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サスペンダーという新たな扉

昭和のいい雰囲気が漂うすばらしい作品です。
六車くんの帽子・サスペンダー…本当にかわいい。あぁかわいい。

いわゆるBLにありがちな攻めが受けを翻弄する話か…と思いきや、受け(六車)が鈍感すぎて翻弄できない!面白い!でも、後半はしっかり翻弄されてます。

それにしても木下さんはネクタイのはずし方が上手い…、畳だし…、そして服をできるだけ着たままコトをいたす姿勢にエロスを感じます。せっかく変わった服をきているのだから、脱ぐともったいないですよね(笑)

からかってあそんでいるつもりだったのに、いつのまにか惹かれていた…っていうながれも大好きです!

「神」にしようかな…と思ったんですけど、最後のほうの六車が化粧して着物着ているシーンで心が萎えてしまい……(汗)なので「萌」とさせていただきました。


レビューをみたけれど…

表題作「恋の話がしたい」では、二人とも不器用だなぁ~と母親のような気持ちで読めました。受け(美成)の恋愛することに対する恐怖・不安が、攻め(真川)の真剣な行動とまっすぐな感情でしだいに消えていく…そんな描写がとてもいいなぁと思いました。邑崎の偏屈な愛に涙です。

なぜ中立かというと、個人的な好みの話です。
レビューを見た限り絵に抵抗感は無かったのですが、いざ読んでみると…あれ?ちょっと好みな絵じゃないと思ってしまいました。とくに横顔で集中力が途切れるというか…絵は本当に好みによると思います。
もう一つは邑崎の扱いが、あまり好きにはなれなかった…もう少し本編で絡んでほしかったです。
そんなわけで中立とさせていただきました。

関西弁。

私は関西弁のBLを初めて読んだのですが…方言って暖かくていいなぁと思いました。

龍之介が極道一家の跡取りということで、柄シャツ&派手な浴衣が大変似合っております。直樹のツンツンっぷりに負けず、龍之介が猛アタックする様子がなんともほほえましいです。
直樹が「絆は結婚とかよりもよっぽど強いぞ」という殺し文句で、龍之介を悶えさせます(笑)この肉体的攻め受けと精神的攻め受けの逆…っていうのもいいものです。受けが攻めを翻弄します。
巻末のオマケ漫画もよかったです。ツンデレはデレがあって初めて成立しますからね!

友情って、便利な言葉。

ほんのちょっとしたキッカケで、親友に恋してしまった。いつ、友情と恋愛の境界線が揺れ動くだろうと、はらはらしながら読みました。

友坂は野田に気づかれないよう隠します。しかしバイト先の店長(ホモ)に「君――彼のこと好きだろう」と言われ極端に焦ります。この必死さが見所の一つです。

「友情でセックスなんてごめんだな」と友坂は野田に言いつつ、二人は一線を越えてしまいます。これは友情?愛情?…友坂は同情でされたと思い、野田には友達でいよう宣言をします。でも、気持ちは変わらない。そんな友坂の気持ちが痛いほど伝わってきます。

続編が気になりますね!

わん。

男前・斉藤先輩の試合を見て憧れて、同じ高校の柔道部に入ったワンコ・秋本。
しかし高校では全然練習しない斉藤に、真面目な秋本はモンモンしてきます。ここでまっすぐ感情をだしてくる秋本がかっこいい!
斉藤が部活に出ないのは、怪我をしているからであると知った秋本は罪悪感でいっぱいになります。斉藤もヒーロー像壊してごめんな、と謝ります。ここでまた一段と斉藤がカッコよく見えます!

こんな感じで、最初は秋本⇒斉藤の片思いなんですが、だんだん斉藤もライクからラブへと気持ちが変化していくお話です。
ワンコ・秋本のほうが背が高いし、力もあります。それゆえ「つっぱしるととまらない犬」というのも魅力のひとつでしょう。
巻末の書き下ろし、斉藤の男前誘い受けもいいです。



もう一つ収録されている「cheeky」シリーズ。温和な年上(貴ちゃん)×魅力あふれる年下(由郎)
昔はよく泣く、カワイイいとこ。そんな十年ぶりに再会した年下のいとこが、男も女も翻弄する立派な高校生になっていました。
アノ手コノ手で貴ちゃんを誘う由郎。どうしたらいいかわからないけど、男同士はマズイだろ…と断固拒否。最後は貴ちゃんの理性がプッツンして…と思いきや由郎のほうが一枚、二枚も上手でした。そんな流れです。



「ダッシュ!」シリーズは、「神」なんです。
個人的な感想ですが、「cheeky」シリーズの、男にも女にも股のゆるい由郎があんまり好きになれなくて…(下品な表現だ…)。由郎がそこまでイイ男か?と疑問を持ち始めてしまい…。
総合的に「萌」とさせていただきました。

きゃー!

初単行本ならではの初々しさでいっぱいの一冊です。

「泣き虫なリトル」…受けが眼鏡で、小動物のようです。かわいい。ホント、よくヘタレて泣きます。ほのぼのキスどまり。

「秘密」…短いのが本当に残念!リーマン(黒髪)×リーマン(茶髪)。黒髪の片思いが実は両思いでした~という流れです。いい設定なのに…短い…残念です。

「ライカ」…メガネスーツ×ショタ犬(擬人化)。木下さんがこういう作品を描くとは意外でした。とっても新鮮!もしかしたらショタ×メガネかも(笑)

「僕は君のもの」「君は僕のもの」…高校生(黒髪)×高校生(茶髪)、学園モノ。嫉妬しまくる俺様受けです。ある意味一番BLらしい作品です。

「花男」…におい系BLです。においさえもあまり感じられないかも。


萌える話もあったんですけど、ここは辛口に中立で(苦笑)

はるじおん

前の方が詳しく書いていらっしゃるので簡単に…

14年前に偶然出会った少年・ハル。
もう一度会えたらハルがくれた勇気の数だけ、今度は俺がハルの力になってあげたいと心に誓う瀬尾。
そんな運命的なふたりのお話です。

好きな子の力になってあげたいと思うのに、想う分だけ空回りしてしまう瀬尾。不器用な大人です。仕事はできるのに、こういうことは下手くそなのがいいですね。
ハルと話すたびに、どんどん甘い気持ちが強くなっていきます。瀬尾は不器用だから、隠すのが下手で…そこが萌えです!

キスどまりですが、まぁ…いいかなぁと思いました。続きは妄想で(^^)
本当に個人的な妄想ですけど、この二人の将来は攻め受け交代すると思います!(爆)

今までどおり

キスブルーの続編です。むずむず。

キスブルー?と同じ二人。友達のままでいようとするのですが上手くいかず、ぎすぎすした状態になります。
そんなとき友坂を好きな女が出現します。その女が野田に恋の相談をし、友坂のいいところを挙げますが、そのとき野田は『優しい友坂しか知らない奴が知ったふうに語ってんじゃねーよ』と心のなかでつぶやきます。キュンっと胸が締め付けられました。

「友達でいたい」という言葉は、はたしてどちらがより傷ついたのでしょうか。

私としては「萌」レベルです。
巻末にある2年後設定「未来は君の手の中」を読んでバカップルになっていたからです(笑)浮気の心配とか…あんまり読みたくないなぁと思ってしまいました。


そして、店長が主人公の「彼はカフェで待っている」…これが「神」です!
店長(良介)の報われない恋。相手(透)は結婚・子持ちで、長い間親友でした。
ノアの箱舟に誰を乗せる?――そんな質問に透は「俺はお前を選ぶよ」とはっきり言います。良介の気持ちを知ってか否か。
店長がキスブルーの友坂に優しかったのは、友坂と透をなんとなく重ねていたのかもしれませんね。
とにかく報われない、大変悲しいお話です。

思わず表紙に惹かれて

個人的な好みにもよると思いますが、この作品は私の中では「神」です。

木下けい子さんは「雰囲気BL]というか、直接のエロより雰囲気を楽しむ作品が多いと思います。この「君によりにし」もそんな作品の一つです。

以前に関係を持っていた先生(征一)に声がそっくりな息子(大和)と話しているうちに、受け(小野寺)は何度もフラッシュバックしてしまいます。無口で感情の薄そうな小野寺が「呼ばないでくれ!」と感情的に大和に叫ぶところは、思わずキュンとなりました。
そして、少ないエロシーンをよりエロくみさせる、小野寺が我を失い大和に跨るシーン…見ものです。『畳+受けのネクタイ』がおいしいと思いました。また大和が、自分は親父の代わりだと気づき…見ものです。やはりネクタイは大切だと思いました。
他のかたのレビューにもあるように、ここ読みたかった~という場面もあるのですが、巻末の「我が恋にし君」を見て救われました。

同時収録の「スロウバラード」は、以前から木下けい子さんんが描きたがっていた「十年愛」です。感情まかせになっていたあの頃とは違う、十年たって大人になった。十年分想いが強まり、またやさしくなれた…と感じました。

は、恥ずかしい…

何が恥ずかしいって…題名ですよ(笑)

攻め(獅子堂)に翻弄されっぱなしの受け(雁屋)…かと思いきや、しっかり男前受けです。雁屋が「するか?○○○!」と男前に宣言して、獅子堂も「…よろしくお願いします」と照れながら答えます。しかし次のページから雁屋がかわいい受けになってて笑ってしまいました。

同時収録の「ツキヤマ日記」では、なんともかわいらしい年下攻め。作家×担当。キラキラ純粋そうな攻めが、あらゆる手を使って受けを翻弄しようとします。しかし年上受けは、兄のように、大人らしい態度で受け止める…というやり取りが面白いところです。

「恋なんだ!?」は部活の後輩×先輩。企画モノだったようで、短い作品です。私としては、もう少し先輩の片思いのシーンを見たかったなぁ…と思い、これで終わりかーというのが正直な感想です。

「優しい雨」は高校の生徒×先生。攻めがツンデレとは新しい…と王道なのにとっても新鮮な気持ちで読めました。ツンツンしてるけどコタツで喜んじゃう攻めに、思わずほわ~っとしてしまいます。

モエパラのバッドエンド…最高です。