BLCDにおいて「受け」を演じるのは特殊なセンスがいるように思われます。
①可憐さ・美しさ・儚さ等の「BLならではの男性キャラクターの描かれ方」を表現する技量
②絡みでの芝居、喘ぎの自体の上手さ
③情事後の雰囲気の作り方
この全てが満たされていると「受け」として最高だなと個人的に感じるのですが、大塚さんは全て完璧にこなしていらっしゃいました...。これで初受けとは、感服です。
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・①について
BLにおいて受けキャラクターって本当に表現が難しいだろうなと思います。
例えば『凪がれ星』の受け・槇人は、凛として美しく、可愛いところもあって、でも目を離したらふっと消えてしまいそうな儚さがある人物です。
そしてこれが難しいところなのですが、「可愛さ」と言ってもあざとすぎたりわざとらしさが出てしまっては駄目ですし、「儚い」と言ってもただ弱々しければ良いわけではないので...
こうしたBLジャンルに特有(?)のキャラクターの魅力を表現するには、かなり絶妙なバランス感覚が要求されるように思います。
そして、個人的にですが、大塚さんはそのあたりのセンスが抜群だったのです......。なぜこんなに受けとしての魅力を完璧に兼ね備えた芝居ができるのか?と頭を抱えるレベルでした。
・②について
喘ぎは、個人の好みによるところが大きいですが、クオリティとしては満点でした。
控えめだけれど繊細に表現された喘ぎが好きな方には大変刺さると思われます。よくよく聞くとわかるのですが、どこをどうされているか...の細かなニュアンスが全て表現されています。
ただ、乱れ気味に大きめな喘ぎが好きな方には物足りないかもしれません。
・③について
情事後の会話シーンの雰囲気も、難易度が高い芝居だろうなと思います。
まず、攻めとの物理的距離感(近さ)を感じさせることはもちろん必要です。
そのうえで独特の気怠さ、色気、大好きな人と繋がれたことの満足感や安心感、多幸感...みたいなものが伝わってくるとベストだと思っています。
(絡みの後だって、ただ会話してれば良いってものではないのです...そこにも色香や空気感は必要なのです...。)
ここまでが完璧なCDだと、演者もディレクションも丁寧で良いCDだな~~!となるのですが、今回のCDがまさにそれでした。
・まとめ
とにかく大塚さんの受けとしての才能、センスが凄いです。
「初受け」という贔屓目なしに、既にご活躍中の他の声優さん方と対等以上に渡り合っていける実力のある方だと感じます。
もちろん攻め役を演じてくださった古川さんのリードによるところも大きいと思いますので、安定感ある攻め演技にも大感謝です。
このCDを作り上げてくださった方々の今後のBLCD界でのご活躍を切にお祈りします。