アキハルのいいところはいくつもあるのですが…
まず特筆すべき点は「センシティブなシーンがない」ということです。
私自身は大人なので、センシティブ大歓迎パーティーなのですが、
・誰かにBLを紹介したい
・子供にちょっと読ませたい
・沼の入り口として紹介したい
本として、これほど最適な本はないのです。
だからと言って、これ友達じゃんということもなく、20代男子が周りにほんのりカムアウトしながら、友達としては近すぎる距離感で生活をしている様子が描かれており、満足感が高い作品です。
センシティブ好きとしてはみたいですよ、ふたりのそういうアレを。
全ページそれでもいい。
全てのRがかかってきても受け止められる。
でも「一線を作品の中で超えることはない」という安心感があるからこそ、人に勧められる場合もあるのです。
別作品でそういうシーンを描いていることは知っているので、作家の持つポテンシャルの紙の裏で展開される健全日常BLは、ぞわっと興奮できますよ…
次に「レシピ本としての有能さ」。
世の中に丁寧にご飯を作る作品は数あれど、
・男子大学生が
・高くない調理能力で
・お金もあんまりかけずに
・なんなら酒飲みながら
・同居人とワイワイつくれる
・食べ盛り満足メニュー
だけ沢山載っている作品はそんなにありません。
本当に参考になります。(DDではありませんが…)
なんならレシピとしてスクショしてあります。
そして一番は「突然来る登場人物目線のカメラワーク」。
相手の顔や姿が書いてあるのに、その視線に相手への強い愛情を感じる、映画みたいなシーンがここぞというときにやってきます。
ご褒美です。是非続けて読んでいただきたい。
一緒に赤面して、ただただ美味しいご飯を食べて、ああ今日も悪くない日だな、と思えるのがアキハルです。
ゼロ距離のDK、アキとハルが同居してご飯を作って一緒に食べる話。
アキがちょっと臆病だけどハルにかわいく執着していて、ハルは純粋にアキが好き…という、ほんわかBLを楽しめる上に、毎回出てくるレシピが「簡単」「美味しい」「食べ応えあり」絶対作りたくなります。
出てくる食器や小物も可愛くて、クラフトビールを友達とグビグビ飲みながら、作ったご飯を食べてお互い目があったら笑い合う、高校生よりちょっと上のアオハルを大量摂取できます。
あと、もう一つ大事なのが、全然エロくないので、お子様やご家族ともシェアできるBLということ……!!(沼へようこそ)
ところであなたたち、そういう名前だったのね。