんな時温のもとを訪ねてきてくれたのは、
母の勤務先工場の社長・寒河江 倭(さがえ やまと、攻)だったー

決して”がんばれ”とは言わず、不器用ながらもそっと見守る倭が
温の心の支えとなります。

そして退院の日が迫って来たある日、倭は天涯孤独となり、
行き場のなくなってしまった温のことを引き取りたいと申し出て来てー

と続きます。


母子家庭の温の、貧しくも温かな日常が一変する様。

事故後、言葉も発せず一人では起き上がったり水を飲むこともできず、
車椅子生活を余儀なくされ、ついには唯一の希望だった母の死を知らされるー


もう、こんな健気で良い子になんて仕打ち!
感情移入しすぎて涙が止まらず、ぐすぐす言いながら読み進めました。

序盤、辛い中でもきゅんとときめいたのは、
まだ何も喋れない状態の温と意思疎通するため、
倭が提案した”まばたき”によるコミュニケーションです。

まばたき1回が”ノー”、2回が”イエス”。

絶望感に打ちひしがれ、病院のスタッフに「頑張れ」と言われ続けることに
疲れてしまった温の目から溢れる涙を、倭がそっと優しく拭ってくれる...
(必死にもがいて頑張っている時に言われる「頑張れ」の一言ほど、
残酷な言葉ってないよね...と共感;)

「痛いのか?」と聞く、ぶっきらぼうながらも優しさを感じる一言と、
目で思いを伝える会話。

”目”の表現がとても印象的で心に刺さり、じーんとする場面でした。


ぶっきらぼうで表情も読めない倭だけれど、
入院中に自分と”まばたき”で会話してくれた彼の優しさを知る温は、
倭への思いを募らせていきます。

自分を引き取り、同居させて家の中を総合リフォーム、
専用のリハビリ室も作ってしまうスパダリ・倭。
表情の変化や言葉は乏しいかもしれないけれど、その言動から
温のことを「これでもか!」と慈しみ、労る気持ちが伝わってくるんですよね..


ただ、攻めの倭はただの思いやり溢れる”スパダリ”というわけではなく、
実は”自分のせいで温たち親子が事故に遭ってしまったー”という負い目を抱えている。

受け・温視点の物語のため、
倭の気持ちが直接的に語られる描写は少ないのですが…

倭の言動を見て語る温の目を通して、彼の感じている葛藤が
十分に伝わってきました。

そして後半、そんな倭の気持ちを見抜いた温が
倭に対してかけた言葉。

「あなたのせいじゃない」と言い切れる温の心のしなやかな強さ、
素晴らしいな、素敵だな...と思えました。

入院中からずっと、倭に救われてきた温だけれど、
温のかけた上記の言葉によって、倭もまた、おおいに救われたんじゃないかな。
(もちろん、悔いる気持ちは消えないとしても..)

大人×中学生、ということで、倭にちゃんと分別がありわきまえた大人で、
温を諭していたのも良かった。

倍近く年齢の違う二人。
そんな二人が体を重ねたのは、温が18歳になってから。

一途に倭のことを想い続けてきた温が囁く「抱いてください」という言葉、
それに応える倭の姿に、胸が熱くなりました。

尻尾と声を失い、大きな犠牲を払った末に
大切な王子に愛されることなく、海の泡となり消えてしまった人魚姫。

そんなおとぎ話の人魚姫とは異なり、
大怪我をして母を失いながらも、
愛する人と一緒になることができて、本当に良かったね...( ;ㅿ; )

年上溺愛スパダリに何よりも弱い自分のハートに刺さる、お話でした。

倭が引き取李育てている彼の妹・凛々花が出てくるパートも
ほのぼの可愛かったです。

ちょっと気になった…というか、辛く暗い気持ちになったのは、
同居生活が始まってから温の担当になった理学療法士・貝谷のエピソード。

だめな奴だったけれど、考えを改めたりするのかな、
何か変わっていくのかな、と個人的に思っていたので、、
救いのないあの展開はちょっと辛かった。。;
(彼のその後の顛末は完全に自業自得なんだけれども)

あと作中、
”事件のことがフィードバックしているらしい”
という一文があったのですが、これは”フラッシュバック”の間違いかな、と
思いました。

…と、色々書いてしまいましたが;

スパダリ×不備受け、王道ならでは!の良さとカタルシスがある
救済ストーリー、良かったです…(*´˘`*)(端的に!)

思いがけず泣いてしまいましたが、
読後は温かな気持ちに包まれ、満たされる一冊でした。

萌え転がってしまった…敵対流派の噺家同士、秘めた恋。

やーーーー、正反対のタイプの二人の恋に、萌え転がりました。。

年上スパダリ好きとしては、同シリーズの「頬にしたたる恋の雨」がより
好みではあるのですが、こちらの真吾×椿丸カプの
甘やかでくすぐったくなるような逢瀬、最高に萌えたー...

久我有加先生の未読の御本を少しずつ集め、拝読しています。
今日は午前中こちらの一冊を読み切ってから、寄席に行って来ました。

さすがに真吾や椿丸のような20代の方はいらっしゃいませんでしたが、、
それぞれの噺家さんの”味”をたっぷり楽しみ、小説で味わい、
実際に体で味わい、贅沢な一日となりました。

久我先生の落語家シリーズに出会わなかったら、
もしかしたら一生縁のなかったかもしれない寄席。
本当に先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

敵対流派(といっても、受け・椿丸の師匠が勝手にライバル心を抱いている
だけなのですが;)の二人。

陽気で華やかで艶やか、パッと高座を明るくする椿丸と、
地味で平凡なように見えながら、噺の技術はピカイチの真吾。

真吾が、初めて椿丸に引き合わされた瞬間から
頬を赤く染め、「あっ、これ一目惚れしたな」と
ところどころから分かるのがもう…!キュンです。。//
そしてそれに気づいていない椿丸の様子も楽しくて、
序盤からニヤニヤしっぱなしでした。

後半、視点が変わって攻め・真吾によって語られる
椿丸への激重溺愛感情もまた、最高に良き。

真吾のことが好きなあまり不安になり(真吾が他の人を見るなんてこと、
絶対にないのに〜!)、真吾を試すように拗ねる椿丸が可愛すぎて...(*´艸`)

エッチしない!なんて自分から言っておいて
本当は無理やりにでも襲ってほしかった…と頬を膨らませる椿丸の
いじらしさたるや。

そんな下手っぴな”駆け引き”をしてしまう椿丸ですが、
彼が本当に気持ちが良いほどカラっとしていて、陽気で、
愛おしくなっちゃう魅力的なキャラだった〜!
とても好きなタイプの受けでした。

特に印象的だったのが、真吾への気持ちを自覚した後、
良い仲だった芸妓・まめ貞のもとへ赴き、
正直に自分の気持ちを告げるエピソード。
隠すことなく全て曝け出す椿丸の潔さ、心地よかったー…!

あと、まめ貞さんが素敵キャラすぎました。✨
BLの中の女性キャラって、どうしてもノイズっぽく思ってしまったりするのですが;
今作のまめ貞さんの言動、その姿には憧れすら抱いてしまいました。

同シリーズの「頬にしたたる恋の雨」よりも前、
明治時代のお話で、「頬に〜」に出てくる栗梅亭真寿市の若き頃も
出て来て感慨深い。。
真吾よりよっぽど恋愛の機微に聡い様子にクスリとしました(*´∀`*)

そして主役二人の恋愛に加えて、グッときたのが
椿丸とその師匠の関係性。
すぐ拗ねて高座も放棄してしまうようなこともある師匠だけど、
椿丸が心から慕い、大切に思っていることが伝わって来て…

師匠の藤之助もまた、椿丸のことを実は大切に思っているし、
可愛がっていて甘えているんですよね(*´艸`)

真吾との逢瀬がバレ、椿丸の肩口を蹴り飛ばした後、
何も言わないけれど後悔した様子の師匠、
それをちゃんと分かっている椿丸。

二人の唯一無二の師弟関係、めんどくさそう…と思いながらも!笑、
じんわり沁みて、「良いなあ…」としみじみしました。

二人の恋が、互いの芸を高めていく様子。
そして体を重ねる時乱れる椿丸、その姿は自分しか知らないのだ…と
独占欲と満足感に浸る真吾。

そんな二人のお仕事面での開花と恋の様子に、
たまらなくときめく一冊でした・:*+.

久我有加先生。もう先生の新作を拝読することができないことは、
本当に寂しく辛く思いますが...( ; ; )

未読の御本はこれからじっくりと、既読のものは何度も反芻して、
ずっとずっと読んでいきます。

先生のご冥福を、心よりお祈りいたします。。