メインは静の朔太郎との出会いと再会。静サイドから観る心震える息が詰まるほどの恋の記録の6巻です。自分のことはなんでもできる静だが他人とのコミュニケーションは実は不器用で…。朔太郎に恋しても会社を辞め別れるその日まで何もできない。再会後から今もいつもどこか自分の方が想いが強く切ない気持ちなのが健気。
今巻も心のひだの描き方が非常に上手です。温泉旅行で愛を確かめ合い充足した関係の二人。恵まれた環境育ちの静と普通の育ちの朔太郎によるすれ違い。アシモフで繋がっていた中学時代で気持ちを強くしたり。二人の関係に気づいてる環の優しい逡巡。朔太郎が母に付き添った病院での辛い一幕は特に心にきました。
夢もあるが一方で鋭いリアリティのあるスモブルが大好きなのですが…リアルに見えるからこそ今回どうしても飲み込めず評価できなかった点があります…。
静が会社を辞める日、朔太郎を誘ってタクシーでホテルへ。エレベーターに乗って部屋の階に着く間際に「俺 吾妻とセックスしたいと思ってる」と愛があるのを避け、かつギリギリのタイミングでの一言で想いを告げます。そして返事を待たず強引にキスして、そのままなだれ込む所です。ここ数年の社会と自分の意識変化だと思うのですが、これは不同意の性行為ではないでしょうか…。朔太郎はいやか?と聞かれても「いや…つーか」と戸惑いのみで同意の返事と思えず。結果的に朔太郎は乗ってきたけど、それは結果論。しかも次の日に朔太郎を置いて静は消えます。静目線では恋の終わりかもしれませんが、客観的に観ると静の言動は通して非常に身勝手です。掲載時からどうしてもこのシーンに納得できず、静の行動は良くないと思いました。BL作品に言うのが不粋とはわかってるのですが私は静にもう少し不器用なりに誠実に正直にアプローチをして欲しかったです。そこは残念でしたが作品もキャラも好きなので勿論続きも楽しみにしております。
久しぶりの新刊すぎてやや忘れてたのですが、読みはじめたら問題なし。漫画がうまい!そして女体化という難しい設定の中で男✖️にょた、男✖️男それぞれのエロシーンがバランスよくボリュームあり。明るくエロく愛があり。キャラもメインもサブのセンセとか悪役の子とか立ちに立ちまくってるし心情描写も丁寧で、ドラマも面白い。文句なしに全て面白かったです。シオンが女体になったらしおらしくなるとかなくて、態度がガサツなとことかキレキレで良かったー。ルイも軟派からどんどん一途なキャラになって乱暴なとこが気になってましたがラストまで来て一気にいい男になったなという感想。願わくばドタバタで軽いイチャイチャのルイとシオンをあと1巻読みたかったな〜というくらい。明るくて良い作品だと思います。先生にまたにょたもの描いて欲しいです!
原作既読。スモーキーネクターシリーズ愛読者です。
スモネクのドラマCDが好きだったので、ドメスビも期待は大きく。
壱真は阿座上さんが合いそうと思ってたので決まった時から楽しみにしてました。結果とても良かったです。でも、ドラマ全体は漫画と違う印象を受けました。
小松さんは以前から桜次郎にぴったりだと思ってたのですが、今回の情緒の不安定さや脆さ、愛を渇望する内面など本当に漫画そのまま。素晴らしかったです。より桜次郎に対して理解が深まりました。
壱真は漫画だと態度に出さないもののS感がかなり強く、桜次郎に執着する故の狂気というイメージだったのです。しかしドラマCDの阿座上さんの壱真はひたすら真っ直ぐで裏表もなく、Sというより「根っから純粋=サイコ感」のイメージでした。ここは趣味ですが私はCDの壱真の方がわかりやすくそのおかげで物語に引き込まれました。漫画での完成されたセリフのない画だけで見せるあのドメスビが厚みを持ってドラマCDに昇華されていて良かったと思います。
あとはなんと言っても興津さんの慶崇兄さんの優しいとことゾクっとする怖さが良かった。また一番面白かったのは後始末のための泣き真似の演技。と、特典のアンナの冷めすぎた反応です。声出して笑いました。みつるも変わらず可愛いかったです。
新シリーズも始まったスモネクなので、CDも続いて欲しいです!
5巻、相変わらず日常は続くが同じ日はなく時間は進む。日々多忙で疲れが溜まる中二人の時は前より素直に癒し合えるようになった静と朔太郎。特に朔太郎が誕生日に他の男が訪ねてくるのに露骨に嫉妬を表して、静が破顔してしまうのがよかった。日々の繰り返しを我慢強くこなしたから後半の旅行のご褒美ボーナス感が高くてそこからはただただ気持ちいい。朔太郎からの「本音ダダ漏れ」と決定的なセリフも飛び出す。いつも家で朔太郎からの連絡を待ってる静が前にも朔太郎からの連絡でつっかけで家から飛び出してきたよう、今回は自分から連絡して朔太郎を迎えに必死に走ってくる。普段の静さに対して、あの「動」たる衝動の走りがこの作品の愛の象徴だよなと思う。
静の実家は無くなって、じゃあどうする。となって結局朔太郎はまた静のマンションに通う。彼の居場所は静の家=静なんだとハッキリわかる4巻。人間は急には変わらず根っこは全く変わらないと描くのがリアルです。朔太郎の学生時代の話で彼は人の好意は受け入れても、自分の好意には臆病で無意識に深い関係が築けないことがわかる。その根はかなり深い。だから現在でも勇気を持って「久慈と一緒にいたい」と初めて愛の告白に近いことを言えたのに「告白じゃなく報告ね」と加える。その違いは「返事は不要」ということだろう。ツンデレどころではない。正直に愛してくれる相思相愛の静に対しあんまりな言いように呆れます。でも今に始まった事ではなく静はめげない、どころかやや前進を感じている。彼は決して諦めない。家は変わってもその家を整えつづけ朔太郎からの連絡を辛抱強くずっと待っている。コチラもまた不器用で、必要とされた時にすぐ手を差し伸べられるよう準備することが彼の愛なのだ。「自分のために泣けない」ある意味誰より純粋な男が好きだから。朔太郎は自分以外の周りには聡いのに、静が環を可愛がるのも、大きなホットプレートを買う理由もわからないし、次に買うソファの話もフワッと曖昧に喜び未来については半信半疑だ。それでもいつかは、静がすでに未来を見てることに気づいて、素直になれ、と思う。そうでなきゃ静が報われなさすぎるでしょうが!とヤキモキしつつ続き楽しみに待ってます。
特典描き下ろしはどれも素敵で、糖度高め。4巻まで進んだからこその二人の柔らかい想い合う日常のシーンが見れて幸せです。手に入れる価値ありです。
波真田先生の「スモークブルー〜」が好きで、他作品も読んでみた中の一作。ライブ会場を作り上げる裏方仕事の二人が主人公。これもまた他作品と同じくバランスがいい。リアルな仕事描写に対して、ガテン仕事のリーダーとは思えぬ可憐な容姿の伊織さんに夢とファンタジーを感じる。それらが上手く混ざりフィクションとして面白く読みやすい。終始爽やかな印象はキャラの性格が大きい。伊織、龍それぞれに仕事に対する姿勢やその裏に隠された繊細な過去が流れるように描かれ、二人を見守りたくなる。途中ラブストーリーになってから、あ、これBLだったわ。と思い出すほどに仕事に真摯な人間ドラマが立っていた。趣味としてもう少しひねたキャラが好きなため星一つ減らしましたがとても爽やかな秀作という印象です。
波真田先生の「スモークブルー〜」が好きで、他も読んでみようと購入。
幼馴染の間にしかない自他境界がないような親密さから性的関係になる二人。そんな二人が一度離れ再会してお互いを意識し始める。リアルにありそうな話を丁寧に描写するところ。そして、いや仲良いからってないだろというBL的エロスであり萌えどころ。その二つの要素のバランスが上手くついつい引き込まれました。一途な忍と、自分の気持ちに鈍く忍に尽くすが自覚がないため振り回してしまう夏喜は前述の「スモークブルー〜」とも近い関係性です。先生はこういうすれ違いが得意なのだなと感じました。そこ好きでした。お互い想ってるところが良いし、忍のミディアムヘアの黒髪のエロスにもグッときました。続きも気になるところです。
シリーズ4作目ともなると由岐と麻水の関係は安定。今回は麻水さんの複雑な家庭と由岐君との映研時代の出会いが紐解かれます。巻数重ねキャラが心にすでにいるので、麻水さんの考え方ってこの環境で出来たんだな、だから由岐君に言われたことが嬉しかったんだなと1巻を思い出しより深く世界に浸れました。由岐君の大学時代の尖り方と、里帰りで鍋を食べてる時に麻水さんを揶揄う柔らかさのギャップが最高です。サトタクさんと壮馬さんの息も益々合って、より肩に力の入らない自然さで。ロマンティックな海のシーンもリアルな会話感を楽しめました。アニメイト特典の役者二人のトークは作品愛が溢れて止まらぬようで、愛されている贅沢な作品だと思います。
全体の印象として脇役も含め芝居がすごくスムーズで他の作品と比べても自然なドラマで好感を持って聴けました。いかにも話を動かすためのセリフとキャラというのが見え隠れして気になることがあるんですが。それをここまで感じないのは初めてです。暁のマネージャーの丸子さんとか、大前の研究室の同僚とか。二人を目撃する腐女子?のゆかりさんとか。よくあるシチュですが、全員がこの中で生きてるんだなと思えました。主演二人も自然体で「売れたくてギラついてる」暁のcv千葉さんの爆走ぶりと、「性根からマイペース」の大前のcv安座上さん。二人とも気持ちを前に出して生きててそんなに辛そうでもないな、ノーストレスね。と思います。原作と比べて二人ともドンと真っ直ぐなせいかラブストーリーのずれ方がコメディというよりリアルに噛み合わない感じなので、萌をあんま感じない?そこは分かれる気がします。あとはディスク2にしかいちゃいちゃが入ってないため通常版だとかなりあっさり終わりそうでそこは気になります。ディスク2も良くてノッて作ってるという感じで。主演二人のトークも楽しそうだし、本人たちのまんまだったなと思いました。私はこの自然な感じがすごく趣味に合いました。楽しかったです!
表紙の椿くんの鋭い眼差しで美しく、タイトルもカッコよかったので買いました。漫画本編も椿くんが全編に渡って高校生とは思えない色気に溢れどのシーンも思う存分のびのびと大きく描かれその美しさには惚れ惚れしました。作者の先生の椿くんへのこだわりを感じます。
しかしストーリーは目新しく思えず。「強面の椿くんが実は人を助ける良い子で、それを可愛い幽霊だけが理解してる。」幽霊関係の話はBL問わず何度も見ている題材なので兜くんや二人の関係に何か個性欲しいのですが、1巻ではあまり見えず。セリフで感情を全て説明する所、椿くん見せの画面に重点が置かれてるので話の流れ自体がわかりづらい事が相まり、漫画としての面白さはあまり感じませんでした。