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女性碧蓮さん

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ともに日々を重ねていくために

こういう少し不思議なお話は、高城リョウ先生の真骨頂だと思っています。
そのくらい、先生の描く少し不思議なお話が大好きです。(最推し作品は「ゼロ距離」)
オメガバースやケーキバースも好きなのですが、それらとは異なる独自の世界観を成立させて描かれる作品に引き込まれます。

最初は単純に、幼い頃の恋心を一途に貫く執着系攻めと儚い系美人受けのお話かな?と思っていました。
いつまでも若く美しいのも、ただそういう人なだけ、という設定で。
ですが、読み進めていくと、そんな単純な話じゃなさそうだぞ?と気付かされ、どんな背景が隠されているのかと期待が高まっていく。

悠也くん(ゆうくん)も桜叶さん(叔父さん)も魅力的です。
悠也くんは駆け引き上手で、押し具合と引き具合が絶妙で、強引さにイラッとせずに済む。
叔父さんに向ける一途な執着も、健気な姿と映るので応援したくなる。
自分の気持ちを優先するよりも、相手を尊重しようとする意思を感じられました。
桜叶さんはもう、とにかく美しい!そして、優しく、思い遣りのある人。
更に所謂人外という事実!普段の短い髪と能力を使ったあとの長髪姿の両方を拝めるなんて、贅沢な目の保養です…。ありがとうございます!

人間ではないと噂される桜叶さんの不思議な力が少しずつ判明する場面に胸きゅんです。
喜びなどで感情が高ぶると、周囲の生命力が活性化されてお花が咲いてしまうなんて…可愛すぎる!
言葉では否定する桜叶さんに対し、花が咲き誇っている庭を悠也くんが見つける場面は印象的でした。

桜叶さんが隠していた能力の真髄はその程度ではなく、しかもその能力のおかげで悠也くんは命を長らえ、更に悠也くんの命を長らえさせたおかげで、桜叶さんと悠也くんが一緒に生(せい)を謳歌するという望みまで叶うなんて…胸がきゅっとなる感動。
悠也くんにとっての桜叶さんはもちろん、桜叶さんにとっても悠也くんの存在が救いだったとは…。

愛人関係と噂されてしまっていた嶺二さん(悠也の祖父)との実際の関係にも感動です。
実は明かされるまで、愛人ぽくはなさそうだけど、何かあったらちょっと落ち込む…と警戒していたので。
そんな警戒をしていた自分が恥ずかしい…。

悠也くんのために能力を使い、外見が少し年齢を重ねた桜叶さんが本当に素敵で魅力的で、年齢を重ねたが故の色気にやられます。
悠也くんも年齢を重ねることで、どんどんかっこよく魅力的になっていく。
これからも二人で幸せな時間を過ごし、ともに日々を重ねていってほしいです。

愛を再確認

とうとう10巻!
10巻に到達しても勢いを失わず、次々と続きが気になるお話を生み出す先生がすごいです。わくわくが止まりません。

記念すべき10巻は、ラブラブえちえちなポリネシアンセックスから始まります。
最終日の凪と琴音の色気やばいですね。
由亜に心配をかけさせ、周囲にも迷惑をかけ、最終的にジルからお達しを出されて、最後の段に進む二人。
冒頭から濃いえちえちを堪能させてもらい、凪琴ラブラブやーん!とにまにましていたら、御子試験からの凪記憶喪失回という、読者の私も心が折れそうになるお話が続くことに…。
でも、改めて凪の気持ち、琴音の気持ちを確認できるお話になりそうで、希望を持って続きを待てる10巻ラストでした。
凪が最初から琴音に熱烈アタックしてきた理由にも繋がるような、二人の新たな馴れ初めを読める気がして楽しみです。

御子試験では、能力使う御子たちかっこよかった!マスコットな神獣たち可愛かった!
本編では見られなかった凪のマスコット姿も収録してくださっていて嬉しかったです。
琴音のオタク知識は役に立ちますね。御子たちがそれぞれの特色を活かして戦う姿が魅力的でした。

死の危険を伴う御子試験を無事クリアしたのに、まさかの凪が記憶喪失に…。
凪の冷たい態度にもめげずに、毎朝起こしに行く琴音(と由亜)が健気で泣けてきました。
そういう琴音の姿を、必死に自分を奮い立たせているのだろう、と景虎さんたちが理解してくれているのが温かくて。
凪から渡されかけた指輪を怒りを滲ませながら突き返すジルがかっこよかったです。
敢えての人型で!というのがもう本当に、ジルの本気が凪に伝わったのではないかと思います。
手紙という名のBL作品を木に戻されてしまった琴音の怒り、悲しみの理由が深くて、この作品の設定を改めて実感しました。
何故、凪を好きになったのか、も。
そうして切なくなったところで、まさかの凪の術の素晴らしさ!すごいです…流石は神獣、そしてやはり凪は凪。
琴音が好きになった凪は凪のままなのですね。よかった…。
果たして、凪の記憶は戻るのか、新たな馴れ初めから始めることになるのか。
続きが楽しみです!

「恋人」という言葉の特別さ

待望のポプチェリ2巻は、サクちゃんと廉次が彼らの魅力はそのままに、いや、魅力を更に増して二人の関係性を一歩進めるお話でした。
サクちゃんの口から「恋人」という言葉を聞ける日が来るなんて…。何というご褒美でしょうか…。
そんなサクちゃんに胸きゅんして照れるという貴重な廉次まで拝めてしまいます!何というご褒美でしょうか…。

サクちゃんを丸ごと愛している廉次にとっては、サクちゃんが変わろうが変わるまいが関係ないと言えば関係ないのだと思いますが、サクちゃんの変化に弱いと言えなくもないのかな、と思って、廉次を可愛く感じました。
とは言え、廉次も廉次でパワーアップしているので、サクちゃんも振り回されています。
柄にもなく、サクちゃんに本気を認めてもらうために禁欲し、そのせいで体調まで崩す始末…。やっぱり、廉次も可愛いのでは?と思わずにはいられません。
かと思えば、解禁されるや否や、抑えられなくなり…。でもこれは、サクちゃんの煽り(おねだり?)もあるので、廉次だけのせいではありません。
そう!えちもパワーアップしています!禁欲後はどうしてもそうなりますよね。

廉次のバースデーも見逃せません。
サクちゃんの明らかなデレを見られる貴重な機会であり、サクちゃんが「恋人」を意識していることを端的に感じられる出来事でした。
廉サク、ラブラブやん!と思える幸せな場面です。
しかも、プレゼントがピアス…。ずっと常に一緒にいるピアス…。
サクちゃんのセンス素敵です。サクちゃん、廉次のこと好きやん!知ってたけど!
でも、このときの出来事がきっかけで禁欲へと向かってしまう話の流れがまた素晴らしい…。

積極的に廉サクの仲を掻き回すつもりであることを隠そうともしない新キャラが登場し、はらはら心配なはずなのに、それ以上に恋人としてラブラブ甘々になってくれそうな廉サクが楽しみで嬉しくて。
ラブラブ甘々とは言っても、きっと廉サクらしさは変わらないのだろうな、と思える安心感もあります。
廉サクらしさを失うのではなく、そこにラブラブ甘々がプラスされるだけ。
サクちゃんはかっこいいままだし、廉次もドSな部分は失くさない。

続きも楽しみです!

愛と光(希望)の物語

壮大な愛の物語がついに完結しました!
最初に広げられた多くの謎。独特の世界観は荘厳で、退廃的なのに希望を追い求めずにはいられないものでした。
そんな物語をラストまで読めたこと、謎や伏線をしっかりと回収し、その先の未来まで描いてくださったことに感謝します。
これぞ、星名あんじ先生の描く愛の物語です!

レイとグアン。共に「光」という意味の名前を持つ二人。
このことに気付いたときはまだ名前の意味に言及される前で、おしゃれな名前の付け方をするなぁと思うくらいでしたが、最終4巻で「光の名前」に込められた意図を知り、作り込みの深さに感動しました。
明かされた「呪いの正体」と、それに抗うための希望。
自分たちにはできなくても、いつか…と。
抗うことに文字通り命を懸けたレイとグアンが、過去のスハとネリに邂逅する場面は痺れました。
正確には邂逅というよりも、レイとグアンが一方的に過去を覗けたという印象ですが、二人にグアンの声は届いていたようで、胸にぐっと来ました。

「呪い」との最終決戦で、グアンを守って深い傷を負うレイ。
1巻で同じくグアンを守ってレイが深い傷を負う場面と同じで、こちらもまた痺れました!
印象的で、とても好きな場面なので、嬉しかったです。
「このときのために生きてきた」と悟るように納得するレイの献身が、まさに騎士。
グアンという王を護る騎士のレイ。
かっこいいし、何より神聖な関係、存在に感じられました。

最終決戦後。
グアンのお腹に宿っていたはずの命が消えている事実をなかなか受け入れられませんでした。
亡くなってしまったとばかり思っていたグアンとレイが、その子のおかげで生きていることは嬉しいけれど、悲しくて…。
呪いを倒し、魔法使いの力を失ったグアンは、両性になることも、もうない。
でもその現実の中で、その事実を受け入れ、二人が二人らしく逞しく生きている姿には安心したし、嬉しかったです。
更に、そうして生きている中で、出会った子どもたち!
泣きますよ、こんなの。違うかもしれないけれど、信じてもいいですか。
これは「再会」だと。
転生したスハとネリ。そして、レイとグアンの命を守って消えてしまった、生まれてくるはずだった、あの子だと。
しかも、その子どもたちに「光の名前」を贈るレイとグアン…。泣きます、もう…。

ここまで読んで、これぞ、あんじ先生の描く愛の物語だ!と改めて実感しました。
ソンとアオの転生は、ほとんど確実だと思える描写に感謝。リヒトもレイとグアンに似ているのなら、やはりそういうことで!
四季を取り戻した地で、困難はこの先もあるだろうけれど、二人なら乗り越えられるだろうし、五人なら幸せだと思えます。
セイランとも再会できて本当によかった!
素晴らしい壮大な愛の物語をありがとうございました!読めたことが幸せです。
五人で生活している、その後も読めたら嬉しいです。

初めて見るタイプの人外!

人外BLと言えば、藤咲もえ先生!というくらい、私にとっては人外BLの代名詞のような先生が、またまた新たな境地をお見せしてくださりました。
パンダだけなら、まだ普通でした。人外と人間が当たり前のように共生しているのもいいな、と思いました。人型になれるか否かなどの細かい設定も流石だな、と思いました。
そうやって楽しく読んでいくと、判明する衝撃の事実!珍さん、まさかの多肉植物とパンダのハイブリッド!
いやいやいやいや、まじですか、発想がすごすぎませんか、アイディア(多肉)を持ちかけた編集さんも素晴らしいです。

肛門からの光合成が必要なのは、植物だからですからね…。一度見たら忘れられないあの場面が生まれたのは、植物のおかげ。
花游くんが珍さんに惹かれたのも、植物のおかげ。
そうでした、珍さんだけでなく、花游くんも相当見所のある人です。

本当に、それぞれに事情を抱えた二人がゆったりした時間の流れる空間で一緒に過ごすうち、かけがえのないものを得ていく姿に癒されました。

大切な想いを共有する大切さ

外伝3巻は颯助とコマ!
コマ推しには待望の外伝3巻です。
そもそも、十二支色恋草子を読もうと思ったきっかけが、十二支に選ばれなかった猫が出てくることでした。
最初はお休み処の面々を敵視していた、胡太朗くん&コマ。それが、お休み処の面々とここまで仲良くお互いを思い遣り、助け合い、支え合う関係にまでなるなんて。
胡太朗くんもコマも、それぞれに大切な番まで見つけて。幸せな日々を過ごせるようになって、本当によかったと思います。
胡太朗くんと正隆の幸せラブラブなお話は、蜜月の章までに描かれ、外伝では神使たちのお話が描かれるということで、実は1巻の頃からコマと颯助のお話を待っていました。ラブラブなコマと颯助をもっと読みたかったんだ…!
そんな私の期待に応えるどころか、軽々と越えてくれたことに感謝です!

外伝3巻は、颯助にとって、とても大切な銀杏の木を中心に据え、コマと颯助がより一層、お互いへの理解と愛を深めていくお話でした。
神使の颯助が生まれたきっかけ。コマを連れてきたかったという場所。古万乃神社の境内に植えられた颯助の御神木。
サンタクロースの橇をひくトナカイの候補生である迷子のギンコを助ける過程で、時には擦れ違いがありながらも、相手のことを改めて知り、自分の気持ちを再認識する。

外伝3巻を読むことで、コマと颯助、それぞれの魅力を改めて実感しました。
颯助はもう本当にひたすら陽(よう)ですね!光!
帯に「天然たらし」と書かれていましたが、その通り。
彼の懐っこさや素直さと、素直な感性に下支えされた思い遣りは、周囲を照らして安心させてくれる。
ギンコが懐くのも当然で仕方ない。
でも、素直すぎるが故なのか、若干デリカシーに欠けるというか、そこに思い至らないからこそ、どこまでも素直と言えるというか。
他者に対して攻撃的だったり、負の感情があったりしないからこそ、コマに嫉妬させてしまう事態に陥ってしまう颯助がめっちゃ颯助。
コマがショックを受けて反発して、胡太朗くんに巻きついていた場面。思わず、あの場面は「颯助、それはないわー」と胡太朗くん&コマに完全同意しました。私まで胸が痛かったです。
でも、颯助の気持ちはひたすらにコマに向いているし、コマもそんな颯助だから好きで。
傷付いているのはコマのほうだと理解し、自覚できるところが颯助の魅力。
犬ならではのコブと長い射精という、えちえちな見所もめちゃ良きです!

嫉妬するコマ、デレるコマ、照れるコマ、とろとろになってしまうコマ。
今まであまり見られなかったコマがたくさんいて、嬉しかったです!
嫉妬しながらも、自分にできる役割を誠実にこなすコマがかっこいい。
颯助の態度に傷付いたコマを目一杯愛でて慰めるための胡太朗くんの「コマにゃんの歌」には癒されました。
何度読んでも、笑顔が止められない場面。
私も胡太朗くんと同じ気持ちなので!コマを傷付ける奴は神使でもぶっ飛ばす心意気です!
颯助の大切な銀杏の木に漸く会えたとき、愛おしげに頬を擦り寄せたコマが愛おしくて仕方ありませんでした。
颯助の表情も印象的で。

ギンコがいい子でよかったです。
そして、サンタクロース!どきどきわくわくする合流シーンでした!スピード感がすごい!
しっかりとギンコを抱き締めるサンタさんがかっこよくて見惚れました。目元くらいしか見えないのに。
サンタさんが配るのは、夢なんですね。ウリたちがもらったプレゼントは胡太朗くんたちの優しさ。素敵です。
ギンコには橇をひくトナカイに選ばれて、コマたちとまた再会してほしいなと思います。

颯助とコマの大切なお話を読めて、幸せです。
お休み処と古万乃神社。繋がった縁を大切に、これからも幸せな日々を過ごしてほしいです。

学園の外の二人もラブラブかっこいい!

夏休みということで学園を飛び出し、学園生活とはまたひと味違う本堂さんと叶くんの姿を見せてくれた兄契4巻!
相変わらずラブラブな二人に、にこにこしながらも、学園生活だけでは知ることのできなかった彼らの姿を見て、二人の絆が更に深まるのを感じました。

「お荷物」発言から、瞬時に運転免許証取得を決意し、実際にすぐ行動に移してしまう本堂さんがかっこいい!
費用を工面するためのホスト姿もかっこいい!
ホストをすることになる経緯も、本来は叶くんが嫌がりそうなことは避けようとしていたのに、断りきれず…というのが何とも良い。
叶くんの魅力的な姿を隠したがる本堂さんだからこそ、叶くんも魅力的な本堂さんを他人に見せたくないことがわかる。
ポイント、ポイントで、へこたれそうな叶くんを気負わず支えてしまう本堂さん、まじでかっこいいです。
本堂さんの素から出た言葉が叶くんを支えていることが素敵。

叶くんは今回、めちゃくちゃ頑張ってました!
足場固め行脚をする姿を見ながら、叶くんが背負っているもの、背負っていくものの重さ、複雑さを認識させられました。
今までは可愛い姿か、凛とかっこよく強い姿を見ることが多かったので、あの叶くんがこんなにも弱っている姿を見せるなんて…と、切なくもなりました。
それでも諦めない、へこたれない叶くん!かっこいい!
そんな叶くんの前に颯爽と現れる本堂さん、まじでかっこいい!

頑張る叶くんと、頑張る本堂さん。
兄契4巻は、かっこいい二人が詰まっていました。
一回は落ちた試験もしっかりパスして、免許証を取得し、自分の車(お下がり)で、叶くんご希望のスーツ&花束で迎えに行く本堂さんは本当にかっこいいです。
パパたちの面子を潰さないためにも、しっかり挨拶回りを遂行しようと気を張り続ける叶くんの頑張る姿、かっこいいです。
叶くんがここまで苦戦する姿は初めて見た気がします。だからこそ、今まで以上に応援したくなる。
駐車場のことを失念していた本堂さんは可愛かったです。

物理的に離しても、結局くっついてしまう本堂さんと叶くん。
どうしたってラブラブな二人をこれからも見守り、応援したいです。
黒幕も読者には明かされ、ますます続きが気になります。

プレイの強烈さと気持ちの切実さ

待っていました、2巻!
1巻が切ない気持ちで終わっていたので、ゆくりつ、まじで幸せになってくれ…!と祈りながら待っていました。

そんな2巻の冒頭。
まじで最高です!ちさ先生!
両手両足を失い、完全に行瑠にお世話される律路という夢。
断面が布等で美しく装飾されているのも最高です。
ふと思い出したのが纏足でした。私にとっては、人為的に歩けなくさせる足の象徴なので。
このふわふわと幸せそうな夢が描かれたことで、ゆくりつの求めるものにブレーキをかけない場合、ここまで行き着くのだなと実感できました。

2巻では、こうして改めて、みじゅぼくで描かれることになるSSS同士の支配欲、被支配欲の強烈さを意識させられました。
特に十鳥さんの支配欲は、グロ耐性がないと読むの躊躇するだろうな、という類いのもので…。
グロはわりと平気なのですが、完全にゆくりつ推しなので、反射的に「やめて!律路に近づかないでー!」と拒否感を覚えてしまいました。
でも今後、律路に救われたりするのかな?だとしても、律路は行瑠のものですけど!ゆくりつですけど!と自分勝手に思っています。

2巻では、行瑠の過去や背景も1巻より詳細に描かれて、胸が痛くなるくらいの切なさで、つらかったです。
行瑠が何故、「神父」という職を選んだのか。
そこには、深い贖罪の気持ちが込められていました。
しかも、行瑠も律路に二度と会えないと思っていたからこそ、という理由が更に胸を締め付けます。
行瑠が律路に会いに来た場面が本当に奇跡的な出来事だったということに驚いてしまいました。
行瑠なら、律路の動向を密かに追っていたのかな、と思っていたので。
ますます、行瑠の希望が叶ってほしくなる!ゆくりつで幸せになってほしくなる!彼ららしい幸せな日々を過ごしてほしい!願うことはそれだけ!

そして、冒頭の律路とともに2巻の見所。
行瑠が律路に贈ったカラーに施された細工。
そんな、そんな方法があったなんて…!1巻から既にかなり激しいプレイが描かれていると思っていたけれど、2巻は更にパワーアップしていました!
律路が本当に苦しそうなのに、本当に幸せそうな恍惚の表情を浮かべているのが本当にもう…。

そういうプレイの強烈さに目を奪われがちですが、みじゅぼくの魅力は、一途さや切実な想いもしっかり感じられること。
行瑠の気持ち。律路の気持ち。それを感じられるからこそ、キャラを魅力的に感じる。
幼い頃に贈ったカラーととても似たデザインのものを用意するところも、そのひとつ。
それを律路がちゃんと覚えていたことにも感動しました。
それでも、過去のことがあるからこそ、お互いのためにも簡単に身を委ねることもできず…というジレンマ…!
切なさに胸が締め付けられますが、だからこそ見守り、応援したくなる。幸せを願わずにいられない。

わんちゃんになってしまう律路は、めちゃくちゃ可愛かったです!
ぺろぺろする律路かわいい。とろとろめろめろな律路かわいい。
行瑠の名前を「ゆく」までしか言えなくなってる律路が、はちゃめちゃ可愛い。
そんな律路を見つめる行瑠のやばい恍惚の表情がめっちゃいい。

なんとかパートナーとしては認められた行瑠。
恋人としても律路に認められる日が来ることを願っています!
続きが楽しみ!

ホワイトアウトの重要性

辰彦さんも、真樹くんも、魅力たっぷり!
作品中でも人気があったり、人たらしと評されている彼らに、惚れずにはいられません。

冒頭、以前の所属劇団を訪れ、辰彦さんに会いに来たらしい真樹くんを見て、わんこ押し掛け系かな?と思いきや、無自覚!
真樹くん自身も最初はわりと控えめな淑やかな雰囲気で、どんな子なんだろうと気になっていたら、緊急出演舞台での演技で一気に引き込まれました。
ここまでは辰彦さんもわりとドライな対応や雰囲気なので、何かある二人だとは思いつつも、探り探りの状態で。
それが、この舞台をきっかけに、展開が加速していくという構成、演出が素晴らしい!
舞台の打ち上げで飲み過ぎた真樹を家まで送っていくことで、漸く真樹の現状を知ることになる辰彦さん。

ここから、真樹にとっての辰彦さん、辰彦さんにとっての真樹がどのような存在なのかが描かれ、明かされ、語られていく程に、この二人愛おしすぎる…!と悶えるしかなくなりました。
ここで重要なこと。
辰彦さんも無自覚!

何なんですか、この二人。二人して両片想いで、二人して自分の気持ちに無自覚。
愛おしすぎませんか、好きです。
その無自覚というのも、彼らが携わる「演劇」に関連しているという描き方にもう感服。
タイトルに含まれている「ホワイトアウト」との絡め方も見事で、真樹の見た「白」と、辰彦さんの見た夢との繋がりに痺れます!
しかも、辰彦さんの見た夢は、あの舞台とも繋げてあって、もうほんと素晴らしいです…!感動!

辰彦さんの名前呼び+「おいで」は、強いですよね…。あれはね…、ああなっちゃいますよね…、好きです!
お互いの気持ちを伝え合わないことで、切ない擦れ違いもありましたが、それも「演劇」が関与することで乗り越えられて本当によかったです。
あの場に辰彦さんが連れてこられたのは、悠奈さんが芝居バカだったおかげですから。
関わる全員が本気だからこそ。

辰彦さんの落ち着きと本気のギャップに魅了されつつ、真樹のかっこよさと可愛さのギャップに魅了されつつ、二人でラブラブな日々を過ごしてほしいです!

真価を発揮し始めた陽介

3巻もはらはらどきどきしっぱなしで、やっぱりすげー!おもしろい!
特区という特殊空間の中、対峙するのは主席という特殊な人たち。まさに何でもありな環境でのサバイバルのような生活。
そんな緊張感漂う話の中で、たまに訪れる柔らかな雰囲気や甘い雰囲気が本当にご褒美のようで嬉しいです!
嬉しいのに、それを本気で受け取っていいのかどうか、常に不安も伴うところがほんと癖になる。

3巻では陽介がとうとう二人を手玉に取り始め、真価を発揮し始めたなぁ、と感心&わくわく。
玉森さんの言うとおり、陽介のポテンシャルはこの程度ではないと思います。まだまだこれから。どんどん力をつけて、君臨するようになるはず。
そんな陽介を想像するだけで楽しくなってきます。
でもきっと、そこに辿り着くまでには、更に紆余曲折があるだろうことも想像に難くない。
だって、相手があの玉森さんと東間さんですから。一筋縄で行くはずがない。
柔らかな雰囲気や甘い雰囲気が訪れても、すぐにぞくっとする戦慄が訪れる。読みながら、話の緩急に翻弄されっぱなしです。

玉森さんの美貌と容赦なさ!陽介の秘められた王の素質!東間さんの一途なぶっ飛び具合!
三人とも魅力満載で引き込まれます。
でもやっぱり、2巻まででも感じていましたが、この中で一番怖いのは陽介のような気がします。しかも、それが素というか、無自覚なところが本当に怖い。きっと誰も太刀打ちできない。
今は玉森さんたちのほうが権力を持っているし、玉森さんは玉森さんですから、手玉に取られる過程も楽しむ余裕はなくさないと思いますが。
全てを「あくまで保身のため」と捉えて行動している陽介が本当に怖い。そんな陽介に心を掴まれてしまって逃げられません…。好きです。

それにしても、二人の主席が共同研究している内容が怖すぎる…。
読んでいて、そうだ!この作品にはこういう面があった!と思い出しながら(思い知らされながら)、寒気がしました。
でも、こういう描写があることこそ、シュガードラッグらしい魅力だと思います。

紆余曲折を経て、三人の恋人関係となった陽介たち。
陽介がちらっと考えていた、もっと緩やかなプレイ(恋人ラブえちかな?と推測)を是非とも見てみたいです!