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期待値が高すぎた

期待値が高すぎた…。

「ラムスプリンガの情景」…最高
「親愛なるジーンへ1」…とても最高
「親愛なるジーンへ2」…う〜ん…

2年越しの続刊に期待しすぎたせいか、ストーリーにハマれなかった。
ラムスプリンガの情景から通して、このシリーズは名作の評価を受けるだろうと思われる。実際、親愛なるジーン1までは、私の感動も最高潮だった。

1巻ではトレヴァーとジーン双方の灼けるような愛を感じとれた。2巻は、どちらかと言えばトレヴァーの愛の深さと重みしか感じとれなかった。

ジーンの視点が圧倒的に足りないと思う。海外の大学への進学がきっかけで、そもそも2人がなぜ離れなければならないのか分からない。そうした明確なやりとりもないのに、2人の間にはそれが当然であるかのように事が進んでいる。
トレヴァーのジーンを愛するが故に送り出す気持ちはひしひしと伝わってくるが、ジーンからはあまり感じとれなかった。距離は離れても、トレヴァーと別れたくないと思わなかったのか。1巻で見せたトレヴァーへの愛はどこへいったのか。

そもそもそこに恋人に抱く「愛」が存在していたのかも2巻を読み始めてから分からなくなった。ジーンにとってトレヴァーは「神様」だからだ。
学費を出し、旅支度の用意まで全部して送り出したトレヴァーが、パトロンのような存在に見えてしまったのは非常に残念だった。


再開するシーンでも、トレヴァーが手を掴まなければ元の木阿弥。ジーンは何のためにトレヴァーに会いに来たのか。何かしら期待を持って来たのではないか。このときくらいはジーンがトレヴァーを掴んで求めて欲しいと思った。


物語の着地点として最善だったかも知れないが、私の中では最高ではなかった。
しかしながら、多くの読者にこんなにも高評価を受け支持されているのも事実。今後BLの歴史に名を刻む名作と称されていくのだと思う。


気に入ったシーンが1つだけ。
トレヴァーとジーンの最後のベッドシーン。そこで交わされた会話には心から胸を打たれた。