発売されてから、すぐに読むことはできませんでした。
4巻を読み終わって、読み終わったあとはすぐに続きを読みたくて、時間が経つほどに忘れて、そして最終巻発売の告知で思い出し、でもすぐには読めず…。
やっと踏ん切りがついて、読み終わった今。
漠然とみんなが幸せになると思っていた、数十分前の自分を殴りたいです。
結局のところ、育郎が手にしたのは愛ではない。私はそう思います。幼少期に渇望してしたものは、純粋な家族愛だった。それを典彦が性愛にすり替えた。
4巻の火事の後、屋敷から蘭蔵が連れ出してくれた時、私はやっとすり替えられた愛が元に戻ると思っていました。しかし甘かった。
育郎はすり替えられたことなど、とうに気づいており、自分が元に戻れないことを分かっていました。分かっていたことに、私は分かっていませんでした。
典彦と育郎が再会した時の、あの育郎の表情。さち子には絶対に見せられません。
さち子の「他人を〜」セリフも良かったですね。私はメリバ好きですが、腕を組んでしまいました。