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一気に動く事件達

無印で追っていた記者佐々木の事件、その「表ネタ」が今回の事件。二課が何年も追っていた事件を、二課の情報と捜査本部設置前から仕込んでいたとはいえ、設置後数日でスピード解決…事件だけ見ると、斉藤管理官の優秀さが垣間見えます。
しかし政治的判断故に、上から横から現実を歪めることを強制されているのに、それを一部無視してやりたい放題に動き始めてからの斉藤の楽しそうな顔よ。現場で動くの本当に好きね。
元々色んなところに勝手に動いていて、織田検事からも上層部からも報連相しろと言われていたのに。
自分を餌に動いていて、動いた先でさらに撒き餌で釣り上げる。釣り好きな斉藤らしい解決方法。

矢島は矢島で、別の事件に巻き込まれ子供預かったり美容師に迫られたり。その最中に斉藤が行方不明になり「何も知らされてない」と突きつけられる現実に立ち止まりかけるシーンは、何度見てもつらい。ちびっ子がそばにいてくれて良かった。
斉藤が見つかっても、それはそれとして、矢島も言わずに動くので二人とも本当に会話足りてないカップルですね。言わないけど知りたいがぶつかり合っている感じ。
おまわりさんとして、何人もの男相手に一人で立ち回るシーンが見れ…ないんかーい!ガッツリカットされていて泣きました。見たかった立ち回り。
この世界、当然のように拳銃出てくるので、治安悪め。
矢島も拳銃には逆らわずに手足拘束されるし、美容師から自分にターゲット変えさせるためにしっかり挑発して殴られるし。被疑者相手だろうと、身体張るおまわりさん…!
拘束されてから死にかけるか直前まで、考えていることはずっと斉藤のこと。それがどこから来る感情なのか、直接描写されていないものの、矢島の中で変化があったのは明白。
BL漫画で主人公が死ぬなんてことは100%有り得ないので、くそ忙しい恋人がきちんと助けに来るわけですが、やり取りが捕まってるのにコメディ入って、流石(笑)となりました。ブレない斉藤誉。

ここでinfightから登場していた美容師の名前が九条だと判明。その名前から出生が垣間見える絶妙な名前付けで、里先生のセンスが光るというもの。
彼のバックグラウンドは、要さん共々case.0(FILES吉野兄物語)のようにやって欲しいものです。名前付けたってことは、設定煮詰めたということでしょうから、期待です。
存在しない子として生きている九条にとって、真っ直ぐでありながら好みの反応を返してくる矢島は心にピンポイントで刺さるんでしょうね。
タイトルに三匹の犬がいると言われる今作。二匹は当然斉藤と矢島。最後の一匹はこの九条で間違いなさそう。

最終回13話、事件解決と広瀬が単なるお節介紹介おじさんだったと判明したり、家族ごっこ(矢島拒否気味)を見た斉藤の怒り爆発で雑誌連載時は「ここで終わり!?」という衝撃的な終わり方をしましたが、そのフォローとしての描き下ろし。……いや、あの終わりの直後は一切フォローされていないんですけども。

ded事件後の休日。斉藤は公休でしょうが、それに合わせて矢島は有給取ったのかな。on dutyで、休みは俺に合わせろと言っていた伏線がここで回収。
映画は一人で見たい派と言い訳した矢島が、斉藤と映画を見る。白井に気持ちはなく、共に過ごす相手は斉藤なのだと、矢島の中で決まっているわけですよね。
そして映画館でなく自宅にあるシアタールームでって。斉藤の言葉ぶりから、あのマンションの部屋はオーダーメイドマンションのようで…流石金持ち。斉藤の持ち物だとほぼ確定。流石金持ち。
ひとつのソファで、それぞれ端に寄ってるのがらしくて好き。
転寝する斉藤を、easyからこっち、矢島は何度見てきたのだろうか。驚かずにそっと毛布をかけて寝かせてあげる…部屋にも斉藤にも慣れているというのが分かる一コマ。
かと思えば、転寝した矢島を襲う斉藤誉のブレなさ。しかも理由が笑うしかない。ほんと、身体で言い聞かせるの好きね、いいぞもっとやれ、となるんですけど。
本編でも気にしてましたが、斉藤の名前を(苗字だろうと下の名前だろうと)呼ばない矢島に対してずっと不満だった斉藤がむくれているのが可愛くてたまらない。自分が一番優先されたい末っ子気質。
それに対しての返答は、名前を彫るという遠い未来の約束。本編で斉藤が言ったのはお仕置のためだったはずなんですが、その意味合いを一生消えない共にいる証としてのプロポーズに変える矢島…!
矢島が初めて近未来の約束ではなく、不確定な遠い未来をずっと共にあると明確に、口にした。dedの本編時点では関係性に名前を付けられなかった男が、一足飛びてまプロポーズまで持っていく男前度。
こんなの、ますます斉藤は矢島を手放せないし、まあ手放すつもりもないのでしょう。結婚も子供も、矢島には必要ない=斉藤と共に生きる限り有り得ない、とこちらもこちらで一生涯共にいると言い切ってますし。
本編を一度見るだけでは進んでいないように見えたded。描き下ろしまでいれて恋愛面の決着をつけられたわけで。しかし、せめて恋人だと自覚するまでだと思いきや、お互いプロポーズに飛ぶとは…予想もしていなかった。

流石里先生、描き下ろしの甘さには定評がありますね。ご馳走様でした。

斉藤誉はどこまでいっても斉藤誉

今回はがっつりと事件が主軸のため、初見だと甘さがないように見えるけれど、読み返すと斉藤はずっと矢島第一優先だと分かる、いつもの里先生の手腕が見えます。
初見と二度目以降で一話の印象がここまでがらりと変わるとは…と、しみじみ。

上巻は特に、斉藤が立場故に矢島とほぼ会話なし。あっても管理官としての理不尽な命令のみ…に、初見は見える。実際は久しぶりに同じ署内で、広瀬の無自覚アシストのおかけで一緒に仕事出来るようになったから、事務仕事向かない男なのに捜査本部に招き入れたり、事件があった後は大人しくしてろと言葉はまったく足りてないながらも警告していたり…と、矢島第一優先。
特に、上巻時点では誰か分からない、T建設の内部資料を持ってきた女性の事件のあとは、彼女が誰か知っていたからこそ大人しくしてろと、ちゃんと伝えている。伝わってないけど。立場的に、この時点では矢島巡査部長に言うこと出来ないですもんね。

ギスギスしている空気の中、唐突な矢島の回想(4話)はまさしく砂漠のオアシス。
事後にこんな甘い時間があるくらいに、二人の時間を持っていたのだとすると、そりゃあded始まってからの斉藤の態度には睨みつけたくもなるのでしょう。

斉藤は斉藤で一話前は事件解決のための仕込みで、それ以降は一気に畳み掛けるための仕込みと、狸やら蛇やらの面倒な上層部相手と現場指示。合間に恋人を(物理的に)摂取して癒されないとやってられなかったんでしょうねー。その恋人には一切斉藤の気持ちは伝わってないところが、DOGSって感じですが。噛み合わない二人はdedでも健在でした。

事件も、二人の関係も、しっかり下巻に続く!
という合間にある正しくBreak time。
斉藤のマンションの部屋で、コーヒー淹れたり、洗濯機使ったりと寛ぐことに慣れている矢島が見られるとは…と、感無量。描かれていない時間の中で通っていたということで。
その彼シャツ…無難だけど一枚のお値段はべらぼうだと、矢島が気付かないあたりが最高です。そして、裸だろうと彼シャツだろうと、何しようと矢島の行動全てがお誘いやツボに入る斉藤。すぐに襲っちゃう下半身脳みそ具合が最高です。
本編がどシリアスだったため、メタ的な意味でもBreak timeになる短編、甘さは高くてほっと一息出来ました。