作家買いです。
アマミヤ先生4冊目のコミックス、drapからは前作『ぼくらのつづき』に続いて2冊目です。
従来のアマミヤ先生の作品からは「爽やかで優しくあたたかい、そして可愛い」という印象を強く受けていたのですが、本作ではこれまでのイメージを覆すかのような「匂い立つエロス」を感じました。帯にあるようにまさに“アダルトラブ”です。
花屋の理人×画家の不破さんの出会いから爛れた身体の関係、そして本当の意味で気持ちが通じ合うまでが、時にエロく、時に焦燥感が伝わる表現で描かれていました。
執着を感じさせない不破さんに執着しまくる理人という構図がとても良かったです。
また、自分では執着していないつもりだった不破さんが、理人と身体を重ねたり一緒に過ごすうちに気付かず理人へ気持ちが傾いていっている描写も堪らないものがあります。
メインの二人以外にも、中盤から登場する不破さんの先輩の響さんがチョイ悪な感じでとても気になっていました。願わくばもっと不破さんと先輩の絡みが見たかった…!
全編を通して出てくる不破さんの絵を是非ともカラーで拝みたかったのが少しだけ心残りではありますが、本編ラストのページの余韻ある終わり方までうまくまとまっていた一冊だったように思います。
アニメイトの特典リーフレットは、「理人がお絵描きをしたら…!?」というクスッと笑える内容でした。
作家買いです。
とても綺麗な絵を描かれる作家さんなので、最後まで安心して読めます。
今回の作品はいわゆる歴史ファンタジーで、おそらく大多数の読者が小中学校の社会の授業で習ったであろう人物「邪馬台国の女王・卑弥呼がもし男だったら?」というテーマで巧みにストーリーが組み立てられていました。
村の長の息子であるヤマトと、赤い瞳を持つ美しい少年シキの別れと再会の物語です。
卑弥呼に選ばれ神への贄とされたシキをずっと忘れることのできなかったヤマトはある日死んだはずのシキと再び巡り合うが、彼はもう普通の人間ではなく性別を偽り新しい卑弥呼として国を治める立場だった、というところから二人の物語は進んでいきます。
全体としてはエロよりはストーリーメインの作品といった印象でした。
特にヤマトの一途にシキを想い続けるところや、シキのためならと身体を張るところはグッときます。
お互い胸に秘める相手への想いはありますが、それが身体の結びつきとして作中に出てくるのは本当にラストの方ですので、あくまでもHシーンはメインディッシュの後のデザートという気持ちで読むといいかもしれません。
ラストに関しては賛否あるようですが、私自身は二人が幸せならオッケーです派なので特に気にはなりませんでした。
歴史を基にした作品なので奥付に参考文献が一覧になっていましたが、歴史物語というよりはファンタジーなので軽く読めます。
アニメイト限定版の小冊子は二人が結ばれたシーンの詳細が描写されているので、本編だけじゃ物足りないという読者も満足できる内容でした。