忙しい両親にかわって弟の世話をする智一と犬神たちとのお話です。
ある日、弟と山へ遊びに行った智一は小さな穴を見つけます(実際に見つけたのは悟ですけどね)。穴の中からは音がきこえてきて、持参したコーラや水筒のお茶を穴の中に入れていると足場が崩れて穴の中に落ちてしまい、犬神たちと出会います。
穴の中にはたくさんの犬がいて、先ほど穴の中に流した液体で汚れた部分を掃除しろと言ってきます。弟が大事な智一は何でもすると言い、毎日掃除をします。昼は掃除、夜は犬神のサギリとヤマツミに身体を弄ばれる智一。犬の姿で襲われる恐怖に子供の頃に出ていた強迫性の蕁麻疹が発生します。犬が怖いと告げた智一に犬神は「この姿ならいいだろう」と人の姿になります。この時点ではまだ挿入まで至らないのでとても平和です。最初は頑なに嫌がっていた智一もしばらくすると打ち解けてきて、夜の行為も無理やりではなくなります。
犬神たちも人間を嫌っているのですが、智一は特別と言い食べ物を分けてくれたり、優しくしてくれます。
その後、掃除もあと1日で終わるという時、オオヤマツミというサギリ達よりも力を持った神様が穴の中にやってきます。
人間が大嫌いのオオヤマツミに人間がいることを知られた二人は自分たち保身を考えることなく、智一と悟庇い2人を地上に戻します。
その後、無事に地上に戻った智一と悟は山の不法投棄を市役所の人や周りの人と片付け、今後少しでも不法投棄をする人が減るようにと小さな鳥居を作ります。その鳥居がきっかけとなりまたサギリとヤマツミと再会します。
そしてこの再会した後が結構えげつないです。
オオヤマツミの罰でサギリは人の姿になることばできず、犬の姿のまま智一と契ります。二輪刺し、3P、獣姦と地雷の人はかなりの地雷なのではないかと。
普段どれも美味しくいただくのですが、最後の犬+人間×人間にはなぜか萌を見出すことはできませんでした....。途中まで良かっただけに残念です。
表紙買いされた方は読んだ時にギャップに驚くのではないかと思います。
大好きなファンタジー物で挿絵が絵歩さんとあって楽しめました!
橋本先生はデビュー作が結構好きで作家買いしている一人です。
ファンタジーは設定にのめり込めるかで楽しめる度が違ってくると思うのですが、このお話は前半に設定(剣と鞘、公子と晶玉の事など)の説明がドカーンと入ってくるので理解するのに少し時間がかかりました。登場人物も一気に増えたので、この人はどこの誰なのかと言うのを把握するのも大変でした。しかし後半からはキャラの立ち位置や関係なども頭に入ってきて楽しむことが出来ました!
最初は玲の事を道具としてしか見ていなかった刹那ですが玲の真っ直ぐな性格にふれ、次第に距離が近付いていきます。ゆっくり進む2人の関係が微笑ましいです。
色々と事件が起こったりするので飽きることなく読むことが出来ました!
個人的にはもう少しいちゃいちゃが読みたかったですが、読了感はすっきりしてます。
あらすじは皆様が上手に書かれているので読んだ感想を。
攻めの李煌の口では嫌いと言いながらも短冊に慧の幸せを願う事を書いたり、マフィアの跡継ぎにさせないように身代わりになったりして慧を大切にしているところにとても惹かれます。このツンツン具合が絶妙で、こんな攻め探してた!という攻めに出会えました。
受けの慧もたびたひ香港を訪れては李煌を探す健気で一途なところが良いです。
視点がころころ変わる進め方は苦手だったのですがこの本は上手く書かれていて苦手意識が出ませんでした。逆に相手のことをどう思っているのかが知れてどちらにも感情移入できます。
そして萌えの山場、李煌が慧と兄が寝てると勘違いして無理やりする場面は奈良さんの挿絵の効果もあってとても扇情的。嫉妬で理性が押さえられなくて余裕のない行動がいい!翻弄される慧も可愛いです。
いいマフィアものに出会えました。次回作も期待。