切ないシーンもないし、嫌なヤツも登場しないし、2人の恋や恋愛をじっくり追っていけるアオハルBLだと思います。
子どもの頃に実は出会っていて、攻めのガクの方はサトリのことをずっと好きでいたという執着ぶり。サトリの方はガクのことを忘れたまんまですが、2年に進級してクラスメイトとなった2人は意気投合し、親交を深めていくことになります。
昔からサトリを好きだったこともあり、ガクの独占欲ムーブはなかなかのモンです。好きな人を取られたくないとジェラるイケメンの図はニヤニヤしますし、ワンコのようにサトリにくっついてる姿も大型犬みたいで可愛かったです( ´∀`)
背が高くイケメンのガクは俳優として活動する別の一面も持ち合わせていて、元を辿ればサトリがキッカケで芸能の道に進んだという背景があるんですよね。そう考えると、ガクの表の顔も裏の顔もサトリ一色なんだなぁと思ったり。そりゃ、好きになるわとガクの重い感情に納得しきりでした。
サトリがどう自分の感情に向き合っていくのかが、このストーリーの焦点です。ガクは絶対的にサトリのことが好きなので、サトリがガクへの想いにどう応えていくのか、その距離の縮め方も見どころです。
この辺りの流れは作者さんが丁寧に描いてくれていることもあって、心情描写を含めて引き込まれましたし、2人で過ごすことができる限られた学園生活を楽しむ青春の趣きも良かったです。
だんだんとガクの想いに気持ちが追いついていくサトリの好き感情にニンマリしつつ、キスのその先へと関係を深めていく親密さをドキドキしながら見守りました。
ストーリー的にはドキドキやキュンも楽しめる仕様ですが、なんとなく話が表層的というか、心の中から湧き上がる熱い想いに浸るだけの深みはあまり感じなかったかな。サラッとしてるっちゃしてるかもですが、クセの強いストーリーじゃないので、万人受けする内容だと思います。BL初心者さんも手に取りやすそうです^ ^
男子高校生の恋心にピッタリと寄り添ったアオハル感をお求めの方はぜひ♪
釘宮つかさ先生の中華ファンタジーは、本当に絶品です!
読む前から、あ。これ絶対面白いヤツだってあらすじが既に主張してました。
文庫本にしては少々お値段お高めですが、買って良かったと思える面白さ!読み応え!読後感!そして満足度!素晴らしかったです。
皇帝の椅子を巡る後継者争いをも巻き込んだ、一途な愛を描いたこの作品の世界観にどっぷり。深く長く眠りにつく愛する人を想いながら、ただひたすらにその目覚めを待ち焦がれる年下執着攻めの健気な愛情にうっとりと溺れました。
シリアスとラブの部分からアプローチする物語は非常に壮大なスケールで、国や周辺国をも巻き込む世界の動乱を背景に展開していきます。そこには愛する人を助ける思いを孕んでおり、とんでもないスピードで成長を遂げた執着イケメン攻めの存在にドキドキさせられました。
世界の縮図が大きく変わる節目には、実は主人公である天莉は直接的には関わっていません。あるとき9年もの長い時を経て目覚めると、見える世界がガラリと変わっていたからです。
弟子として可愛がっていた第三皇子の星辰が見違えるほどの美丈夫となり、大国である焔伽国の皇帝になっていたというまさかの真実に驚く天莉。眠りについていた彼は、世界が大きく変わる瞬間には立ち会っておらず、事後報告的に知っていくことは衝撃の事実や状況ばかりです。
しかし、天莉の眠る間に世界が混乱の情勢にあっても、星辰の行動や天莉を慕う気持ちはブレることなく、むしろ想いを強くさせていくキッカケにしか過ぎませんでした。つまりは世界を良くするとかじゃなく、天莉のために頑張っていたら今の皇帝の地位にいた…というわけです。
皇帝ポジションは棚ぼた的にゲットしただけ、一番は天莉だから。みたいなスタンスを決め込んでいるところが、ホンットにもう最高にカッコ良すぎてヤバい(笑)
かつては天莉の力に全く及ばなかった非力な男の子が、こんなにまー見事に成長しちゃって。今や天莉を超えてますからね、この成長たるや…親戚のオバチャンみたいな気持ちで嬉しくなりました(笑)
実は黒幕はアイツだったのかや、そのやり口の汚さを含め、シリアスさに満ちた前半部の…まだ天莉が眠りに入るまでのストーリーは、おぞましすぎて焔伽国の不安定さを表すに十分なシーン描写でした。
でも、意地悪な皇太子は実はそこまで悪い人じゃなかったし、皇帝の側妃への愛の深さといった、前半では分からなかった部分があとから分かると、あれだけ異常に見えていた兄弟関係や親子関係の見える景色が違ってみえてくると思います。黒幕のアイツの表向きは良い人で、でも内面はドス黒い感情まみれなギャップ性には、ハラハラもしたけどワクワクもしてめっちゃ面白かったです!
眠り姫のようなおとぎ話のエッセンスもドラマチックで2人のBL展開をより盛り上げていましたし、子どもと思っていた星辰がハイスペ皇帝となって現れて、そのカッコ良さに意識せざるを得なくなっていく天莉のドギマギ感もニヤニヤ楽しみました^ ^
2人の出会いが、この国を、この世界を、そして2人の関係を、抱く感情に大きな変化を生み出していく物語は圧巻でした。
中華ファンタジーが好きな方や、年下執着スパダリイケメン攻めが大好きな方に、ぜひにとオススメしたい一冊です♪( ´▽`)
うひょーーーーー!!(//∇//)
イケメン2人のピュアすぎる恋。ぐわぁ〜っと萌え死にしそうでした。
ストーリー、絵、キュン度……ヤバスです。
元々アンソロジー収録作品ってのもあって、ページは短く、恋愛の入り口部分にしかない恋のお話なんですが、それでもこの萌えの破壊度はすんごい。
好きな人を言えよ、と迫るシチュエーションから、言わないとキスするぞ、でマジキスして、言わないともっとすごいキスするぞ、で更に迫って、観念して目の前の相手に好きな人はお前だよって言っちゃうの。このやりとりだけでも神ってるのに、そのあとの反応がさー、もうさー……
可愛すぎかっっっっ!!
この2人がいる現場の壁になりたくて堪らんでした!(≧∀≦)
まさにここから始まる2人の恋愛ストーリーなので、できれば……いや。ぜひ!続きをば描いて頂きたいです、作者さま。この萌えの先にある2人の恋愛の道すじを辿らせてくれないでしょうか。
単行本を切望しておりますので、いつかこの2人のストーリーを見届けさせて欲しいです^ ^
デミ・ヒューマンの設定は特殊だけど、BL展開としては割と方向性が読める感じかな。コワモテバニーくんの可愛い素顔が初々しくていじらしくて、クラスメイトの山田と急接近していく展開が楽しかったです。
不良のナリして草食のウサギ族ってのが可愛いですね!
えっちぃな反応もコワモテの見た目とのギャップがあり、かわいいの引き出しの幅を広げていく宇佐美のポテンシャルの高さは未知数。物語が終わりを迎えたとて、もっと可愛い宇佐美が見れるのではとつい期待しちゃう自分がいました^ ^
宇佐美はナリがあんなだけど、本当は穏やかで優しい性格です、なのに、この学校の環境があまりよろしくない( ̄▽ ̄)
他校の不良に絡まられるわ、同じ学校の輩からは決闘を申し込まれるわで、一体どこのヤンキー校かと思ってしまいました。周辺の学校もそんな気性の荒い奴らばかりだと思うと、この近隣一体の治安って…って感じ。校内にもしっかりヤンキーがいるし、ケンカに絡まれるシーンは正直お腹いっぱいでした。
それに、山田を取り巻く女子の面々(目鼻口がないモブ)もやかましくて、こっちにもちょい疲れました。山田くん♡山田くん♡からの、宇佐美へのこき下ろしにはウンザリ。しつこいし、見た目でしか判断しないヤツらはご退場して欲しかったのに、山田に終始まとわりついてきて、ウ…ウゼー
サラッとかわす山田にはグッジョブでしたが、2人が恋仲だと堂々知らしめてもいいのにな、なんて思うところもあり。本当は宇佐美はヤンキーじゃないんだよって事も誤解が解けたら良かったです。
周辺部のBGMは騒々しかったですが、2人のラブはあまあまです。
距離の詰め方も、山田の嫉妬も王道的展開だけど、よくあるパターンだからこそのドキドキをめいっぱい堪能しました( ´▽`)
いっこ気になったのは偽妊娠のシーン。宇佐美は性別は男なのにウサギ族はみんななるんだろうか?まさかウサギ族のデミ・ヒューマンは妊娠可能とか???
その辺りの設定も詳しく説明があると良かったです。
すごい……
7〜8割くらい肌色です!!(//∇//)
非常にえっちぃな番外編。南が高根ん家で初エッチしたときのシーン(1巻参照)を振り返りながら、今現在のラブラブ期を思う存分楽しめるスウィートエッチなお話です。
南がビッチキャラを作っていたときの初エッチは、高根にとっては少々頭の痛い思い出ですが、南にとっては身体の痛みより好きな人と繋がることが出来た喜びの大きいハジメテの思い出です。そんなことを高嶺に嬉しそうに語れるほど、今はラブラブな2人。相思相愛ぶりが微笑ましく映りました。
この番外編は1巻の補完内容にもなっているため、あのときこうだったのかと振り返る楽しさを感じた裏話的ストーリー。1巻を読んだことのある方ならぜひ読んで欲しいお話です^ ^
そして現在、痛みはすっかり快楽に溶け、ベッドの上で熱く深くトロけ合いながら繋がる2人の姿に大興奮!!エロさと甘さが大爆発ヒーハーです!!
大好きな作品の、そして大好きな2人の愛に満ちた番外編は最高の景色でした。
番外編だからこそ味わえる高糖度のイチャイチャをたっぷりと堪能できて幸せです♪
恋に浮かれポンチな男子高校生の頭ん中、面白い( ´∀`)
溢れ出す感情をセーブすることができない、バスケ部の真生のあけすけな感情と行動のいちいちに笑わせてもらいました!
真生の脳内ワチャワチャボイスはやかましいですが、何せ好きな人が自分のことを好きらしいぞ、と。しかも近いうち告白してきそうだぞ、と。
そんなことを察知してしまったら、そこはアオハル真っ只中の男子高校生……頭の中がお花畑になるのはほぼ確でしょう( ̄▽ ̄)
真生のキャッキャッウフフの反応は、ちょっとハシャギ過ぎな側面があるとはいえ、すごく微笑ましく映りましたし、何より喜怒哀楽の感情が豊かで素直に可愛いです。彼の感情のアップダウンはこの作品のチャームポイントで、恋におバカになってしまうゆるゆる思考がとても楽しい恋の物語でした。
真生をここまでハイテンションにさせる理由は、彼の想い人である由良が寝たふりをしてる自分に告白してきたからです。当然由良は真生がガチ寝してると思ってるからの行動ですので、告白を聞いた真生がウキウキするのも当然の反応でしょう^ ^
けど、誰への告白か?というのは実はハッキリと分かりません。
分かっている情報から、俺しかいないじゃん!と思ってニヤついている真生ですが、さて真相はいかに?というのが、この作品の見どころです。
告白の相手は自分で間違いないと思っているところからの、まさかの別の相手が告白の相手だった説が浮上するなど、由良の好きな人探しによって真生の感情がくるくる変わるのが楽しかったです。面白いくらいに振り回されてます(笑)
告白のことを知ってるだけに、由良からの告白待ちを決め込むところがちょっぴりカッコ悪くて、そんなところも真生の面白さでした。由良の手のひらで転がされている感じがしなくもなく、楽しいけど少しだけ不思議な感覚に陥りました。
そもそも。本人を目の前に告白の練習をするってところが、不思議シチュエーションなんですけどね( ̄▽ ̄;)
小声での告白練習でもないし、気付かれる可能性も大なのに、すごいチャレンジ精神だなと。由良はちょっと天然なところがあるので、どういう思惑なのかは分からないけど、由良の視点からもその辺りの状況如何のことを知りたかったなと思いました。
真生の脳内ボイスと対比して、由良の脳内ボイスもぜひ聞きたかったです^ ^
疲れた身体に沁みる高糖度な甘いストーリーに完オチ……!!
さすがは間之あまの先生です。
甘さ調味料の扱いが巧みで、トロリとしたあまーい愛にどっぷり。極上の可愛さと濃厚な甘さにメロメロになった絶品のスウィートな物語でした(*´︶`*)
このお話は、いわゆる契約婚……つまり、仮初の結婚生活から愛が生まれ、恋が芽吹いていくお話。警備会社のCEOである雅影の顔にまとわりつく黒いモヤを、「聖女返り」(弱)であるウサギ族のメイが癒していくヒーリングストーリーです。
メイの「聖女返り」の力で身体の調子を少しずつ取り戻していく雅影は、高額な報酬(実家への援助)と引き換えに契約婚を提案、そして2人は夫婦となります。
オオカミ族とウサギ族というと、捕食者と被捕食者の関係ですが、食う食われるの物騒な関係には全くなく、雅影とメイの関係でいうと、守り守られる関係にあると言った方が良いかな、ピンチのメイを颯爽と助ける雅影がめちゃくちゃカッコいいです!
契約というと、愛情がそこには介在しない利害関係のみ…みたいな冷たいイメージがあるけど、ここの家の契約夫婦は、契約婚を打診した時点で割りかし両想いのオーラがプンプンと香っていて、契約関係だけど中身は普通に恋する2人じゃん!ってなってるチグハグ感が最高にニヤニヤします。
契約婚の提案は、利害関係というより最初から利点関係しかない土台の上で成り立っているもので、周りはみんな両想いにバッチリ気付いてる(笑) なのに、分かりやすい雅影の好意に気付かずに、契約婚の状態にある関係を悲観するメイの切ない気持ちが、ああ……切ない。
お互い、予防線としてこの関係を「お仕事」って強調してるから、こんなにすれ違っちゃってるんですが、お仕事とはいえ、濃厚キスに口淫まで普通するかって話で。メイの体液摂取が一番の回復効果があるとはいえ、感情0の相手とそんなことするかいな、なんですよね!
こんなことをしても嫌じゃない、むしろ好き、って思ってるからこそできる行為なわけで、これを"お仕事"と解釈してるからややこしい。でもそのムリに気付かない、メイの恋の初心者たる恋愛スキル値0なところが、ピュアさが溢れていてすごく可愛いです♪( ´▽`)
最後まで雅影の気持ちに鈍感なメイには、雅影…ドンマイ( ̄▽ ̄;)でしたが、両想いだと分かる瞬間の2人のやりとりが、きゃわいい……。メイらしい盛大なプリチー勘違いにホッコリと癒されました。
メイの視点で進むストーリーですが、雅影視点?って思うくらい、メイ大好きムーブが隠しきれてなくて愛情ダダ漏れになってるところが最高に楽しかったです。脇の皆さんのキャラも面白く、さりげなく雅影がどれだけメイを愛しているかをフォローしている恋のアシスト力もナイスでした。
甘さと可愛さに顔面がゆるゆるになった絶品作です。契約が本物になっていくウブなウサギの恋模様をぜひお楽しみ下さい^ ^
1巻のときも、なんてオシャレな表紙なのかと見惚れたけど、2巻の表紙も最高にイイですね!クリームソーダのチョイスがセンスありありです。
恋人同士のフィルターがかかってるお陰か、ほんのり甘く、照れが混じった雀のぎこちないピースが可愛い。この甘い空気感、胸キュンが止まりません。。。( ´∀`)
そんな表紙の素敵さに負けることなく、もちろん内容もサイッッコウに素晴らしかったです!
期待していた以上の2人の恋愛模様にムズムズしたり、クスッとしたり、ウフウフしたり。時にしんみり、しっとりとした感情も湧き起こりますが、それは雀と慶司が恋人としてちゃんと恋愛に向き合っている証拠です。恥ずかしさや照れといった初々しい感情も、ぎこちなさのある触れ合いも、恋人同士になりたてのピュアみが大爆発でめちゃくちゃに可愛いくて堪らんでした♪
大っぴらにできない交際というのは、そりゃ臆病にもなるし、我慢もしなきゃだしで人前でしたいことややりたいことが制限されてちょっぴり切ないですが、限られた条件の中でも最大限に愛を育んでいく2人の交際は見てるだけで幸せな光景です(*´︶`*)
彼らは大きなことを望んでないんですよね、日常の1ページを2人で過ごして楽しむ、ただそれだけのこと。外で手を繋ぐ、クリアな視界で恋人のありのままの姿を見る、そんなことが幸福の世界線にある雀と慶司の恋愛は胸アツでした。
恥ずかしがり屋な雀だけど、雀なりの愛情表現でたっぷりと慶司を愛する姿は萌え度がヤバヤバでした!( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
1巻は、"40までにしたい10のこと"だったけど、雀が40を迎えた今、やりたいことは"40からしたいこと"になりました。しかもそれは雀1人ですることではなく慶司とすること。そこも1巻と異なる大きな変化です。
これから先、2人で過ごす時間の中でたくさんのやりたいことが出てくることでしょう。何個でも何十個でも何百個でも、時間や空間や想いを共有しながらしたいことをたくさん叶えていって欲しいなと思います♪( ´▽`)
きゃ……きゃわいい……!!
男子高校生たちの両片想いの恋……めちゃくちゃキュンキュンときめきました( ´∀`)
恋の芽生えから恋の育みを経て結ばれて、恋愛期へと移ろいゆく2人の関係を追いかけていくことが何と楽しいことか。ただの同級生としか思っていなかった0の感情が1になり2となり…、そして大好きが溢れ出す10の感情に到達する恋心の昂りを心ゆくまで味わい尽くしました。
伊達先生の柔らかな筆致が、非常に読み心地がよろしいです。男子高校生のピュアな恋物語の雰囲気とよく合っていますね。初々しいティーンな空気感を纏った文章にただただ酔いしれ、少しずつ想いを通わせ合っていく丁寧なストーリーが沁み渡りました。
どちらも顔面偏差値が高いイケメンと美人で、すでに設定からお似合いムーブが漂っています。しかしながら、顔の良さだけではなく大事なのはその中身。性格の部分で惹かれ合っていくのが最高に萌えます。特に八重沼の家庭的な健気美人のギャップが素敵で、胃袋から二宮を絆していく様子も良き眺めでした。
美しすぎるがあまり、周りから浮いてボッチになっている八重沼の学校での様子は切ないですが、初めての友達となった二宮と親しくなって、放課後や夏休み、帰宅後には電話をし合うなど仲を深めていく2人の密な距離感には何度もドキドキさせられました(〃∀〃)
すれ違ったり嫉妬するシーンもあって、学園青春ならではの胸の痛みを感じつつも、しっかりと自分の気持ちに向き合う想い人たちのがむしゃらな恋はキラキラ眩しく映りました。
文化祭のイベントアドバンテージは、BLの部分だけじゃなく、クラスメイトとの関係にも変化をもたらしてくれましたし、自分は顔だけの人間なんだという心の傷跡にもメスを入れた救済の側面には涙がホロリと零れました…
ピュアみの強い2人ではありますが、嬉しいことにエッチシーンがちゃんとあります^ ^
このあいだ身体を繋げましたの一文でサラッとファーストエッチが終了していたのにはエーッ?!と驚きましたが、セカンドエッチの方でじっくり楽しめる仕様となっておりますので、存分にお楽しみ下さいね♪
一緒に暮らす未来を語る2人の朝の風景がめちゃ素敵でした。事後の朝……最高です(笑)
いつかやってくるであろう、そう遠くない未来予想図の余韻に浸りつつ、2人の幸せな姿にホッコリ。何度読み返してもドキドキに包まれる素敵な作品でした(*´︶`*)♡
異世界転生作品だけど、シンデレラと人魚姫を掛け合わせたかのようなドラマチックストーリーがめちゃくちゃ面白かったです!
声の力を与えられて転生し、瀕死の王子を助け、王子に愛され、そして自身もまた王子を愛していくメロメロなドリームラブが見どころな物語。しかし見どころはそれだけでなく、異世界に転生してしまった滝川勇馬ことノアールの処世術的側面も、BLとは別の観点から楽しめる仕様になっており、それがまたワクワク感を盛り上げます。
異世界はやっぱ異世界なんで、ファンタジー要素も強いし、おとぎ話のような趣きを感じてしまうところもありますが、ノアールはファンタジーとは無縁の世界で生きていたこともあり考え方が現実的なんですよね。平凡でも普通に生きていければそれでいいと思っている欲のない性格で、堅実に生きることを良しとしている彼は、多くを求めず多くを期待しません。
慎ましやかに身の程を弁えながら日々を過ごしているノアールの生き様が、今世のファンタジー世界との妙なギャップがあり、そんなところもこの物語に引き込まれる理由の1つでした。
そんなノアールに突如として起こったのが、王子・カールハインツとの出会い。瀕死の彼を助けたことにより平凡な人生が大きく変化します。
ノアールは実は転生時に声の力を賜っていて、"治れ"と願うだけで傷が治癒してしまうという奇異な能力の持ち主。それに目を付けたカールハインツによって、契約愛人という形で王城に登ります。
しかしそれはあくまでも偽装の愛人関係。カールハインツは負傷した傷を治してもらうため、ノアールは王城で仕事を得るためのまさにウィンウィンな利害関係です。いつかは終わる一時的な愛人契約だと思っていたのに、いやいやまさかの……ってなっていく展開が面白い!
分かっていた展開だけど、それでも楽しさが増し増しでした( ´∀`)
カールハインツの方は割と出会いのときから好意がある風なので、こっちの反応は一旦置いとくとして(笑)、問題はノアールの方。カールハインツに対する感情は0からのスタートということもあり、ノアールの想いの変化は大きな注目ポイントでしょう。
偽装が本物へと変わる気持ちの変化にはちゃんと理由がありますし、恋へと移ろう過程にもちゃんと納得できます。ゆっくりと想いを自覚していくノアールの恋心は、本人の性格同様に慎ましやかで応援の気持ちでいっぱいでした。
ノアールの堅実性は王道のキラキラ主役オーラはないけど、でもそんなところが応援したくなる素敵キャラです。
元の世界で見知った知識を活かし、自分の力で生きていこうとする逞しさや自立心、仕事への取り組み方には感心しかない!ファンタジーの世界で生きてるキャラクターとしては、地味だし控えめだし、容姿もそこそこで派手に目を引くものはありませんが、そんな努力家で無欲な彼が逆にこの世界では目立つと言いますか……王子のカールハインツのツボにハマって、可愛がられている姿がとても微笑ましく映りました。
当初の思惑と違う展開でラブが育っていく2人の恋愛模様がすんごく楽しくて、読む手が止まらなかったです!♪( ´▽`)
不思議な声の力で結ばれた運命の2人ですが、能力やスペックの部分ではなく、人としての中身で好きになっていくところに好感が持てた素敵作品でした。