待ち望んでいた2巻、やっと読み終わりました…!
もっとちまちま読んでいくつもりだったのに、あまりに文章が素敵すぎるから読み始めたら止まらないんですよね。続巻まで放置プレイ再開です^^
まず表紙が大優勝すぎる。もし天官賜福を知らなくても本屋で見かけたら表紙買いする自信ある。1巻の肉食系な表紙も好きでしたが2巻の草食系も良いですね。爽やか〜
内容です、かつて永安国の太子であった郎千秋、その永安の皇族が皆殺しにされた鎏金宴大殺戮の真相が前半170ページほどで語られ、そこから第2巻「太子悦神」が始まります。
800年前、謝憐がまだ人間で仙楽国の太子だった頃の上元祭天遊から、飛昇して神官となった後までの話です。
これがね〜…またとにかく重い!想像以上に重いよ!!
あんな草食な表紙でこのストーリー、最近流行りのロールキャベツか…
1巻がワクワクミステリーツアーだったおかげで平和ボケしていましたが、4分の1くらいまで(鎏金宴大殺戮のところまで)読んだところでやっと あ、この先生って重い話書くの得意なんだっけ と思い出しました。
風の噂で同作者の『魔道祖師』より重いらしいとは聞いていましたが、流石主人公の過去の話というだけあって2巻から割とぶっ飛んでますね…
謝憐、可哀想すぎる。
優しいが故に色んな角度に手を差し伸べすぎて、全てが中途半端になり、だんだん収拾がつかなくなっていきます。
「神だからなんでも出来る」
その圧力に疲弊していく謝憐が発した一言がとにかく痛ましいです。
ここ読んだのが寝る前だったので普通に大泣きしました。
でもやっぱりこれはBL小説、重い話の中でもしっかりひとつの恋が芽生え始めているのが読んでてワクワクします。
あとこの2巻、ちょっと嬉しい事件が1つありましたね。
温柔郷という花の妖怪が放つ香りに謝憐があてられて、1人の少年兵の前で体を火照らせてしまいます。
少年兵…私たちが想像してる通りの人物だといいですね!続編に期待しましょう^^
この界隈で伝説とされる作品だから読んでおいて損は無いだろう、くらいの軽い気持ちで読み始めたら見事にハマりました。
ドイツのギムナジウム(寄宿学校)が舞台、トーマという少年が自殺するシーンから始まります。
キリスト教(多分カトリック)の話なので 友愛、家族愛、性愛など、様々な“愛”が出てきますが、中でも1番印象に残ったのはやはりトーマの無償の愛。
愛する人を救うために自分の身を捧げる、濡れ場の需要が高まる最近のBLでは滅多にない魂レベルの愛。ひたすらに美しいです。
終わり方としては、最初読んだ時には「えっここで終わっちゃうの!?」と少し物足りなく感じましたが、読み返すうちに いやこれでいいんだ、ここで終わるのが1番美しいと思うようになります。
この作品は確かに少年愛について扱ってはいるけれど、だからといって現代のBLと一緒にしてしまっていいのか?とは思う。同じテーマでもこの作品だけは全くの別次元にあるような感覚。
「パタリロ!」の魔夜峰央先生が自身の娘さんにこの作品を読むよう教育していた理由がよく分かります。
私たち腐女子が想像するような男同士のガッツリイチャイチャは無いけれど、匂わせはあったと思います。
エドガーはエドガーで勿論アランのことを愛しているけど、それはアランが求めるものとは少し違う。なので何度かすれ違います。
『小鳥の巣』でアランがエドガーに「ぼくのことだけ考えてくれなけりゃいやだ!」と言った時には おぉそこまで言っちゃうのか と思ったくらい。
全体的に切なさが強い作品。
令和の腐女子が、
令和の腐女子のために考えるに、
「ブロマンス」という言葉がいちばん近いかも。
エドガーとアランが共に生きる話、BLではないけれど何となくその雰囲気を感じる世界観。言い表すのが難しかったのに…この言葉の便利さに感動。
余談ですが『小鳥の巣』『エヴァンズの遺書』には純粋な恋心からくるものではないですが一応男同士のキスシーンは有です。