”王子と小鳥 その後”の「…会いてぇなー…」の直後の場面と、別れてからそこに至るまでのハーリド殿下側のストーリーを、王子付きのハッサン視点で描いております。
血縁が絶対の国で皇太子に仕えることができなかったハッサンは、始め落胆していました。
しかし、血縁ではなく語学に優れているところを認められ選ばれたと知り、感動して一番の理解者としてハーリドに仕えてきました。
王子と小鳥でも出てきたトラックのエピソードがあるように、何も欲しがらないハーリドを誰が幸せにしてくれるのか、ハッサンはずっと見守ってきました。
そんなハーリドのたった一人の寵姫スズキとの再会のために、1か月前から影でいろいろ準備をしていきますが……
とにかく、再会の場面が最高です!
上手く説明できないですが、会えなかった時間がさらに思いを募らせたのでしょう。
何を求めても無駄だと諦めていたハーリドが恋をしたと知った時、ハッサンはせっかくの薔薇が無駄になってもとても満ち足りた涙を流すのです。
ほぼ内容を説明してるだけになってしまいましたが(まったく文才が無くてすいません(;_;)、とにかく王子と小鳥好きにはおススメだと言うことです!!
涙三滴とは、ハーリドとスズキ、そしてハッサンの三人の涙でした。
某立ち読みの出来る本屋さん(大好きです)で見つけて、ちょっと読んだだけで心鷲掴みされました。
開いてすぐにトーンをあまり使わない白黒の絵が苦手かなと思い、
律の登場ぐらいでコメディーかと興味が湧き、
諒一が発熱した頃からもう鷲掴みでした(^o^)
それぞれのキャラがとても素敵で孤独、そんなところに惹かれました。
諒一の印象は”ほっこり”
恋人に裏切られ、取り立て屋に追われ、安心していれる場所を蓮にもらいます。天然で信じやすくて惚れやすい(笑)、でも傷ついてきた分、蓮の孤独が分かります。
いい奴です。
蓮の印象は”狭い世界”
元やくざということでご近所付き合いもなく、訳あって外にも出れない。一見マイペースに見えて実は深い悲しみを抱えています。
「悪くないよ、こんな気持ちは………」蓮のこの一言に引き込まれたんだと思います。
悲劇を連想させる透綺も、諒一とのやり取りはどこかほっこりしますよ。
猫が可愛くないんですが、トーンを使わない作家さんに多いたまに絵が雑になるということもなく、シンプルで綺麗でした。
最後も皆さんが納得できるものだと思います。
槇えびしさん、今年くる予感。おススメです!!
本来であれば、ヤクザ物は避けてます。
痛かったり死にネタじゃないかと……。バットエンド嫌いです。
しかし今回は木原先生のサイン会につられ、あらすじも見ずに申し込んでしまった…。
色々あって(もう皆さんご存じだしょうから省略)バスで逃げるあたりから、急に緊張感が増しハラハラドキドキ。
初めて”美しいこと”でBLノベルズに出会った時のように、睡眠を削っても続きが気になり止まらなかった!!!
蔵に隠れた時点で警察呼べよっ!!と一人興奮してイライラしました。
木原先生に電話して教えてあげたかったくらい(笑)。
正直、最後の穏やかさに心底安堵しました。
(逆にみんな助かって良かったのに、物足りなさを感じるくらい。どっちじゃい(^^ゞ)
始まりは信二意地悪だし、路彦なんで懐いてんの?って不思議なくらいでした。上では信二死にかけたし…、本当に悲しい世界だな、ヤクザって、って。
でも、木原先生の力でどんどん読ませられました。
信二の「助けて」や「花嫁衣装」で事件性だけでなく、胸キュンもいっぱいでした。
久々に夢中になりました。
やはり木原音瀬さんは神。
はじめての愁堂れな作品でしたが一言でいうと、あっという間だった、です。
美しい外見とは裏腹に口の悪い冬城(さそい受)と見た目さえないけどいい奴の江夏(流され攻)の二人のやり取りはおもしろいです。元々ゲイの冬城が酔った勢いのさそい受けで展開は早い気もしますが、二人のキャラが魅力的で高階佑さんの絵もぴったり。終わり方も微妙な関係なのでぜひ続編がほしいです。
事件の解決ははっきり言って早いです。
プロローグから始まりエピローグで終わる近江・淳子そして高橋の関係はせつないです。本当に2時間サスペンスドラマで使えそうなストーリーなので、もっと丁寧に描いてほしかったかなという印象です。(とくに高橋! エピローグはバックに”聖母たちのララバイ”が聞こえてきそうです。…古いか)
とにかく早いです。本も薄い(笑)。
ちゃんとBL恋愛の部分はありますが、がっつり読みたい人には物足りないかも。疲れた時にさっくり読みたい方におススメです。
あとがきにも書いてありますが、普段はホラーを書かれているらしく、私も携帯のマンガで見て『昔雑誌で立ち読みした絵だ』ぐらいの気持ちで読んだら……ハマりました。
たまにすごく急いでるな、とか、ちょっと足りない、と感じる作品が多い中、エルとヒロの出会いから嫉妬からウジウジモジモジetc.まで、じっくり描かれてます。
小説を一冊読んだぐらいの満足感はありますよ。
少し人によっては『重そう…』みたいな印象があるかも知れませんが、今時のなんでもありのBLの中ではスパイスの一部だと思います。
それより、絶対恋愛要素、萌えのほうが多いです。
とくに男前のエルネストが嫉妬に燃えてくるあたりから可愛いです。