とてもおもしろかったです。
エロだけでなくストーリーもがっつり読みたい方におススメです。
ページ数は多いですが、好みの文体だったため苦もなく読めました。
晶羽(受)は最初はかなり最低なヤツでしたね。
自分の地位&容姿を自覚してるだけに、下々の者を思いっきり見下してるんですが、男のくせに「華族のお姫さま」って言葉がぴったりの人物でした。
だって自分を暴漢から救ってくれた炎爪(攻)を、自分が嫌いな中国人だってだけで警察に引き渡しちゃうんですよ。
しかも、後で「勘違いでしたって伝えて釈放してもらえばいいや」って思っておきながらすっかり忘れてしまうという。。。ひどいよね。
そして、晶羽からそんな目にあわされた炎爪が、ある人物から依頼されて晶羽を攫うんですが、悪人になりきれないというか、甘いというか。
「死ぬか」、「身を任せるか」受け様に選ばせるんですよ。
こんなわがままお坊ちゃんもっとがっつり陵辱しちゃえばいいのにって思っちゃいました。
が、そんな攻め様の気遣いに受け様もだんだんとほだされて、いつしか攻め様のことを愛しく思うようになるのですが、そこはもともとが気位の高いお姫様ですから、自分からは好きだとは言えない。
でも言いたくてしかたない。
そのもどかしさにきゅんきゅんしました。
エロも濃厚でたっぷりです。
そんなに期待しないで手にとった作品でしたが、お気に入りの一冊となりました。
受けはお客様にベストマッチした商品を選ぶ「快感ソムリエ」という肩書きを持つ紘太。
凛々しい顔にモデルのような均整のとれた身体を高級スーツに身を包み、至ってマジメにプライドを持ってアダルトグッズを接客販売している。
攻めは業界最大手のアダルトグッズメーカー「ゼッツ・リーン」の営業。上品で優しげな美貌とは裏腹に狡猾でポンポンと飛び出すトークで紘太を怒らせる海斗。
紘太は売り言葉に買い言葉で、海斗にアダルトグッズのレクチャーを受けるハメになる。
いやらしいお道具と海斗のいやらしい手管によって、最初は強気な声が徐々に甘い悲鳴に変わっていく……
いやー面白い作品でした。
桜井しゅしゅ先生の挿絵もステキ。紘太の腹筋に萌え~
紘太も海斗もストレート。
ある理由から同性愛に嫌悪さえ抱いてる紘太だけじゃなく、色々と紘太にちょっかいをだす海斗までもが「俺はストレート」と呪文のように唱えて衝動を抑えようとしたり、「気の迷い」、「条件反射」と焦りながらも徐々に恋心を自覚していく過程はほほえましくも笑いを誘います。
お道具がたくさん出てくるコミカルなお話で、一気に読めました。