表紙があまりにも可愛くて買ってしまいました。二葉の様々な「好き」に翻弄される姿、ひかるとの甘酸っぱい掛け合いがとても良かったなと感じます。ただ構文が複雑で分かりづらかったり、キャラクターの情報が不十分であったり、高杉や勇などのサブキャラクターの心情が蔑ろにされていたりと漫画としては微妙な点が多かったです。特に勇はもう少し表立って兄を掻き回してくれても良かったかなあと思います。けれどそれをしない、という選択が勇の優しさなのかと思うとまた別の見方ができて面白いです。
物語自体は本当に面白かったので、また何度でも見返したくなる作品です。二葉とひかるの今後を描いた続編なども出れば嬉しいですね。
様々なレビューに「泣ける!」とされ、タイトルの不穏なキーワードもあってかてっきり最後でさぞ悲しいエンドが来るのだろうと身構えていましたが、正直終わり方にそれ程ぐっとくるものはありませんでした。しかしそれよりも葵の過去、努力、本音、母親や福太に対する精一杯の思いやりにはただひたすらに泣かされました。福太に向けられる純粋で美しい“愛”と、葵に向けられる歪み狂った残酷な“愛”。この対比が自分は弱かったみたいです(笑) まさにお涙頂戴、といった境遇の葵ですが見事に泣かされてしまいましたね。
人によってはバッドエンドともハッピーエンドとも言える展開だったと思います。しかし最後に福太が葵を見つけ出し、そこで初めて報われる葵の努力がまさにハッピーエンドの鍵なのかなあと私は感じました。
賛否両論あるかと思いますが、非常に満足度の高い作品でした。