仲が良かった後輩の婚約を知り、数年ぶりに先輩が姿を見せる――。
高校時代、突然目の前から消えた先輩がなぜ今現れたのか。
一カ月の間に自分の気持ちの整理を付けようとした先輩の心情がじわじわと読み手に伝わる仕草や表情がしっかりと描かれています。
ああしたい、こうしたい。だけど出来ない、しちゃいけない。
先輩の勝手っぷりの可否は人それぞれですが・・・受け取り方次第ですね。
絵柄の綺麗さ・可愛らしさも勿論素敵ですが、キャラクターの心情を感じ取れる描写や表情は読んでいて感情移入しやすいです。
また、婚約者の女性も好感がもてる立ち位置です。
ただのちょい役ではなく、引っ掻き回すでもないので女性キャラクターが登場すると言っても私は全く抵抗がありませんでした。
すれ違って、このまま終わってしまう。
それで良いのか、良いのか!
と、思わせてくれる作品でした。
※最後はちゃんと思いを伝えますので、悲しいままでは終わりません。
また、最後の方に先輩視点のショートストーリーが掲載されています。
後輩の優しさと言うか包容力が滲み出ています。