は……?顔が良い……?と思って脊髄でポチってました。それくらい表紙のインパクトあります。受けさんのお顔本当に綺麗です。ここまで顔の良さに振り切った受けさん最近あまり見なかったので飛び上がって喜びました。
でも作者さんの気持ちあんま伝わって来なかったです。
何が描きたかったのか?美しい濡れ場?大人の純愛?どこを見ても惜しい、惜しいの連続で個人的にはまとまって受け取れるものがなかったです。
そもそも今回の作者さんに「これを描きたい!」「私の性癖(うた)を聞け!」という意地?というか芯があまりなさそうで、どこにも振り切れてない気がします。絵を描くのはほんとに好きなんだろうなーとは思いました。
本当に綺麗な絵です。顔の良い受け、勢いの良い攻め、面倒みの良いサブ、登場人物の相関図、良いです。刺さるとこには刺さります。だからこそストーリーに確固たる熱がなくて上滑りします。
私は本を読んだとき、自分の期待通りの作品じゃなくても「まぁでも作者さん楽しかったならいっかぁ〜」と思うタイプなのですが、あとがきで「苦しかった」と残されているのがまぁまぁつらかったです。なんでしょうこの行き場のない何か。作者と作品は別物だと言われたらそれまでですがね。絵が好きだと気になるでしょうよ。描いてる人も。
作者さんがどういうつもりで本を出しても、商業誌というのは何も知らない消費者がお金を出して買う場所に並びます。読んだ人全員が納得しなくても、少なくとも描いた自分は全力で楽しんだ、くらいの責任感?開き直り?はあって欲しかったですね。
作者さんの気持ちも汲んで、続きが読みたいとは強く思いませんでしたが、ただ楽しく絵を描いていて欲しいなと思いました。この人が最後まで自分を信じ抜いて描いたお話をいつか見てみたいです。
自分が何者かも名乗らずにこんなことを言うのも卑怯ですが、本を出すとはどういうことかを考えさせられる一冊でした。この本で作者さんのお名前初めて見たので、良い絵に出会えたわくわくも、ちょっと期待外れだったお話も、自分が消化しきれてないだけかもです、応援してます。