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想いが消えても貴方にならまた恋をする

今回は魔狼の血を引く大元帥と元娼婦の魔術師のお話です。

記憶を失くして憔悴する攻様を救うため
師匠の策略に乗った受様が攻様との新たな未来を掴むまで。

受様は7才の時にエストゥナの娼館に売られ
13の時にファルンの遊郭街にやってきます。

遊郭街の遊女や娼夫達は
外界との自由な行き来は認められていませんが
エストゥナよりはましと過ごしますが

19になったある夜、
街の西の門をいつも守る門番がおらず
受様は自由を求めて西の門を目指します。

ところが裏道で横たわる黒い物体が
魔狼の子供ではと思い至ると放っておけず

小狼を負って使われていない小屋に運ぶと
月明りから離された狼は人の姿を変化しました。
彼が今回の攻様です♪

攻様は魔族の末裔が集まるピエテの出身で
受様を気に入った攻様は娼館に通うようになり
3年後に受様を身請して妻とします。

攻様はピエテとファルンのために戦い続けますが
敵国の岩渓軍に拉致られ拷問されて生死を彷徨い
隠れ住む屋敷は襲撃された受様は殺されてしまいます。

トゥーヤとファルンで起こった南堺戦争は
攻様の活躍によって終戦を迎えるものの
妻を亡くした攻様の傷は癒える事がありません。

実は受様の死は偽りで受様は縁ある魔術師の伝手で
世界保全魔術機構に属する魔術師となり
他国を旅していたのです。

ある理由でファルンに戻った受様は
攻様の側近だという魔法使いに
「魔狼の地に耐性のある受様に仕えて欲しい」と
迫られることになり!?

WEB小説サイト「アルファポリス」掲載作を
改稿加筆、改題しての書籍化で魔狼の血を引く攻様と
魔術師の受様のドラマチックファンタジーになります♪

今の受様は色々と問題のある話でしたが
半年だけならと付き合う事にします。

再会した攻様は受様を「覚えがない」と一蹴した上
「必要としていない」と冷たく言い放たれます。
攻様の側近も慌てるほどの冷徹ぶりですが
受様には想定内です。

さらに攻様には傍に置く元娼婦の未亡人がおり
彼には意味深な視線を向けられてしまいます。

受様が攻様の元に呼び寄せられた真の目的とは?
そもそも攻様はなぜ受様の記憶を失ったのか?
攻様は亡くした記憶を取り戻せるのか?

という点が抑えどころなのかなと思っていたのですが
攻様の記憶喪失の裏には受様が隠している過去が
大きく関わっていたことが見えて来ます。

受視点であるが故に受様が隠し続けた秘密がなかなか見えず
明かされる過去によって伏線が回収されていく展開は
とても見事でワクワク&ドキドキの連続でした ヾ(≧▽≦)ノ

受様を拒絶した攻様が受様に惹かれていく様に加え
自分が最初に受様を拒絶した理由すら
冷静に分析していてちょっとでき好きでな所もありますが

攻様の「無くしてもまた恋をする」という言葉は
同じように攻様を想う受様にとって
唯一の希望であったと思います。

そして受様は受様に関わって魔法使いたちにとって
未来への希望であったと思います。

真夜中の勝負

本品は『さようなら。別の人の番になります。・・・』の
コミコミスタジオ特典小冊子です。

本編後、テオが新作ゲームで勝負を挑むお話です。

会議を終えて深夜に帰宅したアルベルトは
見慣れないゲーム版を手にしたテオでした。

新しいゲームを作ったらしく
「勝負をしませんか?」と誘われたアルベルトは
明日も朝から会議で大変疲れていたのですが

「10分もあれば終わりますから」と言われ
もう少し待ってというテオに無理を押して結婚したのに
寂しがらせていたらとやってみる事にしますが・・・

A5サイズカラー表紙(カバー同イラスト)2段組12頁の
大ボリュームにてアルベルト視点の後日談になります。

それはシンプルな陣取りゲームで
真剣な表情のテオ西幼年時代の面影を感じて
心が和みます。

結局2度対戦して2度ともアルベルトが勝利しますが
それ以降アルベルトの帰宅に合わせて
テオがゲームを挑むようになるというお話です。

テオは買ったらあるお願いをしようと頑張るのですが
毎回望み叶わずで毎晩挑むこととなっていたのです。

やっとテオが勝ててお願いをした事で
アルベルトはやっと勝負の意味を知り
ちょっと反省して快く望みを叶えてくれるという
ほのぼの&ラブラブなお話でした。

王族と庶民のロマンスについて

今回は王弟子息と召使の息子のお話です。

攻様狙いの令嬢の策略に巻き込まれた受様が
攻様の誤解と呪いを解いて攻様の唯一となるまでと
本編後のラブラブ後日談を収録。

この世界には男女性の他に
アルファ、ベータ、オメガという第二の性があります。

アルファは知性や要望、体格に優れた性で
国の要職はほぼアルファです。

ベータは一番人口の多いものの基本的には平凡な性であり
オメガは男であっても妊娠・出産できる繁殖するための性で
優秀なアルファを産む存在として重宝されています。

男性オメガは女性よりも数が少なく
アルファを宿す確率が高いために判明れば
後宮入りする事になります。

受様は王城の召使いの母とともに
城の雑事を手伝って暮らしていています。

王弟一家を来城日に見かけても
全く別世界の人だと思っていましたが
昼休で趣味のボートゲーム作りをしている時に
天使のような美少年に声をかけらます。
彼が王弟子息である今回の攻様です♪

攻様は受様の作るゲームに興味津々で
父親に訴えて遊び相手にされ
攻様がアルファ判定されても
関係は変わらないと思いましたが

受様はオメガ判定されて
翌日の後宮入りが決まるのです。

その夜、
受様は攻様の滞在する部屋が見える裏庭に向かうと
魔術に傾倒していると噂の公爵令嬢が出くわします。

裏庭全体がうっすらと紫色に光る様に
嫌な予感がした受様は彼らの前に飛び出した事で
令嬢は逃げ出すのですが

彼女が呼び出した攻様は
好意魔法の影響で受様にキスをするのです!!

朝日とともに魔法の解けた攻様は
受様が自分を性欲対象にしていたと怒り
受様は釈明できずに逃げ出しすのです。

それは攻様の誤解を増長させ
向かった後宮での生活は最悪で・・・

呪いで人を愛せない攻様と誤解で嫌われた受様の
王宮オメガバースになります♪

王は根っからの異性愛者で
男性オメガは項を噛んで番しても顧みず
食事も日に一度、発情期も放置されたのです。

受様の体は成長をやめ死をまつのみとなりますが
13年後に起きたクーデターでやっと終わりを迎えます。

攻様は庶民に重税を課す残虐な王から
人々を解放するために立ち上がり

受様は攻様預かりとなりますが
攻様は13年前の公爵令嬢の魔法のせいで
向けられる好意に嫌悪を抱く躰なっていたのです。

攻様が受様の正体(笑)に気づくのか?
受様が攻様に魔法をかけた犯人ではないと気づけるのか?
攻様が掛けられた魔法は解く術があるのか?

登場人物の思惑と令嬢の魔法が複雑に絡まりつつも
それぞれに伏線が張られているので解けていく事で
謎解きにはそれほど不可解さはないのですが

王族の庶民の身分差モノなのに
男性オメガの後宮入りが続いている背景ゆえか
王弟子息である攻様に身分差意識が低いのか
身分差モノの葛藤や辛酸さをあまり感じず

キャラの言動に貴族設定が徹底していなくて
実業家と庶民程度の格差で十分だったのでは!? と
思ってしまいました。

トラウマはなかなか消えないけれど

本品は『君は美しい海賊王の真珠』のコミコミ特典小冊子です。

本編後、ライハ達が人身売買を取り締まるお話です。

今日のライハは海の巡回に向かう
ディガーロン海賊団の船に載られてもらいます。

怪しい取引を行う船を取り締まったら
船の中から裸同然でつながれた若い男女が見つかり
近隣の海軍に船ごと突き出して帰路に就きます。

人身売買を未然に防いだとはいえ
気が滅入ってしまったライハは
レオの部屋で休ませてもらうのですが
過去の悪夢を見てしまい・・・

A5サイズカラー表紙(カバー同イラスト)2段組12頁の
大ボリュームにてライハの悪夢のお話になります。

ライハは船に繋がる人を見て
ザックに襲われた時のことを思いだして動悸が治らなくなり
少し寝ればよくなるかと思ったのですが
夢の中までも追いかけられてしまったのです。

夢の中でザックに襲われて甲板から海に落ちると
実際は助かったのに海の底に落ちていき
そのたびに海が怖くなるのです。

「平気だと思っていたんだけどな」というライハに
レオは意外な言葉を返し
ライハから悪夢の残滓を剥がしとっていくという
優しいお話でした。

恐ろしさを悪いと思う事はないと
別の方法で支えてくれようとするレオがカッコ良いです♪

弱さを強さとして正しき道を目指す勇気

今回は僻村の漁師と海軍士官のお話です。

受様が海賊調査で赴いた村で出会った攻様とともに
海軍内の権力抗争に終止符を打つまでと
本編後日談を収録。

ドルフィリア王国は
死優位のほとんどを海に囲まれて
交易のほとんどを船に頼っています。

そのため高価なものを積んだ船を狙う海賊が多発し
海賊と対する海軍は「鉄鋼のドルフィーナ」と呼ばれ
ドルフィリアの誇りです。

海軍将校を父に持つ受様様は
幼い頃に両親とともに出かけた海で波にさらわれ
母を亡くした事で海に苦手意識を抱きますが
海軍を志します。

海軍では親の力と馬鹿にされないよう
寸暇を惜しんで学び常に完璧であろうとしますが

母似で美麗な受様に執着した上官に
乗船予定の船の点検中に襲われて海へと身を投げた事で
海への恐怖で泳げなくなったばかりか
船にも乗れなくなるのです Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

受様は事務仕事へ移されても
なんとか海への恐怖心を克服しようとしますが

1年経っても船にも海にも近づけず
辺鄙な村での目撃された海賊船監視という
実質左遷を言い渡されます。

老人しかいない村で
余所者の受様は警戒され相手にされず
唯一話を聞いてくれた真珠養殖者の老婆から
誰よりも海を見ている漁師でした。

受様は漁師も老爺だ思いこみますが
漁師は村で一番若く分厚い胸板に浅黒い肌をもつ
凶暴な熊のような男だった上に
受様は崖の崩落で海に投げ出されてしまうのです!!

受様の命運はここで尽きる・・・のか!?

伝説の海賊王の攻様とカナヅチ海兵の受様という
天敵な関係の2人の恋物語になります♪

この漁師こそが今回の攻様で
受様が泳げないと知ると海に飛び込みんで
助け上げてくれたのです。

受様が目撃された海賊団を探し出すまでは
帰らないというと呆れるのですが

寝泊まりする宿もない村で野宿してでも
"帰れない"という受様に家事を条件に
居候までさせてくれるのです。

攻様には監視でもある暮らしでしたが
真珠養殖の第一人者の老婆に気に入られた事で
受様は村人達に受け入れられていき
攻様の心も変えていきます。

村が嵐に見舞われた時
受様は無謀ながらも果敢な行動で老婆の真珠を護り
それがきっかけで秘された海賊船と攻様の過去を
知る事になるのです。

海賊団は冤罪を掛けられ隠遁していたのですが
その背後には清廉なはずの海軍と海賊の癒着があり
彼らの魔の手は受様の父にまで伸びていたのです!!

登場人物はそれほど多くないと思うのですが
それぞれの関わりが伏線として丁寧に絡められていて
受様のトラウマの克服、攻様や受様父の冤罪の払拭に
巧みに活かされていてドキドキ&ワクワク、

受様が海へのトラウマを克服し
攻様が逃げ隠れしなくていい日々を掴むまで
とっても楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

読み終えてみるとタイトルの意味深さが
より効いて見えて良かったです♡

王族としての誇りと未知への不安と

本品は『皇子の『鞘』に、異世界召喚!』の
コミコミスタジオ特典ペーパーです。

アンシャルと魔剣との関わりのお話です。

アンシャルは物心着く頃から
城の武器庫の最奥に厳重に封印が施された小部屋に
魔剣と呼ばれる剣が安置されている事を知っていました。

魔剣は魔界から侵入してくるものを唯一切り払える存在で
王族にしか扱えない上に代償として使い手を
「呪う」とされていました。

しかし、成長した魔界樹が見つかったという
非常事態が発生した時に迷わずに手にして断ち切り

「聖なる焔」で焼き清めるまで見届けて
握った魔剣を見下ろすと漆黒だった刃は
白銀の輝きを放っていました。

ただ魔剣の呪いをうけたはずなのに
アンシャルの見た目は変わらないようでしたが
満月と新月の夜は魔獣に姿を変えると言われていたため
自ら牢獄へと身を投じる事にします。

闇に溶け込む漆黒の魔獣がどのような姿なのか
アンシャルが目にすることは叶いませんでしたが・・・

A4サイズ両面にて
アンシャル視点での本編裏事情的なお話です。

神官や忠臣のカイロスさえも怯えた事で
呪いの忌まわしさを感じるようになります。

人としての姿を保てるうちに自ら滅しようと決め
人の姿が保てなくなる日と意識まで人でなくなる日は
どちらが先なのかと思うアンシャルの様子には
矜恃とともに痛ましさも感じました。

本編でも描かれた翔矢から見たとの出会いと
呪いから解放されてから理後日談へと繋がっていて
優しい幕引きで良かったです (^-^)/

呪いを解くために異世界に召喚されました

今回は第二皇子と動物園の飼育員のお話です。

魔剣の呪いを受けた攻様の鞘として召喚された受様が
攻様の大切な存在となるまで。

受様は両親を知らずに祖母に育てられ
祖母を亡くすと幼稚園から一緒の男女の幼馴染との
友情を支えとしてきます。

3人の関係は家庭をもっても続くと思っていましたが
2人が付き合っていたと知ってショックを受け
帰宅途中で受様はふいに襲われた眩暈によって
噴水に落ちてしまいます。

それは子供も遊ぶ小さな噴水でしたが
なぜか底に着くことがなく溺れ死ぬかと思ったところで
突然水面から顔が出たのですが

見えた風景も見慣れた広場ではなく
聞いたことのない言語を話す白装束の男達に囲まれ
石組の水槽のよう場所にいたのです。

そんな受様に紺の衣装の青年が近付いてきて
水を満たした銀杯を口元に押し付けられ
ムリヤリ飲まされた聖水によってか
言葉が分かるようにはなりますが

紺の衣装の青年は受様が鞘に選ばれた聖なる花嫁で
「その身を捧げるのが役目です」と
巨大な漆黒の猛獣がいる地下牢に連れていかれ!?
受様は猛獣のための供物なの!?

魔剣の呪いを受けた攻様と解呪を期待される受様の
界渡りファンタジーになります♪

 牢の黒い猛獣こそが今回の攻様です。

この世界は人の世界と魔に属するものの世界に別れ
稀に境界の歪みから魔物が侵入してきます。

小さいうちは「聖なる焔」で焼き清められますが
育つと魔界製の魔剣しか対処できません。

強大な魔力を抑えていた鞘が失われた今では
魔剣の魔力が使い手の身に取り込まれるため
使い手は魔獣になると言われています。

受様は育ってしまった魔界を倒すために
魔剣をつかい、満月と新月の夜に
魔獣に変化していました。

神託により攻様の呪いを治める方法として
異世界に存在するという希望の鞘を召喚した場に
現れたのが受様だったのです。

鞘の役目は受様自身が攻様を受け入れるか
魔獣の攻様の糧となるかの究極の二択ですが

受様は動物園の飼育係をしていて
魔獣になった攻様を恐がらないというか
むしろモフりたいと思ってしまうので
案外いい感じに進むのかなと思ったのですが

魔剣の呪いを知っていても力を振った攻様なので
受様が犠牲になるという選択を許さないので

受様としては願ったり叶ったりで
鞘とならずに解呪する方法を探し始めますが
そう簡単ではないのですよ。

そのうちにまたも魔物が現れて
攻様は迷うことなく魔剣を使う選択をして
ハラハラ&ドキドキMAX!!

ほぼラノベなみなタイトルのまんまな内容なので
大筋としては読者の予想を裏切らな展開なので
安心して楽しませて頂きました (^-^)/

意外性にはちょっと欠けるので
それが大事という方はご注意下さいね。

自由を求める旅で

本品は『殉愛者たちは楽園を夢見る』の
コミコミスタジオ特典小冊子です。

本編後、2人が旅に出て3年後のお話になります。

ヘイブ国を出た2人は旅に出ますが
宗教の派閥対立で戦っている最中の国で
本拠地の中間にある道をA派に塞がれてしまいます。

その道を外れると大きな迂回をすることになり
2人はA派の傭兵を装って通過しようとしますが

ひょんなことで偽装がバレただけでなく
B派の間諜だと疑われることになり!?

A5サイズカラー表紙(カバー同イラスト)2段組12頁の
大ボリュームで旅先での2人のお話です。

負い回される羽目になりながらも何とか逃げ切りますが
旅をして3年の間には平和で穏やかな道中も
今回のように命の危機に出くわす事もあり

最初は嘘を作り/のがぎこちなかったアーロンも
今では顔色一つ変えずに宗教も国籍も偽れるようになり
2人は着実に何ものにも
囚われない自由のものになっていました。

仕方なく南か北への迂回する事にした2人でしたが
運よく行く合った隊商に労働と引き換えに
南の砂漠を超えた町まで運んでもらえることなります。

その道中でアーロンが若い男性商人に迫られたり
隊商と別れて向かった大河で
退屈のあまりムフタルがワニ釣りをしようとして
川に落ちたりとなかなかに愉快な道中模様が描かれています。

本編はかなりきつい展開でしたが
本作はかなりコミカルで自由を得た2人の未来は
かなり明るいようで良かったです (^-^)o

宗教の名の元で断罪する者の生き方について

今回は異教徒の青年と拷問官のお話です。

拷問官の受様が異教徒の攻様と過ごす日々で
生き方に疑問を持ち、攻様と生きる道を選ぶまで。

世界が幾多の神の教え毎に分類されていた時代
アルゴニヤは異端者狩りが全盛期を迎え
寺院や教会はこぞって異端者狩りに精を出します。

受様は代々拷問官をする一族に生まれます。

被疑者に罪を自白させるために拷問を科す彼らは
「神の鞭」という名誉な呼び名を与えられ
高給で立派な職とされますが

罪人に振れた手は穢れるという迷信により
"穢れ扱い"されて差別され
受様は幼い頃から常に忌まれてばかりです。

5年前に他界した受様父は
己の仕事を崇高だと信じて疑わず
受様に反論を許さず、恐怖で支配します。

そのため受様は自己肯定力が低く
与えられた役割に疑問抱くこと自体が罪である教義で
信仰を深めれば深めるほど逃げ場が無くなります。

いつからか罪から逃れるために自身を鞭打つようになり
受様の体は父の虐待と自らの鞭でボロボロで
受様は死ぬまで孤独と罪を抱えて生きるつもりでしたが

安息日に町中で出会った改宗者だという
異国人の攻様によって生き方を変える事となります。

攻様は知り合いに会いに行った帰りで
仲間と落ち合う約束のために滞在していると言い
言葉巧みに受様の居候となりますが

ある日突然、姿を消したと思ったら
異教徒の疑いで異端審問所に連行されてきて
受様が拷問をすることになるのです!!

攻様は死を免れる事ができるのか!?

拷問官という職を受け入れきれない受様と
異教徒の攻様の恋物語になります♪

あらすじと石田先生の美麗なカバーイラストに惹かれて
手にした1冊でしたが、予想した内容とはかなり違いました。

詳細な拷問シーンは攻様が捕まった時くらいで
受様が拷問する描写は具体的ではないのですが
想像できる方にはキツいかなと思います。

受様の仕事は罪の有無には関係なく
多くの人を処刑台に送る罪人を作る事であり
異教徒として捕縛された攻様に待つのは死しかなく
受様は審問中も気が気ではありません。

しかしながら手を抜けば攻様の仲間とされて
罪人とされてしまうのは明らかであり
どうなるのかとハラハラ&ドキドキ♪

攻様は監視の目を潜って脱獄し
個々から攻視点のターンとなって攻様にとって
受様がどんな存在であったかが明かされていき

受様と攻様がお互いの手を取り旅立つまで
怒涛の展開で面白かったです (^-^)/

ただ受様の事情の説明ががっつりだったのに対して
攻様の事情やその後の受様の時間が端折り気味で
アンバランスな感じだったので「萌」とします。

シリーズ総まとめ

本作は「悪食」の番外編を収録した短編集になります。

シリーズ番外編の短編集ってことでしたが
キャラ文庫はあまり書店特典等がない印象でして
どんな感じなの? と思っていたら

収録作は発刊時の個別特典ではなく
バースディフェアの小冊子、ペーパー等の再録と
書き下ろし2本でけっこうな話数が収録されていました。

本編では読めないようなコミカルなSSが多いですが
シリーズ初刊発売時からの読者だと
ほぼ既読かなと思われます。

ちなみに私は電子と書き下ろし以外は既読でしたが
全サペーパーは届いた時と気が向いたら読み返す程度なので
シリーズの総まとめとして読めるのは嬉しいです。

気になる方はご注意くださいませ ( ̄∇ ̄)/

いつもは巻頭の「パトロンの憂鬱」をご紹介しますが
こちらは入手時にレビューしているので
受様の友人のお話「邪道」を紹介します。

受様の友人の父は火地ことで言えば暴君で
口応えすれば容赦なく頬を張られ
異なる価値観を抱く事すら許されず

諾々と父に従うばかりの母は
息子が殴られても見て見ぬふりで助けられた事がなく
身を守るため命令に従ういい子でするしかありません。

恐怖の対象だった父に愛情などなく
現代日本画の大家とされる父の指導を受けられる事は
誰もに幸運だと羨まれ

父の描き出す幽玄の世界が
努力の領域ではたどり着けないとわかってしまうからこそ
反発しながらも父の敷いたレールの上を歩いてきました。

そんな生き方を変えたのは
姉が旅行先で出会った少年の描いたスケッチ画で・・・

という受様の親友が父の呪縛から抜け出すきっかけが
描かれたお話でした。

各話に解説(note)が付いているのですが
受様の親友は最初は単なる脇キャラだったのに
担当と読者の人気で3巻ではメインにまでなって
シリーズ一番の幸運キャラかも!? との事です。

他の収録作(初出)は下記の通りです。

「妖精画家の祝祭」書き下ろし
・観想
・贄

「悪食」コミコミスタジオ特典ペーパー
・パトロンの憂鬱

「悪食」電子限定番外編
・邪道

キャラ文庫アンソロジー
・嫉妬

小説Chara
・密会遊園地

全員サービス小冊子
・ハロウィンにも理由がある

バースディフェア小冊子
・月蝕
・相克
・槇怜一の夢のような日々
・敗者の幸福

プレミアム♡ペーパーセレクション
・桃源
・友達
・コーディトには理由がある
・迎え火