特に何もなく代わり映えしないリアルな毎日を、主食として食卓を支える白米に例えるとしたら。
どれだけ白米を美味しく魅惑的にできるかが、とりわけ日常系BLの醍醐味ではないでしょうか?
本作はまさに極上のご飯の友。
温かな色味の表紙は手を伸ばしたくなるし、小気味よい歯ざわりに似たテンポ感ですいすい読み進むし、旨味たっぷりで大満足な読後感に思わずおかわりしたくなっちゃうし。
惹き込まれる表情やお互いの思いあい深さが心潤う絶妙な浸透圧で…仕事中思い出しては帰って読み返しては元気いただいてます
同人誌2冊とセットで是非!
紙はコミコミかフロマージュ、電書はどこでもナンバーナイン版が買えるので
3冊読み終わった後、白米はキラキラちらし寿司に変わっちゃうかもしれません〜
幼なじみ両片思いバンドもの、絵も可愛くて飛びついたけど消化不良すぎる…
話も設定も素敵なのに全然足りない。
前後巻で最後&細部まできっちり読みたかった…
やっと気持ちが通じ合って抜きあって、でもそれはスタートでその先が恋愛物の旨味成分なのに唐突に終わるし
今までのバンドはどうなるの?
ドラム募集して志音くんかけもちで続けるの?
律くんが音楽続けるかわからないのも、志音くんがあっさり1人で加入を決めたのもモヤモヤする…ものすごい大問題じゃないの??
というか、そもそもバンド名は?
田中くんがつけてたパス、普通ならそこに書いてあるはずのバンド名が「田中」だし
(大体ハコ側が用意して渡すのでメンバー名なんて見たことない)
田舎の小さなハコにしちゃ大きくみえるし、高校生で月2〜3ライブするのだけでも大変そうなのに、ノルマ毎回達成って、志音くん音楽の才能もコミュ力も人柄も凄腕すぎん?
そんな将来有望な子が下北でソールドするバンドに入ったら、これから先が楽しみなのに!!
志音くんのソングライティングの才能と、ギタボからのツインボーカルとかが発揮できればメジャーデビューも夢ではなさそうだし!
どうやって東京で暮らすの?の謎は、単話売り無さそうな雑誌内の番外編(未読)にてバイト三昧と明かされるし、念願の初夜も描かれているそうだけど未収録だし、何にせよコース料理の前菜感、お預け喰らってる感が否めない…
田舎の小さな世界から東京に飛び出した二人が沢山の人や出来事に逢い、どんな大人になっていくのかや、音楽とバンド経験者の作者様ならではな、臨場感ある演奏シーンがもっと読みたかった!
デビュー作が前後編も今どき珍しくはないし、初めてとは思えないほど絵もセンスも魅力的な作家様だと思うので、すみずみまできっちり盛り込んだ満腹感ある作品として読ませてくれたら、迷わず神作品認定だしアワードいけそうなのにな〜。惜しい!