連載で読んでたんですが、絵もすっごく好きで手元に置くべく購入しました。誰かを真剣に好きになって、夢中になったことがないであろう二人が関わり合って、徐々に温かい関係を築いていく物語が丁寧に描かれています。
戒くんは子供の頃の家庭環境のせいで、自分に興味を持ってくれる人、自分と真剣に向き合ってくれる人、大事にしてくれる人、なんていないと強い人間不信になっていたんだなと思います。自己肯定感も低いであろうことも、パパ活してる一因なのかもしれないなあと。パパ活の過程では嫌な思いもしてきたことが描かれていますが、それでもやめられない。そんなにまでして自分に関心をもってほしい、本当は自分を尊重し、認めてほしい、のだろうなあと。
悠真さん、いいですねえ。素直で誠実で、ちょっと天然ですかね。戒くんに、初めからトキメイて、どんどん惹かれていく様子が可愛くて。自分の態度が誠実と言えるのか真剣に悩んだりして。自分の友達の店に連れて行くのは、戒くんと真面目にお付き合いしてるつもりだからなんですよね。
これから、もっともっと温かい幸せを育んでいくんでしょうね。あまあまの続編も!お願いしたいです。
冴ちゃん、ほんとにどんな顔してても美人!そして、2巻にも増してどんどんかわいくなってますね、好き。それはやっぱり明仁がどっぷり惚れ込んで大切に思っていることが伝わっているから。これまでのツンツンぶりを振り返るとかわいさひとしお。この二人は、特別な人との安定した信頼関係を築いていくのが初めてで、危うくもあり、微笑ましくもあり。この物語の大きな魅力ですよね。
でも、本作では明仁が冴ちゃんを心の拠り所として頼っている姿が表現されていて、そこも好きです。明仁が抱えている何かしらの家庭事情が明らかになってきて、それを感じ取りながら気遣う冴ちゃん。美桜ちゃんも含めた、冴ちゃんの家族が明仁の事を受け入れていってくれるといいなあ、なんて思っています。
そして、春海くんと琥太郎は?年の差、琥太郎の不安定な家庭、今後の展開が気になりすぎます。
1、2巻通しての感想です。ほんっとによかった、遊真、そして誉!遊真は前巻からすごくいい人なのにって思っていたので、本当に幸せになってくれて、にやにやが止まりません。
10年経てもまだ旭のことを思いきれず、結婚や出産の知らせに触れるたび、大きく心をかき乱されてしまう遊真。バース性を差し置いても、旭自身のことを好きになってしまったからだと思います。でもやっぱり運命の番だったのに、という悔しさや辛さもあったから、こんなにも引きずっているわけですよね。オメガバースであるからこその物語の魅力!
そして、誉はβであるが故の辛さを何度も経験していたわけですよね。αとΩだけではなくて、βの生き辛さを描くことで、更に深みのある物語になっている所もすてき。
だからこそ、遊真と誉が、身代わりではなくてお互いに見つめ合い、少しずつ変化していく姿が刺さるんです。
最後に、怜王の「一番ヤバいのひっかけるんだもんな」、すてきです。遊真の激重執着独占欲をほんとにうまいこと表現してますよね。
左藤さなゆき先生の囲い込み、ほんと好きです!更にこのシリーズは、Ωバース設定が本当に生きていて、大好き。これからも何度も堪能させていただきます。
3冊まとめ買いして、一気に読みました。17生徒、は有岡君側からの展開でしたが、本巻はタイトル通り三島先生側からになっています。
でも!三島先生の、ずっと抱えてきた痛くて辛い想いが、有岡くんの様子を表現することで、こんなにも強く鋭く、容赦なく読者である自分に伝わってくるとは!!嗚咽を漏らして泣きました。
津田さんの言葉や態度が、三島先生を何度も深く傷つけてきたことに気づいた有岡君の気持ちを思うと泣けて…。三島先生自身のモノローグや描写からももちろんわかるんですが、先生を真剣に思う有岡君を通すと、何倍にもその辛さが表現されていると思います。
前巻では、17歳であることの真っ直ぐさが、大事にしたいはずの三島先生をズタズタにしてしまいました。しかし、ここでは真っ直ぐであるがゆえに、嫌われていても何とか先生の助けになりたいたい、寄り添いたいという行動に出ます。それが少しずつ先生の心を変えていきつつあるのかな。
先生の好みじゃないブラック缶コーヒーも、「前方不注意で事故とか」と言い訳しながらの見守りも、ホントに可愛らしくて微笑ましくて。前巻での、自分のどうしょうもない恋心をダイレクトにぶつけてしまったのも、同じ有岡君なのですよね。木下けい子先生が描きたいと表記なさっていた「特別感」なんだなあと思いました。
これまでに読んできた木下けい子先生の作品は、オシャレでスマートな大人、でもどこか不器用でコミカルだったり、という印象でしたが、本作は違って、こちらも大好きです。この作品も何回も読むだろうなあ。木下けい子先生、ありがとうございました。
匠さん、美人!抱きつかれてズキュンと来ちゃった皐月くん、無理もないですよ。ましてやその美人が、人目を忍んで一人涙してるなんて。無理もないですよ。匠さんには子供の頃にもつらい経験があったことが、さりげなく修子さんからあかされ、ますますなんとかしてあげたいって思っちゃう皐月くん。でもそこで、「まだ学生の自分に何かできるんだろう」って考えちゃうところがすてきです。匠さんに誠実に向き合い、本当に大切に思っているんですよね。いい子だ!
そしてこの物語で、深く傷ついた匠さんを包みこんでくれる優しい湯気は、皐月くんだけではないところがすごくいい!ありのままの息子を受け入れ、心配してきた修子さんはもちろん、地域の人たちの温かさ、です。匠さんの事情はもちろん知らないけれど、帰ってきたことを大仰な言葉ではなく、自然に受け入れ、歓迎してくれています。
優しい湯気に包まれ、未来を向いて進んでいく二人、ずうっとお幸せに。
表紙からもっとコメディー要素が強いのかなって感じましたが、二人の心情や互いへの想いがすっごく丁寧に描かれてて、ほっこり可愛いお話です。
バトル物のヒーロー至上主義(?)の漫画家、姫野くんは、実は少女漫画が大好きな王子くんと関わっていく中で色々なことを知り、これまでとは違う事にも価値を見いだし、世界が広がっていきます。それは行き詰まっていた漫画の仕事にも…。
一方、ほんとに王子様キャラの王子くんは、誰にも見せられなかった素の自分を姫野くんの前で出していくことで、どれだけ救われたことか…。
笑えるシーンも勿論あるんだけれど、姫野くんとともにトキメイたり、王子くんとともにギュンときたり。姫野くん、ほんとかわいい。王子くん自分は王子様なんかじゃないって否定する部分も含めて、と言うよりそんなところがあるからこそ、余計にすてき!キラキラしてるんだけれども、しっとり、優しい物語です。
漫画賞の結果を二人で見るところで終わるのが、余韻に浸れてまたいいなあ。でも、続編をお願いしたいです!
シリーズ全て、読んでるとほっこりニヤニヤ。前巻で礼央くんの騒動?の真相が明らかになって落ち着いて、次は…。
そう、やっぱり二人がさらに向き合い、深まっていく最終巻となりました。特に、尊と母親、尊と父親も含めた家族にスポットが当てられています。誠志郎の問いかけに自分の家族のことを淡々と話す尊。子供の頃の様々な想いも描かれていて、ああ、尊はホントに家事をしながら自分なりの普通の家庭をつくって行きたかったんだなあ、と実感しました。その志向家族が、幼い頃に垣間見た白の京極家なのかもしれないな。白の京極家と言えば芳子さん!強かなんだけど、可愛くって、礼央くんとはいいコンビになりましたねえ。
礼央くんには二人の仲を繋いでもらったこともあったけれど、これからの二人はきっと大丈夫。誠志郎の「結婚って普通の日々の積み重ねだからさ」はこれからの二人の人生を言い表してますよね、じ~ん。
本当に、薫風のように爽やかな、陽光を仰ぎたくなるような読後感。これからも何度も読んで穏やかなニヤニヤに浸りたいと思います。木下けい子先生、ありがとうございます!
3巻は百樹の、過去と踏ん切りをつけたいモヤモヤ、さらに深まる二人の仲、という感じかな。
卍兄ィに出会って、長屋での市井の生活にすっかり馴染み、幸せな二人だと思っていたら、やっぱり陰間時代の暮らしが百樹の中には色々な面で影を落としていたんですね。十かそこらで(?)陰間という特殊な世界に入らざるを得なかった訳ですから、世間の子供とは違う暮らしをしてきたんだなって1巻から想像してて、可哀想で可哀想で。近所の子と寺子屋行ったり、家業を手伝ったり、お使いをしたりすることもなければ、五節句をみんなで準備して祝ったりするようなこともなかったんだろうなあと。ちゃんと自立して生きていきたい、兄ィと対等な関係でありたい、と思っているから、六夜に言われたことに憤りを感じたのかなと。金ちゃんや兆さんとのやりとりでも、陰間であった故に相手に世間ズレした事を言っていないかすごく気にしている。
対等な関係っていうのは、二人の恋仲の有り様にとても重要だなと思います。囲うとか、頼り切るとか、ではこの二人にそぐわない気がします。
でも、やっぱり百樹は強い!!千のことまで慮ってあげるなんて!優しいよね、強いよね。そして、卍さんの言葉!ぐうっと鷲掴みになり、泣けました。「一人きりでも仲良く二人でいても…。」これって「健やかなる時も病める時も…。」ですよね。
百樹、これからも幸せに溺れて嬉し泣きをしていいんだよ、そのまま思う通りに卍さんと進んで行ってね。
感想というより妄想になりましたが、紗久楽さわ先生、本当にありがとうございます。
最初は、とにかく面白くて、だったんですけど。自己肯定感が低くて「俺なんか」の安達くんが黒沢くんと出逢い、恋愛でも仕事でも前向きに変わっていく、完璧であろうとするがゆえの辛さ、苦しさ、を安達くんに気づいてもらえた黒沢くん、二人の初恋の物語なんだなと思っていました。
でも、同棲するだけじゃなくて、結婚式を挙げたい、新居を構えたいってあたりから、その先も描いてくださるんだな、と思い、ほんとに楽しみに読んできました。互いの想いが通じてハッピーエンドじゃなくて、家族や友達、職場の中の身近な人達にもわかってほしい。そして、最後は社会(?)なのかなと。やっぱり二人だけの閉じた世界じゃなくて、いろんな人達、世の中とかかわりながら生きていく、という幸せの形。
誠実な二人にはそんな、温かい人生を送ってほしい。それは豊田悠先生の思いでもあるように、勝手に感じました。ラストまで追っていきます、そして、また何度も読み返していきます!
のっけからうっわってなって、一気に読まずにはいられない作品です。上下巻、作家様買いしたんですが、連載を追ってた方、ものすごい忍耐必要でしたよね、きっと。
これまでの作品とはストーリー展開のスピードが違うというか、ミステリー仕立てというか。でも、回想部分も含めて晶、蛍、それぞれの想い、すれちがい、も丁寧に描かれてて、ああ、日高ショーコ先生、今回もありがとうございますって感謝。
同性であるが故に離れていった二人の人生がまた重なって一緒になっていく…。それぞれが関与した世界とそうでない世界、どちらになっても、二人にしか分からない事柄、というか事象、感覚を共有しながら、穏やかで幸せな日々を過ごしていくんだろうなあ。
リアルな犯罪、サスペンス要素が濃い物語ですが、読後感は清々しく温かい、何度も読みたい、てか読んでる作品です。