いきなり自分語りで恐縮ですが、私はストーリー以上にキャラクターとか心情とか関係性を重視するほうです。攻め受けが長所だけじゃなく短所もひっくるめて魅力的で、かつ、二人の相性がうまく噛み合ってると感じられる作品は、ものすごくハマります。
斗真は、(1巻の最初の暴挙を抜きに考えれば)すごく好きなキャラ。不遜で強引なところも好きだし、彼が棗にベタ惚れな理由もよくわかるし、すごくいいカップル。
棗も、頑張りすぎて空回りする性格なのはよくわかるし、そういうところも含めて好きなキャラなんだけど、1巻では空回りを通り越して独りよがりすぎるのが微妙なところでした。
2巻でも、またもや絶賛空回りの棗。
リサちゃんに嫉妬してるけど嫉妬なんてカッコ悪くて認めたくない、先輩として仕事を応援したい、恋人としての正解がわからない、みたいなことをグダグダと悩んで。こういう面倒くさい性格……めちゃくちゃ好物なんですよね、私。
なんだけど、棗の場合は、1・2巻ともに行動があまりにも良くない。自分の理想論に凝り固まりすぎて、斗真を含め周りが見えなくなる。自分に気のあるそぶりを見せてる男の家に上がり込むとか、あり得なさすぎる……。
結果的には南条が悪人じゃなくてよかったけど。
それどころかヒントになる言葉までくれて、南条さん実は大人すぎる。この人もまあ歪んだところとストレートなところ、相反するような両面を持ち合わせていて、魅力的なキャラ。スピンオフのほうも良かったし、本編の脇キャラとしても、なくてはならない貴重な存在です。
南条から「ずるい」と指摘されて、自分の独りよがりを自覚してから、棗はすごく良くなりました。相変わらず意地っ張りで理想が高くてぐるぐるしがちだけど、ちゃんと斗真の気持ちを考えたり、自分に素直に向き合ったりするようになってきて。
斗真の方も、触れたくなかった過去のことを棗に明かしたりして。
この2巻を経て、3巻以降はほんとうに大好きなカップルになりました。そして巻を重ねるごとに成長して絆を深めていく二人をずっと見守りたい、私にとってとても大切な作品です。
大きな声で言っておきますが、このシリーズ、3巻以降はほんとうに大好きな作品なんです!!!
もうすぐ最終巻が出るとのことで全巻レビューを書くにあたり、この1巻にはあえて厳しい評価をつけました。この巻の中でも好きな部分が全く無いわけではない、という意味では「中立」に近いんだけど、可愛さ余って憎さ100倍?いや愛の鞭?という感じで「しゅみじゃない」レビューを書きます。
まず、最初の斗真が最低すぎた。
ムリヤリから始まるパターン自体好きじゃないけど、作品によっては目を瞑ることはできるのに、これはどうしても受け付けない。ふざけた態度と、脅迫と、職場で何回も、っていうのでもう3アウト。
一応3巻でこのあたりの斗真の背景が補足されているけど、それを読んでもやっぱり許せない……。
しかも棗の方も、ここを有耶無耶にしたまま好きになっちゃうのが、感覚ユルすぎて残念。
それと柿崎の件も、気分の悪いエピソード。
柿崎の性格が歪んでいるのはむしろ仕方がないとして、棗やカウンターの仲間の対応があり得なさすぎて見ていられなかった。
棗の仕事熱心さが空回りして窮地に陥ったところを斗真が救う……という展開に持っていくためなんだろうけど、あれでは棗が空回りを通り越して無能みたいに見えてしまう。
棗の、真っ直ぐすぎて不器用で、お人好しで、お節介な性格自体は好きです。そんなところに、才能はあるけど捻くれている斗真が、ベタ惚れして尊敬しているところも。
全巻を通して、この作品のいちばんの魅力だと思っているんだけど……この1巻では棗のいいところより悪いところの方が大きく上回ってしまっているのが悲しいです……。
最初の犯罪行為を除いたら、斗真も好きなキャラです。不遜な性格も含めて、かなり好みの年下攻め。
斗真が棗を見る眼に、愛しさと憧れが滲みだしているのが、すごく好き。
1巻2話で棗が斗真に「俺はお前に上を目指してほしいって思ってる」と言ったのが、巻を重ねるたびにどんどん実現していくという、すごく素敵な関係の二人です。
最初の送別会のエピソードからもう千歳の気持ちがわかりすぎて、心がキュッとなる。
別に嫌われたり虐められたりしてるわけじゃないんだけど、うまく溶け込めてもいないあの感じ。しかもそれが誕生日。
誕生日って、そうなんだよね。ちょっとした嫌な出来事が、なんかやけに響いてしまう。
現在の誕生日から始まって、回想を挟み、何回かの誕生日の思い出を辿っていく構成がすごく良かったです。
高校生時代は2人とも丸刈りだけど、それほど気にはならず。むしろ短髪だからこそ、高鷹の顔の良さが際立ってました。ものすごく好きな顔。
ただ、2人の恋愛にそこまで萌えられなかったのは、千歳の性格がちょっと苦手だったからかな。
お調子者で目先のことしか考えられないところが……可愛いよりも居たたまれないがまさってしまう。特に、高校から浪人を経ていろんな思いをしたのに、結局ほとんど成長してないのが残念です。金髪ピアスになっちゃってるし……不満を呑み込んで優しくしてくれるお姉ちゃんが浮かばれないだろ、とツッコミたくなっちゃう。
せっかく高鷹と再会したのに、茶化しすぎるのもね。高鷹は気にしてないみたいだからいいんだけど。
ともあれ、最後はハッピーな誕生日でまとまって、表紙絵の回収もお見事で、良かったです。
起承転結でいうと1巻が起、2巻が承のような感じで、恋愛も治水も本格的になってきた!まだまだ山場はこれから!というところ。河だけに大河ドラマとなる予感がします。
じりじりと1冊をかけて、ようやく通じ合った龍楊さまと王佳の恋。
龍楊さま、良かったねぇ……。
今まで河のことしか考えてこなかった、THE天然鈍感受けの王佳もそうだけど、それ以上に龍楊さまってば難儀なお人。
はじめは、王佳にちゃんと気持ちを伝えればいいのに……ともどかしく思ったけど、皇帝ともなるとそうはいかないのね。迂闊なことを言うと、相手は従う以外の選択肢がない。権力濫用しまくって側に置くところまではできても、心は強制したくはない。母上のように「選ばれたのではなく自分が選んだ」と言ってくれる相手と、愛し愛されたいんだよね。
直接言葉では表さず、旅まで許してやって、ただひたすらに想いだけを送り続ける健気さが沁みました。
恋文の言葉も素敵すぎる。河を伝って温もりを届けるなんて、その感性に惚れてしまいます。
1つ欲を言うと、龍楊さまと王佳の直接の関わりが閨の中でしかないのが残念。設定上しかたがないのはわかっているけど……私は1巻から王悟推しなものだから、ずっと行動を共にして頼りがいのある王悟にも心惹かれてしまうんですよね。龍楊さまの恋を応援したいのに、悩ましい……。
描き下ろしは楽しかったです。宿の部屋の話のところ、そうだろうなと思ってた。
陛下の側近・真単と王佳付きの宦官・端正は、そういう関係に今後なるのかどうかはさておき、いいコンビ。真単はシンプルに真面目そうだけど、端正は何やら複雑そう。真単の方が身分が高いみたいだけど、絶対尻に敷かれるパターン。
脇役たちもこれからもっと活躍してほしいです。
前巻で描かれたヴァンの過去も辛いものだったけど、この巻で語られたイェンスの過去は想像以上に重いものでした。辛いとか哀しいとか……まさに言葉にならないような。
自分で望んだわけじゃないし、村人たちの自業自得ではあるけど、自分を思ってやってくれたのも事実だし、村人全員の運命を変えさせてしまったのも確かだし、でもいちばん重い運命を背負わされたのは自分だし。
一人ぼっちになってしまっただけじゃなく、こんな思いを抱えて生きていかなくちゃならないなんて。
イェンスって落ち着いていて淡々としていて、「黄泉還り」だとか「呪い」だとかとイメージが今ひとつ結びつかなかったけど、むしろあれは一種の諦念みたいなものだったのかと納得しました。全てを割り切って受け止めるようにしなくては到底生きていけない。
アイノ婆だけに漏らした「おしまいでもいいかなぁ」という言葉が泣けました。
知恵と慈愛に満ちたアイノ婆の言葉も心に沁みます。
イェンスを助けたいと決意したヴァンのとった方法はすごく意外だったけど、「今どんなに幸せか伝えたい」「ヴァンが意味になった」と迷いなく言い切れる強さに痺れました。ヴァンを伴侶に選んでほんとに良かったね、イェンス。
“救う”ではなく“掬う”という漢字を当てているのも素敵です。
この巻までのところで愛と絆はしっかり育まれたけど、欲を言えば恋心も芽生えるのが見たい……その点では、あともう一押しが欲しいところです。
1巻と比べたら少しは兆しがあるかな?という程度。添い寝したり、さらーっとキスもしちゃったけど、恋愛というより親愛のキスのような。
けど、ツバメちゃんがまだまだ波乱がありそうな予言をしてくれているので、いい意味で二人の関係がさらに変化していくことを期待してます。
そういえば、1巻から仄めかされている“ヴァンの体が普通ではない”という件が明かされていないし。変にBL展開にはしてほしくないけど、ちょっと萌えも欲しいという、贅沢な希望を抱いて次巻を楽しみにしています。
『人魚姫』の一節が引用された印象的な始まり。お伽話のようなモノローグに、ノスタルジックな世界観。美味しいご飯とスローライフ。若く美しい二人の青年に絆が芽生えていく過程を、丁寧に綴った物語。
これだけでもう心を満たしてくれる素敵な作品でした。
が、早々に二人が伴侶となって、これから愛が生まれるという予告もしてくれてるけど、1巻の時点ではドキドキするような恋心は見られません。
BLレーベルではない作品なので当たり前ではあるけれど、BLで定評のある作家さんだし、可愛い恋のお話が見たいな〜という下心をどうしても抱いてしまうので……これからの二人に期待したいという意味を込めての、萌2評価としました。
舞台である「平らな国」のモデルはおそらくデンマーク。言わずと知れたアンデルセンの祖国だし、実際デンマークの国土って平坦なんだそうな。
原初の巨人ユミルの体から大地や海が作られたというのも、おおむね北欧神話のまま。
ただ、「ドロメ」というのは何が元ネタなのかわからず……いろいろ調べてみて、デンマーク語で“夢”とか“願う”という意味の“drømme”かなと勝手に推測しました。
神話とか伝説をもとにした作品って、元ネタを調べてみるのも楽しみのひとつです。
「人魚」はもちろんアンデルセンの『人魚姫』がモチーフ。
人魚姫も悲恋だけど、ヴァンの過去はさらに生々しく悲惨でした。
美しい田園風景とか美味しい食べものとか癒し要素たっぷりの中に、人の世の不条理をそっとくるんで描いているところも、この作品の好きなところです。
イェンスがヴァンに初めてチーズのせパンを振る舞うシーンがすごく良かった。
「泣きながらご飯を食べたことがある人は生きていけます」という某ドラマの名言を何となく思い出しました。
どんなに絶望していても、それでもまだ生きる力がどこかに残っているから食べられるし、食べたらまた生きていく力が生まれる。
そして孤独に生きていたイェンスもまた、誰かに料理を振る舞う幸せを思い出したり。
“生きる”という重いテーマを、やんわりと感じさせてくれるところが好きです。
桃子すいか先生の作品は他に2作品読んだことがあります。どちらも脇役までしっかりキャラが立っていて魅力的だったので、群像劇っぽい今作も期待して読みました。
が、ハードル上がりすぎていたせいかもしれないけど、今回は肌が合わない部分が多くて、辛めの評価になってしまいました。
まず引っかかってしまったのが、作品の要とも言える“みんな片思い”設定。
主要メンバーは男4人と女1人の計5人。
その5人のうち4人はメンバー内の誰かに片思い。
その4人のうち3人は同性が相手。
その3人のうち2人は明らかに異性愛者。
うーん、さすがに無理がある。特に、海斗→諒というのは(勘違いだったとしても)しっくり来なかったです。
そして、海斗のキャラがどうしても苦手でした。
海斗って、悪い人間ではない。誰かを傷つけようとか利用してやろうとかは思ってない。文哉や一花に対しては優しいところもある。
でも、悪意がなければいいってもんではないというか……むしろ悪意がないからかえって怖く感じてしまう。もう根っから他人の気持ちが汲めない性質の人なんだなって。
最後はいろいろ気づきがあって、心を改めて、収まるところに収まったけど、なんかモヤモヤが残りました。この二人、この先大丈夫なのかなあ。あまり幸せな未来がイメージできなかったです(描きおろしは可愛くて良かったけど)。
有島さんは好きでした。気持ちに寄り添ってくれる安心感。それと、文哉のアパートの前で海斗に牽制をかける大人の余裕……からの、「大人げねぇー」までワンセットで。
一花ちゃんも見ていて気持ちのいい女の子。
諒は最初のほうは騒々しいのが苦手だったけど、途中から良かったです。
カフェのステンドグラスや本棚やコーヒーカップも繊細に描かれていて素敵だったし、いろいろ好きな部分もあるのだけど……肝心の、主人公たちのラブストーリーに萌えられなかったのが残念でした。
【合冊版4巻まで、まとめての評価&レビューです】
Pixivとかから始まった作品でしょうか?
絵柄やテンポが商業っぽくない独特な感じなんですが……めちゃくちゃ良かったです!(神寄りの萌2)
ほんの数ページ試し読みして雰囲気だけで敬遠しちゃってる人がいるなら、もっと長く読んでみてーーーと言いたい(ピッコマで3巻まで読めました)。
まず、とにかく、キヨがいい子でいい男だった。
困っている人がいたらナチュラルに助けられるところが男前。
でも模範生や聖人君子な感じではなくて、年相応にアホなところや軽いところもあるのがいい。律に対しても、すごく真摯に尊重しつつ、下心もアリアリで悶々としているのが可愛いです。
律が母親のことを打ち明けたときも、即座に理解できるわけではないのがリアル。キヨみたいに明るくて遠慮のない家庭で育った子なら、「かーちゃんなんか泣かせとけ」と思ってしまうのはむしろ自然なこと。
まして律も母親も、はたから見ればまともだし。家庭内の問題って、他人が簡単に介入できるものじゃないのが生々しくて、しんどい。
けど、100%理解できてはいなくても、律の言動や表情や態度をちゃんと見て聞いて「律の立場だったら」をちゃんと考えられるのが、キヨの本当に本当に良いところ。人に寄り添うって、こういうことなんだよな。
はじめ見たときは変わった作品タイトルだと思ったけど、作中に出てくる ”Put yourself in someone’s shoes” という言葉がとても大きなテーマになっています。
キヨがいつも側にいてくれて、どこまでも寄り添ってくれて、律はどれだけ支えられたか……駅でキヨが佇んでいるシーンは、目の奥が熱くなってしまいました。
律は、ちょっと照れた顔や笑顔がすごく可愛い。キヨがいちいちドキッとしちゃうの、わかる。クセの強い絵柄だけど、表情の描き方がとても好みです。
付き合い出してからの二人も、とにかく可愛いが溢れてました。
ガツガツ行きたい、けど律の気持ちも考えてちゃんと抑えて……でもやっぱりできる限りは押したい!というキヨ。
純粋そうに見えて意外と強気にグイグイきちゃう、でもやっぱりキヨより少々おぼこい律。
平和にイチャイチャする二人も、一緒に試練を乗り越えようとする二人も、同じくらい尊くて良かったです。
キヨの親友・カンちゃんもいい子で大好きだし、元彼・あらたのあざとさも案外好きだったりします。
的場はサイコっぽくて何とも気持ち悪かった。家族思いの母と自己中すぎる父を目の当たりにして、思うことがあったのか? 最後はちょっと消化不良な描かれ方でした。2巻で的場に吠えかかった犬が、4巻で再び吠えたあと、顔を背けて走り去ったのは……あの子は的場から何を感じ取ったんだろう。変化の兆しが見えた……のだと思いたい。
お笑い界を舞台とした、歳の離れた先輩と後輩の話としてはとても良かったです。
人気者ゆえに外野からあれこれ言われがちな飯田の、飄々としているようでいろいろ飲み込んでいるのが垣間見えてくるところとか。
「情熱はない」と言い切ってしまう小峰の、そうは言いつつ静かなパッションが確かにあるところとか。
二人がだんだん親しくなって、心を通わせて、お互いの存在が支えになっていくところとか。
とても良いんだけど……ラブストーリーとしては、あまりハマらなかったです。
キャラクターがあまり好みじゃなかったせいもあってか、この二人がどうしてお互い恋愛感情を抱くようになったか、よくわからなかった。普通に信頼とか敬愛の関係なら、よくわかるんだけど。
飯田が小峰にタバコをあげるシーンは絶妙な色っぽさが漂って、ここからどういう風に恋が芽生えていくのか楽しみだったんだけど、そのあとが一足飛びに進展してしまって置いてきぼり。最後なんて十足ぐらい飛んでしまった気が……
漫画としての読み応えならもっと高得点だけど、“萌え”で判定するなら個人的には【萌0】でした。
【上下巻から続・3巻まで計5巻分まとめてのレビュー&評価です】
Pixivで『渇望』として連載されていたころから、ずっと大好きな作品。
単行本化が決まったときはホント嬉しくて、もう覚えるぐらい何度も読み込んでいたけれど、絶対買う!すぐに買う!とわくわくして待ち構えていた記憶があります。
続・3巻の前半までは、単行本化前にPixivで掲載された分です。
2025年8月現在まだ掲載されているので、単行本を試読して何だか読みづらい?と敬遠している方がいたら、ぜひPixivの方から入ってみて欲しいです。
もともと単行本になる前提ではなく描いたものを、しかも中途半端なところで切り上げて上下巻に収録してしまっているので、単行本のほうはいろいろと読みづらく感じる部分があります。
Pixivだと話ごとに「○日目」というサブタイトルが付いていて、葉月と真が出会ってからの毎日……大きな動きがあった日も、大したことがない日も、1日1日をとりとめもなく覗き見してるような、元々はそういう作品なんです。
商業コミックスとは違って、テンポとかメリハリとかは度外視して、作者様が描きたいものを自由に楽しんで描けるPixivだからこそ生まれたオンリーワンの作品だと思います。
なんといっても、新藤葉月という男が強烈に魅力的!
クズ男ではある……酒浸りでだらしなくて自分勝手で節操なくて、むしろ筋金入りといっていいクズ男なんだけど、人間として大事なところはちゃんと真っ直ぐなのが、ずるい。くまママやテツオが文句言いながらも構ってやっちゃうのもわかる。何だかんだいって好きになっちゃうよね。ついでに、顔が良すぎるのもずるい……
そして自分を否定しがちな真にとって、どこまでも自分本位に全てをなぎ倒してくる葉月みたいな男が、ものすごく救いになるのもよくわかる。
辛い境遇で育った真は、自分に価値がないと思い込みがちな病んだところがある半面、自分だって言いたいこと言いたい、自分らしく生きたいと思う健全な部分がちゃんとあって、必死にもがいてるのが切なくて愛しい。
で、そんな真にときどき葉月の方が振り回されちゃうバランス感も良いです。大胆不敵に見えて、けっこう小物感があるのがまた葉月の可愛さ。
葉月だけじゃなく、テツオ夫婦もママも円ちゃんもおじいさんも社長(課長)も、真に何も聞かずに当たり前に接してくれる、優しい世界が大好きです。
忘れちゃいけない、ザリガニ(犬)も。真が自分はいらない存在なんだ……と病みモードになったとき、ザリガニがそっと背中に寄り添うひとコマが印象的でホロっときました。
まこっちゃんが心の底から幸せになれるよう、ずっと応援しています!