訳あって自分の『徳』を下げたい天使・晄(キラ)と、チャラ男だけどその実は小心者で自分に自信のないクズもどきの輝良(きら)の、ドタバタなコメディ。
ことあるごとにワルイコトを探しては「これは悪いこと!」と喜んで行動に移す晄と、それに振り回されている輝良、彼らを取り巻く、クズなんだけど一様に悪とは言い切れないクズたち(様々なわけあり)がいかにも人間らしく描かれていて、すごく素敵でした。
ただ、天使の役割がそれこそ天使=神の御使い=魂の回収が仕事であるため、死のシーンが数回あります。あまり深くは描かれないので、軽んじていると感じる場合もあるかとおもいます。
個人的には、死んだ当人の感想(大分偏ってはいますが)、遺される側の気持ちなどが話を邪魔しない程度に添えられていて、本筋を見据えることが出来た気がすると感じました。
ちなみに、えっちシーンは少なめながら、迫力あるコマ割りで魅せてくれます。
漫画自体もとても読みやすく、これがコミックス一冊目!?という感じ。これからがとても楽しみな作家さんになった一冊でした。
とにかく声優陣が豪華でした。
興津和幸(ノア)×小林裕介(カズイ)
古川慎(滝浪蓮太郎)×田丸篤志(米蔵ユウジ)
三宅健太(夜須田)×白井悠(米蔵直親)
メインキャストでもこの豪華さ。特に三宅さんはBLCDへの出演自体が久しぶりとのことで(アニメイト特典のキャストCDより)、どっしりとした渋いお声が素敵でした。
内容については、まったくそのままという感じでした。書き下ろしの脚本も一本、二本あったかな?
ただ、ドラマCDという面においては、そのまま過ぎて…という苦い場面も。SEは僅か、BGMはほとんどなく、下手をすると朗読劇を聞いているようでした。
コミックを先に読んでいる方ならいざ知らず、CDから入ると情景や心情がわかりづらいかなと思います。
二年ぶりくらいの森山さんの新刊!待ってました!!
『世界で一番~』シリーズじゃないのかと思いきや、何気にリンクしてて、『世界で一番~』読んだ人も楽しめます。寛成さん出張りすぎww
帯に偽りなし。主人公の伊毬が、本当にゆるゆる。辛うじてエッチシーンはないものの、頭はくるんくるん(中身が)、心はふわんふわん、見た目はきゅるんきゅるん。愛玩されるためだけに生まれてきたような子。実母にですら「頭が悪すぎる」と何度も言われてます(愛情表現です)。まあ、周りの大人が寄ってたかって甘やかしているうえ、どんなに馬鹿にされてもぽわんとしている伊毬には効かないんだけれど。
お話はノンストップラブコメディ。とにかく伊毬がぶっ飛んでます。ぶっ飛ぶだけぶっ飛んでるんで周りが大分振り回されてるけど、皆喜んで振り回されている感が(笑)。表紙では幼なじみの大地と一緒ですが、彼もぶんぶん振り回されてます。ただ、振り回されすぎて後半、あまり出番が…。そのうえ伊毬の両親が出張ってくるので、更に影が薄くなりがち。最後はしっかり締めた…かな?
続くような気がする終わり方だったけど、次巻が出るなら、是非とも伊毬の両親の話も詳しく知りたいなぁ…なんて。兎にも角にも、伊毬、憎めなさすぎて可愛いかった。あと、伊毬の両親の夫婦喧嘩や、「夫は妻に従えっ」が名言すぎて笑ったw
行きつけじゃない書店で、密封された状態で買ったので、完全な絵買い。だって金さんだったんだもん!(言い訳になってない)
ワケありっぽい遊廓の昼行灯旦那×美人系堅物用心棒
なにやら裏のある旦那・蝙蝠と、訳あって用心棒を務めることになった青年剣士・士郎のお話。
遊廓モノというのだから士郎も花魁の格好なんかしちゃうのだろうかと思ってましたが、意外にも全くしてませんでした。いや別に期待してたわけじゃないんですけどねとか言ってみたいけど実際は期待してましたすいません。あ、でも出てくる遊女のたてはさんとかみつばちちゃんとかがきゃあきゃあしててすごく可愛かったです。
話を戻して。
作者の墨蜘さんがどうやら時代劇が好きな方らしく、話も全編通して一時間の時代劇を見ている気分でした。話の流れとかも。大岡越前とか出てきます。話は割りとさっくり、いろんなところに小粋な雰囲気が溢れていて、良くも悪くも人情溢れた時代小説を読んでいるなあと。ざっくりばっくり、男らしい蝙蝠は格好いいし、真面目な士郎の無骨さというか純粋さが可愛い。ただ少し、蝙蝠の裏の顔の方がもうちょっと出てくればよかったかな、あっさりし過ぎてる感があるなあと思ってしまいました。続刊なんか出たら、どんどん深くなっていってくれるかなー…?
あと、個人的に…章ごとに視点が変わるのが、少し読みにくかった。文章が一人称なので、蝙蝠視点の章なら『蝙蝠』、士郎視点の章なら『士郎』と書いてあるんですが、意識があっちこっちに行って定まらない感じがして、話に没頭できなかった…orz
まあ、慣れだと思いますが(なんてあっさり感)。