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女性碧蓮さん

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普通に生きること

早寝電灯先生のオメガバ作品ということで、大いに期待していましたが、期待以上でした。
「52ヘルツの共振」が好きだと言えば、期待する気持ちもわかるかと思います。
先生独自の「身体共鳴」という表現が好き。
オメガバ作品でよく描かれる、フェロモンに誘発される抑えきれない衝動「ヒート」もあるのですが、それとはまた少し表現方法が異なる。
少し穏やかで優しい。けれど、チカチカしていて、キラキラしていて、ピリピリしていて、確実に刺激はある。
先生が描く作品の根底に普遍的に流れている優しさから生まれた表現方法のように感じました。
オメガは目眩が起きやすいという独自設定とも相まって、波止くんが和巳さんの影響で視界がチカチカしている場面が印象的でした。
和巳さんは、ピリピリが残っている表現が印象的。バーですぐに気付いてもらえなくて、子どもじみた意地悪をしてしまう和巳さんですが、自分だけがピリピリを感じているのだとしたら、気付いてほしくもなるだろうな、と。
チカチカは瞬間的だけれど、ピリピリは残るから。

二人が出会ったときの「同じ舟に乗ってる」という言葉が、波止くんが和巳さんに惹かれていく過程や二人の未来にまで繋がっていく描写が素晴らしくて印象的でした。
保護者が家族からつがいに変わることに違和感を覚える波止くんだから、和巳さんのその言葉が嬉しかった。
しかも、それを和巳さんが何の気負いもなく言っているところがいい。
対等な関係でいられるかどうか。人間関係全般で重要ですが、アルファとオメガの関係においては特に重要な視点だと思います。
つがいになると、オメガはアルファの庇護下に置かれるという解釈が多いので。
バース性を否定せずに自分のままで「普通に生きる」ことを貫こうとする姿勢が眩しくて、好きです。

波止くんと和巳さんの歳の差がまた絶妙!
これは和巳さんの接し方によるのだと思いますが、どうしても余裕をなくしがちな和巳さんが懸命に包容力を維持しようとしている姿が愛おしい…。
それでもやはり、波止くんよりも年上で経験していることも多くて、だけどその分、引きずっている年数も長くて。
波止くんも和巳さんに救われた部分があるけれど、和巳さんのほうが波止くんに救われたのかな、と思います。
「普通に惹かれていく」という過程を大事にすることで、バース性を否定することもなく、バース性だけによることもなく。
私は和巳さんみたいなアルファを求めていたし、波止くんみたいなオメガを求めていたのだな、と納得しました。

波止くんのお兄さんも、スウさんも、和巳さんの友人も、周囲の人たちも魅力的!
特に波止くんのお兄さん!「やばい兄になりたくない」という言葉が刺さりました。
兄弟BLが好きなので、やばい兄も好きなのですが、波止くんのお兄さんが兄のあるべき姿です!

そして、カバー裏!
カバー裏で誰かと笑顔で歩いていたのは佐倉さんでは…!登場人物的に佐倉さんしかい浮かばなくて。
間違っていたら恥ずかしいですが、ほっしました。先生の優しさに感動しました。
カバー裏おもて面の和巳さんと波止くんが楽しそうで、カバー裏うら面の佐倉さんも同じ店先だけど別の場所で楽しそうで。

最後まで感動の詰まった作品です。
読めて幸せです。

何故なら専属護衛騎士だから!

電子単話を最後まで追いかけ、心待ちにしていた3巻の発売!
完結してしまうのはやはり寂しいですが、心が晴れやかになる素敵な大団円!
物語の強制力に抗うためだけではない、アークの王族としての頑張り(大発見の件)が功を奏したというところにも感動です。

ユリウスとの婚約まで進んで、ラブラブな様子も堪能できて、クーデターを回避できたかと安心したところでユリウスが操られてしまって…。
物語の強制力はこんなに強いのか…!とアークとともに打ちのめされました。
でも、身体を張ってユリウスを止めるアークの懸命さに、心を打たれます。アークは諦めていない。
しかも、そのとき受けた傷跡は後々、アークにとってユリウスとの絆を感じられる大切なものとなる…。
身体に何かしらの跡を残す(キスマーク等)系が好きなので、不謹慎かもしれませんが結果的に喜んでしまいました。アークも喜んでるから大丈夫かな?(特典より)

宰相があんな事態を引き起こすに至った経緯。
操られていたとしても、ユリウスが自分の行動の責任を取ったこと。
綺麗事だけではままならないのだと思い知らされる描写があることで、ストーリーにもメリハリを感じられて、より読み応えがありました。
「ユリウスは操られてたんだから無罪放免でいいのに」と考えていた自分の甘さを自覚したり。
ユリウスが責任を取り、アークと離れていた5年間があることで、アークとユリウスの思いの強さをより実感しました。
自分から責任を取って離れるユリウスの決断は潔くてかっこいいし、騎士団再編成を頑なに断るアークも意思が強くてかっこいい!
そんなアークたちをそれぞれの立場から見守ってくれた家族や周囲の人々も素敵でした。

3巻は、2巻以上にラブラブえちを堪能できます!
濃厚えちを本当にありがとうございます!
離れてしまう前から、アークの奥に入れたそうにしている描写が然り気無く差し込まれているのが好き。
でも、アークがその意味を知らないから、それはしないし、何も言わないユリウス。もしかしたら、まだそのときではないと考えていたのかもしれないし、子どもを作る覚悟がまだだったのかもしれない。
それが5年の時を経て、騎士団再編成&騎士団長&専属護衛騎士復帰し、アークも「ちょっと大変」の意味を知り、その上で奥に入れてほしいとアークのほうから言うのがいい!
そりゃもう、ユリウスはずっと遠慮&我慢していたわけですから、煽られまくりますよね!たまらんですよね!
ラブラブ濃厚えちを堪能できて、私も幸せでした。

更にご懐妊!お子はどんな子~?と電子単話最終話で気になりまくっていたので、描き下ろしでの双子のご誕生がとっても嬉しかったです!二人とも可愛い!
そして、子どもが一番と言えないユリウスが理想のユリウスなので、こちらも嬉しかったです!
いつまでも、どんなときでもアークが一番!最優先はアーク!何故なら専属護衛騎士だから!そんなユリウスが推しです!

ユリウスにとっては、とても大切なのに一度失ったと思っていたにもかかわらず、腕の中に飛び込んできた存在であるアーク。
あの出会いの場面は、ユリウスにどれ程の衝撃と煌めきを与えたことか、と何度も反芻しています。大好きな場面です。
ユリウスの腕の中にアークがいると、安心します。
そして何より、二人とも笑顔がきらきら輝いている。
そんなアークとユリウスが家族として暮らすラブラブで幸せな姿をもっと見たいです。溺愛最高。

ラブラブな二人と烏丸の魅力

ラブラブな南くんと烏丸から始まる3巻。
「烏丸は俺のもの」を嬉しそうに実感する南くんが本当に可愛くて愛おしい!
誰からも好かれている明るい南くんの抱える、意外な不安や自己肯定感の低さを知ったからこそ、更に愛おしさが増しています。
あの南くんが…!と驚きましたが、あのような過去があったら、そうなりますよね…。
相手に対して誠実でいようとしてきた南くんだから、あの出来事で傷付いたし、傷がずっと残っているのだと思います。
そんな南くんだから、烏丸を好きになったのだと思いました。
烏丸も相手に対して誠実でいようとする人だから。烏丸はそれが表に出にくいから、彼の魅力に気付ける人は少ない。
ただし、配信のときには、それが垣間見える。
そんな烏丸(kou)のリアコが登場するとは…!

kouのチャンネルより大きなチャンネルの配信者として、コラボを依頼してきた新キャラのKEIくん。
結果的にkouのリアコで、嘘を吐いて南くんに怒られるし、烏丸にはフラれて友達すらも断られてしまう子ですが、烏丸と釣り合う自分になるために!とチャンネルを大きくした努力はすごいと思います!
思い込みが強い部分があるというか、「相手のために」と自分の考えを押し付けてしまう部分があるところが烏丸には受け入れられなかった。
その点、南くんは一貫して、自分の希望は主張しつつも、最終的に決めるのは烏丸だと言っていた。
相手の意思を尊重することは、烏丸や南くんにとって、最も重要なことなのかもしれないな、と今回のKEIくんとの一件を経て思いました。KEIくんのおかげ!
特典ペーパーで、kouのファンであることをチャンネルで隠さなくなったKEIくんがよかったです!

そして特筆すべきは、烏丸!
本編ラストの烏丸、やばくないですか!
未読の方は是非、ご一読を!いや、一読ではなく何度でもどうぞ!
烏丸の秘めた魅力が遺憾なく発揮されています。引きずり込まれるとは、このこと…。状態になります。

誰もが皆、前を向けるという希望がロマンチック

ロマンチック・ラメントから追い続けてきました。
ロマラメからロマエレへ。ロマラメも重く苦しいお話でしたが、ロマエレもまた重く苦しいお話。
オメガバース作品では、「運命の番」や「番契約」が重要な要素で、ロマラメ、ロマエレシリーズは、それらと正面から対峙して描かれた作品だと思います。
どちらも、正面から対峙し、「運命の番」や「番契約」という呪縛からの脱却を選び取っている。
運命や本能を消すことはできなくても、自らの意志で別の道を「選ぶ」ことはできるのだと、伝えてくれる作品だと思います。そこがロマンチック。

遊真と誉。
それぞれに抱えているバース性に関する心の傷。
おそらく、出会った頃はどちらもがそれを癒すことはできないだろうと思っていたのではないでしょうか。
自分では、どうすることもできないことで抱えた傷だから。
その事実を解決する術は、遊真も誉も持たない。遊真が運命の番に選ばれることはないし、βの誉が番契約を結ぶことは不可能。
その事実は変わらない。
けれど、その事実は変わらないまま、心の傷を癒すことはできるし、もっと大切な幸せを得ることはできる。
それを示してくれたのが、遊真と誉でした。
もう、この流れは是非読んでお確かめください!引き込まれること間違いなしです!

私の拙い語彙力で確実に伝えられることとしては、遊真の束縛執着溺愛最高です!ということだけです。
誉をどこまでも幸せの沼(敢えての「沼」)に浸らせてあげてほしい…。
作品に出てきた、どのカプも、それぞれにより良い、より納得できる方向へ歩み出せていることが救いです。
誰もが皆、前を向けることは大事。
ロマラメからロマエレまで、素敵な作品を読めて幸せです。
重く苦しいお話ではありますが、確かな温もりも希望も幸せも詰まっているお話。
これからも、私にとって大切な作品であり続けると思います。ありがとうございます!

思い遣るが故の「秘密」の重さ

兄弟BLのDom/Subユニバース作品お待ちしていました!
しかも、にこ山先生の作品ということで期待!

冒頭から、Domであることを秘密にしている弟がSubである兄に執着している様子をにこにこしながら読んでいました。
めっちゃ好きな兄弟BL~と思いながらも、弟の柊梧が兄の千波にDomであることを秘密にしているのは何故だろうか、と疑問が。
作中ではわりと早めに千波にバレるのですが、両親には尤もらしい理由を挙げて、結局隠し続ける選択をすることに。
それに若干の違和感を覚えながらも、柊梧と千波はどうなるんや!というほうが気になり、徐々に判明していく柊梧のやばい執着っぷりにわくわくしながら、読み進めました。

柊梧のやばい執着、好きです。あそこまでやってこその護るためのやばい執着です。
監禁までいっていないのが不思議なくらいですが、柊梧と千波の場合は、監禁していないからこそ、柊梧のやばさと、二人で抱えることになる「秘密」の重さが増しているように感じます。
日常生活が続く中で抱える「秘密」の重さが如何程か。
柊梧がDomであることを両親に隠し続ける理由も、ここと繋がっているように思います。

Domであることのみならず、やばい執着という柊梧の秘密を知ってしまった千波。
その過程で明かされた、柊梧が抱え続けてきた苦しみがつらくて切なかったです。
しかも、欲求を真っ直ぐ相手にぶつけるのではなく、相手を思い遣った結果が「やばい執着」という行動に表れていたなんて。
その苦しみを吐露した上で、受け入れようとしてくれた千波に対し、まだ相手を尊重しようとする!
そんな柊梧の姿勢に、もどかしくなりつつも感服しました。
Domであることを秘密にしている間、さりげなく千波にコマンドを使って体調管理してあげてるし…。
執着はやばいけど、柊梧は献身的なDomでもあると思います。個人的には理想のDom。

最終的に二人が下した決断は、私自身も望んだものではありましたが、彼らの未来に、どこか影を落としているところに胸が苦しくなります。
家族にも誰にも何も言えずに、大きな「秘密」を抱えたまま、二人で一緒に生きていくことを決めた。
それでも、だからこそ、柊梧と千波には幸せでいてほしいと願っています。

縮まる距離

シャイアとベリルの距離が縮まってきて、恋の始まるどきどきわくわくが詰まっている2巻でした!
シャイアのことを知るにつれて、シャイアに惹かれ始めていくベリル。
そんなベリルの様子から、ベリルに惹かれ始めていくシャイア。
シャイアとベリルのお互いに惹かれていく様子が本当に自然で、シャイアもベリルも特別なことをしたわけではなく、自分の心のままに行動したことが相手の心を動かしている。
こういう二人の関係がとても素敵で、どきどきとわくわくが止まりませんでした!
心の距離だけでなく、身体的な距離も縮まって、そちら方面でもどきどきさせていただきました。

シャイアやっぱりかっこいいよ…!
でも子どもの頃の面影が見えるときは可愛くて、本当に魅力的な存在に成長したなぁ、とプチミニョンから見守ってきた私には感慨深く…。
成長した彼らを読める続編の存在に感謝です。読めて嬉しいです!ありがとうございます!

シャイアもベリルも「恋心」というものに馴染みがないせいか、なかなか自覚できていないもどかしさもたまりません。見守りたくなる!
続きが待ち遠しい!もうすぐ3巻が発売されるので、楽しみです。

ヒューゴとテオももどかしい~!
こちらはヒューゴががんがん積極的にアプローチしているのですが、テオがなんだかんだで強くて陥落できない…。
でも、そんなテオも可愛いので、ヒューゴを応援しつつ、テオとの攻防を見守りたい気持ちもあります。
それでもやっぱり、ちゃんと恋人になってほしいです。
ヒューテオも今後に期待!

これからも種族の違いを乗り越えていく

ごちオメ3巻は、とうとう胡桃沢家と宇迦野家のご家族とご対面&ご挨拶ー!
種族の違いによる困難さを改めて実感させられるお話でした。胡桃沢家ご訪問では特に。
さちおと宇迦野さんにとっては、何度も試行錯誤を繰り返し、努力し、二人で協力して乗り越えてきた困難さですが、その上でラブラブな二人を見てきたので、すっかりうかさちの日常に溶け込んでいるような感覚になっていました。
でも、あの二人が一緒にいようとすること、番になろうとすることは、いわゆる「当たり前」ではないのですね。
それにもかかわらず、まるで「当たり前」のように一緒にいようとする、うかさちの二人の愛の深さ、強さをより強く感じました。
さちおが家族に愛され、大切にされているのも嬉しかったし、宇迦野さんと地元を散策しながら、漫画家を志望した理由や過去をさちおが明かしてくれるのも嬉しかった。このときのうかさちの雰囲気が穏やかで優しくて、とても好きです!
胡桃沢家ご訪問回では、うかさちを更に好きになりました。

その後の思いがけない宇迦野家とのご対面は、はらはらどきどき!
さちおも言及していた、珍しく眉毛の上がった宇迦野さんは必見!
宇迦野父は、どこまで本音なのかが本気でわからなくて…。宇迦野さんのお父さんだわ…と納得しました。
宇迦野兄の過去には切なくなります…。うかさちに協力してくれるのは嬉しいけど、切ない…。
なかなかの難題を条件として提示された気がするうかさちですが、種族の違いをこれからも乗り越え続ける覚悟のある二人なら、この条件もきっと乗り越えてくれると思う!
続きも楽しみです。

読むと元気になれる作品!

藤峰式先生の作品を読むと気持ちが明るくなって元気になれるから好き!
こちらの「マイ・ファイブスター」も、読むと元気になれる作品です!

そもそものテーマがぶっ飛んでいて、藤峰式先生の作品でなかったらなかなか読む気になれなかったかもしれません。
まず、あらすじを読んで、オ◯◯ポレビューって何ぞや?から始まりました。
いざ手元に迎えて読み始めたところ、遊里によるカイくんレビューが息をするように始まり、炸裂する藤峰式先生パワーを体現するかのような遊里の文章力に早速元気をいただきました!
あれ、文字がみっちりしてるところは早口ですよね、きっと。一瞬であれだけのことを考えているんですよね、きっと。
二つに避けて二人になるかもしれない心配と期待まで考えるキャラクターが出てくるお話は初めて読みました。まじおもしろい(本気トーン)
その後、いきなり宇宙に飛び立ち、期待を裏切らないおもしろさに何度も笑わずにはいられませんでした。

そんなおもしろさとともに、心に温もりを届けてくれるところが藤峰式先生作品の魅力。
遊里と出会ったときのカイくんを取り巻く環境は、明るいとは言い難い状況で。
カイくんも、遊里も、それぞれに苦しみや辛い過去を背負っている。それでも、懸命に生きている人たちのうちの一人。
そんな二人が出会うことで、お互いにプラスの影響を与え合って、笑顔が増える。
そういう感動的な過程にも藤峰式先生特有のおもしろさ(ギャグセンス?)があり、重苦しくならず、読んでいるほうの笑顔にもつながる。
この藤峰式先生にしか出せない作風に魅せられ続けています。

ともに日々を重ねていくために

こういう少し不思議なお話は、高城リョウ先生の真骨頂だと思っています。
そのくらい、先生の描く少し不思議なお話が大好きです。(最推し作品は「ゼロ距離」)
オメガバースやケーキバースも好きなのですが、それらとは異なる独自の世界観を成立させて描かれる作品に引き込まれます。

最初は単純に、幼い頃の恋心を一途に貫く執着系攻めと儚い系美人受けのお話かな?と思っていました。
いつまでも若く美しいのも、ただそういう人なだけ、という設定で。
ですが、読み進めていくと、そんな単純な話じゃなさそうだぞ?と気付かされ、どんな背景が隠されているのかと期待が高まっていく。

悠也くん(ゆうくん)も桜叶さん(叔父さん)も魅力的です。
悠也くんは駆け引き上手で、押し具合と引き具合が絶妙で、強引さにイラッとせずに済む。
叔父さんに向ける一途な執着も、健気な姿と映るので応援したくなる。
自分の気持ちを優先するよりも、相手を尊重しようとする意思を感じられました。
桜叶さんはもう、とにかく美しい!そして、優しく、思い遣りのある人。
更に所謂人外という事実!普段の短い髪と能力を使ったあとの長髪姿の両方を拝めるなんて、贅沢な目の保養です…。ありがとうございます!

人間ではないと噂される桜叶さんの不思議な力が少しずつ判明する場面に胸きゅんです。
喜びなどで感情が高ぶると、周囲の生命力が活性化されてお花が咲いてしまうなんて…可愛すぎる!
言葉では否定する桜叶さんに対し、花が咲き誇っている庭を悠也くんが見つける場面は印象的でした。

桜叶さんが隠していた能力の真髄はその程度ではなく、しかもその能力のおかげで悠也くんは命を長らえ、更に悠也くんの命を長らえさせたおかげで、桜叶さんと悠也くんが一緒に生(せい)を謳歌するという望みまで叶うなんて…胸がきゅっとなる感動。
悠也くんにとっての桜叶さんはもちろん、桜叶さんにとっても悠也くんの存在が救いだったとは…。

愛人関係と噂されてしまっていた嶺二さん(悠也の祖父)との実際の関係にも感動です。
実は明かされるまで、愛人ぽくはなさそうだけど、何かあったらちょっと落ち込む…と警戒していたので。
そんな警戒をしていた自分が恥ずかしい…。

悠也くんのために能力を使い、外見が少し年齢を重ねた桜叶さんが本当に素敵で魅力的で、年齢を重ねたが故の色気にやられます。
悠也くんも年齢を重ねることで、どんどんかっこよく魅力的になっていく。
これからも二人で幸せな時間を過ごし、ともに日々を重ねていってほしいです。

愛を再確認

とうとう10巻!
10巻に到達しても勢いを失わず、次々と続きが気になるお話を生み出す先生がすごいです。わくわくが止まりません。

記念すべき10巻は、ラブラブえちえちなポリネシアンセックスから始まります。
最終日の凪と琴音の色気やばいですね。
由亜に心配をかけさせ、周囲にも迷惑をかけ、最終的にジルからお達しを出されて、最後の段に進む二人。
冒頭から濃いえちえちを堪能させてもらい、凪琴ラブラブやーん!とにまにましていたら、御子試験からの凪記憶喪失回という、読者の私も心が折れそうになるお話が続くことに…。
でも、改めて凪の気持ち、琴音の気持ちを確認できるお話になりそうで、希望を持って続きを待てる10巻ラストでした。
凪が最初から琴音に熱烈アタックしてきた理由にも繋がるような、二人の新たな馴れ初めを読める気がして楽しみです。

御子試験では、能力使う御子たちかっこよかった!マスコットな神獣たち可愛かった!
本編では見られなかった凪のマスコット姿も収録してくださっていて嬉しかったです。
琴音のオタク知識は役に立ちますね。御子たちがそれぞれの特色を活かして戦う姿が魅力的でした。

死の危険を伴う御子試験を無事クリアしたのに、まさかの凪が記憶喪失に…。
凪の冷たい態度にもめげずに、毎朝起こしに行く琴音(と由亜)が健気で泣けてきました。
そういう琴音の姿を、必死に自分を奮い立たせているのだろう、と景虎さんたちが理解してくれているのが温かくて。
凪から渡されかけた指輪を怒りを滲ませながら突き返すジルがかっこよかったです。
敢えての人型で!というのがもう本当に、ジルの本気が凪に伝わったのではないかと思います。
手紙という名のBL作品を木に戻されてしまった琴音の怒り、悲しみの理由が深くて、この作品の設定を改めて実感しました。
何故、凪を好きになったのか、も。
そうして切なくなったところで、まさかの凪の術の素晴らしさ!すごいです…流石は神獣、そしてやはり凪は凪。
琴音が好きになった凪は凪のままなのですね。よかった…。
果たして、凪の記憶は戻るのか、新たな馴れ初めから始めることになるのか。
続きが楽しみです!