1740さんのマイページ

レビューした作品

女性1740さん

レビュー数93

ポイント数1020

今年度27位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

想像以上のおもしろさ

意識不明の重体後に目が覚めたら受けを「兄さん」と呼ぶ攻め・・・転生もの?兄弟がどう恋愛になる?記憶喪失はなぜ?と興味を惹かれ試し読みをしました。王道っぽいのを想像していたら思いがけず期待以上の設定だとわかり、すぐ購入しました。
ジジ先生は「匂いの先はケモノ道」を以前読んだ時に美しい絵柄に魅力的なキャラと思いがけない物語を描く先生だと感じていました。その後、他の作品も買っていますが、今作も裏切りのないおもしろさでした。

マンションの隣に住む愛想のない加瀬を気になっている建築家の道下はある日、落ちてきた鉄骨の下敷きになります。そんな道下を加瀬はなぜか助けてくれ、その結果大怪我を負い意識不明になってしまいます。
やっと目が覚めた加瀬はなぜか道下を「兄さん」と言い抱き付いてきます。今まではほとんど接点がなく愛想もなかった加瀬が「弟」になり、自分にだけ笑顔を見せ甘えてくるのに照れまくる道下がとてもかわいいです。
しかも記憶が戻るまで期間限定で一緒に住むことに。

物語はふたりの恋心以外に、道下の優しいながら自信なさげな理由、なぜ道下を「兄さん」と記憶されたのか、いつもマスクで隠されていた口元の傷跡の謎、加瀬の道下に対する執着の意味と「兄弟」なのに性的なことを求める意味、過去の傷ついたトラウマなどが少しずつ明らかになってきます。
いろんな設定や情報がひっきりなしに与えられるので、あっという間に1冊読み終わってしまった感じがしました。もっとじっくり読ませてもらいたい気持ちもありますが、そのスピード感もよかったのかもしれません。

愛されたい、必要とされたい、そのままでいいんだと認められたい、そして一緒にいたい。ふたりの想いは共依存っぽいかもしれませんが、お互いを助け合い同じ気持ちで求め合っている似た者同士だったのかもしれません。

1回目のえっちは無理やりだったのであまりはっきりと描かれていませんが、両想いになってからと描き下ろしのえっちは最高に美しくエロエロでした!シーモアで購入しましたが、修正も「電子のみで楽しめるスペシャル修正仕様」になっていてとてもよかったのです!
道下の飼い猫ぐりがとてもいい味を出しているので、ぐりの様子もお楽しみください!

明るい家族になろうBL

獣人×人間なので好みが分かれるかもしれませんが、黒井よだか先生らしいいつものダークさはなく明るい家族になろうBLになっています。

上巻では、天涯孤独の矢野快晴は獣人寅野慈雨が雇い主の住み込み可の探偵事務所で働くことになります。幼い姪と暮らしている寅野は強面ですが、とても優しく、3人で仲良く暮らしています。一緒に仕事をして暮らすうちにふたりは紆余曲折を経て、両想いなります。

そして下巻では、なかなか恋人らしいことができないまま、結を中心に探偵事務所はまわっています。寅野と矢野が探偵事務所の仕事で夜に出かけることが増えたことによって、結が不安になってしまいます。そして寅野は結のわがままに対して大声を出してしまい子育ての難しさに苦しみ、矢野は自分の過去を思い出します。それでもふたりは結と話し合い家族になりたいと伝えます。
そしてその夜、寅野と矢野もはじめて身体を繋げます。とても優しくじっくりと愛し合っています。

やっと3人仲良く暮らしていけると思ったら、結の父親が娘を引き取りたいとやってきます。
はじめは父親の願いを拒絶する寅野ですが、ゆっくりと結のために時間をかけてどうするか考えようと矢野に話すシーンはとてもよかったです。簡単に父親と暮らすのがいいとか、このまま一緒に3人でいるのがいいとか大人が勝手に決めないと言う寅野の考えにわたしも共感しました。

ところが結とふたりで出かけた先で父親が軽率に「パパと暮らす」「ほんとの家族」なんて言ってしまうので、結が父親の元から駆け出してはぐれてしまいます。
はぐれて結を探すために上下巻で出てきた人たちがみんなで結を探す手助けをしてくれます。そして見つかった結が泣きながら大通りを横切ろうとしたところに車がやってきて、矢野が急いで結を守ろうと抱き上げると……。

ドラマみたいな王道物語みたいに思いましたが、今までBLではあまり読んでこなかったようにも感じました。下巻は最後にもラブラブエッチがありますし、時々ミニキャラでかわいい笑いもあり、そんなところはよだか先生らしい気がしました。
今までよだか先生の作品はダークで読んでこなかった人にも読みやすい明るい物語になっています。

ほんわりふんわりかわいい作品

淡いイラストの表紙を見て購入しました。
表題が4話と「酔わなきゃ言えません」前後編の合計6話が1冊にまとまっています。

突然のキスシーンから始まるふたりの物語。
高校時代の文化祭実行委員で名前を褒められてから憧れていた先輩に職場で再会したのに、自分のことなんて覚えてないだろうと「はじめまして」と言ってしまう蛍。逆に俺のこと忘れたのかとちょっと意地悪で強引になる東馬。
とにかく東馬がガンガン押しまくって少し強引すぎるようなところもありますが、蛍がうじうじタイプなのでいいカップリングなのだと思います。
特に付き合ってからのふたりがとてもラブラブでかわいくて、再会王道ラブストーリーが好きな方にはおすすめです。

ヤスエイ先生は絵柄もキャラもほんわりふんわりした感じのせいか、あまりエッチを描かないイメージでしたが、思いのほかがっつり描かれています。そんな様子もふたりの気持ちが爆発しているようでよかったです。
それとサラリーマンの仕事がきちんと描かれているのもこの作品のよさのひとつです。ただ恋愛をしているだけでなく、ちゃんとキャラたちが生きて仕事や人間関係に悩んでいる様子が読めるのは物語に深みを与えていると思います。

前後編の「酔わなきゃ言えません」は、「名前を呼んで」で出てきた冬島の上司の南本と同僚の北川のスピンオフです。飲み会で酔っぱらった南本にお試しで付き合いましょうと北川が言い、ふたりはプライベートでも一緒に過ごすことになります。
こちらのふたりはすごくいいキャラなので、もう少しちゃんと読みたかったので前後編だけで残念に感じました。

アメリカ大陸上陸!

みつきとあさひの世界旅行ももう6巻!アメリカ大陸に上陸です。
アメリカのハイウェイや食べ物の大きさに驚いたり楽しんだりしながら旅を続きけるふたり。あさひのうんちくを読むんで一緒に旅行に行った気分にもなれるのも、このマンガの楽しみのひとつになっています。

ふたりはニューメキシコ州のホワイトサンズ国立公園で迷子になったダニエルに出会います。ダニエルと楽しそうに話したり遊んだりしているみつきを見てあさひはまたネガティブな気持ちになってしまいます。相手の未来のために幸せのために、人生の難しさについて考えていきます。
そんなあさひの様子にもちろんみつきは気づきます。

そしてロサンジェルスへやってきたふたりのスマホにドイツで仲良くなったゆりこさんから妊娠したとのお知らせとダニエルからふたりの絵が届き、あさひは思わず「俺と一緒にいる限り、一生子どもは望めない」とみつきに言ってしまいます。そこでふたりは少しギクシャクしてしまいますが、二人旅は続きます。

ルート66を通ってアリゾナ州のグランドキャニオンへ。大峡谷の中でみつきは自分にとっての幸せや結婚観について話します。二人旅は普段思っていても言えない話ができるいい機会になっています。
ニューヨークでもひとりなら通り過ぎるであろうことがふたりだからこその発見があると気づきます。ふたりが一緒にいるすばらしさがよくわかる6巻でした。
改めて1巻から読み返していくと、あさひがすごく変わったと一番感じられました。楽しそうに笑うようになって、自分の気持ちを表せるようになってよかったと思いました。

つづきは7巻へ。
だんだんとふたりの旅は終わりに近づいています。ふたりの世界旅行が終わったら結婚しようという約束も見たいですが、旅しているふたりをずっと見ていたい気持ちもあります。
7巻も楽しみにしています。

ネタバレなしで予想しながら読んで欲しい

高校野球好きの柏木は会社で係長として忙しい日々を過ごし、同じ年の新人で不愛想なオタク趣味のある黒瀬の扱いにちょっと困っています。そんな中、ストレス解消のためにジムに行くとトレーナーの大学時代の後輩であるイケメンの涼を紹介されます。少し涼と黒瀬が似ている気がしますが、職場での黒瀬はいつも通りに誰かに歩み寄ろうとはしません。
この辺りで黒瀬は自分勝手なオタクのように描かれていますが、柏木が酔っ払いに殴られそうになりショックを受けている姿を見て自宅に連れ帰り優しくフォローします。ここで「ホントはやさしい君が好き」というタイトルの意味と、ふたりの過去になにかあったのだろうと推測できます。

立河あいも先生の作品を読んだのは今作がはじめてなので、どういう設定になるのか、どう物語が進んでいくのか先読みできなかったのでワクワクしながら読みました。柏木の人に触られるのが恐怖になるほどのトラウマな過去や黒瀬の野球を諦めざるを得なかった右目の怪我について、黒瀬と柏木の想いなど、1話1話読みながら予想していくのは楽しかったです。
少しずつそれらの秘密が解き明かされ、ふたりの距離が近づきながら現在のふたりと過去のふたりが繋がっていきます。もちろんハピエンですが、最後の黒瀬の告白までへの物語性がとてもよくできていたので、ぜひネタバレなしで読んでもらいたいなと思いました!


少し高校生時代の辛い暴行事件などありますが、それほど気にならずさらりと読めると思います。でもちょっとそういったシーンがとても苦手な方はご注意ください。

暴力と愛

正直、ここまでバイオレンスな作品だとは思っていませんでした。
ずっと見下されて暴力で支配されてきたふたりが性と暴力によって繋がり、互いを理解し合って慰め合う物語になっています。

仄暗く笑わない目の玄野と怒りの中に恐怖を隠す七瀬のふたりが何を考えているのか、最初はよくわかりません。ページを進めていくうちに、ふたりの勤める清掃会社での人間関係や七瀬と玄野の性的接触と暴力、そして七瀬の生い立ちや玄野の過去がわかっていきます。
ふたりともコミュニケーションの取り方を教えてもらわないまま大人になったようです。
最終的には互いを求め合い愛し合うようになりますが、果たしてこれは愛なのか、依存なのか。でもきっと辛い人生を送ってきたのであろうふたりにとって、互いを見つけられてやっと安堵できたんだろうとは思いました。

暴力と愛が渦巻く物語なので、好みがはっきり分かれる作品だと思います。何度か読まないと理解できない箇所もたくさんあります。
ある意味平凡な人生を送ってきたわたしには分かりえないふたりのハッピーエンドなのだと感じました。

火花 コミック

中村明日美子 

さすがの世界観

「女子BL」ってなんだろう?という疑問から購入しました。
明日美子先生曰く「壁にも当て馬にもならない素敵な女子が出てくるBL」とのことでしたが、この物語の主役はまさに女子である戸森さんで、作中一番カッコいいのも戸森さんでした。

物語は戸森さんとその彼で治安の悪い犬飼と転入生の三郷とのいびつな三角関係を高校・大学・社会人に渡ってオムニバスのように描かれています。

オープニングから衝撃的で、あっという間に引き込まれてしまいました。
タイトルの「火花」のように犬飼と三郷は最初に一瞬の輝きを見せた後に、あっという間に消え去る出会いと別れを繰り返します。
一目見ただけで惹かれ合っているのに、自分のことも相手のこともどうしたらいいのかわからないふたりは、傷つき傷つけたのちに離れてしまってもずっと互いを忘れられずにいます。

ふたりが一緒にいる時、ふたりの間にはいつも痛みと暴力があります。
愛し合っているのに表向きは暴力でしか繋がることができなかった高校時代、大学生でやっと再会できたのにそこではハピエンにならず、社会人になってからもレイプのトラウマによってセックスできないふたり。
火花を散らしながら互いの愛によって傷ついているふたりを優しく取り持つのは、戸森さん。戸森さんがいたからふたりはいつだって一緒になれるんです。そんな彼女だって犬飼のことをずっと好きだったのにと思うと少し切なくなります。そしてすごくかっこいいなと思います。

この作品では攻めが女子とセックスしているし、受けはモブに無理やり犯されるし、暴力の表現も多くあるので万人受けはしないかもしれませんが、やっぱり美しく繊細な線で描かれたドラマチックなBL作品になっています。
食わず嫌いせずに手に取ってみてほしいです。

同時収録されている「英雄と少年」は20ページ弱の短い読み切りですが、まるで詩を詠んでいるかのような後味を残すものでした。わかりやすい描写ではないかもしれませんが、こちらもとても美しい表現をされています。
中村明日美子先生ならではの世界観ですね。素敵でした。

ふたりらしいままの距離感

はじめてあまさわ蟹先生の作品を読みました。
mimosaレーベルらしい不器用な人たちの少し変わったラブやリブを描かれている日常的なBL作品になっています。
この作品はラブの溢れた萌えがたくさんある万人受けするような作品ではないかもしれませんが、人の想いや行動がゆっくりと丁寧に描かれているのが感じられて、何度も読みたいと思える作品だと思いました。

(仮)攻め吉村、(仮)安達となっていますが、ふたりは付き合うことにはなりません。軽い頬へのキスのみで、性的な表現はありません。この作品はキラキラしている「BL」でもなければ、カップルの話とも言えないかもしれません。でもふたりの男性が出会い、一緒に過ごしていきながら互いのことを知っていき、少しずつ影響されて変わっていくふたりとそれぞれの恋についての考えが描かれている作品になっています。

吉村はノンケとなっていますが、アセクシャルかもしれないです。ただまだ恋に落ちたことがないだけかもしれません。
安達がいろんな人と付き合ったりセフレがいたりするのは、ゲイだからかもしれないし、彼の性格かもしれません。それはただ彼が軽いというだけでなく、そうすることが楽しかったり楽な生き方だったりということなのか、そう生きていくしかなかったのかもわかりません。

この作品に限りませんが、読者は登場人物に対して「運命の恋に出会っていないだけ」と思い込むこともあるでしょう。この作品を読み終わった後に、その後に吉村が恋愛感情をわかって、ふたりは付き合うことになるかもと想像することもできます。でもわたしはふたりの関係がずっとこのままでいいかなと思いました。
続きを期待するような終わり方にはなっていますが、数年後、ふたりは同居を解消しているかもしれません。ふたりは付き合うようになるかもしれませんし、安達が別の人に恋をしているかもしれません。一時期、また疎遠になるかもしれません。ある意味、読者に委ねる終わり方になっています。
わたしはきっとふたりはこのままの距離で「似てない僕らのままで続く」んじゃないかなと感じました。無理なくその人らしいままで。それがふたりにとってのハッピーエンドなんだと感じました。

楽しくてキュンキュンする恋のときめきや萌えを望むなら、この物語は好みに合わないと思います。
でもいろんな恋や想い、そして生き方があるBLの世界を読んでみたい方にはおすすめします。

mimosaレーベルはもう単話のみの配信になってしまったので、これからこのような他とはちょっと違うテイストの作品が単行本化されないのは残念です。
この作品のようにいろいろ考えながら読み進めていける作品をあまさわ蟹先生にまた描いていただきたいなと思いました。

みんなかわいい!!

水曜日先生の新刊!ということで迷わず購入。
表題のみではなく、表題は4話までで読み切りの1話と表題の描き下ろしのSSがコミックスに収録されていました。1冊丸ごと表題の千秋と李央のお話を読みたかったのですが、読んでみたら読み切り作品もとてもよかったので大満足の1冊になっています。

クラブで店員に助けられた李央はその店員千秋に一目惚れ。それから付き合うようになったふたり。
優しくて大人で誰からもモテる千秋相手に自分が好かれていると自信が持てない李央。女性にモテすぎて苦手になった千秋はゲイではないから、自分の猛アタックで付き合うようになったから、自分はガキだから・・・といろいろ思うところはあるようです。
付き合って2週間、まだ軽いキスだけ。そんなことを大学の友人に愚痴っていると、さっとドリンクを持ってくる千秋。もうこの段階で千秋の威嚇が始まっているのが、読者にはわかります!
そうです!かわいい李央相手に理想の彼氏を演じているようでも、李央を振り回している遊び人のように誤解されていても、千秋は李央が大好きな束縛で嫉妬深い彼氏に違いない!と水曜日先生を読んできた読者には分かっちゃうんです!
こらからふたりのかわいいすれ違いからのエッチが読めます。とにかく読んでください。間違いなく楽しめます!

そして読み切りの「恋愛アンチテーゼ」
ノンケリア充の涼平とゲイだから恋愛したくない志麻、ふたりの物語です。
ひょんなことからゲイだとバレた志麻の家に涼平が「ゲイでもお前の恋愛を応援する」とやってきます。そしてふたりで恋人ができたらどうするかのイメトレをすることに。
もうお分かりですね!そうです、今、あなたが思ったことはたぶん正しいです。ぜひ読んでみましょう。わかっているけど、それまでの流れがめちゃくちゃかわいいです。水曜日先生は裏切りがないのですが、ラブコメとしてとても安心して読める楽しさを描いてくれますね。
エチはなしですが、満足できる読み切りでした。3年前の作品らしいですが、まったく古い感じもせずとてもよかったです。

そして「きみの好きなところ」はショートストーリー描き下しで、続きというほどの内容ではないですが、千秋サイドから語られています。
ほんとに君たち互いに「俺以外にはときめかないで」と思ってるんだろうな!かわいいな!

かわいい高校生BL

新進気鋭の中国人作家さんという触れ込みだった雁飛先生。Webtoonとマンガのどちらを描いていたのかわからなかったのですが、pixivコミックスで試し読みをしたところ、とても綺麗な絵で日本を舞台にした作品としても違和感がなかったので読み始めました。
個人的にWebtoonは好みではなく、海外の作品を翻訳する時に無理やり日本を舞台にしたり日本名にしたりするのが嫌なので、そこはチェックしていました。

誰もが憧れる美形小鳥遊会長が、実は男性の身体に惹かれていることにも完璧でいる自分にも疲れて、カエルの着ぐるみにハグされるところから物語が始まります。
また別の日にも小鳥遊がハグをしてもらったら、突然離れられてパネルを見せられます。ハグはドリンク1杯買ったら1回1分ということなら、10杯買ったら10ハグ?着ぐるみのカエルは喋らないし表情がわからないのでまだまだ謎ばかり。
ここの暑い中であろうにホットドリンクっぽいカップを差し入れされて着ぐるみの頭を外して飲むシーンは、中国っぽいなと思いました。

そして、学校で着替えているクラスメイトの胸のアザを偶然見て、学校では目立たない蛭間がカエルだと気づきます。仲良くしようとする小鳥遊を避ける蛭間。カエルの時はハグをしてくれるのに。
やっと素顔でも一緒にいられると思ったのに距離を取られます。そのことに思って以上にダメージを受ける小鳥遊。
このあたりの蛭間の様子は小鳥遊を好きだとすごく感じられますが、逆に完璧であることを求められ続けている小鳥遊のことを思ってこその行動でもあります。互いに素を出し合えて仲良くなってもまたすれ違って、でもだからこそわかる気持ち…。高校生らしいアオハルっぽいかわいいふたりの恋愛が溢れています。
特別にびっくりするような展開はないので、ネタバレせずに初見でふたりのアオハルをたのしんでもらいたいなと思います。

小鳥遊と蛭間。名前もいいですよね。カエルの周りでチュンチュン鳴きながら跳ねている小鳥のような物語でした。蛙化現象もなく、縁起物の蛙として蛭間は小鳥遊の側に現れたように感じました。

綺麗な絵柄でかわいい高校生のラブストーリー。読みやすくてほんわかできる作品でした。