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女性さうりんさん

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つらい痛みを乗り越えて、2人で叶えた初恋

ムシシリーズ第2巻、綾人と理久のお話。
ストーリーは王道ラブロマンチック。
エロ度は少なめとなっているけど、個人的には設定がどエロく感じます。

1巻の澄也と翼でも、タランチュラの毒が媚薬のように作用したり、糸が触手のように動いたりなど、ムシの特性を生かしたエロにドキドキしましたが、この綾人と理久の体液のやりとり…(意味深)

クロオオアリの綾人が出す蟻酸と、クロシジミチョウの理久が出す甘露が、お互いが気持ちよくなる快楽どころか、生命そのものにまで作用する(それがなければ生きていけない)というところが、すごくエロいと思うんです。
甘露はなければないで、クロオオアリは生きていけるのかもしれないけど、一度その味を知ってしまえば、それを得るためにすべてを捨てるくらい虜になっちゃうわけですよ。
最後ようやく2人が本当の意味で身体を繋げるシーンは、その言わば命の源、を互いに与え合う喜びが伝わってくるようで、まさにハピエン、ひとつになる幸せに溢れていました。

そんなふうに身体面でも離れ難いふたりですが、お互いの心には幼い頃からの淡き純情が。
まさに初恋を叶えるストーリーです。
理久はたったひとり、最後のクロシジミチョウ。
すぐに枯れてしまう花の命さえも愛しんで絵に残しておこうとするような、あらゆるものに愛をたくさん注ぎたい、心の優しい子です。
理久は狭い世界に閉じ込められるようにして生きていますが、そのなかでほんのわずかな繋がり(天ちゃん)や過去の思い出、写真からふくらませた温かな風景などを絵にして、その絵柄で焼き物を作るのがとても好きで、なんというかその愛の表現が、もうとても健気でたまらなくて…
なので、その理久の愛そのもののお皿を綾人が割ってしまったとき、同じように理久の心もこなごなに砕け散ってしまいました。

でも、綾人の心もやはり同じように砕けてしまっていたんですね。
子供なりに覚悟を決めて理久とともに駆け落ちしようとした綾人が、仕組まれた別離によってひとりになってしまってからずっと、綾人も壊れていました。

理久といることだけが望みだった幼い綾人が、周りにも、そして当の理久からも「王になれ」と望まれていると誤解し、感情をなくすしかなかった綾人。
理久に憎しみや悲しみをぶつけるようでいても、それでもふとしたときの優しさや好意が隠しきれず、綾人の心には、どこにも行けない愛が膿んでしまっているようでした。

つらい目に遭い記憶喪失になってしまった理久の痛みはいかばかりか。
自分を忘れた理久を前に、どれだけの後悔と自責の念が綾人を襲ったか。
心の苦しみを少しずつ癒していったのは、幼い恋心の過去をやり直すかのような文通で、この辺りからの流れが本当にかわいいかわいいかわいい。
街子マドカ先生の挿絵の理久に(手紙読んでる)心をむぎゅっと掴まれます。
理久が意を決して関西にいる綾人に会いに行くところで、ものすごーく可愛さに胸を打たれた文章がありまして。
P243
自分は綾人に好かれたら、嬉しいのだと気がつくと、理久はあまりにドキドキして、息ができなくなりそうだった。

なんて可愛いことを書くんだ樋口先生。
こういう文章がすきなんだよなぁ…
読者を虜にして離さない甘露のようです。

ふたりを引き離した有賀の女王ですが、私は彼女をあまり憎めません。
家を背負う覚悟を貫いているからかな。私情じゃなく。
血の強いものを王にしなければならない、そして絶滅に瀕したクロシジミを最後まで守り抜かなければならない。
彼女もひとり戦っているのだと思うと、綾人と里久の苦しかった紆余曲折も、けして全く不要なものではなかったと思うのです。

最後やっとやっと甘露を口にした綾人。
このシーンを楽しみにしていました。
ありがとうございました。

書き下ろし、綾人の溺愛ぶりがたまらず。
ようやく全ての愛を注げるようになったんだもんね…愛と慈しみにあふれた世界で2人が生きていることを、いまも想像しています。

ムシシリーズはこの2人から始まった

最新刊発売に合わせて再読。
もう何回読んだことか、ムシシリーズ大好きです。
虫が死ぬほど苦手な私でも全く抵抗なく読めます。
樋口先生だからこそ、虫好きだからこその知識が深く散りばめられ、うまく活かされている他にない作品だと思います。

ムシシリーズ元祖、第1巻の澄也と翼。
何度も読んでると、ああこの2人の出会いはこんなだったなとか、央太はこんな泣き虫だったかとか、陶也やばかったなとか、のちのちの続編で登場する人たちにどうしても思いをはせながら読んでしまいます。
真耶ははじめからずーっと好きです!

翼の強さには本当に心を打たれます。
生まれつき、長く生きられない身体で生まれてきた翼。
「何もしなくていい、生きてるだけでいい」という翼のお母さんの願いも、すごくよく分かるのです。
大事な人にほどそう思ってしまうものだし、けして間違っていない気持ちだと思います。

でも、翼が自由にならない身体でずっと思ってきたこと、小さくて大きな願いは、「一生懸命生きてみたい」ということでした。

ハイクラスばかりのお金持ち学園に入学して、まわりは敵だらけのような環境に置かれても、翼は負けません。
負けん気が強くて、どんな相手にも怯まないし、でも相手の優しさや弱さを繊細に感じとろうとする深い思いやりを持っています。
翼は、ロウクラスというカテゴリでひとくくりにされるのではなく、翼というひとりの人間として生きたいと思っているし、周りにもそう見ていてほしいのだけど、なかなか分かってもらえません。
憧れの澄也も、いざ会ってみれば全く翼のことを見てくれず。

「恵まれているというのはただの境遇であって、幸せとは関係ない。幸せな人間というのは、自分の人生を生ききったやつのことだ」
澄也のこれは、自虐的な発言だったんでしょうかね。

翼はこれを「恵まれていなくても、自分のやりたいことや考えたことに一生懸命突き進むことが幸せだ」と捉えたけど、
澄也は「恵まれていても幸せとは限らない。自分には一生懸命になりたくても選択肢がない」という諦めの気持ちだったのかな。
でも、この言葉が翼を変え、そののち自分を変えることになりました。

澄也に気に入られてしまったことで、次々につらい出来事が起こりますが、翼は耐え、それどころか相手の気持ちをいつも推し量る優しさを忘れないでいます。
本当に健気で強くて、常に愛を持ち続けられる子なんですよね。
澄也も早い段階からそんな翼を好きになっていたのですが、澄也をとりまく環境もがんじがらめで苦しいもので。
翼を守るために距離を置くしかなかったり、他のやつと寝て誤魔化さなきゃいけなかったり、誤解される振る舞いばかりするけど、心の根っこにはもともと愛が根付いている人だったのだなと思います。
不器用で分かりにくいのに、翼は澄也のなかにある優しさによく気づいていたなと思うんです。

性モザイクという、とても稀な身体で生まれついて、短いかも知れない一生を、懸命に生きようとする翼。
澄也もようやく自分を変える、自分で選択肢を選び取るため、強くなる決意をしました。

彼らのその後は、続編のはしばしで出てきますが、この2人がいたからこそ階級を問わずに支え合って生きる道が開かれ、たくさんのひとが「人生を生き切るように」生きる光を見つけられたのだと思います。

何度読んでも面白く、年月が経っても色褪せない素敵な作品です。

一生懸命想う気持ちは美しい

親友である桝木への恋心に大事に大事に蓋をして、諦めているつもり、隠し切ってるつもりが、周りから見るとだいぶダダ漏れてしまってる、そんな折川のピュアで一途な片思いが可愛い、高校生の青春ラブストーリーです。

折川は抜群のルックスを生かして女の子と遊んでみたり、彼女作れよと桝木に進めてみたり、剣道に打ち込む桝木を高見の見物と言いながら見学していたり。
なるべく軽く、そしてあくまで親友の距離感で体裁を保ちながら、桝木のいちばん側にいます。

遠くから自転車通学して、わずかな距離でも桝木と並んで帰れる時間を大切にしている、そんな健気な気持ちを隠しながら…

剣道の見学なんてのも、ほんとに乙女で可愛い純情でたまらんです。
青春の醍醐味、好きな人が真剣に頑張っている姿はかっこいいよねー。

桝木は無口でいつも落ち着いていて動じず、何にも拘らないように見えるけど、実は折川含め周りのこともよく見えてます。
桝木に想いをよせる学年1の美少女、美沢もすごく大人な一面があって、つまりは折川はひとり自分の恋心に慌てふためいているのです。

美沢さんもモテるがゆえに桝木への気持ちを疑われてしまうけど、実はすごく真剣に片想いしてるんですよね。ちゃんと行動にうつして積極的にアピールしてて偉いんです。彼女のことも、もちろん桝木ととはいかないですが、すごく応援したくなってしまいました。

桝木の美沢を庇うような発言や、美沢の純粋な恋心を前に、自分の気持ちが邪でとても汚いものに思えて、桝木と距離を置こうとする折川。
なんかもう、その揺れる気持ちが青春のかたまり、若くて青くて、でも桝木を想う心でいっぱいで。
美沢をかばって、桝木に問題が及ばないようにひ弱な身体で殴られに動ける折川の気持ちも、負けず劣らずとても美しいものです。

桝木に気持ちを知られた、と逃げる折川が駆け込んだ女友達の莉子さん。
莉子さんもたくさんの言えない気持ちを押し殺してきたんですね、大人ぶっていたけど、最後に折川に本音を伝えられたのがやっぱり大人だと思う。

自分の気持ちに嘘をつくことが、結局は周りの人も傷つける…折川にとっては、痛くて、でもひとつ大人になれた、そんな経験になったのではないかと思います。

蓋を開けてみれば、実は桝木もずっと折川のことが好きで、しかも折川よりネットリした劣情を抱えていたという。無口でカタブツの下に隠したムッツリ、ギャップがたまらなく良き。
ムッツリ超え変態のポテンシャルすらも感じます。

書き下ろしでは、そんなムッツリ桝木に引いてしまうというか、少しの接触ですらドギマギしてしまう、めちゃくちゃ可愛い折川のようすが描かれています。
女の子とは色々あったくせに、本当に好きな人の前ではすべてを見せるのが怖いんですね。
桝木は絵に描いたようなクリスマスデートをセッティングするし、やっぱりまっすぐで、折川に触りたい気持ちも隠しません。
初心者のはずなのに、めっちゃエロいキスとか!持って生まれてるムッツリの才能。
でもやはり桝木はかっこよくて、体を張ってストーカーから折川を守る、頭もキレるし剣道は強いし、最強のナイトです!
一生懸命な初めてのえっちはふたりとも本当に可愛かった。ぐずぐずな折川に、気を遣いながらも夢中になる桝木。
親友+恋人って最強な関係だと思うんですけど、まだまだ2人で独占欲とか嫉妬とかで可愛くいちゃついていきそうなふたり。
とても良い青春を見せてもらいました。



隙だらけだよ多和田さん。

再読しての感想です。
初読のときはそこまでなかった気がするのだけども、攻めにも受けにもなんだかイライラしてしまいました。

多和田はかっこよくて紳士で落ち着きのある、仕事のできるホテルマン。
なんだけど、恋愛となると全くの赤ちゃん同然。
駆け引きも知らず、ぜーんぶ自分を見せちゃって。
素直すぎピュアすぎ優しすぎ。
よりによってなんで新山と出会ってしまうか。
もともとの人と出会っていればなあ。
和樹がちゃんと間に入れていればなあ。

新山の態度すべてにむかつきました。
とりあえず態度が全部上から!って感じで偉そう。
いいところあるかな?いやない(と思う)
最初から好奇心で多和田に近寄っているし、脚本のネタにしようとするし、すぐ手を出すし、嘘ばかりつくし。
そしてそれを怒らずに許してしまう多和田にもイラ。

人気ドラマの脚本のネタにされてた(しかも、側から見ても似てると思うくらいそっくりな設定て!)こと、新山を避けるだけじゃなくて、がつんと怒らなきゃ。
そして、和樹と3人でもめて飛び出して行った新山を追いかけちゃうところがね、ほんとにね、多和田さん、ダメだよー。
泣いたくらいで許してはいけない。
ふだんの新山からすると、ありえないほどの弱さを見せているのだろうけど…。
「ごめんな」と謝ってはいるけど、それはただ自分の感情を吐露しているだけであって、きちんと多和田に謝罪して反省しているところがみたかったです。
書き下ろしも含めて、その後もなんだか新山の子供っぽい態度が変わらなかったのが残念。
多和田のことを愛しているなら、誠実な愛情を向けてほしい。多和田が安心できるようなかたちの優しさを身につけて欲しい。
だいたい自分が築いてきたテキトーな人間関係は棚に上げて、人に求めすぎなんですよ。

砂原先生は大好きだし、文章がうまいからこんなにむかついちゃうんだってわかってますけど、とりあえず続編をいま読み返すのはやめておこうと思います。
高久先生の描くふたりがまたイケメンで良すぎるから、よけいに新山のイケメンでふてぶてしい表情にムッとしてしまいました。

来栖のスピンオフ希望!

再読しての感想です。

「ウサ耳オメガは素直になれない」
タイトル通り、受けの理人(ウサ耳オメガ)は職場ではとてもツンツンしてます。
素直うんぬんというより、もともとの顔の作りもあり怒ってるように見られることも多々。
言葉遣いもきつい。
同い年とはいえ、中途入社だし、汐見に対する話し方はちょっと敬意がなさすぎる…
口調はそのままとしても、せめて敬語がよかったのでは。

でも心の内側はとても繊細で、家でひとりになると、ときどきウサギの本性が出てしまい、涙ぽろぽろ、寂しい、悲しい気持ちでいっぱいになり、自分でもどうしようもなくなってしまうこともあります。
外では、本性がバレないように虚勢をはって、毛を逆立てて(ウサギがそんなことをするかはわからないけど)威嚇してるような感じなんですね。

小さい頃の事故で、否応なくオメガの象徴であるケモ耳を切除されてしまい、心の傷になっている理人は劣等感のかたまりです。
いいないいなと、堂々とケモ耳を見せているオメガをみては羨み、心のバランスを崩してる。
自分が選んできたこと、頑張ってきたことを土台から否定されているような気持ちになるのかな。

本当はすごく根性のある頑張り屋さんなのに。
「理人」という名に恥じぬよう、感情に揺らがさず理性の人であろう、という気合いがまた自分で自分を追い詰めて…なんて不器用すぎるのか。

汐見は態度の悪い理人にもいつも怒ることも動じることもなく、優しくおおらかで、仕事の能力も高い人。
ふつうなら、雷雨に怯えて別人のようにぷるぷる怖がる理人を見たら、普段とのあまりのギャップにものすごく戸惑ってしまうと思うのだけど、そんなときでもきちんと受け止めてくれます。背中を撫でたり、優しく抱っこしたり、まるで本当に小動物を可愛がっているようになだめる汐見に萌えます。

自分に自信を無くして弱りきっている理人は、つい誘惑に負けてヒートのフェロモンで汐見を誘惑しようとしますが…なぜかアルファであるはずの汐見には効きません。
というのも、じつは汐見はベータだからなんですが。

来栖はとても良い子でした。
ケモ耳を誰にも否定されない恵まれた環境で生きてきたのかと思いきや、しっかり自分で戦ってきた来栖でした。
当て馬どころか、彼がいちばんの功労者では。
そんな来栖に感銘を受けて、周りのせいやオメガのせいにばかりするのではなく、自分が変わらなければと動く理人。
垂れ耳のつけ耳つけた理人、すっごく可愛いです。

勘違いや思い込みを乗り越えて、ようやくふたりは結ばれます。
あまあまで幸せになれてよかった!

でも、やっぱりなんだか一番印象に残っているのは来栖なんですよね。
(汐見はあんまり揺らがないから最後のほうまであまり気持ちが見えないし、逆に理人はずっと不安定すぎてハラハラした)
来栖が乗り越えてきたものや、きっと心にまだ抱えているはずの弱さや葛藤なんかも、いつかスピンオフなどで読めたらな。

好きだからこそ、弱って迷って苦しむ

1巻の感想書いた直後に2巻読んだら!
!!!!????♡♡♡♡
1巻読んで思っていたことがアレ?と覆されるところもあり、あーーやばいやばいー好き好きドキドキズキズキ(胸が)な読後感です。

コール!オマエ…ってやつぁー
でもすっごくわかるわかりすぎるその迷い。
アレックスへの気持ちは溺れて溺れて息ができないような苦しい「好き」で。
何をどうしようがド好みの相手。
完璧で最高で、自信に満ちたアレックス。
リスカの存在すら知らないような人。
光の中の人みたい、ってモノローグがあったけど、ああいう場面すごく分かるなぁって思った。手が届かない、絶対的な隔たり。

一緒にいればアレックスの眩しさに自分の暗闇が余計に意識され。
自己嫌悪してしまうことが、もともと自己肯定感が地を這うレベルのコールにはさらに苦しくても。
趣味がぜんぜん合わなくても。
それでも好きで好きで。
アレックスはやめられないドラッグみたい。
一緒にいるとドーパミン出まくりで、もうコレしか要らない!っていう感じで(再会のメガネ萌えからの勢いがたまらなく良い♡)

ブラッドを選ぶという選択肢も充分ありだと思います。
心地いい安らげる「好き」でいられるから、穏やかでいられるだろうし。
ブラッドはスッと心に入ってきちゃったよね。
3Pの夢見るのとか、コール正直すぎて好き。
でも口でさせちゃったのは、やっぱりコールの弱さだな…でも最後までいっちゃうかと思ったので、「出てけ」はヒドイけども、元に戻れない一線を越えなくてよかった。
ブラッドを保険に残しときたいようなズルさも、ズルっ!て思うけど分かる、人間、弱いもの。

ブチギレアレックスからの心情はすぐ読みとるには少し複雑で、言葉にするのは難しいです。

アレックスは、今までの恋人たちやコールが抱えているドロドロの気持ちが分かっていなかったんだと思う。好きすぎて眩しい、好きすぎて苦しい、好きすぎてもう一緒にいられない、というような。
いつも自分の方に余裕があり、いつも先に求められて、本気で執着する必要なんてなかったはず。
いつも恋愛面では(それ以外でもかも)相手より上にいた。
でもまさか、激重愛のはずのコールが心を揺るがしたのがわかって、初めて自分を否定されたような、コールを自分なりに大切にしていた気持ちが馬鹿にされたようなショックもあったのかもしれない。余裕をなくし、コールの首を締め、このやろう…!となったのか。
でも、その後、リスカを理解できないと言いながらも口付け愛おしもうとするアレックスはとても優しい顔をしていて、また新しい、一歩深いところに進める関係になれる希望が見えました。

あー、3巻すぐ読みたいけど、読み終わるのがもったいない病が発動してしまっている。
でも、コールとアレックスがどうなるか、絶対見届ける!
(そういえば、ブラッドに口でさせたのはバレてないけど…大丈夫なのか)

カワイイとメンドクセーの狭間に

アレックスが思いの外真面目ないい男で良き攻めでした!もっと派手に遊ばれちゃうのかと思った。

問題はコール。
コールの自信のなさや思い詰め方には、実際こんな人が目の前にいたらメンドクセーなと思う反面、どこかで共感してしまいます。
自意識過剰で、おどおど、いじいじ。
気にしなくていいことばっかり気にして。
ああもう何やってんの、と思うけど、うんうん、そうなるよね。とも思う。

だいたい、ノンケ好きっていうのがもう致命的なんだよ…
でも確かにアレックスは好きになる。
結果的には顔だけじゃなく、見る目があったと思う。コールはまだアレックスが自分だけなんて、信じられないかもしれないけど。ちゃんと好きでいてくれてます。
リリーに素直な気持ちを吐露しているところを見るに、すっっごくコールのこと好きになってるし、振り回されながらもハマっちゃった、っていう諦めみたいなのもありますね。アレックス陥落してる。

アレックスは割と率直でいつも素でいてくれてるんだから、コールも普段から愛情を小出しにすればいいのに、ドロドロになるまで愛情や執着を心にためてためて、しまいには拳銃つきつけて死にたい殺したい、ほんとにコールの不器用さったらないのですが、とても愛しくもあります。
オッドアイもとても素敵だと思うんだけど、コンプレックスに思うところも、その自信のなさにヨシヨシしたくなります。
コールが少しずつアレックスの愛情を信じられる時がくるのかな?道のりは長そうだけど…
がんばれアレックス。



律の癒され顔に癒される(悠馬ありがとう)

あまあまで最高でした♡



悠馬癒しの天才すぎる。
こたつ、みかん、ご奉仕、きわめつけは「おでん仕込んでるんだ」
なにそれ…癒し攻め!!

律のぽやーっとしてふだん無表情なのに(それも可愛いが)、悠馬と一緒にいるとほわーん、とろーんとなるのがホンット可愛くて、そんな律の表情にこちらも癒されます。
気持ちよさに弱いところもいいんだよね、まりもも飼い主に似てぽてっとして従順で可愛い。
えっちでもどんどん開発されていっちゃって、これも律がすごく素直だからで、自分からおねだりしちゃうのも可愛い(可愛いしかない)

それもこれも、常に悠馬が律を見てて、体調とか気持ちをいちばんに考えて動いてくれてるから。
お腹痛そうだったので、最初は無意識に出た頑張りすぎなストレスかなと思ったのですが、盲腸で良かった。
律のことで色々気を遣っていても一切負担になってないのが悠馬らしい。律ファースト、むしろ趣味というか生きがいレベル。
はじまりは偽装結婚で、自分にも周りにも引け目があったと思うので、これから堂々と胸張っていちゃいちゃ仲良くしてほしい!
悠馬の頑張りが報われて本当に良かったです。

当て馬くんはむしろナイスキューピッドでした。プレゼントの件なんか、ぽやぽやしてる律に気づかせてくれて、めちゃめちゃいい人で感謝しかない。

ここで完結なのが惜しいような…あまあまをもっと見たくはあるけど、この幸せな読後感、幸せな余韻は、ここで完結だからの気もします。
佐倉先生、悠馬、律、たくさん幸せを届けてくれてありがとうございました♡

白川さんがよくわからない

2人の見た目だけで言ったら、100万%好みです。
職人としてお仕事してる姿もそれぞれとても素敵。
蘇芳はそれに加えて性格も真面目で良いと思う。

問題は白川さんのほうなんだよなー。
彼の性格っていうか、距離の取り方がよくわからなかったです。

無自覚に誰にでも距離が近すぎるっていうことがまず彼の問題点で、まぁそれは理解できます。

でも蘇芳には、誘ったり思わせぶりなことしたりするわりに、蘇芳が頑張って「この関係ってなに?」とか「付き合おうよ」とか言ってくれてるのに、そこをはぐらかすのはなんでなの?
試してるの?素直になれないの?
その時点で素直に伝えておけばいいのに、見えてないとこで照れたり悩んだり、しまいには逆ギレっぽいし、蘇芳に好きだって直接言ってもらってから、ド照れ顔での「僕も好きです」
なんか、ずるい気がする…

白川さんにとって、表面上(身体の関係含めて)距離を縮めるのは問題ないけど、心を近づけてみせるということは、そんなに難しいことだったんだろうか?
蘇芳がはじめから白川さんのことを真面目に考えて、遠慮したりしながら思い悩んできたぶん、なんとなくそんな白川さんにはイラっとしてしまいました。

その後、気持ちが通じ合ってからの「今すぐ抱きたいんだけど」からの濃厚なシーンには何の文句もありません。
やっぱり蘇芳が最高にかっこよくてエロくて雄。
白川さんは良い表情してるんだけど、私的にはまだマイナスポイント取り返せてない感じ。

描き下ろしでは、白川さんが素直に独占欲出してたり(菱本さんなんか若返ってて、伊瀬くんと幸せそうで良かった)で可愛いかったのでようやくプラマイゼロかな。

続編があるなら、あまり蘇芳に心配や不安を抱かせないようにくれぐれもお願いしたいです。

用意周到完璧策士溺愛攻

最初のほうは、ツンツンすぎる由葵のことが好きになれず。
可愛げがなくて。
完璧なアルファのアシュレイに対するコンプレックスや焦りがかなり強く、感情的な面が隠し切れてなくて、これは寮長やキングを先々狙うには、計算高いばかりではなくてもう少し冷静で理性的でないと…とマイナス面が目につきまして。

取り巻き同士の諍いだとか、ギルとの揉め事を収めきれてない感じとか、バース以前にね、由葵には隙がありすぎるんですよ。

結局、恐れていた通り、由葵はオメガに覚醒してしまい、隠し通すためにアシュレイにマーキングしてもらうことになるのですが…

これはもう、攻めの勝ち!!
アシュレイははじめに由葵に出会った瞬間から
彼を運命の番だと認識していたわけで、そこからすべて、由葵のための策を完璧に張り巡らせるわけです。
取り巻きを対立させて由葵に近づき、ふたりが仲良くせざるをえない状況を作る。
由葵を守るためにファグをスパイにし、常に目を光らせてオメガに覚醒した瞬間に自分が守る。
完璧に策を講じて、由葵を自分のものにしていったアシュレイの用意周到には、運命のオメガに対するものすごい執着を感じさせます。
でもその執着を全く悟らせないほど余裕に振る舞い、さきざき由葵を不安にさせることにもなってしまうのですが。
由葵への好意じたいはダダ漏れにしているので、由葵が鈍感で全然気づいてないだけなんですけどね。
触れ合ううちに、由葵もアシュレイに思いを寄せるようになっていきますが、とげとげしさが抜けて、どんどん可愛くなっていくのがよかったです。

そして、いよいよキング候補の演説へ。
やっぱり、はじめからアシュレイは由葵ファーストでした。どこまでも用意周到で、自分は参謀として彼を支えるのだと、ずっと決めていたんですね。
ぐうの音も出ないかっこよさです。

それでも由葵はまだアシュレイの気持ちには気づいておらず、ようやくアシュレイに深い思いを告げられて、気持ちを通じ合わせて念願の番になります。
由葵はこんなにも愛されているということを、たくさん実感してほしい!

とにかくアシュレイの一人勝ち。
完璧な攻め様でございました。