前作で大好きになった作家さん、今作もとても良かったです。やっぱり魅せ方とか巧いな~と思うのと、独特の“間”と空気感が好き。メインが高校生二人ということで、バカやってる青春の中にほんのり漂う切なさに引き込まれました。
小動物系で短気な小波と、家庭環境に問題を抱える上坊寺。一話でさらっと事情を告白する展開には驚いたけど、そこからずっと小波は上坊寺を気遣うようになり、小波の影響で笑えた上坊寺が見られたりもして、たまらない気持ちになりました。
上坊寺の過去は、読んでて辛くなりすぎない程度にソフトな表現になっていて助かりました。それでも子供が直面するにはキツい現実だろうことは分かります。小波の存在がどれだけ上坊寺の心を温めているかも伝わってきます。
思い出作りから再会の流れは感動でした。上坊寺が突然消えたことに小波が感じているモヤモヤは、これから存分に上坊寺を振り回して晴らして行って欲しいです。ついでに上坊寺のいろんな感情や表情も引き出して欲しい。
描き下ろしは全コマ可愛かったです。特に最初の、上坊寺視点の見下ろす形で見る小波と、小波視点の見上げる形で見る上坊寺がとても好き。二人の目には相手がこんなふうに映ってるんだな、と微笑ましかったです。
最初はデフォルメ絵に目を奪われ、ほのぼの系かと思って読んでましたが、最終話に向かってどんどんイイ話になっていって感動でした。警察官の向島はもちろんのこと、ホストのスバルも真面目で読みやすかったです。
一気に引き込まれたのが、向島の部屋でタバコを見つけたスバルが窓を見つめるシーン。背中から横顔に移る演出もすっごく良くて、スバルの心に何かが刺さったのが伝わってきて、とても魅力的に感じるシーンでした。
最終話はもう全部好き。スバルの独白と本気で向き合う向島と、恋人になって戸惑う向島と可愛くなったスバルと。初々しいぎこちなさに悶えつつ、あったかい雰囲気に癒やされ、幸せな余韻に浸れます。
お気に入りは、向島にOKをもらった直後のスバルの顔。ちょこっとデフォルメされてて、ぱあっとなってて可愛すぎました。
田舎の学生たちのお話。出会いは恋愛漫画あるあるな感じ。山の中では自然体でいられる灯司と、距離感が無駄に近い樹。意図的でない接近で、するすると相手の心に入っていくような描写がとても良かったです。
欲望先行ではあったっぽいけど、気持ちを先に自覚したのは樹の方で、灯司とはすれ違ってしまいます。ハラハラの展開ですが、ここでアシストするのが灯司と同じ顔した妹。それ以外にも随所に家族の描写はあって、灯司が愛されている様子に温かい気持ちになれました。
樹も友達に心配されながら恋してて、青春だなーとか思ったり。タイトルは樹目線での言葉なんでしょうか。分かるようで分かんなくて、でも雰囲気にはぴったりな気がして、なんとなく好きです。
描き下ろしは全部可愛らしい二人が見れてほっこりしました。
ちょっと残念だと思ったのは、表情の意味を文字で説明するシーンがあった点。せっかく漫画なんだし、絵の表現力だけで伝えて欲しいと思いました。
可愛かった~!シバの可愛さには抗えない…笑。Ωらしくない自分に密かにコンプレックスを持ってる主人公(神戸)でしたが、ギャグテイストで明るく楽しく読めました。犬姿でキメゼリフ言うシバ(芦名)が最高。
モフモフのモフさに気を取られてたら、あれ?めっちゃイイ話?と最後の方でやっと気づきました。神戸のコンプレックスを溶かしてくれて、昔から想ってたという王道の一途さが芦名にあって、一緒にバース性に向き合えるようになって。
芦名は現代のスパダリαって感じなのかな。αはΩに跪くべきって考えの溺愛彼氏。個人的には萌えないけど、シバ犬が言ってると思えば、ちょっと違った感覚で捉えられるかも。
気になったのは、芦名の心の声が聞こえる力。話をサクサク進めるために付加したように見えるし、情緒が消えるし、この設定必要だったのかな。一話とか、神戸の内面を知ったうえでの対応だったのか…ってガッカリしちゃいました。
とはいえ、モフモフBLを堪能したい欲はしっかり満たしてくれて、独特の笑えるノリも良かったです。「ムード台無シバ!!」が特に好き。
絵が!好き!ワンちゃんの可愛さも神レベル!ストーリーは相互救済のお話で、切なさもあって、すっごく良かったです。最終話から即エピローグ編開始で連載継続中。本編で野放しになっていた悪役もきっちり倒してくれるっぽくて楽しみ。
ヒソンは親に捨てられ、ろくでもない奴に拾われた犬獣人で、毎日こき使われまくり。労働環境は最悪だし、裏切られて売られたりと散々です。救いはヒソンが短気で殴って仕返ししてるとこ笑。自分は闘犬だ!と本気で言ってるのが可愛い。
チヨンの方はちょっと複雑な事情。狼族の「番人」として、一族の悪を成敗する役割。チヨン本人が望んでなったわけでなく、人食い狼と言われ辛く思いながらも、職務を全うしています。犬姿のヒソンを可愛がる親バカぶりは必見。いや最高。
最初はチヨンの一方的な溺愛でしたが、チヨンの献身的な姿や背景を知るにつれ、ヒソンの気持ちも傾いていきます。で、すっごく良いのが、相手の理解者になろうとするとこ。家族に酷い扱いを受けるチヨンを、堂々と家族と言って守ります。
精神的にはヒソンがチヨンを守り、物理的にはチヨンがヒソンを守ってる、とても素敵なカップルでした。
タイトルが気になって読んでみましたが、ストーリーがスムーズに流れていく心地よさが全然なくて、原作と作画が別人だからかな…と残念に思いました。主人公のキヨも女の子だった方がしっくりくる設定と性格で、あまり楽しめませんでした。
キヨは遊郭の下働きで訳アリの子。正嗣がキヨを見初めるのが唐突で、語った打算がどれくらい本音か建前か判断する材料がなく、萌えづらいです。キヨの方も緊張感を持って欲しい状況下でも描写に迫力がなく、いまいちシリアスになりません。
悪くはないし、面白くないとかじゃないんだけど、ただ期待を下回ってしまったというか。金平糖の活かし方が平凡で、勝手に消化不良になっちゃって。たぶん軍人と金平糖の組み合わせに過度な期待を抱きすぎたのがダメだったのかも。
後日談の二人は可愛くてとても好きでした。
予想もできない展開が続き、一冊の中で三組のカップルがしっかり幸せになっていたりして、ストーリーもキャラもめちゃくちゃ良かったです。ただ一つ、怖い!ホラーは苦手なので、事前に心構えをしてから読みたい内容でした。
ただの教師と生徒の関係だった二人がいきなりドン底に落ち、反社施設で再会するお話。この時点でぶっ飛んでますが、彼岸の様子もおかしくなっていき、人でないものが次々出てきて大忙し。怖さときゅんと切なさが入り乱れ、読んでるこちらも大変です。
先生の過去や狛犬たちの物語、怨霊になった姫の結末など、あちこちに感動が転がっててすごい。先生と彼岸は、特殊な環境による吊り橋効果もあったように思えたので、平和な日常に戻っても気持ちが続いてる様子を見られて良かったです。
お付き合いする二人は、ちょっとワガママで独占欲強めな年下彼氏と、それに振り回されるチョロい大人な雰囲気が可愛い。元生徒ってことで、先生は一生彼岸を甘やかしていくんだろうな、と思いました。キカ糸さんの独特の世界観、好きです。
精神的にきっついとこもあったけど、一巻でハピエンの安心感があったので、最後まで楽しく読めました。お金が無さ過ぎて不幸な大和と、お金がありすぎても不幸な悠星が、お金じゃない幸せを見つけたお話。
大和は誰もが同情するような酷い生い立ちで、お金への執着も仕方ないと納得です。でもちゃんと良心は残ってて、復讐に燃えてるわけでもないし、キレやすく流されやすくはあっても、わりと健全に育った印象でした。
悠星は大和ほど分かりやすく辛い背景がない分、心の欠けた部分を分かってもらうのが難しそうで、肩入れしたくなりました。貪欲に褒められたがる姿が切ない…。あとがきで受けのテーマが「殴っちゃいたい」とあってショックでした。
ピンチからの救済が後ろ盾の一声で、弱者は結局謝るしかないのか、と正直残念に思ったけど、あの場面は大和の中で謝罪の意味が変わった瞬間が描かれていたのかな。宗教に壊されヤクザに救われる大和の人生、波乱万丈すぎる。
お付き合いに食い気味な悠星が可愛くて好きでした。大和と付き合うことになって素直になった悠星は、もう虚言で気を引く必要が無くなったってことかな。二人ともお幸せに!