「あまく煮詰めて、ときどき舐めて」がとても良かったので、
こちらの作品も読んでみました。
全体的に可愛らしいお話でした。
本当に可愛らしいのですが…
波乱も何もなくサラサラッとくっついて終わったなぁと自分には物足りない。
受けの芙雪は攻めの伊南に弱みを握られて翻弄されつつ、
引かれていっているのが分かるのですが、
攻めの伊南が芙雪を好きになった理由が「それだけ?」という感想でした。
親友に男のストーカーがいて直接注意しようとしたら好みの顔で、
構っていたら芙雪の行動や表情から愛着湧いたと。
伊南は顔が好みだったら誰でも手を出すタイプなので、
もっと特別な大きな理由があって構っているんだといたのに、
他との大きな差別化がなくてなんだかなぁ。
ストーリーに感情の起伏があまりないので、
もう少し伊南の感情が大きく揺さぶられるようなエピソードがあれば、
芙雪への気持ちに説得力が持てたと思います。
絵はとっても綺麗でした。
人気があり特集や広告で見かけることが多く、知人もおススメしていたので1巻のみ読んでみました。
泣ける泣けると言われているけれど、私にはまったく響きませんでした。
幼い頃から家族に酷い扱いをされていた描写がありましたが…
あんなに痩せていて弟との体格差が激しいのに、
近所や学校は助けようとしなかったの?
児童相談所か警察に通報されるレベルでは?
いくらファンタジーでも現代の日本を舞台にしているのならその辺りはあるよね?
児童相談所がない世界なんです?
と疑問がずっと頭に残っていて、攻めとその家族に受け入れられる描写があってもなんだかな―と感動できず。
こんなに不憫な受けが、攻めに出会ってこんなに幸せになったんだよ!
泣けるでしょ!
という意図が見え見えで。
最後に両親に手紙だけで別れを告げるシーンがありましたが、
あの両親が手紙ひとつで引き下がるように思えない。
逆上して乗り込んでくるんじゃ…?
トラウマ植えつけられるレベルの虐待を描いていたのに、
家族との問題があっさりすぎて余計白けてしまいました。
絵はとっても綺麗なんですが、どうも受けの不憫アピールが合わなさ過ぎました。