SNS試し読みで読んで惹かれ、
その場で電子を購入し、
読み終わった瞬間に紙本をポチっていました。
タイトル「もう少しだけ」の意味が本当にグッとくる。
人生まるごと描いてくれる作品が好きで、
今年一番胸に刺さった。
ずっと手元に置いて何度も読み返したくなる作品です。
車椅子生活になった晴人の不自由な生活や
心情が思った以上に克明に描かれていて、
ほっこりしたタッチなのに
彼が追い詰められていく描写が本当に凄まじい。
そのため、
読者に晴人の秘密をうっすら感じさせるのも
秘密が明かされた時に晴人の選択に納得感を抱かせるのも
すごく上手いなと感じました。
個人的に今作のようなタイプのエピローグが大好きで、
彼らの人生の歩みを感じさせながら、
想像する余白を与えてくれているのがとても良いです。
「もう少しだけ」があそこまで積み重なってくれたのだな、
とわかる皺の刻まれ方に感動しました。
3年ぶり、待望の2巻!!
2人らしくゆっくり進みながらも、
やっと!というシーンが見れたのが最高に幸せでした。
やはり海辺のシーンがとても印象的で。
足跡を重ねる五十鈴の行動は
それ以前に比喩で表現されていた、
“迷い悩みながら独学でバイオリンを習得してきた幼い頃の十嘉“
の軌跡に寄り添うように思われ、感動しました。
また、恋愛面では甘いはずの『特別』という言葉が、
こんなに切なく感じられるモノローグは初めてです。
麻生先生の言葉選びにはいつも感服します…。
あとがきには3巻で完結とあり、寂しいですが、
結ばれたふたりのこれからのストーリーが読める
3巻が今から楽しみです。