超いじめられっ子の侑玖(たすく)は、いじめの一環で超絶ヤンキーと噂の田宮にケンカを売りに行くことに。
対面した田宮は、侑玖がいじめられているのを悟り、助けてくれるどころか、その日以来昼休みも放課後も一緒に過ごすようになり・・・。
一見すると田宮の方が体も大きく目付きも鋭いので、今度は田宮が侑玖を良いようにしちゃうのかな・・・と心配しましたが、実際はまったく逆!
逆というか、ほとんど田宮が侑玖に一目惚れで、最初っから溺愛って感じでした。
(田宮は同性愛者)
普段はいかつい田宮が、侑玖が好きな余り甘えたモードになったり誘い受けモード全開になるのがめちゃくちゃ可愛かったです・・・❤️
侑玖が冒頭でいじめられてるシーンはけっこう悲惨で、本当かわいそうでした。
お母さんに心配かけまいと、顔は殴らないでくれと懇願したり、母を手助けするために自分でお弁当作ったり・・・とっても優しくて健気で良い子。
最初は自分に自信がなくてオドオドしてたけど、田宮に愛され大事にされ、少し自信が付いてからは良い顔するようになって安心しちゃった。
何より、侑玖の方が「抱く側」ってのが良かったです。
普段は体格良い方が抱く側なのが好きだけど、本作では逆が許せました。
あと、何気にこの二人はDKらしく、割と頻繁に盛ってます。笑
お互い(というか田宮が)好きで好きで仕方ないんだろうねぇ。
眩しいなぁ、、
本作がデビューコミックスとの事で、作画はたまに荒さも感じますが、総合的にとてもハイレベルな一冊でした!
溺愛・ヤンキー誘い受け・体格差が好きな方はぜひどーぞ!
エリートリーマンが金欠で困っている貧乏な青年に「恋人の振りをしてくれたらしばらく家もお金も面倒見るよ」と持ちかけ、一緒の時間を過ごすうちに、やがて愛が生まれるお話。
最初はポップな感じの始まりからだったので、このままコメディタッチで進むのかな?と思っていたんですけど、読み進めたら唯の抱える過去が案外重くて、なんだかしんみりしてしまいました。
唯はいろんなバイトを掛け持ちし、体も売りながらお金を稼いでいるけど、稼ぎの多くを親に仕送りしてる。
親とはいがみ合っていたわけじゃなく、ただ唯が親の期待に上手く応えられない自分に対して自信が持てなくて、距離を取ってしまったんですよね。
唯は人より物事の習得に時間がかかる子で、唯の両親は彼らなりに愛情を持って一生懸命に唯をサポートしていたんだろうけど・・・
親の期待に応えられない事が唯にとってプレッシャーになってしまったのは不幸だった。
確かに双方愛情はあったはずなのに、すれ違ってしまって。
唯の仕送りを、両親はどんな気持ちで受け取っていたんだろう?と思うと切なかった。
一方の理一は、厳しくて子を褒めることをしない父親と、父親の言いなりな母親の元で育ったため、彼は彼なりに親の温かな愛情に飢えていた。
価値観の合わない両親とは永遠に分かり合える事は無いだろうと、理一は理一で親と距離を置きましたが、これもまた切ない事ですね。
唯はとても優しく穏やかで、親と疎遠になっても親の愛情に感謝し、仕送りまでしてしまう子。
唯の素直さや優しさ・愛情深さに、理一は人として惹かれていくわけですが、理一は何せ感情が分かりづらいし愛情表現も分かりづらい。笑
二人の想いが通じ合うまで、本当ヤキモキしました!
言葉が足りなすぎるよ理一。笑
唯と両親との再会シーンは、家族のわだかまりが解けてとても良いシーンでした。
唯と両親が分かり合えて良かった・・・。
唯と理一のエチシーンも、唯がたくさん愛されているのを実感出来るようなエチで、胸が温かくなりました。
唯はきっとこれから、両親や理一からの愛情を糧に自分に自信を持つ事ができるようになっていくんだろうな。
大事な事ですよね、自分を愛せるって。
理一も両親と分かり合えたら良かったけれど・・・。
タイプ的には王道のシンデレラストーリーかつハピエンで、どなたでも読みやすい作品だと思います。
BL初心者さんにもおすすめ。
前作が面白かったので、続編も購入。
服飾専門学校に通う千明と、同級生で実は超人気モデル・アイ(=江永)。
前作は二人が恋人同士になるまでのお話。
今作は恋人同士でラブラブ真っ只中のお話。
終始ラブラブ。
とにかくラブラブでした。
当て馬(とは言い難い)のイケメン同級生や嫉妬湧かせ要因の美人同級生が登場したりして、千明とアイがお互い嫉妬プレイを繰り広げるけれど、基本ずーーーーっとラブラブで、まぁ二人の中をより深めるためのスパイスにしかなっていなかったですよね・・・笑
わりと見境なく所構わず盛ってて、若さを感じました。笑
アイのライバルになりそうな謎モデルはちょろっとしか登場せず、次巻で絡んでくると思われます。
二人が思いの外ラブラブ過ぎだったので、次巻は二人の仲が拗れてすれ違っちゃうんだろうな・・・という予感もあり。
全体的に悪くなかったですが、正直この巻だけでは、面白いのかどうなのか判断がつきませんでした。
次巻以降で真価が問われる作品だと感じています。
とは言え、本巻は終始ラブラブでイチャイチャいっぱいなので、光の腐女子さんには特に向いていると思わます。
付き合って2ヶ月の涼太郎と圭。
知り合って、おそらくはちゃんと告白を経て恋人同士になって、まもなく初エッチを迎えようとしている二人。
身体からなし崩しに関係が始まっていないだけで好印象なのに、この二人、ちゃんと真面目に性志向についても擦り合わせしようと頑張るんですよね。
圭は実はSMプレイに憧れがあって、ノーマル性癖な涼太郎にプレイをお願いするんです。
でも決して一方的ではなくて、ちゃんと少しずつ涼太郎の許容範囲を探っていくんですよ。
涼太郎はとても大らかで、柔軟な思考の持ち主。
圭の性癖に驚きつつも、圭を理解したくて要望に応じます。
けれど涼太郎も決して流されっぱなしではなく、ちゃんと自分で考えて、どうすれば圭も自分も満足できるのか?気持ちよくなれるのか?を真剣に追求するんですよ。
この、お互いがお互いを尊重しつつ、自分の望みも諦めない姿勢に、意外にも胸を打たれました。
どちらかが我慢したり意見を飲み込んだりするのではなく、ちゃんと希望や考えを言葉にして相手に伝え、二人にとってどうして行くのが最善なのかを探っていくって、簡単そうに思えて実はとっても難しい。
あと、SMって一歩間違えると命の危険に繋がるし、プレイする者同士がちゃんとラインを分かっていないと、悲惨な結果になると思うんです。
涼太郎はSMの世界は全くの未知だったけど、彼なりに調べて加減を考えつつ圭の望みを叶えてあげようとする姿に愛を感じましたし、圭が何と言おうと危険行為にはNOを言えていたのは頼もしかった。
普段は優しくて柔らかくてふにゃっとしてるのに・・・。
こんな彼氏がいて圭は幸せだろうなー、と、終始思いながら読みました。
SMものといってもハードでは無いし、基本的にお互い思いやる愛が溢れる作品なので、どなたでも読みやすい一冊だと思います。
「SM」というキーワードで躊躇している方にも、ぜひ読んでみて欲しい一冊です!
αの中でも特に強力で、全バース性に影響を与えてしまう優性α「Σ(シグマ)」。
これまで読んだオメガバース作品には無い、新しい設定でした。
ビッチングについては意味は知っていたけど、作品として読むのは初めてなので、期待大で購入しました。
もともと劣性αだった高城は、ラット状態になったΣの葦原と性行為をした事でΩに転換(ビッチング)してしまったわけですが、葦原は以前から高城の事が好きだった模様。
高城は葦原に惹かれてるっぽいのに、どういう訳か頑なに葦原の好意を受け入れるのを拒んでいる。
高城と葦原の恋愛関係は1話冒頭からグイグイ始まっていくのですが、二人の人間関係の深さが良く分からないままお話が進んでいくので、ちょっと置いてけぼり感がありました。
全体的には、オメガバースなんだけどオメガバースらしくない作品という印象で、劣性αとΣの設定が生かしきれていないように感じられたかな・・・。
高城・葦原のフェロモンも当事者以外に影響しているシーンが無く、この世界ではα(Σ)・Ωである事が大きな問題じゃないように思えたんですよね。
悪い人が出てこない、Ωが理不尽に襲われないオメガバースが好きな人は、ストレスフリーに読めます。
絵柄はやや荒削りながらもスタイリッシュで、全体的に白黒の対比が印象的かつオシャレだったので、ストーリーの説得力が増すと一気に化けそうな作家様だなと思いました。
(偉そうな上から目線のコメントですみません・・・)
役者同士の恋のお話でした。
メインは、モデルで俳優ビギナーの年下・ちひろ×実力派舞台俳優の年上・伊吹。
舞台で恋人同士を演じることになり、恋が始まるストーリーです。
ちひろは素直でポジティブな性格。
心を開いた相手には懐っこくて、可愛がりたくなるタイプ。
伊吹さんは同性愛者かな?
元々ちひろの顔が好みで、演技初心者のちひろに手ほどきをしているうちに、少しずつ惹かれていくんですよね。
でも伊吹さんは年上ゆえか、恋愛に対して億劫というか臆病になっていて、本気になるのを自らセーブしてる。
ちひろが若くて真っ直ぐぶつかってくるのに対して、受け入れつつもどこか一歩引いちゃってるんですよね。
この辺の年上の葛藤というか、心の揺れがしっかり描かれていて、なかなかリアルでした。
ネタバレになってしまうけど、初めてエッチした時に伊吹さんの本音が掴めずモヤモヤを抱えたままエッチしてしまい、結果ちひろがイけなくて初夜失敗となったのも、すごくリアルさを感じました。
最後はちひろの真っ直ぐさの勝利かな!
伊吹さんは38歳で、ちひろの年齢は書かれていなかったと思うけど、おそらく20代半ばくらい?
ちひろの将来を考えると伊吹さんが躊躇するのも無理は無かったけど、ハピエンで良かったです。
絵柄は好みが分かれるかもしれませんが、「大きくてかっこいい受けが描きたかった」というrasu先生の狙い通り、伊吹さんは大人でセクシーで大柄でカッコいい受けでした♪
ので、気になる方は読んでみて損は無いと思います!
出来れば数年後の二人も見てみたいので、続編があったら嬉しいです・・・!
人気・実力ともトップの俳優・小島と、俳優になる事を夢見る運のない駆け出し役者・涼介。
涼介が小島の付き人兼俳優になるところから、二人の関係は始まりますが、実は小島は以前から涼介を知っていて、得体の知れない涼介への興味の正体を知りたくて、涼介を自身の付き人にしたのでした。
・・・とだけ書くと、なんだか小島が執着ストーカー気質のヤバいやつみたいな感じに受け止められそうですが・・・
執着ストーカー気質のヤバいやつです(笑)
自身の生家の家柄により、子どもの頃から何に対しても興味が薄く、他者への興味も抱いた事のなかった小島が、唯一執着を見せた相手が涼介でした。
とにかく涼介が大切で、何よりも失いたくない存在で、自分を犠牲にしても守りたい。
俳優としての涼介の才能も見抜いていて、涼介を売れる俳優にするべく、知識や人脈を惜しみなく与えてくれます。
涼介に対する愛が何よりも深く、小島の行動の全ては涼介のためなんですよね。
涼介はごく普通の優しく明るい青年で、一般家庭育ちなので金銭感覚も狂ってないし、俳優として売れ始めてからも天狗にならず、良識も失わない稀有な存在。
ぱっと見頼りない感じがするし、流されやすそうな気もするんですが、ときに現れる芸能界ならではの誘惑にも毒されず、意外とブレない芯を持っている人です。
涼介はずっと小島に憧れ続けているけれど、小島にとっても涼介は唯一無二で、お互い魂レベルで求め合っているんだなーというのが端々から伝わってくる内容でした。
小島が攻め様として完璧過ぎかなーとちょっと思いつつも、面白くてキュンとなるポイントも満載の作品です。
最終巻では世間へのカムアウトや生家との確執も描かれ、どうなっちゃうのー!?と思いきや、大団円のハッピーエンド。
圧倒的攻め様・溺愛・ハピエン好きな方に特にオススメな一作でした♪
読後感が驚くほど爽やかな、男子高校生同士のBLです。
同性を好きになる事への激しい葛藤だったり、差別意識的なものは皆無と言っていいほど描かれていません。
ですが、この作家さんの作風的には、そういった現実味があるエピソードやドロドロした部分を深掘りしない方が合っているように思うので、特に違和感はありません。
攻めとなる森くんは受けとなる道音くんに一目惚れし、少しずつ距離を詰めようと頑張るのですが、森くんは本当に性格が良くて、ごく当たり前のように他人を思いやれる人で、道音くんに対してもすごくフラットに接する事ができる人。
一方の道音くんは見た目が良く「美人」系ゆえ、一部男子たちからはまるで女の子のように扱われるんですが、それがとても嫌だと思っているので、自分を女の子扱いしない森くんに対して少しずつ好感を抱いていきます。
自分を変に美化せず、まるっと受け入れてくれる人には、どうしたって心を開いていっちゃいますよね。
森くんのアプローチもガツガツせず嫌味がなくて、ちゃんと道音くんのペースに合わせてくれているのが良いです。
お付き合いに至ってからも、一つ一つの仕草や言葉から、お互い本当に大切に想い合っているんだなぁというのが感じられて、非常に甘酸っぱい。
この作品は、身体の関係でいうと最後まではしていません。
森くんが道音くんのを抜いてあげるくらい。
でも、そのくらいのエロス度でちょうどいいなと感じられます。
まったくエロスが無いわけでなく、年相応に二人とも性欲はあります。
BLだとわりと付き合ってすぐにエッチしがちだし、なぜか攻めが超テクニシャン・受けがモロ感という事が多いですが、本作ではそんなファンタジーな事は起きません。
森くんと道音くんくらいゆっくり関係が進む方が、逆にリアリティがあるかもしれないですね。
作家さんのSNSを拝見したら、どうやら続編が決定した模様♪
一歩進んだ関係になる二人が見られるのかな?
今からとっても楽しみです。
チャラくない、ギラギラでもない、ほのかにキラキラな学生モノを描かせたら本当に上手な宮田トヲル先生。
本作は高校時代の親友同士で、本当はお互いずっと両想いだった二人が社会人になって再会し、また恋をするというお話でした。
攻めの方は高校時代、受けに対して無自覚にゼロ距離で、「綺麗だな・・・」と思っておもわずキスしちゃうくらいだったのに、それでも自分の恋心に気付けなかったという、ある意味恋愛ベビちゃん。
受けはずっと攻めが好きだったのに、恋に対して消極的な攻めの気持ちを慮って、自身の恋心にそっと蓋をしてしまうという健気さ・・・。
再会してからの二人はタイトル通り「アオハルをもう一度!」な感じで時間を共有していくけれど、なかなかお付き合いに至らず。
もう正直はたから見れば「早く付き合ってくれませんか!?」と思うほどお互い気持ちダダ漏れなんですけどね(笑)
まぁそりゃ当事者たちは自分の片想いだと信じきっちゃってるから、なかなか一歩前に進めませんよね。
宮田先生のキャラの描き方で特に好きなのが、相手のことを好きだぁーーーって想いが溢れ出ていそうな「じ・・・」と見つめる表情なんですよね。
表情というか、目線?視線?
本作でも何度か出てきます。
ちょっとした仕草だけど、好きな相手のことってやっぱり無意識に目で追っちゃうし、何なら見つめちゃうし、明確に好意の表れだと思うんですけど、意外としっかりと「じ・・・」を描く作家さんって少ないように感じてます。
宮田先生はこういうちょっとした仕草で「好き」を表現するのがとっても上手だと思う。
一つ一つの仕草にキューンとしながら読み進められる、爽やかな作品で、甘酸っぱい系が好きな方に特におすすめです♪
初読みの作家さん。
Ωながら努力を重ね、優等生である藤波と、イイとこのボンボンでスクールカースト上位、男女問わずモテる御園のお話。
校内で藤波がαに襲われているところに偶々御園が通りかかり、御園は藤波を助けますが、互いにフェロモンには抗えず、その後結局身体を繋げてしまう。
事後、御園はΩである藤波を守るため、藤波の恋人を演じることとなりますが・・・。
藤波は強気で女王様のような振る舞いで、かと思いきやウブだったり可愛い一面もあったりして、ギャップが激しいですが、そこが魅力的。
個人的には描き下ろしで巣作りしてる藤波が好きでした。笑
御園も御園で、常に優秀なαの弟と比べられ、何をやっても「αなんだから当たり前」と言われて努力を認めてもらえず、周囲には「αであるボンボンの御園」に集る連中しかおらず、彼は彼で孤独だったと思うんですよね。
そんな御園は自分のスペックに媚びず、対等な人間(どころか犬扱い)として接してくる藤波に惹かれていきますが、藤波に相応しい男になるべく努力したり、一人の男として成長していく姿は微笑ましかったです。
フェロモン・風といった無形物の描き表し方が独特で、絵柄はとてもユニーク。
決め駒やネットニュースなど小物の使い方も上手く、非常にスタイリッシュな作風です。
他の作品も読んでみたくなりました。