本編は他のユーザーさんのレビューで書かれているとおり、鬼畜調教ありです。
読み切り作品ですが、久々に胸が締め付けられました。
ネタバレですが、私の妄想も入っていますので、流し読みしてください。
告白してきたイチをコウは我が儘言って振り回す。
けれどもイチの視線は徐々にコウではなく別の人へ。
コウが学内で見かけた際に蔑んだ彼に同情の目を向け、やがて別の感情へ
我が儘言って振り回してどうにかコッチを振り向いてもらおうとして、空回り。
気づいた時にはもう遅い。
本当は縋りついてでも止めたいのに、けれどもイヤミしか出てこない。
イチの視線を独占してきている彼に嫉妬して、そして初めて自分自身の気持ちに気付き・愚かな行為の数々に後悔。
最後まで素直になれず悪態ついて飛び出しその途中で我慢できずに涙する。
コウには振り向いてもらえないのに我が儘に振り回され、ふと向けた先はコウの正反対の彼。
少しづつ彼に惹かれてゆく。コウにはウンザリしていて、もう終わりにしようと思っていたイチだけども、自分のために泣いているコウを見たら今までの事など忘れて心が全て引き戻される。
未練など無いと思っていたけれど、本当はどちらも未練タラタラで臆病になって逃げていた。
ここからは自論。
作品の冒頭でコウは俺は一人でも別に平気と語っていますが、本当は平気なわけがないと思う。平気ではなく慣れなんですよね。
慣れてしまえばどうでもないと。
また、好意持ってくれているイチを利用して小学生かのような独占欲を露わにする。
いつの間にか隣にいた存在がいなくなると不安になりイライラ。本当に小学生なんですよね。
イチに少しづつ距離を置かれ不満を爆発させようと乗り込めば、自分といる時よりも楽しそうにしている二人を見てコウはどこか悟ったのではないでしょうか。
『あ、俺いなくても全然大丈夫…じゃん』
だからこそ最後まで素直にもなりきれず悪態ついて飛び出す
イチは当て馬の彼の事は好きだったでしょう。けれども、片隅でコウと比べてたのではないか。
涙して本音を見せたコウに一瞬で引き戻されるということは、最後の悪態つかれても決して嫌いではないということ。
ましてや本気で好きになった相手なら諦めることは出来ても、簡単に嫌いにはなれない。
また、ラストにイチはコウに「めちゃくちゃだよ、お前…わかんねぇ」と言っていますが、コウだけではなく自分自身にも言っているのでしょうね。
何でこんな我儘で性格悪いヤツなのにそれなのに……それでもどうしようもなく好きなんだよなと。
当て馬の彼、残念ながら救われません。
もしこれが他誌で掲載されていたならば、書き下ろしに彼の救いばなしをコミックスに収められたと思いますが、それは無かったです。
なので皆ハッピーエンドを望む方にはあまりオススメできません。
私はむしろこの方がリアルかなと思いました。
長々と書きましたがそんな感じです。
本編よりも、読み切り作品がもう読みたくて購入しましたが、キューンと締め付けられます。
もちろん本編もお楽しみ頂けますよ!
ただ読み切り作品は視点変えてみるとまた面白いと思います。