8編のお話が入った短編集。登場人物の性格がもれなく歪んでます…。
個人的には、表題作の『愛のポルターガイスト』と『エムのリビドー』がお気に入りです。
『愛のポルターガイスト』
幽霊が見える体質の高校生・成の初恋相手は、祖父にとりついていた美少年の幽霊・雅巳でした。そして祖父の死をきっかけに、雅巳は成に「一族に復讐をしてやる」といって悪戯を仕掛けてくるようになります。そんな雅巳の正体は、祖父の昔の恋人でした。
雅巳の病んでる感じがとても良いです。ふと見せる儚げな表情が色っぽい…!
そして最終的に自分の祖父と付き合っていた幽霊を恋人にしてしまう成の歪み具合も相当だと思います…。二人の歪な純愛が楽しめます。
『エムのリビドー』
束縛が激しく、すぐに恋人に暴力をふるう受け。顔面が傷だらけになって流血するまで殴るって…容赦ない…。
だけど、やっぱり二人は離れられないんですよね。こういう関係になってしまったら、もう普通には戻れないんだなぁとしみじみと感じてしまいました。
こういう束縛をするのって攻めの方が多いイメージだったので、完全に主導権を握っている受けに不覚にも萌えてしまいました…!意地悪そうな顔が良かったです。
幽霊、SM、擬人化など、非常に濃い一冊でした。
シビト先生の絵柄は独特で少し不気味な印象がありますが、今作は特にホラーテイストが強かったと思います。
少し歪んだ愛がお好きな方はぜひ!