読み終えて、複雑な思いで胸がいっぱいです。
この話はまるでシャボン玉の色みたいに、見る角度によってどんな風にも受け止められると感じました。
不幸にも幸せにも思える、津田と櫂のふたりだけに与えられた空間がそここに散りばめられています。
私は読んでいて、混乱してしまう櫂には早くアラームが鳴ればいいのにと思わず願ってしまったり幸せそうにしている二人のシーンでは鳴ったアラームが悲しくて悔しくて…。
それでも、夜には優しくおだやかに「また明日」と言う津田のセリフが本当に泣けました。「また明日」というセリフがこんなに愛と覚悟の詰まったものとして胸に響くなんて。この作品を読んで、いろいろ考えさせられました。
私は櫂と同じ障害を持ったひとと学校でクラスメイトとして肩を並べたことがあります。
そのひとも事故が原因でした。櫂のように13分ではなかったのですが、やはり一定の時間で記憶は無くなってしまうというものでした。
いつでも手帳を首から下げていて、メモ帳も必ずポケットに入れていて…。この話を読んでそのひとの姿が何度も思い出されました。
そのひとには夢があって、その夢を諦めない姿はとても美しく私の記憶には残っています。
そのひとの姿を見ているからこそ、津田と櫂はきっと大丈夫だと思いました。
だれかの幸せを願わずにはおれない素敵なお話です。
絵も奇麗だし、カッコイイ登場人物ばかりで目の保養になります!ストーリーも言うこと無しに面白いです!読んで損無し!!
1巻からぐいぐい引き込まれてあっという間に完読してしまいました。
この結末に辿りついて感無量です。
ずっと野良犬が飼いたかったミキと、野良犬のように他人に懐かない千秋。
共通の知り合いを通して、顔見知り程度の仲だったミキと千秋。
そんな二人の距離がどんどん縮まっていく様子が、いきいきと時に切なく描かれています。
物語の中でお互いの持つ空気の心地よさに浸ってる様子がすごく伝わって読んでるこちらもすごく引き込まれます。
セリフの言い回しも、いかにも高校生の男の子って感じですごく自然だし、それでいてそのセリフが後で生きてくる構成力!
本仁先生の作品は何度も読み返して、そのたびに面白さ倍増する作りでスゴイです!
ちなみに、私のなかでは、本仁先生はキスシーンを描かせたら右に出るものナシって感じでほんっとにセクシーですッ☆☆☆
読み終えて、本をとじてそれでもずっとずっと余韻が残りました。
ひとことで、言い表せる作品じゃないです。
でも本当に読んで良かった。この作品に出会えてよかったと思います。大事にしていつか子供が産まれたら読んで欲しいと思います。
中村明日美子さんの作品はどの作品も好きですが、私の中では「Jの総て」がダントツです。
ストーリーはもちろんですが、絵やコマの配置、線の一本一本細部に亘るまで美しく、視覚的にも素晴らしいです。
ココから先、少しネタバレです…
心に残るシーンはいろいろありますが(Jが飛び降りたとことか思い出しても鼻水出るくらい泣けます)、私の好きなシーンはポールがおばさんに「おかあさん」と心で呼びかけるシーンです。
皆の幸せを願わずにはいられない作品です。
「エス」シリーズの完結編です。
読んだのはずっと前なのですが、今でも読み返すほど大好きなシリーズです。
最後の最後まで宗近へ抱く自分の「愛情」を認めることを恐れる椎葉。
「好き」とかいう次元じゃないんですね。「愛」なんでございますね。
認めちゃえよ!と読んでるこちらは焦らしプレイさながら、おあずけくらいつつここまで待ったわあ♪てな感じでした。
そして、影の主役(?)お義兄さまを見ていてもサブタイトルの「残光」がぴったりだなあと思いました。
このシリーズは脇役も本当に魅力的で、誰を主人公にしても物語が展開できそうなほど背景や設定に臨場感があると思います。
ジャンル的にはヤクザやら刑事モノの位置付けになってますが、
根本的な人間臭さが一番浮き彫りになってるので、ヤクザ刑事モノ苦手なかたにも、カッコイイ大人の男と男のヒューマンドラマとしてオススメいたします。
とにかく、私にとっては出会えたことに感謝できる神作です。
欲を言えば、宗近視点でも読んでみたい…♪