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実は受がスパダリだった

2巻まで一気読みしてのレビューです。

いきなり『男だらけの学校ってすごくいい』っていうモノローグからはじまって、ページをめくると、高校1年生同士が生徒会室でお互いの制服のスラックスに手を突っ込んでるシーン。
ただれた雰囲気を覚悟して読み始めるんですが、読み進むにつれて、予想していたのとは違う風が吹いてくる気がします。そこがいい。

ゲイを自覚してる受は、好きになってしまったノンケの攻と男子校であることや性欲処理にかこつけて身体だけの関係になるんですが、描写が進むほどに、受の新見は一途で健気で清潔で、好きでもない男と性欲だけで関係を持つようなキャラではないことがこちらに伝わってきます。

そして、攻の澤根にも当然それは伝わっていて、新見の思いを積極的に受け入れるんですが、この攻氏がとてもいい。
正直で率直で、セックスにおいて非常に繊細に受を愛おしむ感じが表現されていて、本人は自覚していなくても愛情があることが、読んでいる側に伝わってきます。
ふたりの思いが通じるのが、この攻のアクションからであるところもとても萌ポイントでした。

2巻は、彼らの後輩として入学してきたゲイを公言している当て馬くんが登場し、彼との絡みを中心に、カムアウトのことや、ゲイとノンケのカップルである彼らの葛藤が描かれる中で、受の新見がメリメリといい男になっていきます。
1巻ではマックスネガティブだった新見が、澤根に支えられて強くなっていく様子に、心が温もります。

ホモフォビアの嫌がらせとか出てくるんですけど、攻くんが出ていって拳で受を守って、ハイ解決!みたいな安易な流れにならないんです。
そこがいい!(2度目)
生徒会長も、澤根がやるのかと思ってましたが、フタを開けたら新見がパリッとこなしてる。
1巻ではクールで愛情深い攻がスパダリ候補生って感じでしたが、全部読んで、あ、実は受がスパダリだったのかもね、っていう気がしました。

エロティックな描写もたっぷりあります。過剰な感じも不足な感じもなく、綺麗で、萌充です。