stationの時のあの騒動はなんだったの。
結局、このシリーズしか売れるお話を書けない?角川としてもこのシリーズしか売れないとみたのか、ヤマもオチも意味もないとは言いませんがそれに近い内容・・・。
stationから11年の月日が流れていますが、その間のことは、ほとんど語られず29歳になっているふたり。
ギイは託生のそばにいたいだけで(私にはそう思えた)日本で隠居生活?が「いまだかつてない“多忙ではない日々"」
託生はといえば、成績優秀者だけが演奏できるNYでの演奏会でギイに再会したはずなのになぜかバイオリンを弾くことを職業としていない、自立しているんだかいないんだか・・・井上佐智の助手?
間に出てきた佐智へ送られた豪華なバイオリンへの謎解きはミステリー仕立てにしたかったのかしら?
さらに・・・島岡さんへの嫉妬心(なのかなぁ・・・)島岡さんとギイがふたりで暮らすことへの不安(どうして不安になるんだろう・・・)から同居を決めてしまうという結末。
同居するのは良いけどその理由がそこなの?
主人公が幸せそうなのがせめてもの救い?(私が託生ならそんな幸せはいらない)ですが、この後、また、ふたりの話が続くのでしょうか。
今回、当初予定していたタケル本のサイドAに対してのサイドBを先送りにしてサイドGにしたと作家さんは自身のサイトで書いていましたが今後はどうなるのでしょう。
シリーズ当初のきらきらした瑞々しさはすっかり影をひそめ、いったい何を伝えたかったのか、ただふたりは再会して一緒に暮らすことになりました、めでたしめでたしで読者を満足させたつもりなのか・・・。
シリーズが続いた年月、読者も成長しているのです。
こんな内容に単行本価格を支払う、そんな気力はもうありません。
ある意味、これで心置きなく私もシリーズを卒業です。
評価は中立としました。
彼らふたりの話が読めたらそれだけでいいと思われる読者の方もいらっしゃると思うので・・・この先、シリーズが続くのであればその読者を裏切らない内容で書き進めてほしいその期待を込めて・・・。
ルチル本誌で連載第1回目を読んで面白そうだな・・・と思っていた作品。
コミックになるのを待っていました。
医師の陣内と出会うために裕は病院へ行かないと・・・ですが、入院している委員長と裕のやりとりその繰り返しが本編とほとんど関わらないのでもう少しそのあたり短くても良かったのでは?
裕の健気さとか真っ直ぐさとかを出したかったのかな?と思わないでもないのですがそのせいでラストが詰まってしまったかな?という印象。
陣内と友部の過去や裕の話を主に持ってきて欲しかった。
特に友部が裕に暴力をふるったあとのエピソードが裕からのあれだけというのはわかりづらい。
最後のなし崩しにハッピーエンド?が少し残念でした。
評価は中立でもよかったかな・・・と思いましたが、高久さんの作画は素敵だったので萌にしました。
終わりました。というか、終わらせましたね・・・というのが正直な感想です。
シリーズ完結編としてちゃんと無難なところに着地していると思います。
結末には何の不満もありませんし、だいたい予想通りだったかな・・・。
ただ、私は、当初作者が考えていたふたりの話を読みたかった。
キャラクターとしては、メインのふたりだけでなく好きなキャラクターがいたことは事実です。
けれど寄り道しないできっちりふたりの話を読みたいな~ふたりを終わらせてから他のキャラクターの話を・・・と思ったこともありました。
そんな思いを決定的にしたのが「かつくら」でのインタビューです。
そういう意味では、シリーズを長く続けて欲しい的版元との作話裏話は知りたくなかったです。
でも、ごとうさんってそう言う本音をつるっと公に発してしまうんですよね(笑)
タクミくんを書き続けて20年以上ですか・・・その大半が作者自身の思うところではなかったのかもと思うと複雑です。
特典小冊子、書き下ろしは1作のみ?
あとは、Twitterで流した作品の再録のようです。見逃していたものもあったので新鮮な感じはありましたが特装版の特典としてはどうなの?という内容です。
挿絵のおおやさんが1ページ寄稿しています。
そのページには癒されました。
このシリーズとの出会いは、おおやさんのカバーでした。
そう言う意味では、おおやさんの絵でなければ手に取っていなかったかもしれない作品です。
天球儀の海の琴平希の兄、琴平恒とその相棒、厚谷六郎の物語。
希と恒の性格の違いがそのまま天球儀の海と碧のかたみに反映されたように思う。
とにかくこちらは元気が良いというか青春小説そのもので物語の背景が戦時下というのを忘れてしまうくらい明るい雰囲気に包まれている。
しかし、ついには、ふたりを乗せた「月光」は落ち恒も六郎も負傷する。
敵に必死に恒の命乞いをする六郎・・・
そして、敵国に助けられ戦後6年も経ってから帰国。
後日談として恒の帰国を知った希と・・・約束の青い花火を打ち上げた六郎と・・・それを見守った恒と・・・。
彼らの戦後に痛みや哀しみを感じずにはいられないと思う。
天球儀の海と碧のかたみ
どちらもBLとして取り上げるのには難しいテーマだと思うけれど、たくさんの人を引きつけた尾上さんの作品を読めて良かったと思う。
琴平希は幼い頃に助けてくれた成重資紀の身代わりに特攻へ行くことを決心します。
物語は希が成重の家に向かうところから始まっています。
幼い頃から慕い続けた資紀の身代わりとして何の迷いもなく特攻へ向かおうとする希。
そんな希に対して冷たい態度と感情を向ける資紀。
互いが互いの想いを伝えることなくその日を迎えようとしたときに希を守るために資紀のとった行動が切なすぎる。
日本にはそういう時代が確かにあって・・・。
というようにある程度読み手があの時代を想像して読み進める必要があるように思ってしまった。
彼らの日常に戦渦の日本というあまりせっぱ詰まったものを感じなかったからかもしれません。
ふたりは生き残り再会を果たします。
なんとなく、ここで、めでたし、めでたしなの?と思わなかったわけではないですがこの結末はBLならではなのかなと・・・。
実際のふたりの中には取り返しのつかない痛みや悲しみがずっとそこにあり続けるように思うし、それを抱えてふたりで生きることを決めたんだろうと・・・。
生き残って良かったね。再会できて良かったね。そんな簡単な結末じゃない・・・そんなふうに感じました。
とりあえず、ペーパーは外せません!
迷わず【Amazon.co.jp限定】版購入。
今回は、日高さんのサイトでも書かれているとおり、延々と森山邸です。
そして、あの方もあの方もあの方も・・・オールキャスト登場(拍手♪)
しかし・・・本当にあの石頭な暁直さまの実子ですか暁人さま?
というくらい、思考も柔軟で成長著しい暁人さまですが、そのことがさらに桂木とのすれ違いを招くというじれったさも健在です。
桂木も暁人さまのことを認め(心の中ではもう認めていると思うんだけど・・・)もっと自信を持って信頼して良いと思う。
誰がなんといっても暁人さまを育てたのは桂木自身なのだから・・・。
限定のペーパーはいつものノリで・・・お互いにとても可愛らしかったです。
そう、桂木はいつだって暁人さまには冷静でいられないのだから、そろそろ認めてしまいなさい(笑)
素敵なタイトルなんですが、内容は、なんでもあり。
タブーの限りを尽くして、あれもこれも、めいっぱい詰め込まれています。
獣が出てくるお話ははじめて読んだのですが、だからなに?という感じ。
ファウジが奴隷に身を落とし父親の代わりにどんどん酷い目にあっていくわけですが、復讐のためにファウジを買ったラージンがいまいち中途半端。
使用人のハッサン、アントンの兄弟や客、はては獣にファウジを振る舞う?だけで自分は高みの見物。
さらには、復讐を途中で放り投げてしまうんです。そこがわかりづらかった。
ファウジはファウジで救いようのない自己中心的な人。
最後にとってつけたようなファウジとハッサンの恋物語があるのですが・・・。
全体を通して、キャラクターにあまり魅力を感じなかったのと、いったい誰の物語だったのかと・・・消化不良な感じがしました。