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萌え死に必至の設定がてんこ盛り

幼馴染みに再会に、リーマンものときて、その上初恋ですと……?

設定だけでどれだけ萌え死にさせるつもりですか!!( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

おおっと。もう一つ大事な設定ありました。
それはズバリ、"添い寝"です。

攻めの凪が不眠症で、添い寝しないとよく寝られないというのです。
子供の頃に父親からの虐待のせいでそうなってしまったわけですが、圭一にギュッてしながら添い寝されるとよく寝れていたそうな。
そして十何年ぶりの再会後、その添い寝が復活することになり、まさにウヒョウヒョな展開へとゴーオン。初恋の相手とのゼロ距離な密着感に圭一は心穏やかではいられない、さてどうするどうするなドッキンドッキンな添い寝BLが幕を開けました。

凪は圭一の初恋の相手だったとの言及はありますが、いやそれお互いにじゃね?って感じの両片想いムーブをビンビン感じます。
いくら昔添い寝をしていた相手だとしても、アラサーの成人男性に添い寝してって甘えますかね?!100パー下心ありありに決まってらい。
しかも2話目のバックハグギュッは、もはや添い寝じゃないような(笑)
意図的に抱きしめたのが丸わかりで、どちらの立場に立ってみても特大のドキュンでした。
初恋の相手の凪にそうされてしまっては身体が反応してしまうのは生理的に仕方がない。だからってその状況でヌいちゃうハートの強さよ……凪に気づかれても知らないいぞ、と思っていたら凪はしっかりと起きてました。
ハァ〜もうこの展開最高すぎる……まだ2話なのに神ってます。


お互いに相手を意識し合っててて、もう土台は全て整いました。
あとはどのタイミングでスイッチを入れるか、これから2人がどう行動していくか、めちゃくちゃ気になります。
しっとりとした大人な雰囲気や、色気のある絵柄がとても素敵で魅入られました。
楽しみな作品の登場に、一冊にまとまるのが既に待ちきれません^ ^♪

面白さと萌え感は別もの

人魚から向けられた総攻め感はエンタメとしては抜群に面白いけど(絵も美しいし)、BLの萌え感はわたし的にはゼロでした。

乙女ゲーム的な誰とくっつくんだろう?をしばらく泳がせるカタチで、徐々に本命が決まっていくのだろうとは思いますが、最初の方で真海への想いを含んだ浬とのエピソードをあんな風に見た後で、洋とのベッドシーンをどう見たらいいのやら複雑な心境でした。

特定のキャラと結ばれて欲しいと思ってしまうと、真海の守備範囲の広さは正直複雑です。ワチャワチャイチャイチャするのがこの作品の味だと思いますが、浬の真海に対する想いはワチャワチャイチャイチャとは合わない。そこには何か意味があると信じたいけど、どうなるのかは今のところ分かりません。。。
総攻めは嫌いじゃないけど、浬の気持ちを思うと他のキャラにデレってる真海のチャラさは、うーん…でした。
深く考えずに読めると良いのですが、浬と今後何かあるとしてもまだ先になりそうな雰囲気なので、この先の展開がどうなるのか見たいような見たくないような気持ちで拮抗しています。(ルイとも今後アリそうな感じだし)


エンターテイナーのおげれつたなか先生のことなので、きっといい方向に…そして素敵なエンドに進むであろうと期待しています!
次巻も楽しみです。

恋愛や家族、ヒューマンドラマとしての質の高さに全面降伏

ひーーヤバいヤバい!!

合冊版の1巻が期間限定で無料キャンペーンやってたので軽い気持ちで読んでみたけど、ここ最近読んだ中でナンバーワンかもしれない。
そんでもって、合冊版の2巻と3巻を即購入して爆速で読破。それでも読み足らず、最新話である単話版の30話まで課金コンプリートしちまいました。
その30話で完結とのこと。最終話は最高すぎて昇天でした…!!

出版社はナンバーナインさんということなので、商業誌にはなっていない電子配信のみの作品ですが、これはぜひとも商業誌でも発売して欲しい逸品。素晴らしいクオリティの作品です。
ただの高校生のBLと侮るなかれ。2人の恋愛の裏には、粘着質ストーカー気質野郎や、息子の自由を奪う母親、その母親のバックにも母友同士の複雑な関係が渦巻いていて……と、BLどころかヒューマンドラマの要素もアリアリなのです!(母友間の複雑な心理はレディコミっぽくてそれもまた面白い)

ストーリーはかなり出来上がっていて、引き込ませるパワーがすごい。
男同士の恋愛に気を遣りながら少しずつ律との距離を詰めるキヨのアプローチの仕方は可愛くて堪らんし、律の複雑な環境を心配して守ろうとする姿勢はカッコいいし、律とイチャつきたいけど我慢する脳内の叫びはオモロいしで、攻めキャラがヨすぎる…!!塞ぎ込んでいた律の心を溶かすにはまさにキヨみたいなキャラしかいないってくらい、キヨのオトコマエ感には拍手です。
一見するとチャラそうで軟派っぽいのに、好きな人がいるとハッキリ言えるハートもナイス。人気者なのも頷けます。
そんなキヨの親友のカンちゃんも何気にいい存在感を放っていて、私のイチオシです(笑)この作品、キャラの宝庫すぎない?ハーフアップの髪型も好きだー

律にねっとりと嫌がらせしてくる的場が気持ち悪くて、ウザくてウザくてゲロゲロなんですけど、この男の気持ち悪さもこの作品の肝となっており、仕方がないけど受け入れるしかありません。律が好きなら好きって言えばいいのに、好きな子をいじめたいタイプにしても、あのやり方はないだろうよ。
この気持ち悪い的場と、実直に向き合い続けるキヨとの間で巻き起こるBL展開は、母親との関係も混ざって一筋縄ではいかないですが、そんな複雑な状況にありながらもしっかりと想いを通わせ合っていくところが、めちゃくちゃに面白いです。

キヨとの出会いで律が変わっていき、また母親も変わっていく。2人の恋愛が別の方面にもいい影響を与えていくストーリー展開は、見ていてハラハラもするけどワクワクもします。
話が進むと少しずつ2人のラブっぽいシーンも増えてきて、そのやりとりの可愛さときたら…くぅぅぅ〜…萌え感抜群です!!\(//∇//)\
単話の30話ではついに…なイチャイチャシーンもありますし、作者さんの読者を喜ばせるツボの分かりみには全面降伏でした。

シリアスさもあまあまも、全てが良かったです。高校生ならではの爽やかさや、勢いあまって突っ走ってしまう恋愛のアツさにも超絶シビれました。
読み終わってもまだまだ読み足りません!
願い半ばに終わってしまった旅行編だけでもいつか描いて下さると嬉しいです^ ^

続編を望みます

オメガバース作品にも色んなストーリーがありますが、こちらはSF要素が混じったオメガバ作品。イラストを担当された蜂巣先生の美麗な表紙が目を引く一冊です。

系統としてはミステリーあり、シリアスありの、なかなかに謎めいたお話です。
オメガが滅亡した世界のストーリーで、アルファとベータしかいないという状況下でベータだった主人公がオメガ化し、世界でたった1人だけのオメガになってしまったことから始まる物語です。
これがただのバース性変異なだけのストーリーになっていなくて、その裏に隠された真相がめちゃ面白い。全世界に影響をもたらすオメガ化の事実が、まさかたった1人の男の執着からきてることだなんて、始まりの時点で予想できた人はまずいないでしょう。終盤に差し掛かって見えてくる真実にはドキドキの嵐でした。

読み始めたときは、アルファの養父に片想いしてるお話なんだと思ってました。
主人公・秋弥に寄り添う研究員のアルファの冬真が登場してイイ仲になるや否や、優しかった養父が不穏な空気感を纏いながら秋弥に執着し始めて、一気に三角関係に突入します。
この三角関係も、実は四角関係…?な感じで、事態は思わぬ方向に進むことになるのですが、養父に隠された秘密というのがトンデモナイ真実でした。

養父には秋弥を引き取ったときから綿密に温めてきた計画があり、全世界を巻き込んだオメガ化計画の全貌を知れば知るほど、驚きと失望の連続です。
しかしながら、養父のただの自己満足から始まった研究の成果は思惑通りに事が運ばず、冬真と秋弥の真実の愛に目覚めさせるというキッカケづくりになったことがストーリーの要の部分。片恋をしていた養父に対する気持ちの変化や、冬真に徐々に惹かれていく過程は大きな見どころだと思います。


身体から始まった関係に色味を帯びていくところや、愛の逃亡劇といった恋愛面での盛り上がりは抜群でした。養父の狂気がその裏に見えるせいか、スリル感も満載です。
冬真がとにかくカッコ良くて最高。やることなすこと頼り甲斐があって、アルファっぽくないヤンチャさとのギャップ巻もすこぶる良かったです。

しかもこの作品、メインカプは良いとして、あのアルファカプについてのスピンオフがもしやあるのでは…と感じさせる終わり方に期待感MAXです。
愛を失ったあの男に新たな春が訪れるのか否か。スピンオフとしていつかの日にぜひ読ませて欲しいです!

悲願達成

瑞樹の元カレ登場に、予想通りのネガっぷりを発揮する蓮見パイセン。
せっかく彼氏になったのに、あらら……。
結局どんな関係でもこの男は不安感とは切ってもきれないんだなぁと思いながら、さてどんな展開になるのやらとワクワクしながら見守りました。
相変わらずぐるぐる悩んで、いらぬ不安を抱いては自分でドン詰まっちゃって。まるでコント師です^ ^

2巻も引き続きもだもだしながら、イイトコまで進んではエッチを失敗する……そんな展開を予想していましたが、まさか!
おおお……(〃∀〃) やりました。見事にヤッてくれました!!!(笑)

祝!悲願達成!!
ここまでくるのに色々あったけど、ヘタレなりに一歩ずつ着実に段階を踏んでいたし、意外と早く成就できて良かったです。
魔法使いになる寸前で見事に大好きな瑞樹と愛し合うことができてただ嬉しいのひと言。ヘタレなヒヨコが成長していく瞬間を見届けた達成感に、こちらまで感動に浸ってしまいました。

結局のところ元カレはただの泣き顔が変なイイヒトでした(笑)
彼も蓮見と同じジャンル側の人で、簡単に言うと"同士"です。
元カレ、今カレ共に、ちょっと変わった男たちの存在感には大爆笑の嵐。蓮見のヘタレチェリーな一面が面白いだけの作品かなと思っていたら、脇キャラを含めて色んな方面におもしろネタがいっぱいでギャグの宝庫でした。

今巻は大事な一戦があったので、それを見届けただけで感無量でした!
次巻は安泰かと思っていたら、そうは問屋が卸さなそうです^ ^
試練に次ぐ試練に、蓮見と瑞樹はどう動くのか3巻も楽しみです。

CANDY 同人R18 コミック

おげれつたなか 

あったかホッコリな日常の切り取り

"リバ表現あり(リバりません)"の文言に、一瞬、ん?となりましたが、確かにリバ風であってリバではなかった(笑)
ついでに言うと、セックスシーン自体がありません。ベッド上でのイチャついたやりとりはありますが、ふわっとした感じで事後感だけが漂ってるに収まっています。

なので、リバが苦手な方にも読めるかと思います。リバの雰囲気感のみで、どちらかというと2人の会話を楽しむに終始している感じでしょうか。
あとは千紘が浩然に見惚れたり、嫉妬したりの口当たりの軽いデレが楽しめるショートストーリーが2本収録されています。

2人の何気ない甘い日常をぜひ。ホッコリほのぼのな気分に浸れること間違いなしです♪

millefeuille 同人 コミック

おげれつたなか 

面白さや楽しさ、甘さや愛おしさが全面解除な番外編

ギャ…ギャヒーーーーン!!(〃∀〃)

あまい、あますぎる……
そして楽しい、楽しすぎる……
こんな2人のイチャ甘な世界線があっていいのだろうか。いや、全然あって良いんですけど、むしろ嬉しいんですけど(笑)、本編がね…ホラ、あんな感じで痛い系シリアスめな内容だったじゃないですか。「ハッピー・オブ・ジ・エンド」はあれが通常稼働なところがあって、何にも考えずに2人の甘いひとときを楽しんで終わったことに少し戸惑いました。
でもそれもちょっとの時間だけで、オール糖度120パーセントの世界は最高オブ最高。めちゃくちゃニヤけました!

甘さに加え、少しコミカルな要素も相まって、至高のハッピーハッピーでした!
面白さや楽しさ、甘さや愛おしさが全面解除な番外編。嫌な要素が一切なく、ただひたすら2人の世界に酔いしれました(*´︶`*)

喜怒哀楽の感情メーターの振れ幅が過去イチ最高

小説は何回も読んだ。ドラマは録画して何度も観た。
何度も何度も刷り込まれた「美しい彼」のシナリオは、もはや私の身体の一部と化しているといっても過言ではありません。

そうして深く刷り込まれた「美しい彼」。5巻の世界もめちゃくちゃに良かったです……!!サイコーにたぎりました!
何といっても、2人にとって最大にして最高の見せ場がたくさん詰まっているラインナップだったのが一番の理由です。清居の平良への募る恋心が切なく響く描写の重みや、平良の奇跡的な解釈違い発言など、私の喜怒哀楽の感情メーターの振れ幅が過去イチ最高でした(笑)
平良のノンデリ発言には怒りが湧いたものの、恋するツンデレ清居の恋心にたくさん触れたのは良かった。やっぱコミカライズならではの細やかな表情がたくさん見られるのは嬉しいですね、感情移入感ハンパなかったです。

平良の戦犯責任は一旦置いとくとして(笑)、これだけイライラさせられてもそれを上回るほどの2人の甘い時間は神の領域でした。小説では挿絵に止まっていた2人のベッドシーンをこんなにもたくさん見ることができて、あああ……興奮が収まりません!!
清居の色気や艶っぽさ、平良の余裕のない顔、どれもが素晴らしかったです。

一応2人の関係に一区切りがつき、ホッとしました。
嬉しいことにこれで終わりじゃないことにガッツポーズ!
まさか「憎らしい彼」の方も引き続きコミカライズで読めるなんて、最高すぎて合掌。
コミカライズの「美しい彼」の世界は小説ともテレビとも違う趣きのある世界が広がっていて、まだまだその世界の広がりを楽しめそう。6巻が早くも待ちきれません^ ^

ずっと引っかかっていたものが取れました

恋人にカッコいいところを見せたくて頑張っていたら、何故だかすれ違ってしまうという思惑ハズレな展開が生まれてしまう下巻。仕事の忙しさに加え、会う時間が減ってしまい、挙げ句の果てには横恋慕を企むお邪魔虫まで登場して……と、不穏な空気が漂います。

慧と智秋にとって、仕事を頑張るという意味で成長に繋がる意気込みだったはずなんですが、なにせ外野がうるさくてですね、彼らの想像を越えてあらぬ方向へと事態が進んでいくことにハラハラし通しでした。
上下巻通してなにが争点かというと、ズバリ"恋人にカッコ良く思われたい"これに尽きます。
恋人が大好きだからこその健気な思いではあるのですが、そのことによって2人の距離が開いていくとは本末転倒もいいとこ。慧には女性カメラマンが、智秋には腹黒常連客がちょっかいをかけるカタチで微妙なすれ違いが生まれていくのが切なかったです。

第三者が周りをチョロつくのは楽しくないですが、そのことによって智秋の隠されていた素顔が暴かれていくことには大事な意味がありました。
前作から感じていたのは、智秋のホンネの部分にはフィルターがかかっているなということ。慧の方は彼自身の気持ちが全面的に伝わってくるのに、智秋の方は心を慧に全て明け渡していない感じがしていて、慧への好きに温度感をそこまで感じられないことにずっと引っかかっていたんですよね。

その違和感がこの下巻で明らかになり、智秋が恋愛にどこか冷静なのは、そういうことだったのかと。智秋というキャラクターをやっと理解できた気がしました。
本当は不器用で怖がり屋な智秋の一面を見ることができて、何だか嬉しかったです。
智秋はカッコ良く思われることで自分の存在価値を高めていたかったんだろうけど、慧の心を繋ぎ止める以前に慧のことを信用していないようにも思えたので、慧に全てを曝け出すことができてホッとしました。
そりゃ好きな人にはカッコいいところを見せたいのは分かるけど、弱い部分を見せ合える関係が恋人の特権なのに、2人とも少しばかり頑張りすぎましたね。変なのとも深く関わることにもなったし、お疲れっした(笑)

変なのといえば、智秋の店の常連・狼森。ヤツはマジでしつこかったー…(遠い目)
嫌なタイプの当て馬で、カッコいいのに残念なマインドの人でした。
そもそも慧と張り合うレベルが違う。
仕事を辞めたくなければ別れろと脅す狼森に屈することなく、仕事を辞めても全然構わないし、智秋を失ったら死ぬ、とまでしれっと言う慧に太刀打ちできるはずなかろう。しかも狼森ときたら、自分の大事な仕事案件に慧が絡んでると知ったらすぐに退散する始末……プププ、ダサすぎてザマァでした♪


カッコいいところ、じゃなくて、カッコ悪いところを見せられるかが一緒にいる上で一番大事なことだと思います。これからはダサいところも弱いっちいところも全て見せ合って、一緒に悩みながら解決したり慰め合ったりして恋人期を楽しく過ごして欲しいです^ ^

モヤッとしていた違和感の謎に迫る

この作品、続編ありきの作品だったんですね。前作の終わり方が、何となくスッキリとしない終わり方だなと思ってました。
特に智秋の方が腹の内を晒しきっていない感じにモヤッとしていて、この続編を読んで前作のモヤリの違和感がスルリと解けました。

作者さんの中ではこの続編が最初から頭にあった上で、敢えてああいった終わり方にしたのでしょうか。今作はSeason2の上下巻ですが、2巻3巻とした方がしっくりきます。
続編じゃなく、完全に前作の話の続きって感じ。前作で語りきれていないこと、伝わりきれていないこと、智秋の抱えている背景といった、智秋という人物像に対する謎めきが今上下巻でもって明らかになります。

とはいっても、この上巻ではその全ては分からず、下巻を読み終えて知るところになるのですが、上巻はその下地作り。お互いに自分の仕事を頑張って成果を出す…恋人にカッコいいところを見せたい欲から始まる恋人編のストーリーとなっています。
無事に恋人同士となり、同棲をすることになった彼らの甘い日々にただ酔いしれるだけの話ではありません。確かに前作にも増してエロさは増し増しにはなりましたが(←期待してました 笑)、そんな2人のラブ期を邪魔する輩や、それまでの毎日に変化をもたらす仕事事案が舞い込み、一気に2人の置かれる環境が慌ただしくなります。

仕事が忙しくなってすれ違いが生まれるぶん、相手の気持ちを推し量ったり不安感が増すのは恋人のことがそれだけ好きだという証拠でしょう。慧の執着は智秋を手放したくないという思いからくるもので、智秋の執着は捨てられたくない思いからくるものです。
恋人に執着するという意味では同じ性質なのに、2人の執着は種類が違うことに注目しながら読んで欲しいなと思います。それが智秋の心の枷にも繋がりますゆえ…。


仕事の頑張りが変に空回ったり、予想もしない方向へと飛んでいきそうな雰囲気のまま上巻を読み終えましたが、今後起こりゆく展開はどんな様相になるのかすごく気になります。
脇を固める登場人物たち1人1人の存在感も、良い人悪い人抜きにしてとても良かった。下巻も楽しんで読んでいきたいです。