泣けるBLということで気になり、読んでみました。読んでみて分かりました。こりゃあ泣けるよね、と。
設定、キャラクター、展開、ラスト、すべてどこかで見たことあるような話です。物語はどんどん盛り上がっていきますが、読んでる私はテンプレートすぎる展開にどんどん萎えていく。惰性で読み切りましたがもうキーアイテムとなるショートケーキも、ああ敢えてチープなものにして読者の共感を得やすくしてるんだろうなって冷静になるくらい冷めました。
戦争によって二人が引き裂かれることになるんですが、戦争の背景もぼんやりと書かれているしドールと人間の恋はテンプレだし戦時中の恋愛ものとしてもSF恋愛ものとしても中途半端でした。
シンが人間タイプの体をもう一度手に入れるという段階で南里が事故死するのもめちゃくちゃあるあるすぎてそこで決定的にダメになりました。
全日本が涙した話題の感動恋愛作!という触れ込みで謳われる作品が好きだという人には必ず泣ける美しい純愛ストーリーでしょうが、私のようなひねくれた人にはテンプレートすぎるお涙ちょうだい物語なのでつまらないと思います。
ひとつ気になったのは、このドール(シン)は製作者の兄を模しているとあるわけですが、身内をモデルにしたドールを裏ドールになんかするでしょうか?そういう用途ではなかったけどナガレになるうちに作り替えられたとかなら分かりますがそうでないっぽいし……裏ドールという設定は色気シーンを入れるだけの設定なのかなと思うとそれもまた萎えました。