スイーツのように甘い2人の恋愛模様が奏でる糖分が染み渡る……( ´∀`)
一瞬で大好きな作品になりました。
製菓学校の同級生カップルの再会ラブがめちゃくちゃイイ。設定的にはあまりお見かけしないカップリングですが、その新鮮さとピュアさと可愛さはキュン度レベル100です。
まず、このストーリーの世界観を彩るに当たって、美しくて可愛らしい絵柄は相当な加点ポイントだと思います。美形攻めの画面映えは見てるだけでテンション爆上がりですし、2人の接点である製菓…つまりスイーツですが、この描画が実に美しい。宝石のようなケーキたちが散りばめられたコマやシーンを見てるだけで、い…いかん。夜中なのにヨダレが……。(ジュルリ)
製菓は彼らにとって出会いと繋がりの部分ということもあり、視覚的な見栄えの良さはそれだけでこの作品の世界が盛り上がるというもの。作者さんのスイーツへの愛とこだわりが見てとれました。
製菓の世界を諦めることになった七尾のために作られた四ノ宮の愛がたくさん詰まったケーキたちが収まったショーケースは、宝石箱のようにキラキラ輝いていて素晴らしかったです。作品の中でのスイーツは添え物扱いではありますが、スイーツの絵だけでも見る価値あったなと私は個人的に思っています。
……で、そのスイーツを作るパティシエの四ノ宮の顔面の良さが、これまたヤッッッバイ!美人イケメン度がハンパなくて、特にパティシエの制服を着てる破壊力たるや……あまりの美形さに目が離せませんでした。
思わずピンチアウト(タブレットです)しちゃうほど見惚れました(笑)
その美人イケメンの四ノ宮の方が受けの七尾より体格が小さめで、昔はツンツンしていてトガッてたのに再会後は実は好きだった七尾にアタックしたりなんかしてと、色んなギャップが楽しくて堪らんです♪
昔の短髪も可愛らしいけど、ボブの方がいいね!……と思ってたら、髪を切ってまたまた最高のカッコ良さを更新しちゃう、見せ場をたくさん作ってくれる攻めキャラにありがとうと感謝の気持ちでいっぱいです。
上背は七尾の方があるけど、元々の人の良さとウブみが滲み出てることで、可愛さの方が全面に出てる感じが良き。七尾から溢れ出る癒し系オーラは四ノ宮との相性が非常に抜群でした。
スイーツばりに甘いストーリーでもあり、でもちょっぴり切なさもあるしで、そのしんみりとするスパイスが物語のアクセントとなってジワジワ効いてくるトータル的な甘酸っぱさに身悶えまくった作品でした。
巻末の予告からして既に次巻の発売が待ちきれません!
これからどんなストーリーが広がっていくのか、2人の恋愛の更なる発展に注目しつつ待ち侘びたいと思います^ ^
イケメン同士のほだほだカップル。
気持ちが微妙にすれ違ってるのも、相手の気持ちが分からなくて右往左往してるのも何だか可愛いくて微笑ましく読ませてもらいました^ ^
最初、咲哉の方が太雅に絆されていくのかなーと思っていたら、逆で。じゃあ太雅が絆され側なんだと思って読んでいたら、またまた形勢逆転で(笑)このカップルの身体から始まる絆し絆され、振り回し振り回されの恋愛模様がめちゃくちゃ楽しかったです。
彼女と交際が長続きしないと言っていた太雅(右側の赤髪のカレ)なんですが、恋愛に難アリイケメンかと思ってたら、まさかの健気な一面におおっ!自分から好きになった相手には尽くしちゃうタイプなのかしらと、ちょっと意外な一面に好感度大でした。あと、恋愛に誠実なところも加点ポイントです。(勝手に遊び人と思ってしまってゴメンよ)
そんな太雅のハートを射止めた咲哉は、人あたりのいいイケメンで、男女問わずに人気者です。ザ・リア充を体現したみたいな男で、非常に感じのいいキャラクターではありますが、なんか変わってて。というか、厄介よりです。
コミュ力は最強なんだけど、どこか上っ面な感じ。他人に気持ち預けてないな、話のポイントズレてんな、みたいなふわっとした軽さが妙に気になる人物です。
そここそがまさにこの作品の肝となる部分。何を考えてるのか分からない、話が的を得ない咲哉の性格が物語のキーポイントとなります。
論点が噛み合わない2人の恋愛はこの作品の見どころです。
咲哉の振り回しはわざとやってるならまだしも、天然だからよりタチが悪いんですよねー…。
太雅の好意に向き合ってるつもりでも、本気をちゃんと伝えきれていないところがやるせません。咲哉もちゃんと太雅に本気になってるし、自分なりにアピールしてるんですけど、太雅に伝わっていないのが、うーん…もどかしいです。
身体から始まった関係とはいえ、気持ちはちゃんと同じ方向に向いているだけにこのすれ違いはもったいなさすぎる。咲哉の核心ズラしのような反応や生返事が妙にイライラするんですよね(笑)
当初、この恋の仕掛け人かと思っていた太雅が、咲哉に翻弄されていく姿は意外や意外でしたが、そんな恋愛の拗れっぷりもこのストーリーの楽しさです。咲哉へのイライラと、太雅へのエールが比例していくところに注目しながら彼らの恋の行方をぜひ最後までお見届け下さい^ ^
2人の心情描写への丁寧なアプローチによって紡がれていく不器用な恋愛がジンワリと沁みる物語でした。
続編もあるとのことなので、今から楽しみでたまりません♪
作者の一条珠綾先生は、前作の星詠みのお話といい、今作の宝石のお話といい、透明感のある美しいモチーフをベースに書きこなすのが非常に上手い作家さんだと思いました。
今作は、宝石がモチーフとなっていて、たくさんの石が登場します。
この作品の中で、宝石は特別なものであると同時に人々の日常生活にも根付いているというのが特徴的な設定。高価な宝石は単なる宝飾品ではなく、石が人々の心の拠り所にもなっていて、宝石のお祭りがあるなどちょっとした信仰心の対象となっていることもまたユニークで面白いです。
そんな宝石を取り扱ったこの作品。まさに宝石の名を冠したルビー文庫さんから発売されたことに何か運命を感じたのは私だけでしょうか^ ^
宝石の妖精の愛し子とされる赤い瞳を持つルベルの瞳の色は、ルビーと同じカラー。ルビー文庫さんとの相性もバッチリな作品だと言えるでしょう。
煌びやかなたくさんの宝石に囲まれたこのお話は、運命の力に引き寄せられるが如く、自然に惹かれ合っていく2人の恋のお話がとっても素敵なストーリーです。街中で助けてくれたゼノとの出会いや、徐々に想いを寄せていく恋の導きはウブさや戸惑いが好意に滲んでドキドキの嵐でした。
実はゼノの身分は……といったところのサプライズにもぜひご注目を。
ゼノの身分を知らないままに、恋を芽生えさせていく展開は分かっちゃいるけど楽しいです(笑)
とは言え。ゼノやルベルの抱える生い立ちや生き様は重くて暗く、宝石の持つ幸せの象徴とは別のベクトルで生きてる2人の背景には心掴まれるものがありました。"孤独な宝石商"とタイトルにはあるけど、ゼノの方も気持ちの上では孤独に生きてきたという点で2人よく似ています。
惹かれ合っていく過程の中で、ゼノの婚約者の存在にモヤついたり、ルベルの家族特有の病が発症したりと、2人の恋の道はなかなかに波乱です。
特に。恋の病とも言えるルベルの抱える病気の謎は、その真相を含めて驚きの事実のオンパレードでした。
色んな事実が露わになっていく終盤は見せ場が盛りだくさんでしたが、やや駆け足気味にも感じました。大事なターンだけに、もう少しタメがあっても良かったかもです。
ルベルの幼馴染の医者の息子の失恋の後処理の仕方とか、ちょっと雑さが見える部分もあったりと、少しだけモヤッとする場面もちらほら。お騒がせな親たちに振り回されてきた子どもズに同情してしまう思いも拭えませんでしたし、終盤の駆け込みエンディングの回収はもう少し話を詰める余地もあったかなと思いました。
セックスの誘い文句で、"精液くれる?"は、初めて聞きました。
そもそも、精液くれてないし、逆に貰ってるし?(笑)
ちゃんとした意味なんか実はそんなに大事じゃないんですよ。セックスしよう、の2人だけのサインが通じ合っていればそれでいいんです。
それにしても毎度の中出しセックスは後始末が大変そうだけど、ゴム無しは夜久のポリシーなのかしら……。事後のあれこれを考えると中出しされた角田のその後に私の方がソワソワしちゃいました。
精液とマグロなんて、普通に生活していたら交わることのないワードですが、この作品ではこの2つが2人の出会いにとって大事なキーワードになってることにご注目です。
元彼に罵られた角田のトラウマこそが、"マグロ"。
あくまでもベッド上でのスタイルであって、ツナの意味のマグロではないのでご理解下さいね(笑)
そして、そんなマグロから角田を救ったのが"精液"。精液の受諾契約によって、マグロのトラウマから救われることになりました。
こうやって書いてみるとなんの話?ってなるのが、この作品の面白いところ。淫魔風に誘う夜久の口説きのセンスが少々ややこしめですが、ウィット感あって楽しいです。
セフレのような関係の2人だけど、水面下ではしっかりと意識し合っている両片想いがやや焦ったく感じます。でも、そんな距離感を穴埋めするかのようにセックスシーンはは非常にエッチーで甘々も甘々。早くくっつけーと何度思ったか分かりません^ ^
元彼にはもうちょいギャフンと言わしめても良かったかもです。あんな対応では生ぬるい……。そして、マグロを軽くディスった罪も併せて、あんな振り方をしたことを死ぬまで後悔するがいい(笑)
気持ちが多少すれ違っちゃってるとは言え、エッチであまあまなベッドシーンが盛りだくさんだったので、糖分供給は十分でした。
大人の不器用な恋をたんまりと堪能した一冊に大満足です♪
約3年半ぶりの飴色パラドックスの続刊……っっ!!
待ち侘びていた続きが読めるとあってか、こちらのブチ上げなテンションとは裏腹に、いつもな感じでスルッと普通に前巻の続きから始まる温度差よ(笑)どれだけ続刊の間隔が空こうが空くまいが、いつでもどんなタイミングでも2人が普段通りの姿を見せてくれるだけで、飴色のホームに帰ってきたなぁ…としみじみしています。
また飴色パラドックスの世界を楽しめるワクワク感!
またこの2人のイチャイチャワチャワチャにクスッと浸れる懐かしさ!
ケンカップルにしては少々甘めに仕上がりつつある蕪木と尾上の徐々に進む関係性も、ついには同居(同棲)へと突入し、仕事もプライベートも充実しつつある2人に超絶ニンマリの一冊でした。
プライベートの部分を同一にする共有の空間も時間も以前より増え、これまで見えてこなかった新たな一面にドキドキしたりするのが同棲したてカップルの醍醐味ですね。意外とマッスルボディな雄味の強い蕪木や、布団の中から眠そうにいってらっしゃいをする可愛い蕪木のギャップ差が、ウヒョヒョーでした(〃∀〃)
これまで色々あったけど、このステージにまで段階を踏むことができたことがすごく嬉しいです。
そんなあまあまな同居生活からスタートすることになった7巻ですが、蕪木の過去に迫るなど、未だ知り得なかった情報がザクザク出てくることにご注目です。
その流れで、蕪木と編集長との接点も明らかになり、登場人物たちの裏の繋がりが露わになったことに驚きと興奮でいっぱいでした。
もう7巻にもなるのに、蕪木の全貌が見えていなかったことに、そういやそうだったなんて思ったり。家庭環境的にも陰のあるバッグボーンを秘めた男なので、今後も彼の過去エピが顔を覗かせそうです。
そんなこともあり、まだこの2人のお話はまだ続いていくと思われます。
巻を追うごとに彼らの関係が少しずつ進展していくのがこの作品の醍醐味とも言えるでしょう。
読み終わった側から期待に満ちる終わり方も非常に心地よい読後感でした。
今後の2人からもますます目が離せません。既に続刊が楽しみです♪
『碧のかたみ』の六郎と恒、『天球儀の海』の資紀と希。
それぞれの作品の後日談であったり、本編のストーリーを補完するような内容になっていたりと、この番外編集において琴平兄弟を取り巻く世界観がより一層強化されたように思います。
この作品の旨味は何といっても、二つの作品の橋渡し的な役割を果たしていることでしょう。
個々別の作品であったときは、恒は六郎と、希は資紀と。各々の出会いを起点とし、惹かれ合うようになり、そして恋人同士へと関係を深めていく経過を追うのがメインでした。それがこの番外編によって、恋人への愛情だけではなく、父子愛や兄弟愛を含めた家族愛、同じ環境下に身を置きながら切磋琢する友人愛、人種の壁を越えて育まれた親愛の情といったことにも触れ、ストーリーに広がりと奥行きが増しました。
番外編ならではのエピソード集だと思いますし、本編にはないフランクさやとりとめのない日常感をこのフィールドでしか味わえないことを思えば、ちょっとしたお得感を感じる一冊でした^ ^
厳しい訓練や過酷な生活の合間にも、こんな風に穏やかに過ごす時間があったんだと。国のために戦う彼らも、愛する人のため、自分のために生きる1人の人間なんだと。
なんて事のないささやかな場面1つ1つから登場人物たちのその人らしさや素の姿が見えた気がして、過酷な一時代を共に過ごした多くの人たちの生命力や息吹をも感じるストーリーになっていると思いました。
歴史の重みも同時に感じながら味わっていくストーリーは、時に戦争の恐ろしさを目の当たりにするシーンも登場します。捕虜にされたばかりの六郎と恒の姿は目を背けたくなるほどの生々しさがありました。
これが彼らの生きる世界であり、時代なんですよね。
こういうリアルに近い情景描写の中で、この作品の重みや深さを理解することが、六郎と恒を……または資紀と希を知ることの礎だと言えるでしょう。
取り扱う時代と内容が重たいせいか、"BL"とジャンル分けするには少々心許ないような気がしました。BLの枠に止まらずとも、一般小説としても遜色のないストーリーだと思います。
BLのような、ブロマンスのような、ヒューマンドラマのような、ドキュメンタリードラマのような、回顧録のような。色んな表情を覗かせる彼らの物語にぜひ浸って下さい。
受けの島崎の視点をメインに物語が進んでいるというのに、はて?
どういうわけか、攻めの立山の気持ちが痛いほど伝わってくるのは何故だろう。
島崎の秘密の片想いが響くストーリーであると同時に、立山の島崎への執着が垣間見えるシーンの数々に前のめりになりながらドキドキに溺れました。
一見すると、不器用そうに見えるのは島崎だけど、実は立山のほう。
ハプニングに乗じて島崎に触れたのはそっちなのに、島崎に罪悪感を抱かせるとはなかなかの策士だと思いました。
"あの夜のキス、マジだったんだな"って。いやいや、あなたがでしょうよ、と言いたい。
何でキスした?もそう。だから、あなたも何故キスをし返したのかって話なんですがね…
"俺にしとけ"と、カッコいいこと言ってる風だけど、あくまでも選択や答えを島崎に委ねてるのがどうにも締まらない。自分の気持ちはどうなのよ?と。
既成事実のキッカケを作ったのは、元はと言えば立山なのになぁ…と思いつつ、そこを逆手にとって島崎と関係を深めようとする立山の不器用でヘタレなところが相当に拗れてるなと思いました。
そもそも論でいうと。スイーツで島崎の興味を引いたり、繋がりを持ち続けたりしているところから、立山の隠れ執着が見え隠れしていたのを私は見逃していません(笑)ここまで分かりやすい好意を向けてくる攻めも珍しいけど、この分かりやすさはある意味安心材料にもなるので、ノーハラハラで2人の関係を見届けるには最高のロケーションでした。
薄井いろは先生の吐息がかかるような艶めかしい色欲シーンがたくさんあるのは目の癒しではありますが、親友兼ルームメイト以上恋人未満の微妙な関係性の中、2人の交錯する想いだけが置いてけぼりになっていくのが、何とも焦ったい。
決定打がね……なかなかチャンスがこないんですよね。
2人とものらりくらりで、しかもすれ違いまで生まれるわで、親友期間が長いことの弊害が出ちゃっててもどかしくて仕方ありません。性欲でごまかすやり方はあまり良くないけど、こうまでして隠すことに良い未来が生まれるとも思えない。
甘いような、切ないような……不器用で臆病な2人の恋模様に注目しながら最後まで見届けて下さい。
親友だからこそ足踏みしてしまう繊細な心と心のやりとりにもぜひ。
情事のあとの能美先輩の佇まいにドキリとしました。
温泉来て、浴衣着て、甘く激しいセックスを堪能して迎えた朝。ここは2人してお布団の中で目覚めて、起き抜けボンヤリとしながら甘い雰囲気の中もう一戦というのが温泉旅行の定番エンディングだと思うんです。
しかし、この2人の温泉旅行の朝はちょっと違う。
たくさん愛し合ったであろう(上限3回)瑛人が目覚めると、能美は既に起きていて、窓際にある椅子に座って"おはよう"と声をかけます。
その手には本があって、瑛人が起きるまで読書をして待っていたのでしょう。非日常の朝の中に存在するいつもの能美の日常感に思わず惹きつけられました。
あんなに瑛人を求めて乱れていたのに、朝になると情事の名残も余韻も見せない能美の隙のない朝の出迎えは、美しく、凛としていて、それでいて神々しく映りました。
旅行にきてるのに本を持参してるんかいというツッコミはさておき、能美のチャラい雰囲気からの、朝のリセット感とのギャップはずるい〜(笑)朝、意外と強いんだね、起き抜けに本読めるんだね、と彼の朝の強さに尊敬です。
やっぱ能美って品があるのよね。
あんなにチャラチャラしてても、隠しきれない育ちの良さが滲み出てる。それが能美の魅力であり、愛されるキャラに繋がってるんだと思います。
温泉も宿もグルメもセックスも。たっぷり2人だけの時間を堪能するカップル2人に癒されまくった番外編でした。
キャラ文庫さんの現代お仕事ものは、作家さん自身がこの業界に実際に身を置いていたんじゃないかってくらいリアルなものが多いです。
本作もその例外にあらずで、リアルかつ緻密。不動産業界にフューチャーしており、不動産売買の裏舞台をベースに繰り広げていくBLがめちゃくちゃ面白かったです。面白いを通り越して感動というか……私にとって素敵な出会いとなった一冊になりました。
心が読めるという設定始まりだったので、ファンタジー寄りかなと最初は思ってましたが全然。ほぼ日常現代ものといっても差し支えないですし、なによりリアルな不動産業界の光と陰の部分へのアプローチがとんでもなくハマる!話題の地面師トラブルにも触れていて、営業マンとして売り上げを競い合うバチバチ感も面白いです。
何千万、何億という取引と契約が発生する業界に関して、私は勝手に派手な仕事だと思ってましたが、実は地道な下地作りによって成立する繊細な仕事でもあるんですよね。
不動産物件を相手にするとはいえ、それを売り買いするのは人。まさに人を見る、人を知ることが売り上げに直結する業界ということを考えれば、やりがいは大きそうだけど相当に大変そうで、営業マンへの見る目が変わりました(笑)
あくまでもフィクションなので、不動産業界事情に対する真偽は一旦置いとくとして、リアルとエンタメが入り混じるストーリーに終始興奮でした。作者さんの分かりやすくて読みやすい文章力も相まってか、専門用語が飛び出してもなんのそのでした。
そこにBLが乗っかってくるわけでしょ?面白くないわけがない(≧∀≦)
この作品のすごいところは、お仕事パートとBLパートがどちらも同じだけのレベルで構築されていることです。
どちらも面白くてしかもトータルバランス力としてのまとまり方も完璧。全方位で楽しめる神作品でした。
恋愛面では受けの安達が人間不信ってる不器用系のキャラクターではあるのですが、そんな安達に対してブレない一途な好意を向けてくる同僚兼ライバルの久慈が温かく受け止めてくれるのがサイッコウです。
この久慈って男は、キラキラ安達もドンヨリ安達もまるっと全てを受け止めてくれるスーパーナイスガイ。シゴデキだし、安達の仕事のフォロー力も素晴らしいです。
読心術の能力が失われた安達の不安や戸惑いに親身になって寄り添ってくれる優しい男の姿に、ハートを奪われてしまった読者は多いのでは?私はバッチリ盗まれましたが(笑)
溺愛だし、独占欲むきだしだし、好きってちゃんと言ってくれるしで、この男のイケメン度は衰え知らずです。かゆいところに手が届きまくる久慈のイケメンぶりを見るだけでもこの作品を読む価値は大いにあると思います^ ^
安達が丁度よく不器用に振る舞ってくれるというのもあってか、久慈の良い男ぶりが際立ったというのもあるかもです。
安達は安達で仕事に誠実で一生懸命なところが好感度大でした。最初はツンツンしていて生け好かん感じもしたけど、久慈に心を預けるようになってからの安達はトゲがなくなって応援したくなるイケメンに変身。
2人が同僚として切磋琢磨するバディ感もよく、恋愛も相乗効果的に甘みを出していくBLの進みにドキドキでいっぱいでした!
読み終わった読後感はハンパなくよろしかったです。
たくさんの人におすすめしたい素敵作品です♪
この作品を読んだとき、ディズニー映画の「アナと雪の女王」のお話みたいだなと思いました。
パクリとかそんなんではなくてですね、異能持ちの為政者としての孤独や苦悩といった背景描写がすごく通じるものがあるなぁと思ってついつい読み入ってしまいました。
最後の最後までめちゃくちゃ面白かったー!ファンタジーの良いダシを存分に味わえて旨味だらけの素敵作品でした。
不遇の生い立ちとワケアリの境遇を持つ2人の運命力の強さが、絶妙なドラマチック展開を生み、またロマンチックに惹かれあっていくストーリーが素晴らしかったです( ´∀`)
雷帝と称されるゼイランは類稀なる雷の特異体質で、あまりにもそのパワーが強すぎて実の母の命を奪ってしまったという過去の持ち主。そのせいで誰の温もりも知らないまま、皆から恐れられるという人生をこれまで送ってきました。
氷の女王の方とは生い立ち的に異なるけど、自分の能力に対して苦しみながら生きてきた境遇は2人よく似ています。危害を加えてしまうほどの強大なエネルギーをその身に宿した両者の主人公像とその苦悩がリンクして見えました。
だからと言うわけじゃないですが、ゼイランの生きづらさや、周りと距離を置かなければならない孤独感の描写がすんなりと入ってきました。
二作品の共通項の多さは、物語へと導かれる関心に繋がりましたし、似てるなと思えば今度は逆に違う点が非常に気になってしまうもの。この作品独自のオリジナリティあるストーリー展開と、アシェルとのBLへと進む流れは唯一無二でした。
ゼイランの雷の刺激を受けないアシェルとの出会いは、偶然かそれとも必然か…といった感じ。もちろん奇跡の出会いなのは間違いないのですが、彼らの重苦しい過去の背景を顧みれば、色々と越えなきゃいけないハードルが多々あり、すんなりと上手くいかない状況が過酷すぎました。
2人は何も悪いことしてないのに、出自や血筋に翻弄されていく八方塞がりな状態が非常に苦々しい。。。
国家謀反を企てた身内悪役との対峙シーンなんかも含め、ストーリーの盛り上がり方が完璧で、ページをめくる手が止まりませんでした。
事件・シリアス展開ももちろん面白いですが、やはりBL展開が1番の気になりどころでしよう。
好きにならないと思っていたアシェルのことを日に日に好きになっていくゼイランの分かりやすい嫉妬や甘えや溺愛といったら、カ…カ…カーーーッ(〃∀〃)
ゼイランの剥き出し感情が最高すぎました。
最後の1ページ…史実っぽい語り方のアクセントも良かったです。
彼らが誠実に生きた過去を客観視できる歴史の重みに、読後の心地よさと満足感をしっかりと感じとることができました^ ^