恨みを残して化け猫になった獅雲と穏やかに見える盲目の僧侶空眼のお話
いきなり化け猫姿で登場する獅雲。
お寺で穏やかに過ごしている猫まみれの(11匹もの猫に囲まれている←猫好きにとってはめっちゃうらやましい)空眼
見えない眼で獅雲と対峙し、死に様と恨みがあることを知る
成仏する気がないと見て、お寺の大ネズミを退治してほしいと提案。
ちょろくて可愛い獅雲はお寺に留まる事を決める
というところから始まるお話です
生きていた黒猫時代のエピソードや空眼の子供時代、本物の化けネズミとの闘いなどを通して話が進んでいきます
二人のエッチは生きるための手段でもあり、お互いを必要として救い合うという意味もあるように思いました
このお話は生きるということを深く掘り下げたBLというジャンルを越えた物語だと思いました
コミックスのあちらこちらに心に響く言葉がちりばめられているのもよかったと思います
猫好きとしては猫がたくさん出て来ていたのも嬉しかったです
可愛いです-!
絶対、わかる-って思うコマもあると思います
辛いシーンもありますが乗り越えて読んでみてほしいと思います
何度読み返しても、その度に涙がこぼれます。
妖になりかかって社にいた狛の
「あいつのものをなにかひとつでも貰えばよかった」という言葉に泣かされました。
300年も一人でさみしく過ごしてきたのに最後かと覚悟した時に、たった一人のたったひとつの物しか望まないなんて、って。
その後の二人の時間が数コマだったけど、その中で幸せに過ごしたんだと、思いを馳せることが出来るのでよかったと思います。
ラストは狛と伊月がどこかで幸せに暮らしていますように、と祈る気持ちで、号泣です……。
今年1番心に残る作品でした。
こちら、読まないと人生損してますよ、くらいおすすめしたいです。