作者さんもあとがきでかかれている「これやだ」
と思える以上に、うえ、気持ち悪い!!こんなやつ(攻め)と吠えたくなった読後。
そしてエンドは片方には思い通りになったからハッピーとはいえるかもしれないけど、
片方には「人間やめました」みたいな、ウイルス感染してゾンビになりました、めでたしみたいな。。。
萌えとは違う次元に飛んじゃってるんだけど、そう思わせる技量がスゴイというか、作品として面白いのです。
丸木さん、今までにも執着攻めのいやなタイプはありましたが、まさにモンスター級のこのいや~な感覚を味わわせる人物設定とストーリーの流れに、ちょい現実もあるある感があったりして、
そういう意味で、自分は評価したい。
湊は、本当に普通のどこにでもいるいい男子なんですよ。
幼馴染の悠馬がね、こりゃ怪物。
彼の外面をがっちり固めて周囲を味方に引き入れる、そして邪魔者は疎外する『暗殺』というやり方。
湊はそれを知ってているんだけど、自分に実害があるわけではないし、過保護すぎるほどに過保護だけど、幼いころからずっとそうやってきてしまっていて、いいやつだという事はわかっているのでそれをとがめることはしない。
その均衡が崩れたのが、湊に彼女ができたとき。
もう半ばレイプな始まりに、湊が負けてしまう感じのエッチ展開。
あきらめですよ。
その過程をみせるエッチがエロいというか、哀れをもよおしてしまう。
本編の後に小さい頃に亡くなった、悠馬と湊争奪をしていた姉のその真実が。
そして3日間だけ湊の彼女になった山崎という女子の視点の後日談が描かれているのだが、
この山崎の最後の数行にわたる言葉は、まさに読者を代弁している。
う~む、、、自分にとっては、悠馬のものになってしまった湊は人間やめた人だね。もう自分というものを無くした悠馬の人形じゃないかって。
多分、少しでも自分というものが残っていたら、家出するか自殺するかもと思うくらい。
まさに、モンスターでした!
一輝が千春とあるために決めたアメリカ行き。
それは、5年間(当人たちは1年で終わらせると考えている)の別離をもたらすものだが、シリーズ前作『相方の愛し方』でも見られたようにそのストレスは周囲も巻き込む超怖モード。
今回の始まりは、そんな千春が仕事のトラブルでもう社内辛抱たまらん状態になり、とうとう社長から仕事という名目を与えられて一輝に会いに行けるというところからです。
千春といえば、最初のイメージでまあ、犯り殺すほどの(笑)獰猛な、まさに題名通りの獣ではありましたが、
シリーズ進行とともに一輝が猛獣使いでそれに従う(時々暴走)ライオン?
な感じになり、今回は犬になったライオンな感じ?
久々の(といっても一か月)エッチにがっつくかと思えば、そこはご主人様である一輝が主導権を握り、そのエッチにやさしさがにじみ出ているような?
この千春のエサは一輝の穴舐めとか、なんか色っぽいんだかお笑いなんだか、普段の会社での強面がぺちゃぺちゃ舐めまくってるそのギャップがたまらんね♪
さて、このNYで一輝は同い年の起業家バリーと出会います。
このキャラクターもいい味出してユニークではあるのですが、彼によって一輝が自分で道を切り開くものと与えられた道を行くものの違いを感じ、刺激を受けています。
一輝も一見チャラいように見えて千春が教育係でしたからもちろん優秀です。
実力主義の会社において、一輝が次代を継ぐ為の一番の敵は千春であると知っています。もちろん千春だって。
でも別れられない二人はひょっとすると何が最善かわかってるのかもしれないですね。だからこそのアメリカ行きでしたし。
シリアスもありながら適度なユルさもあり、エロもあり・・・が最近そのエロがあまりエロくなくなってる感じはするがそれでもまあ、小玉スイカ並みのプリケツと千春のタンガショーツ姿とかオスの色気は満載なんでwいっか~
そのラストの締めがこれまたグっとキました。
二人の束の間の逢瀬の後の別れシーン。
一輝の涙にやられた!
わぁい♪
山のがっこうのみんなが帰ってきた~!!
こうした番外編でいいから、是非に友が大人になって先生受けになるまで不定期で出してくれないかな☆
と思わず願いたくなるこの1冊でした。
季節は春。
動物にとっては発情の春。
年中発情のうさぎの暢含め、それにより集中力欠ける生徒約2名。
野良と銀です。
去勢済みの雪は涼しい顔で。
ちびっこ達はまだ発情期ってわからないので、せんせいの下っ腹がムズムズするという解説に、うんこ?お腹が痛いときは先生にいいまーす!などと無邪気な様子(笑)
そんな相変わらずのどかな学校に起きた今回のびっくりは
せんせい、暢、銀、妖の4人が階段から転げ落ちたときに入れ替わっちゃったんです!!
せんせい→妖
妖→銀
銀→暢
暢→せんせい
この入れ替わりセレクトはなかなかナイスではないですか?
いつもクールでワルな感じの妖に先生が入ったことで人当りのよいかわいい表情になってしまって。
ツンとした優等生の銀に妖が入ったことでワル風味の入ったやんちゃ顔になり笑顔が見られ。
いつも能天気な暢には銀が入ったことでしかめっ面のツンデレ風味をかもしだし、
先生に暢が入ると・・・アホっ子ぽくなるかと思いきや、あまり変わらない?・・・気がする(汗
こうして入れ替わった事で、それぞれがそれぞれを客観的に見る事ができて、一段と理解が深まったんじゃないかな?
特に暢と銀においては、いつも押せ押せの暢が人間になったことで、少し冷静に銀を見る事ができるように、
銀は暢の身体を体験することで、暢の気持ちを少しわかるようになったんじゃないかな?
彼らにとっては、とんでもアクシデントでしたがよい体験だったよね。
そんな彼らが元に戻るべく努力をするのですが、その後日談含めたオチも笑わせてもらいました♪
友くん、早く大人になって先生をお嫁さんにしてよね。
待ってるから~(笑)
『恋のつま先』で注目し、『恋の誘惑』でナイス!だった鷹場さんの秘書兼運転手の柳浦さん(誘惑で柳原と勘違いしていた、すみません)が主人公のお話でした♪
柳浦さん、そういう人だったのね~そして鷹場さん相手で大変ストレスも抱えていたのね、とこの方のキャラや事情がわかると同時にとても愛おしい感じがしてまたもや、とても良い雰囲気の作品となる1冊でした。
隣の部屋がうるさくて眠れないとその部屋に住む彫師の鬼塚に苦情を言いに行った柳浦がその場で眠りこけてしまったのが、出会いの始まり。
柳浦の白い肌に彫師として興味を惹かれ、それから友達のような付き合いが続くにつれその肌に魅せられそれは欲情となり。
柳浦はそれまで友人がおらず、ごはんを一緒に食べたりして過ごす相手がいなかったので鬼塚とのひと時は彼にうるおいを与え。
友人から恋人への展開なのではありますが、その過程での柳浦の気持ちとキャラクターに引き込まれます。
今まで親しくつきあう友人がいなかったから、柳浦にとって鬼塚と過ごす時間は特別で、嬉しくて。
でも鬼塚はもう友人としては見られないから、柳浦の無防備な態度は蛇の生殺しのようなもので。
一緒に温泉に二人で行った時の二人の様子はその温度差がてき面に表れるシーンでした。
好きだと告白して、好きになるまで口説かせてと伝えキスまでする鬼塚ですが、一緒に温泉に入って局部にまで入ってる刺青に興味を持って見せてという柳浦は、告白までされたのにその天然ぶりといったら!
思わずたってしまった鬼塚に柳浦ったら自分のせいだからと友情という名の責任を取らせてくれと!?あげく辛抱たまらんの鬼塚はスマタまでやってしまう流れ。
当然、気まずさが生まれ、そこから柳浦が考えはじめるのです。
鬼塚も彫師などしていて、外見からも豪快で少し強引で俺様なのかと思えば、俺様ではなく、豪胆でありながらも柳浦への愛情で優しさがあふれて思いやりもありごり押しすることもない男前が素敵だし。
柳浦もうれしくて楽しくて仕方ない様子が、天然風味な部分も、真摯に考える部分もとてもかわいらしくて、柳浦の”特別”と”恋人”の差とそれへの変遷がとてもキュンを催す素敵なお話でした。
なんだかほっこりして気持ちが優しくなれます。
これも靴屋シリーズのスピンオフになるのかと思いますが、靴屋シリーズはどれもいい作品ばかりですね♪
表紙から見ると、真ん中の男性をそっくり男子が挟んでおります。
双子モノ3P?と思いますが、読んでいくと実は!!
ファンタジーというか、ちょっぴりオカルトな要素も含んだ作品でありました。
表紙もエロス満載でしたが、中身のエロもエロかったっす☆
小山田イラスト、もう、サイコー!
父親が院長を務める病院で、30歳にして副院長を務めるのが外科医の宰。
この病院に、学生時代身体の関係はあったが恋人とまではいかず別れた先輩で一流の外科医となった恒真がやってくる。
この宰、実は兄がいたのですが、自殺で失った事でそれを負い目に思い、罪の意識を感じて自らを律して自分の欲望を抑えるようにしてきたのですが
恒真の北海道時代の友人が事故で亡くなり、それが恒真にショックを与え仕事にも支障をきたすようになったことから、それを癒そうと身体の関係を再び持ったことから宰が変わっていくんです。
ええっ!と驚く淫乱ぶり。
恒真に言わせると学生時代はマグロだったというのですが、自ら誘いまるで玄人さんのようなご奉仕と快楽への貪欲なむさぼり具合。
それに加え、恒真も絶倫なんですよ!
いちいち回数が出てくる(笑)
7回、とか5回とか。一人輪姦と言わしめるそのタフさ。
大事な手術の前日でもついついやってしまう、淫乱と絶倫の組み合わせは、きりがないよーーー!!
そこには実は・・・というのがあったのがこの話のミソです。
しかし、それだけでこんなにも淫乱になったというのではなくてもともと素養があったというのでしょうか。
それが憑依によって増幅された?
恒真によって、それまでの自分の罪悪感が薄まったから?
恒真が絶倫なのも、宰限定のようでそれは彼への執着の度合いにもなっているようです。
3Pというのも、3Pというよりは衆人環視というのでしょうか。
でも、身体は一つで心が二つの状態なら3Pか、積極的にプレイに参加していなくても。
ちょっと二重人格モノっぽい雰囲気もかもしてそのあたりが面白い設定でした。
結末は、ちょっぴりかわいそうなものもあります。
主人公たちの設定がちょっと極端なものがあるので、突飛な物語な感じもしますが、エロを楽しむにはとても面白かったです。
カテーテルを使ったアレには、驚愕というかチャレンジャーだわ♪注目・必見です!
前作の作者さまの言葉どおり、ウェルネスシリーズ主要メンバー総出演(?)となりました本作の舞台はシンガポール!
メインを張るのはもちろん、ティエンと高柳ですが、実にお久しぶりーな遊佐も登場です。
久しぶりすぎて、あれ?遊佐ってこんな顔だったっけ?こんな性格だったっけ?
とは思ったのですが、これはそれ、ほれ、食えない男ヨシュア絡みの事件が今回は背景。
ウェルネスの汚れ仕事専門(!?)始末屋(!?)稼業はティエンと高柳ということを遊佐は知りませんからw
ティエンと高柳がキれ過ぎて遊佐がぼんくらに見えるという、ちょっとかわいそうな感じも(自分的に)
でも、まあヨシュアの恋人だし立場も違うしね、アジアについては知らないことだらけだから仕方ないよね。
まったくもって、毎度毎度ヨシュアには”おぬしもワルよのぉ~”と言ってやりたくなるですわ!
さて、展開は
高柳にヨシュアから突然送られてきたF-1シンガポールグランプリのチケット。
仕事の予定を前倒して激務をこなし何とかシンガポールに着くと、その場で見たものは何と銃弾に倒れるヨシュア!?
しかし、面会謝絶となっているはずのヨシュアが病院から消えた?
その場に一緒にいた遊佐、高柳と同じく呼ばれたというティエンと共にヨシュアの行方不明事件には何かあると遊佐からの言葉に彼らは動きだすのです。
いやぁ~実にジェットコースター作品でした。
高柳がシンガポールに着いて3日間の出来事ですよ(驚)
離れ離れでひどいと3か月に一度とかしか会えない遠距離恋愛のティエンと高柳、久々に会えたというのにゆっくりエッチも・・・
ゆっくりはできないけど、思いはつのり遊佐が寝ている隣でばっちり濃厚なのやってました(笑)
何よりも、高柳も楽しみにしている(読者も?)高柳の食いしん坊万歳が今回はありませんでした(涙)
そんな閨事もこなしながら、ティエンの組織もレオンの組織も力が及ばないシンガポールの地で、彼らのサポートもありながら、なんと解決の糸口になったのは高柳の人柄のなせる人脈効果!
ヨシュアの事件解決とともに、難航していたシンガポールの仕事までちゃっかりとうまくいく道建てが出来上がるという・・・
あれ?おや?おかしいぞ
高柳もティエンも気が付いていたようですが、そうなんです!
いっつも、彼らが仕事絡みでトラブルに巻き込まれるときそこにはヨシュアの筋書が・・・
そして今回も?
ほんとーにヨシュアは煮ても焼いても食えん男だぜ!
という展開に、レオン、先生、フェイロン、後合流が梶谷というメンツが揃ったちょっぴり豪華なお話でした。
遊佐もお久ぶり登場でしたから、わりと前半に彼らの出会いとか立場とか人間関係とかざくっと説明も入り、お話を知っている人にはちょっとくどく感じてしまったりも思ったのですが、それでもジェットコースター効果でバビューン!と読ませてくれました。
やっぱり、このシリーズ(特に高柳ティエン組)は好きさぁ。
表紙イラストですが、左手に描かれてるのが高柳ですが別人みたいです!
中イラストになるといつもの高柳でしたが。
そして中央バックにラスボスみたいにいるのがヨシュア、、、うん、ラスボスだからこの人(笑)
Amzon限定のSS『温度差』は、篠宮兄弟の父親の葬儀の日の出来事が描かれています。
本編の中でも、彼らにとってもうすでにいない人となり切り捨てられている父親とういう存在でしたから、葬儀があったとはいえ、彼ら兄弟にとって何も心を揺さぶられる事ではないというのを、さらに裏付ける話となっております。
葬儀の日、尚はいつものように登校したことで周囲が驚きます。
親友の桜坂も聞いてきます。
いくらいろいろあったとはいえ血の繋がった実の親である父親の葬儀に出席しない事。
しかし、尚の言葉は「とっくに他人だから」
その言葉に親友だからこそなのか、冷たいやつとおもうよりスゴイとおもってしまう桜坂。
しかし、尚。
驚く周囲と冷静な自分に温度差を感じながらも、桜坂に対しては心配してくれて嬉しかったとまーちゃんに語っている。
その日の夜、まーちゃんは桜坂にちょっぴり嫉妬してみたり。
彼ら兄弟は、平常運転の日常なのでした。
尚にとってまーちゃんはもちろん特別なんだけど、桜坂もまた特別なんだなと思えるシチュエーションでありました。
番犬は襲い狼になる日は来ないのか?と、心の隅で期待しているのだが(笑)
まーちゃんvs桜坂
いつか見たいな~と期待している人は他にもいるだろうか?
もう10巻までまいりました。
多分題名の二重螺旋はDNAの事を指しているのだとは思うのですが
毎度おこる出来事も人間関係も複雑で二重螺旋のようだとは思うのですが
二重螺旋どころか何重にも絡み合って自分にはその絡まりが複雑に入り組んでほどくのにやっかいになっているんじゃ?とさえ思うのではありましたが、今回一応の一つの事柄については決着がついたといえるのかもしれないです。
だけど、毎回毎回、篠宮兄弟に関連する人々の心や考えや行動が何か次の複線になるのでは?と目が離せないのもこのシリーズの特徴です。
巻が進むにつれてまーちゃんと尚のエッチシーンは減り、LOVEより人間模様に比重が移りはしていますが、まーちゃんの尚への執着度合は深くなっていくような?
むしろ、尚に変化が出てきたような?
作者さま、毎度毎度書いている気がいたしますが、一体このシリーズはどこにゴールがあるのでしょうか?
もしや、目指せ!20巻なのでは?と恐れおののいております(汗)
以下、ネタばれ含みます
篠宮家、崩壊の原因となった父親がなんと!亡くなりました。
愛人だった千里が、自分を忘れ去られてしまった事にショックを受けてちと壊れてしまったようで、
彼らを焚き付けて食い物にしたマスコミが、彼らを殺してしまった事になったエゴの結末でした。
もう篠宮兄弟にとってはとっくに切り捨てていた人でしたから、葬儀に出る事もなく。
沙也加もにとっても苦痛のタネがいなくなってセイセイしたというところでしょうか。
その沙也加ですが、留学費用欲しさにオーディションを受けておりましたが、優勝はできず。
しかし、MASAKIが尊敬する先輩加々美の所属する事務所が彼女に声をかけたのです。
この事は、沙也加の兄への執着の脱却となるのか?はたまた兄弟の禁断を暴く布石になるのか、とても気になるところです!
今回、おや?と思ったのは、過去のいろいろな兄弟を取り巻く事件がありましたが、一見繊細で弱そうで人がいいように見える尚は、突き放すような彼なりのエゴというか冷たい部分をもっているという面も見せてきましたが、今回もそんな父の死を含めてそんな面が多かったような。
それでも彼は純粋で無垢に回りから見えるという~ひょっとして尚って一番複雑な人間なのかも?って思ったりするのです。
他に注目する点は、いとこの零に叔父も参加する書道展に誘われて一緒に行くのですが、まーちゃんに許可をとってからではなく、事後という点も”おや?”と思える点だったような。
尚も変わっていっているのでしょうか?
さて、今巻はさほど事件というものもなく穏やかに進行していったとは思うのですが、再びの嵐の前の静けさでしょうか?
評価としては、あまりヤマはないのですがその次の展開への期待を込めてというところでしょう。
1巻が出たのが13年。
2年空いたことにはなりますが、今月来月の連続刊行によって焦らされることなくこのHatterの章を完結して見られるということは嬉しい限りです。
飼い主に見放され、日本で死ぬつもりが思うようにならず、
帽子デザイナーの聡に拾われ、彼の店を手伝いながら居候することになったリョウ。
Rainの巻では聡がリョウに対して一目ぼれ?な感情を覚えつつもそれを打ち消して、恋愛モードへの移行は全く見られることはなかったのですが、
このHatterにおいて、それは動き出します。
聡がN.Yのショーに出ることになったこと。
このHatter#1では聡が感じていた才能と作品に対するジレンマとトラウマを抜け出すことができる羽ばたきが一つメインの軸だとは思うのですが、
その過程において聡とリョウの関係や気持ちが浮き出していくのが見えてきます。
余り過去の事を話すのは好きじゃないけど、リョウが聞いたから話たくなったから話した、トラウマの事。
聡はリョウに聞きたい事があって聞くと、多分話してはくれると思っているが、だけどそこまで踏み込んでいいのかと、中途半端をしていいのかと、半ば怖がっているように見える。
リョウは、聡をじっと見ている。よく観察している。
まるでおあずけさせられている犬のように、でももの欲し気にはしないで聞き分けのよい陽気な犬を装って。
彼の中にもまた言葉にしない葛藤がある。
土壇場で、トリを務めるはずのモデルが事故で出演できなくなり、代わりを務めることになったリョウに聡がかける言葉
「自分らしく歩いてくれ」
これがリョウにとっても聡にとっても大事なことだったのでしょう。
ショーは無事成功に終わり、その後のプロモーション活動に暫く二人でN.Yに残る事になったとき、リョウは昔の仲間と偶然出会い、
自分が忠誠を尽くしていた飼い主が生きていることを知る。
そして・・・
この巻が聡の決着であるなら、次月の巻はリョウの決着です。
それぞれが、踏み出す為に必要な事。
クリアしていかないとですね!たとえその道が容易でなくとも。
何か言いたげにじっと聡を見つめるリョウの瞳
触りたいのに触れない苦しく切なげなリョウの瞳
彼の目が語っていました。
魅せる絵ももちろんですが、物語構成がうまいというか自分の感性にぴたりと当てはまる!
さて、ラブも見えてきましたし来月が待ち遠しいですね☆
前から読んでみたいな、と思っておりましたが、いかんせん紙派で好きなページをペラペラしたい派なんで書籍化はうれしかった☆
二段組みの287pの厚みのある本はエピソード6まで収録ですが、全体の90%以上が行為のシーンのため、1話だけでもう満腹!?
6まで行き着くころには苦行かと、なんか大食い大会に出場してる気分に!?
そのくらい濃厚です。
思いっきりガッチムチ、毛むくじゃら、ひげのおっさん達が繰り広げる世界、挿絵も全然美化されたものでないですから、耐性のない方・BLのSMを想像される方は回れ右でしょう。
SMも、きれいきれいな上品さは一切なくWILD
屈強な男でないと耐えられないくらいなシチュエーションてんこ盛り。
う~ん、同人ならではのML風味SMポルノタッチを十分にかもしております。
女にだらしない、女も男も注目する色男?の牧童パトリックが、牧場主の奥さんを孕ませた事から、
牧童頭のダグラスをメインに牧場主J・Yも参加の形で、彼らのオンナに調教されていくという大筋ではあります。
その調教過程が見せ場ではありますが、ストーリー的に
1930年代の禁酒法時代の密造に絡んだ彼らの欲やら駆け引きやらが介在しているという、背景としてはしっかり作られたものがあると思います。
舞台が牧場だけに、馬具やら周囲にあるモノがSM調教に大変に役立ってお道具として登場。
ちょっぴりウハウハしてしまうシチュが満載☆
パトリック、女にモテる色男だが、男にもそそるものを持ってるという
それは牧場という職場とアメリカ的土地を考えるに、週末でないと町へ出て発散できないという平日の溜まる欲求不満もあり、ゲイでなくてもそういうのってあるよね~と、常々思ってました。
ダグラスに調教されるようになっても、ぶち込まれる行為は週末となっていて、その淫乱に仕込まれてしまった体を持て余すパトリックの姿もありましたしね。
不本意に執拗に調教される体は、屈辱の何物でもないのに逃げられなくさせられたことで心を裏切ってその仕打ちの快感というのか、自分の理性を手放す感覚への快感とでもいうのだろうか。
そうした従属が出来上がっていく。
そうさせたダグラスという男は、ご主人様などという生易しい呼び名をするよりも、真の支配者。
隷属させるものとさせられるもの。
パトリックだけに限らず、すべてを圧倒する力を持つ男なのであろう。
田亀作品に『銀の華』という名作があるが、読みながらついそれを比較対象として見てしまった。
あれもまた、はめられて肉便器にされた男がすべてが終わったとき、壊れてしまう姿を描いていたのだが、
それと比較するとパトリックは狂わなかっただけ幸せなのだろう。
自らの奴隷とするはずが、ダグラスは駒として使ったはずのパトリックの相手の大佐に嫉妬さえ覚えているから。
その点が、ハードな中の救いだろう。
自分にとってこの作品は萌えか、とかそういう評価対象にあてはまらない作品かもしれない。
ストーリーのある海外のゲイポルノ映画に脳内変換しながら読み進めていったのは確か。
BL脳とは違う次元で楽しみたい作品。
余談になるがこの話を読み始めて、パトリックをすぐジュリアーノジェンマで連想したのだが、今日作者インタビューを見て当たり!やっぱりそうだったか~
同じメキシコハーフの牧童などは、チャールズブロンソンか(笑)
ダグラスはちょっと想像しかねたので、ダニエルグレイグをマッチョに仕立ててヒゲ生やした感じでイメージをば・・・