ゲイバレしないよう必死なジホと、味覚を失くした小説家インウ。たくさんの問題を抱えた二人が出会い、恋人として付き合いながら、心の傷に一つ一つ丁寧に向き合っていくお話。
ジホは基本的には人間関係を上手く築けるタイプ。適度に言いたいことを言ったり明るくキレたりしてるので、深刻な問題が山積みでも、作品の雰囲気を穏やかにしてくれています。ジホの問題は主に家族へのカミングアウト。
インウは幼少期の回想がどれも酷くて、感情まで失いかけてる印象でした。ジホと付き合い始めてからは表情が変わり、良い兆候が見られたんですが、徐々に歪んだ内面が見え隠れしてきます。大きな問題は味覚障害の原因に関するあれこれ。
それぞれの事情をじっくり描き、ジウの問題が解決したらすぐにインウの問題がきて大変です。インウの方が闇深で、こちらも家族問題含んでますが、ジウのように味方になってくれる人がいなくて辛い。支えるジウの根気強さが試されます。
三角関係もとっても良くて、ジウの元セフレのチャンはちょっとクズでめっちゃあほ。チャンがジウへの気持ちを自覚した時にはもう遅い、だけど髪型を変えてからのチャンは改心してカッコ良くなっててたまりません!
ジウとインウのカプは揺らがないと思いますが、安心できるのはいつになるやら(現在連載中で未完)。それでも確実に少しずつお互い救済されていくのが分かる、素敵な作品です。
本編全57話読みました、外伝4話は未読。本当にまじで、すごいとしか言いようがない読後感。別人として生きる二人が中身と中身で惹かれ合う、これってもしや魂と魂の恋では!?なんて恥ずかしいことを本気で言いたくなっちゃう作品。
メイン二人の関係は、とにかく祐真のダークな執着ぶりに萌える!幼少期からずっとただ一人を想って生きてきて、目の前でその相手が死んでしまい、別人の中にその人の匂いを見つけて。余裕で策を練りながら、必死に縋る祐真に涙です。
泰己は祐真に振り回されながらも、玲が自死を選んだ原因となるいじめの裏側を明らかにし、やり返せたのが良かったです。玲だけは取り返しがつかない状態で無念。
祐真と泰己は二人ともが過去の自分は死んだことになっていて、名前も違う別人の人生を歩んでいます。そんな二人がお互いに元の自分を知っている相手に再会し、こんな関係になるなんて、運命を超えた祐真の果てしない執念な気がします。
ラストシーンがとても印象的でした。最高の執着攻めが見られます!
続編だ!とテンション上がって早速読みましたが、めちゃくちゃ続くやん!て終わり方で、次を早く…な感じでした。あちこちで発生した問題が次巻以降に持ち越しです。代理の成長物語はまだまだ続く、この巻は問題提起編っぽい。
公私ともに暗い道に迷い込んでしまいそうな幸典ですが、槇との関係が深まっているのはしっかり見て取れます。二人の支え合い方には、家族のような空気を感じました。工場にそういう雰囲気があるからかな。
問題は会社絡みの嫌がらせ、弱いとこを突かれた幸典の挫折寸前の精神状態、敵が槇の元彼だとかいろいろ。槇のヒゲ剃り問題もあったりするけどそれはまあ笑。
槇に「一人じゃないこと忘れとる」と言われたのに、眠れない夜を槇でなく薬に頼る幸典。とはいえ、状況的に一番頼りづらい存在だとは思う。
救いは槇が良い意味で適当な包容力があること。どうなっても最終的には上手くいきそうな安心感を持って見ていられます。それがこのカップルの好きなとこ!また見れて嬉しい。
それにしても今回は、小宮の可愛さが際立ってました!「うれしうれし」のキラキラ小宮が愛おしい。もっと小宮を喜ばせるためにも、幸典の成長を期待します。頑張れー。次巻楽しみ。
あぁぁ、ついに!時限爆弾が爆発した!って感じの3巻でした。ウォニョンの隠し事がテジュンにバレてしまいます。ウォニョンからじゃない、他の人の口からっていう最悪な形で。しかもテジュンの辛い過去が明かされた直後に。
バレる前のテジュンの甘々っぷりはすごくて、ウォニョンと付き合い始めてやっと幸せを手に入れたって実感してるのが分かるし、逃げられないか不安で心配したり嫉妬したりが切なくてたまりません。
ウォニョンのことを大事に大事にしてて、そんな姿を見せられていただけに、ウォニョンの嘘を知った後の涙には苦しみが詰まっていて、胸が締め付けられました。傷付いて閉じていた心をウォニョンに開かされたところだったのに、再び閉じるしかない状況。
あとがきによると、ここからウォニョンが頑張っていく展開になるらしいのですが…とても大変そう。そしてテジュンの涙…実は私もテンション上がりました笑。3巻最大の見どころだと思います。
関係が壊れたままの二人で終わってるので、とにかく早く次巻が読みたいです!もう辛すぎて、耐え切れずに続きを単話版で買ってしまうかも…。
あずきは今回も癒やしでした。最高に可愛かった!いつか三人ペアルックが見れたらいいな。
見てると情緒がおかしくなりそうな二人です。どこまで行っても良い方に進んでると思わせてくれない二人。この二人にとってのハッピーエンドはどういう形なのかな、そもそもあるのかな、とますます分からなくなってしまった9巻でした。
百目鬼の向こうに過去の百目鬼を探す矢代は、離れていた時間を意識させられて、とても切ないです。でも百目鬼が今矢代の隣にいないのも、矢代の記憶の中の百目鬼から変わってしまったのも、矢代のせいって言えなくもないのが辛い。
百目鬼は内側に持つ変わらない感情は見えるけど、さすがに背中の刺青には驚きました。後戻りできないようにして、矢代に覚悟を見せているのかな。見られるのを躊躇う描写があって、完全に割り切れてない感じが百目鬼だなって。
百目鬼の部屋で懐かしいアイテムが出て来ましたが、見つけたのが矢代なだけに、どう作用するのか想像できません。また逆方向に逃げちゃいそうで怖い…。
最後の最後、百目鬼と体の関係を続ける矢代が小さく感情を吐露します。矢代にとってはこれ以上ない本音を表すセリフだと思う。今まで散々ヤってきた矢代だからこそ、こういう形で体に引っ張られる展開が腑に落ちる。まだ抗うのなら、これからは百目鬼だけでなく、自分とも戦わなきゃいけないけど大丈夫かな。
素直になれば簡単って二人じゃないのが面白くて、たまに心を抉られる作品。口絵の二人を見て泣きそうになりました。次巻も読めますように。
ストーリーはめちゃくちゃ面白かったです!でも感情的には乗り切れないところがあって、恋愛部分はどうかな…?ってなります。それでもこの3人の関係性の面白さ・興味深さが些細な気がかりを上回る勢いで、なんとも不思議な作品でした。
前巻から引き続き、陽介の心理描写に隙がありません。一つ枷が外れたら次のステップに進める、と思考が完全にシステム化されていて、フローチャートが見えそう。人間味を出す感情のグラデーションが無く、二進数の0と1で動いてる感じ。
玉森は損得・利害・恋愛感情の全てを一緒くたにして強権を発動しつつ、倫理の外で生きているので、人として見て良い存在なのかよく分かりません。
そんな二人を相手にする東間は唯一の人間に見えるというか、迷い込んだ哀れな子羊のようで、どこか壊れなきゃ関係の継続は無理かな?って印象でした。
3人が選んだのは共存で、玉森と東間に関しては納得。陽介は、2巻と3巻だけなら綺麗なハピエンに思えたかもだけど、1巻で春に必死なとこや逃げられて焦る表情を見ているせいで、この二人への対応が冷静すぎるのが気になってしまいます。
まあ玉森は今の陽介を気に入ってるわけなので、ハピエンには違いないんですが…たぶん。陽介の嫉妬を見てみたい気持ちと、別方向への覚醒を見てみたい気持ちといろいろあって、やっぱり不思議な作品だなってなりました。
萌えはそんなに…だったけど、面白くて好きってことで★4。
短編集4編のうち、表題作以外の3作の後日談的なおまけマンガと特典ペーパー。収録作はどれも可愛く、本編単行本をより楽しめる内容になってました。
■『ななしの恋人』
恋人になった二人の初キスまでの2年間。交際1年でも文通までしか許してもらえないいつき…忍耐力が試されてます笑。全校生徒に配った手紙はその後回収していたらしく、安心できました。大騒動に発展していなくて良かった~。
■『フランケンシュタインの友人』
本編でもそうだったけど、ハカセは発想の転換が面白い。倫理観無視で思いついたことを即実行に移そうとしちゃうので、ヴィクターの心労が絶えなさそう。なんだかんだいっても幸せそうでほっこりです。
■『幽霊屋敷のラブロマンス』
1年経っても変わらず家にいる幽霊くん。思念?で電子機器に干渉できる便利さに笑いました。
■特典ペーパー
幽霊屋敷の二人の学パロが特に好きでした。こちらには「友人の式日」のペーパーもあり、やっぱり最後に収録されています。ちょっと切ない余韻を残す終わり方でした。
4作品が楽しめる短編集。どこか懐かしくなる作風でした。
■『ななしの恋人』
下駄箱を介し、正体を隠して文通するという、昔風味のお話。とにかくメインの高校生二人が可愛いです!相手の特定方法がアナログすぎて…しかも結構な労力かけてて笑いました。ほのぼのしてて、短編集の最初のお話としても良い感じ。
■『幽霊屋敷のラブロマンス』
除霊師が幽霊に一目惚れし、家にお持ち帰りするお話。「天使や」「悪霊だよ」のやりとりがツボ!終始テンション高めにグイグイ迫る除霊師が面白い。ハピエンに持って行く形がこのキャラらしくてとても良かったです。
■『フランケンシュタインの友人』
ハカセとハカセに作られたヴィクターのお話。ヴィクターがどういう存在なのかがよく分からないけど、ハカセとしては友達を作ったつもりが恋されちゃって予想外な感じ。でもその後のハカセの行動も予想外でした。この二人ならそれもアリと思える結末です。
■『友人の式日』
亡くなった友人の死の真相を探っていくお話。簡単に言うと、幽霊になった瞬が心残りを晴らす展開になってるんですが、そうなるまでの描写と最後のかずやのモノローグがすっごく良い!短編集の最後に素敵な余韻を残してくれる作品でもありました。
ドラマみたいでとても面白い作品です!基本は三角関係のお話で、シーズンごとにそれぞれの立場が変わり、同時に関係性も変化します。地位の上下が絡んですんごいドロドロ…。シーズン2(40話~)からが本番って感じで、一気にハマりました。
シーズン1は本当に爽やか。ナムウとハジンの学生二人の初々しい恋と、ハジンに横恋慕するジョンヒョンという関係。このときのハジンは世間知らずのお坊ちゃまで、無垢でよく笑う善人。ナムウは苦学生、ジョンヒョンはクズな腹黒って印象。
シーズン2は、ハジンの家が没落し、奴隷のような地位に落ちたところから。ふんわり笑顔は見る影もなく、性格から何もかも、擦れて変わってしまってます。
再会したジョンヒョンは最上位の地位にいて、ハジンの主人に。ナムウもワケありな家に戻り、それなりの地位を得たとはいえ、ジョンヒョンよりは下位の身分。ハジンを好きに弄ぶ様子を、ナムウに見せつけるジョンヒョンがまじで嫌な奴!
で、当然ナムウも黙っているはずがなく…。実はハジンの中にも秘めた激しい炎が…。永遠に続きそうなドロドロの奪い合いと復讐と恨みと…とにかくすごいです。
現在休載中で今後どうなっていくか分かりませんが、三人ともが抱える怒りと恋心の入り混じった執念に圧倒される作品。連載再開が楽しみです!
お葬式で再会した従兄弟同士が、同居生活を送りながら関係を深めていくお話。
この作品、いろんな意味ですっごく面白いです!かつてこんなにも性格の悪い主人公(攻め)がいただろうか…っていう感じなんですが、ゆずき本人にしっかり自覚があって、人生で俺に足りないのは性格だけ、とか言っちゃってます。
都合よく記憶を失くしたり、いじめっ子ムーブが激しかったり、些細なことで癇癪を起こしたり。自分に片思いする照には、こんなに性格の悪い従兄弟に惚れるなんて可哀想な奴…と思ってます。
ガチクズなので好みが分かれそうですが、クズな部分まで自己分析できてるので、セリフやツッコミのキレが良くて私は好き。
照は小動物っぽい可愛さが半端ない!酷い境遇で育った不憫受けで、最初はただビクビクしてたのに、徐々にゆずきに色々要求していくようになります。開き直ってぐいぐい迫り、ベッドに誘うまでになるなんて…最高…!
一回ヤっちゃってからは照は積極的だし、ゆずきは照を思いやるようになって葛藤し始めるし、かと思ったらゆずきはやっぱりクズで、めちゃくちゃなことを言い始めます。っとにコイツは…って言いたくなるけどそこが面白い!
で、40話を超えたあたりから、やっとゆずきが変わり始めます。もう二人とも可愛くて目が離せません!まだまだ連載中なので、毎週更新を楽しみにしています。