受けはおとなしい植物みたいな、でもちょっと小ズルイ感じの子。
攻めはいわゆるヤンデレらしいです。
侑央が千秋にずるいと言うけど、私からしたらお前のほうがするいよ!っていう。
侑央は千秋の兄を好きで、千秋はずっと一途に(病的に?)侑央を好きでした。
千秋が我慢できなくなって、「目閉じて声だけなら兄貴と一緒だよ」的なことを言って関係を持ちます。
や、ずるいよ、侑央。
自分可愛さで千秋を切らないだけじゃないの?と思いました。
どうにも、これまでたくさん努力してきた一途な千秋に肩入れしてしまいます。
ヤンデレは受けに回ったほうが幸せになれそうですよ。
千秋受けがみたい。
おとなしい透明感のある受けは苦手です。
そんな清らかな水の中で生きてるような浮世離れした子は萌えない。
タイトルは都都逸の一節らしいです。千秋の言葉にじんわりしました。
食わず嫌いもったいない!
まつ毛ばっしばしで、絵柄耽美ですが中身はギャグ?
でも萌えます。ベタなんだけど、萌えます。
委員長がエロイ。
典型的優等生で、真面目・賢いのに自惚れが強くて馬鹿。
そんなかわいそうな感じが萌え。
攻めはエロスの大魔王。
めちゃくちゃオレ様だけど、細やかな気遣いができる。
何気に受けのこと大好きですね。
ああこいつまた馬鹿やってる(かわいいなぁ)と遠くから見てて、いざというときに助けてくれる感じです。
びっくりしたのは
最初攻めの方が小柄な美少年!
美少年に犯される、かわいそうな委員長に萌えた。
途中で美少年が急成長し、委員長食っちゃう感じもエロかった。
いつもと違う!と思ってドキドキしてしまう委員長が乙女でした。
私のエロの琴線に触れたようで終始ニヤニヤしながら読みました。
委員長の頭悪い感じと、やってるときだけ素直なデレっふりが萌えます。
前作を読んでないけど、どちらの作品もおもしろかった。
とくに悶えたのが井ノ本さんの三角関係の話。こちらの感想を書きます。
田村は山田の気持ちに胡坐をかいて、性欲処理のおもちゃみたいなひどい扱いをします。
どんなひどいこと言われても好きだから応えてしまうのか、山田ー!
田村とは対照的に、井上は山田を大切に思ってます。
王様ゲームでキスするチャンスがあってもしないし、どんなにモテても他の子と付き合おうともしない。
「俺の好みのモンタージュみたいのつくったらさ 楓たぶんびっくりする」
なんで彼女作んないの?と山田に聞かれ、井上が笑顔でこう答えます。
好きなのに言えない、片思いの切なさが伝わってきました。
山田が田村に酷いことされてると知ったら、井上はどんなに辛いだろう…
でも当の山田が田村を好きなんだから、井上に口をはさむ権利はない。
三角関係素敵!
予想外の展開やふせんを楽しむには前情報なくよむことをお勧めしますが、書いちゃいます。
リバになったときの感動は一入(ひとしお)です。
強烈な印象に残るシーン、言葉がいくつもあった。
窮鼠~で今ヶ瀬が言っていたように、恭一は流されているだけのようで本人なりの誠意がある。
それが発揮されたところを見た。
決意した後の冷たい!と思わせるほどの切り替えの早さ。
人当たりを気にしていた人が自分の感情の赴くまま、動く姿は男のかっこよさ・潔さがありました。
一皮むけたなぁ。
基本的に中立の立場で読むんだけど、どうもこの作品ではうまくいかなくて今が瀬の恋が報われてほしいと願うように読んでいた。
今が瀬よりの考え方になっていて、所々恭一の言葉や本音にハッとすることがあった。
マイノリティの恋は辛いとばかり思っていて、恭一を思いやれていなかった。
ノンケがゲイに割り切れない感情を持っていることの苦悩を考えもしなかった。
「自分はノンケだからゲイの男のように今が瀬を愛してやることができない」と考えて冷めるシーンが恭一の人となりをよく表していた。まじめで心から人を愛したことがない。
傍から見れば、恋心は本物なのに自分の心を疑って、人の愛情と自分の愛情を比べるなんて無意味でしょう。
あなたの気持ちが彼にとってのすべてなのに。
恭一の露悪的な言い方に傷ついた。けど対面を気にする人がそんなことを言うということに意味がある。
本当にひとつひとつのシーンを語りたいくらい濃い。
30過ぎても恋を知らなかった八方美人と、愛されなくても愛せるなら幸せ・・・健気な粘着男の葛藤多き、同性間恋愛話です。
女性も生々しくてよろしかったです。
私はたまきを気味が悪いと思ってた。
かわいくて健気で粘り強い理想のような女性だけど引き際を知らない。
嫌っちゃいけないのに好きになれないそんな感じ。
最後のほうでやっと理解できそうだったけど、私はやっぱりあの物分りのよさが苦手。
どっかでこの人ら暮らしてそうだなぁと思わせるほど登場人物がリアルです。
あとがきによると、読者さんから自分の恋愛に置き換えて感動したと反響があったそうで
そういう層も引き込まれたということは既存のBLとは少し違うのかもなぁと思いました。
本仁さんの本を読むのは、ヴィスコンティの作品を見たり、三島の小説を読むのと同じ感覚だ。
憧れの世界観を理解したいと少し背伸びをして挑む。
私にとって、耽美は萌えの対象ではありません。BLとは別のものとして処理しています。
(評価では萌を選んでいますが4つ星くらいのニュアンスです。)
この本は構成が面白いです。
1話目『ヴィスコンティの映画のように』、2話目『ロマンティック』3話目『浄められた夜』は 作中の宝条が書いた作品を漫画にしたようで、1話の中で引用されます。
つまり、初見では1話のセリフを全部理解することはできません。
2話、3話と読んでいくうちに1話で三須の言っていたことが分かるようになります。
この感覚が癖になります。曲者だ本仁戻・・・
ともじさんもおっしゃるように耽美の王道です。
耽美がお好きなら粗筋を読まずに買っても大丈夫だと思います。
気持ちいいくらいナルシストな男前と人と衝突するのが嫌いなお人よしゲイの話。
最初の印象は最悪なんだけど、ナルシストの意外に繊細さや優しさ、臆病さに触れるたび主人公は惹かれていく。
ナルシストはノンケだけど、自分の性格が災いしてこれまで友人も恋人もいなかったので、仲良くなれた主人公に心を許す。
ある日、主人公は突発的に自分の思いを告げてしまう。
断られるかと思いきや、山田は同情のような友情のような、とにかく藤中と縁を切りたくないという気持ちからお試しのお付き合いが始まる。
付き合い始めるとナルシストは今まで以上に優しい。
しかし身体の関係は進まず、主人公は少し不満を持つ。
ナルシストは相手が同性だからという問題ではなく、セックス自体がムリだと気付く。
このことが徐々に二人の間に溝を生み始める。
最初、こんな強烈なナルシストとどうやって恋愛するんだ?と思ったけれど、主人公と仲良くなるうちに内面が見えてきて可愛いらしいじゃないか!
読みやすい文でデビュー作だとは驚きです。
王道系ですが、攻めがセックスしたがらないあたりが珍しいような気がします。