家が火事になりいくところがなく、途方に暮れていた大学生の友。雨も降ってきて踏んだり蹴ったり…というところで便利屋を営んでいるエンに拾ってもらうところから物語がはじまります。
導入はありがちなのですが、エンが本名は円(まどか)という名前なのにエンと呼ばせている理由や、便利屋をやっている理由、そして世の中、お金だ!という考えを持っている理由が明らかになってきて、次第に物語に引き込まれていきます。
円の過去がわかり友が勘違いしていたタカさんとの関係もわかってくると一層、エンがリスクを負いつつも便利屋稼業を続けていること、誰かしらに救いを求めていることがわかります。
友を拾ったことで救いにもなっていて…。
最終的に、エンが引きずっていた過去もクリアになり、友ともハピエンで良かったです。とてもテンポがよくて、タイトル回収も、円と友の未来も明るくて、読後感もよく楽しく拝読できました!
陛下に対する恋を自覚した王佳、そんな気持ちを持つこと自体、烏滸がましいとさえ思ってしまう謙虚さ…!!
端正に夜の手解きを受ける際にはメモメモ…と真面目すぎるところもコミカルで可愛かったです!
治水工事の調査でまた離れてしまう陛下と王佳ですが、離れるほどに募る想い…!
そして難航し打開策が見つからない一行、どうなることかとハラハラしましたが、陛下から王佳にあてての文が王佳を奮起させます。
工事にあたって方向性が見え、一行は帰京。
陛下に早く会いたくて出仕をサボる王佳が愛おしい…!
やっとすれ違いだった二人の心が通いあい、とても素敵な2巻でした。
端正と真単の仲も気になります…!!
連載をスタートから拝読していたのに、ぼくパパのスピンオフをウリにしていない(褒めてます!)ため、リリちゃんが出てくるまで気づかなかったという大ポカをやらかしながら拝読してました(汗)
単行本にまとまり改めて読むと、お互いに踏み込んでほしくないところがありながらも本質的には「人」に興味があって、人と関わらずにはおれなくて、、、というところから徐々にラブに発展していきます。
いつも飄々として八方美人なところがあって世渡り上手な古河さんと、小説家で思ったように執筆ができず不眠に悩む秦野さん。秦野さんはゲイ、古河さんはバイなのかな?
顔が好み…という直感的な部分で少しずつ距離が縮んでいき、デートを重ねたりしますが、二人とも根本的な部分で一線を引いていて本気と遊びの間のような関係が続きます。
秦野さんは前作でも触れられていますが、恋愛に臆病、それに加えて執筆がうまくできずに悩んでいることもあって、複雑な感情がしっかりストーリーに盛り込まれているように感じました。人との繋がりを「書くこと」や縁の「糸」で表現されているのが素敵でした。
古河さんは、育ってきた環境の影響から、睡眠に対して敏感で、不眠に悩む秦野さんを助けたいという気持ちと、次第に惹かれていく感情とか同時並行で描かれているのですが、秦野さんからすると、【睡眠を守りたい】と思いはじめた動機が自分ではなく別の人だったというところで「また恋人として選ばれないかも」と秦野さんが傷つき、すれ違いが起こりますが(睡眠を守りたかったのは古河さんの母親に対してだったわけですが)。
古河さんの事情が明らかになってやっと結ばれてよかったです!
理屈っぽく感じる二人の掛け合いは、さすが、ろじ先生で読み応えがありましたし、それぞれが殻にとじこもって本音をなかなか見せてくれないようなところがあって面白くて、それについても背景がしっかり描かれているのでとても興味深く拝読しました。
原稿用紙、人と人とを繋ぐ糸が描かれた表紙がとても素敵です。
無愛想な元営業の後輩、影森くん✖️人に頼られ仕事を抱えてしまうタイプの先輩花之木さん。
営業部のお荷物で異動してきた影森君の良さをすぐに把握して褒めたおかげ?で、花之木さんを好きになる影森君。確かに花之木さんにグイグイいくんですが、頼られるのが好き、人の役に立ちたい!というお人好しな花之木さんはちょっとの押しでも押し負けてくれるので(笑)最初は無理やりっぽい感じで体を重ねましたが結果オーライで付き合うことに。
途中で喧嘩というかすれ違いもありましたが、影森君は花之木さんのおかげで職場で過ごしやすくなって仲間もできたし、花之木さんは自分で全部抱えてしまわずに、人に頼ることもできるようになったので、二人が出会って良かったなぁと思いました。
コミパで先生と先生の作品に出会い、しゅきマで雑誌連載を追いかけるようになり、しゅきマももちろん大好きなのですが漫画家×漫画家のコミパ、編集×編集の俺ヒロの続編が読みたくて読みたくて、アンケートなど事あるごとにいつか続きを…!と先生や編集部様に切望した甲斐があったのか定かではありませんが私にとって念願のコミパの続編を読ませていただくことができてとても幸せです。ありがとうございます!!
今作は、TOS先生こと忍さんとナカタスの出会いのエピソードや、忍さんのブレない素敵な人間性を改めて知ることができて、雷蔵先生が惹かれるのもわかるわ…!としみじみ萌えころがるシーンがたくさんありました!
そして流行りの配信者系の新キャラ(あくなる)も盛り込まれています。この二人も魅力的で、スピンオフでもっと見たい!と思いました。
このシリーズがまだまだ続くといいなと願っております。
連載がはじまった時、タイトルにすごく惹かれました。
「落花と破鏡の」は「落花枝に帰らず破鏡再び照らさず」からきていると思うのですが、意味は簡単に言うと「覆水盆に返らず」。
真智は姉の事故についてずっと傷を抱えて生きてきました。
取り返しのつかないことをしてしまった後悔、けれども瑠璃姉は然いわく、「怒ってない」。真智は自分なんて生きていていいのか…とまで思いつめていましたが、良い意味で、元通りにはならないのだから、前を向いて自分らしく生きていってほしいという瑠璃姉の願いがチラチラ見えます。
一方で然と然の母親の関係、こちらは真智とは真逆で、取り返しのつかないことをしてしまったからもう二度と元通りにはならない、言葉通りになったわけです。
タイトルから真智と姉の関係、然と然母の関係、そして然と真智の関係の繋がりがわかるとさすが里先生だなと。
最後の「水鏡」のタイトルも、然と真智の心は今は穏やかに凪いでいるのかなと明鏡止水を思わせるタイトルで素敵でした。
「拒まない男」が大好きで「金色のいつか」がスタートした時は小躍りするくらい歓喜しました!
前作の終盤に律が上原(律父)に、【付き合っている人はいる】といったことで話が今作へと繋がってきます。上原から依頼を受け、律の恋人について調査する探偵村崎が接触したのは律の高校時代の友人の富。
この富の登場で、前作で律が引き篭もりになった理由が明らかになります!
富は上原の権力で地元を追いやられ、性に依存するようになりますが、時系列を見ていると、高校時代の富は(律と富の二人の制服のデザインなどを見ると)今のように弱く流されやすい人ではなかったように思います。(最後の探偵社入社試験に合格したところも鑑みると)
それがどうして今のような富になったのか…が村崎との過去の出会いではっきりとわかります。
また、探偵業界という狭い(?)業界ゆえか、青山さんと常盤さんも接触して駆け引きするんですよね。黒瀬と村崎の駆け引きもゾクゾクするほど面白かったのですが、描き下ろしのこの駆け引きもたまらないほど震えました!
中田議員と上原の関係、上原と山吹の関係についても今後が楽しみすぎます!
2巻が待ち遠しいです!!
単話でもずっと連載を追っていましたが単行本にまとまると4巻のボリュームにびっくりします!
あとがきでも書かれていますが、4巻のテーマが「家族」。
読み進めると先生と大河くんの立場だけではなく、彼らを取り巻くキャラクターたちそれぞれの立場から見て、自分の大切な人の幸せを願っていることがよくわかるので、大河パパ、又吉おじさん、京也、松田のお祖母様、それぞれの立場になって感情移入して物語に入り込んでいきました。
要所要所でハッと自分を振り返るような素敵な言葉がたくさん散りばめられており、読み返すたびに家族とは…と考えさせられる素敵な作品です。
特に槙原先生の家族について明らかになるところがあるのですが、松田家と比較して、反対されること=愛情でもあると読み取れます。そこも素晴らしかったです!
5thシーズンも決まっており、ますます楽しみです!